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盗賊フラッシュ!娘の危機は父の危機!駆けつけろよ、高岩!
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二人の女性は暫くの間は睨み合っていたのだが、お互いの好きな人間の戦いが増していく中で、睨み合うのをやめ、声援や金貨投げを行なっていく。
ラクタは金貨を投げられる度にその力が増していくものの、高岩も負けてはいない。大好きな娘の声援で、彼のバリアはより一層強くなっていく。
ただの声援だというのに、ここまで強くなれるものだろうか。いいや、ない。
ラクタにとって自分の力を強くするというのは“金貨”なのである。
だが、高岩にはラクタにはない強みともいえる感情があった。
そもそも、最初、高岩がこの転生の前に土下座をしていたのは父親としての義務からである。
(おれが土下座をしたのは家族。とりわけ、愛する息子と娘を守るためなんだ。ラクタにはそんな感情はないはずだ)
高岩にはそんな確信があった。ブラックブロックを破る術はそこにあるのかもしれない。
高岩はバリアを取り払い、その衝撃でラクタを吹き飛ばすと、大きな声で叫ぶ。
「カモーン!ナイフハンド!ナイフ発射ッ!」
そのままラクタに向かってナイフが発射されていく。
ラクタはそのナイフを光の剣で吹き飛ばし、頬を紅潮させながら、高岩へと向かっていく。
「よしッ!今がチャンスだッ!カモーン!借り物ハンド!お前のその剣を借りらせてもらうぞ!」
するとどうだろう。ラクタの光の剣が高岩の手に渡ったではないか。
「き、貴様!おれの剣を!」
「悪いが、この剣はおれが少しの間、借りる事にするぞ!大丈夫だ!必ず返すから!」
勿論、これは社交辞令。高岩が返すつもりなどない事は殆どの人がご存知の事だろう。
ラクタは歯を軋ませながらも、そこに怯みはしない。
彼は大きく手を掲げると、再び光の剣を握り締め、高岩へと挑み掛かっていく。
光の剣と光の剣とがぶつかり合う。当初こそ、激しい打ち合いが続くかと思われたのだが、本来は騎士であるラクタと剣の訓練を受けていない高岩では差が大きかったのもあるだろう。
高岩の持っていた剣は弾き飛ばされ、地面の上を転がっていく。
「お、お父さん!」
菜穂子は慌てて駆け寄ろうとしたが、ラクタはそんな菜穂子に光の剣の剣先を突き付けながら言った。
「何をする気なのかな?」
「き、決まってるでしょ!お父さんを助けるのよ!」
「ハッ、無駄無駄、それよりも、キミ、可愛いし、おれと付き合わないか?ブイブイ言わせてやるぜ」
「ふざけないでよ!お父さんを虐める奴とデートするなんて死んでもごめんだよ!!」
菜穂子の挑発に気を悪くしたのか、ラクタはあからさまに不機嫌な声で告げた。
「そうかッ!じゃあ、死ぬんだな!」
ラクタは光の剣を突き付けて菜穂子の元へと向かったが、菜穂子は今世では公爵令嬢兼冒険者として訓練を受けた身である。引きこもりだった前世とは異なり、今ではそれなりの剣術の心得はあった。
「ざけんな!この金を動かさないと動かない遊園地のパンダの乗り物野郎!」
そう叫んで、剣を振るって、ラクタを光の剣ごと追い返す。
ラクタの足元が大きくふらつき、そのまま背後へと下がっていく。
ラクタは金貨を投げられる度にその力が増していくものの、高岩も負けてはいない。大好きな娘の声援で、彼のバリアはより一層強くなっていく。
ただの声援だというのに、ここまで強くなれるものだろうか。いいや、ない。
ラクタにとって自分の力を強くするというのは“金貨”なのである。
だが、高岩にはラクタにはない強みともいえる感情があった。
そもそも、最初、高岩がこの転生の前に土下座をしていたのは父親としての義務からである。
(おれが土下座をしたのは家族。とりわけ、愛する息子と娘を守るためなんだ。ラクタにはそんな感情はないはずだ)
高岩にはそんな確信があった。ブラックブロックを破る術はそこにあるのかもしれない。
高岩はバリアを取り払い、その衝撃でラクタを吹き飛ばすと、大きな声で叫ぶ。
「カモーン!ナイフハンド!ナイフ発射ッ!」
そのままラクタに向かってナイフが発射されていく。
ラクタはそのナイフを光の剣で吹き飛ばし、頬を紅潮させながら、高岩へと向かっていく。
「よしッ!今がチャンスだッ!カモーン!借り物ハンド!お前のその剣を借りらせてもらうぞ!」
するとどうだろう。ラクタの光の剣が高岩の手に渡ったではないか。
「き、貴様!おれの剣を!」
「悪いが、この剣はおれが少しの間、借りる事にするぞ!大丈夫だ!必ず返すから!」
勿論、これは社交辞令。高岩が返すつもりなどない事は殆どの人がご存知の事だろう。
ラクタは歯を軋ませながらも、そこに怯みはしない。
彼は大きく手を掲げると、再び光の剣を握り締め、高岩へと挑み掛かっていく。
光の剣と光の剣とがぶつかり合う。当初こそ、激しい打ち合いが続くかと思われたのだが、本来は騎士であるラクタと剣の訓練を受けていない高岩では差が大きかったのもあるだろう。
高岩の持っていた剣は弾き飛ばされ、地面の上を転がっていく。
「お、お父さん!」
菜穂子は慌てて駆け寄ろうとしたが、ラクタはそんな菜穂子に光の剣の剣先を突き付けながら言った。
「何をする気なのかな?」
「き、決まってるでしょ!お父さんを助けるのよ!」
「ハッ、無駄無駄、それよりも、キミ、可愛いし、おれと付き合わないか?ブイブイ言わせてやるぜ」
「ふざけないでよ!お父さんを虐める奴とデートするなんて死んでもごめんだよ!!」
菜穂子の挑発に気を悪くしたのか、ラクタはあからさまに不機嫌な声で告げた。
「そうかッ!じゃあ、死ぬんだな!」
ラクタは光の剣を突き付けて菜穂子の元へと向かったが、菜穂子は今世では公爵令嬢兼冒険者として訓練を受けた身である。引きこもりだった前世とは異なり、今ではそれなりの剣術の心得はあった。
「ざけんな!この金を動かさないと動かない遊園地のパンダの乗り物野郎!」
そう叫んで、剣を振るって、ラクタを光の剣ごと追い返す。
ラクタの足元が大きくふらつき、そのまま背後へと下がっていく。
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