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第二部『箱舟』
ある婦人の場合
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最上志恩は考えていた。彼は何もない部屋の中でただ一人それまでの人生を振り返っていたのだ。誘拐された当初は怖かったのだが、今ではすっかりと慣れてしまった。
志恩が与えられた一室の中にある学習机で勉強を行なっていると、扉をノックする音が聞こえたので慌てて振り向く。すると、そこには優しそうな笑顔を浮かべた中年の婦人が立っていた。
婦人の両手にはクッキーと紅茶の載ったお盆があった。
彼女はニコニコとしたにこやかな笑顔を浮かべながら子供用の学習机の上にお菓子を置く。
「英智ちゃん。お菓子とお茶ここに置いておくからね。頑張って勉強するのよ」
「う、うん」
英智というのはこの婦人の死んでしまった息子の名前である。ここに連れられてきた当初は志恩は人質としての役割を担っていたのだ。
だが、ここで支部長の予想を裏切る出来事が起こってしまったのだ。それは自身の妻が死んでしまった息子の英智と志恩とを同一してしまった事である。
当初支部長ことジョージは妻の間違いを正そうとしたのだが、彼の妻は何度言われても志恩と死んでしまった自分の息子を同一視してしまい信じて疑わなかったのだ。本当の事を言えば泣き叫んで否定する。これではどうしようもない。
やむを得ずにジョージは志恩をかつて自身が死亡した英智だと思って面倒を見る事にしたのである。
脅されはしたが、それ以上に志恩が見知らぬ少年の真似をしていたのは婦人があまりにも哀れであったからである。
どうやら箱舟会に入信してしまった理由も英智の死に耐え切れなかった事が原因であったらしい。
現在支部長の妻として周りから良い待遇を受けている事などを受け、彼女は一見すれば一昔前の中流階級のアメリカの婦人のようである。
そんな彼女の得意な菓子はクッキーである。白と黒のストライプ柄のクッキー。そして可愛らしい顔を浮かべた人形型のクッキーが彼女の得意料理であった。
「英智ちゃん。頭いいもんね。きっと次のテストも満点に違いないわ」
「あ、ありがとう」
志恩はそうして用意された子供用の学習机で勉強を行う。箱舟会においては子供の信徒にも一応学校施設は用意されており、箱舟小学校やら箱舟中学校と呼ばれる学校に通う事が義務付けられている。
授業としてそこで教えるのは教祖への忠誠を誓う異様な道徳授業や聖書への極端な解釈を行った授業を除けば教えられるのはアメリカの学校で教えられる基礎教科を教えられている。
教祖ウォルターは真っ向から国の教育方針に反対している事になるのだが、彼はそれが問題になるたびに教団の顧問弁護士の力を借りて跳ね除けてきていた。
志恩はそんな日本の教育とは少しかけ離れた勉学を行なっていると、扉を強く叩く音が聞こえた。一度ノックの音が聞こえた際に志恩は思わず身をたじろがせたが、ノックの音はやむ気配を見せない。
あまりのしつこく音に苛立ったのか、先程の婦人が不機嫌そうに足を踏み鳴らしながら玄関に向かう。
彼女は大方近所の人間か、食料品雑貨店という名の食料配給センターからの人間だとでも思っていたのだろう。鬱陶しそうな顔を浮かべながら玄関の扉を開いたのだ。
すると、そこには見知らぬ四人の男女が立っていた。
「な、なんです!?あなたたちは!?」
「ここに男の子がいるだろ?オレはその子の兄だッ!確認させてもらうぞ!」
見知らぬ青年が物凄い剣幕を浮かべて婦人へと迫っていく。
「ま、待って、そんな乱暴な……」
「火付盗賊改である!大人しくせよッ!なんつって」
そう叫んだのは艶のある黒くて長い髪を垂らした若い女性であった。彼女は一応は笑っているらしかったのだが、目は激しく婦人を睨んでいた。
「貴様は火付盗賊改になったつもりなのか?フン、とんだ親分がいたもんだ」
背後にいた大人しそうな外見をした少女が無愛想に先程の少女に向かって言った。
「お前たち、ふざけている場合か……支部長もとい町長の家はここで合っているな?ここに我々の大切な少年が捕まっているとの話を聞いた。悪いが通らせてもらうぞ」
赤いジャケットを羽織った成人女性はそれだけ言うと、婦人を乱暴に突き飛ばし、家の中に上がっていく。
それからはめちゃくちゃであった。婦人の大切な家は得体の知れない四人の男女によってめちゃくちゃに荒らされてしまった。そして、あろう事かこの四人の男女は自分の大切な息子を連れ去ろうとしているではないか。
婦人はまだ家を荒らされた事だけについては我慢できたのだが、大切な息子を奪われそうになった時にとうとう彼女の堪忍袋の尾が切れた。馴れ馴れしく自分の大切な息子に手を触れた若い男の頬に向かって婦人は強烈な一撃を喰らわせたのであった。
「やめろッ!英智を離せッ!」
「いってぇな、何すんだよ!」
若い男は頬を摩りながら婦人に抗議した。
「何をするのはこっちの台詞だッ!うちの大切な息子を何処へ連れ去る気だい!?」
「大切な息子だぁ?お前何言ってんだ。ババア?」
長い髪の女が柄の悪い声で尋ねる。
「英智をどうするつもりかって聞いてるんだよ!私の大切な息子をーー」
「大切な息子?何を言っている?こいつはーー」
志恩は口を尖らせて抗議の言葉を続けようとする姉を静止させ、姉の他に婦人が可哀想な境遇にある事を語っていく。
真紀子はそれを聞くと、ヘラヘラとした陰湿な笑みを浮かべていたのだが、他の三人が睨んだ事によって真紀子の嘲りは中断してしまう。
それを機と捉えたのか、婦人は志恩の手を強引に引くと言った。
「英智、部屋へ行きなさい。お母さんはこの人たちと話し合いがあるからね」
「おいおい、クソババァ何をほざきやがる。何が『お母さん』だ。寝言は寝てからほざきやがれ」
「何を言うんだいッ!私はこの子の母親なんだよッ!英智は私がちゃんとお腹をーー」
「お腹?お腹だとほざきやがったなッ!こいつッ!なぁ、志恩。言ってやれよ、お前は『最上志恩』だとな」
「だ、誰なの!その子はッ!あたしはそんな子知らないわよッ!この子は英智なの……私の最愛の息子のーー」
「ハッ、馬鹿か?この子は志恩だよ。あたしが直々に面倒を見てたぬいぐるみみたいに愛らしい弟……テメェなんかには想像もできないだろうけどな」
「う、嘘だッ!お前なんかに何がわかる……お前なんかに何が……」
「あたしはこの子のおしめを替えてたんだぜ、それだけじゃあねぇ料理作って洗濯もして、遊び相手までしてやったんだ。鳥取の大きな家で二人っきりでな……お前にわかるか?クソババァ」
「うるさい!この子は英智なんだッ!お前がなんと言おうとーー」
「好きなだけほざいてな、クソババァ。あたしらはそろそろ志恩を連れてお暇するからよぉ」
「だ、黙れ!誘拐犯めッ!」
「誘拐犯じゃねぇよ、ちゃんとあんたの教祖様から許可も貰ってる」
『教祖から許可をもらった』という一言は婦人に大きなショックを与えたらしい。彼女は慟哭して床の上に突っ伏して泣いていく。この場に居合わせた五人のうち四人は婦人を哀れな目で見つめていたが、真紀子だけは変わらなかった。
彼女は意地の悪い笑顔を浮かべて言った。
「そうだ。あんたの旦那だけどな、今日死んだよ。そろそろ職員がなんか持ってくると思うぜ、そうだ。どんな死に方で死んだか教えてやろうか?鋭利な短刀で心臓をーー」
真紀子は最後まで言い切る事はなかった。というのも、その前に真紀子の頬に平手打ちが彼女の言葉を遮ったからである。
平手打ちを放ったのは貝塚友紀であった。彼女は眉間に青筋を立てながら真紀子の胸ぐらを掴み上げて叫んだ。
「貴様ッ!やり過ぎだッ!あそこまで追い詰める事はなかっただろうッ!」
友紀は狂った様に泣き喚く婦人を指して叫んだが、真紀子は悪びれる事なく言い返した。
「フン、あたしの大切な弟を監禁したんだぞ、あれくらいの報いはあって当然だろ?」
「貴様ッ!」
友紀は激昂して胸ぐらを掴み上げたが、秀明がそれを静止させた。
「放っておけ、こいつには何を言っても無駄だ」
「へっ、流石バカ兄貴、あたしの事をよ~くわかっていらっしゃる」
真紀子は皮肉混じりに賛辞の言葉を述べたが、秀明は意に返す事なく先に弟を連れて出口へと向かっていく。
真紀子は続いて出て行ったが、友紀はその背中を睨み続けていた。
志恩が与えられた一室の中にある学習机で勉強を行なっていると、扉をノックする音が聞こえたので慌てて振り向く。すると、そこには優しそうな笑顔を浮かべた中年の婦人が立っていた。
婦人の両手にはクッキーと紅茶の載ったお盆があった。
彼女はニコニコとしたにこやかな笑顔を浮かべながら子供用の学習机の上にお菓子を置く。
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「う、うん」
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どうやら箱舟会に入信してしまった理由も英智の死に耐え切れなかった事が原因であったらしい。
現在支部長の妻として周りから良い待遇を受けている事などを受け、彼女は一見すれば一昔前の中流階級のアメリカの婦人のようである。
そんな彼女の得意な菓子はクッキーである。白と黒のストライプ柄のクッキー。そして可愛らしい顔を浮かべた人形型のクッキーが彼女の得意料理であった。
「英智ちゃん。頭いいもんね。きっと次のテストも満点に違いないわ」
「あ、ありがとう」
志恩はそうして用意された子供用の学習机で勉強を行う。箱舟会においては子供の信徒にも一応学校施設は用意されており、箱舟小学校やら箱舟中学校と呼ばれる学校に通う事が義務付けられている。
授業としてそこで教えるのは教祖への忠誠を誓う異様な道徳授業や聖書への極端な解釈を行った授業を除けば教えられるのはアメリカの学校で教えられる基礎教科を教えられている。
教祖ウォルターは真っ向から国の教育方針に反対している事になるのだが、彼はそれが問題になるたびに教団の顧問弁護士の力を借りて跳ね除けてきていた。
志恩はそんな日本の教育とは少しかけ離れた勉学を行なっていると、扉を強く叩く音が聞こえた。一度ノックの音が聞こえた際に志恩は思わず身をたじろがせたが、ノックの音はやむ気配を見せない。
あまりのしつこく音に苛立ったのか、先程の婦人が不機嫌そうに足を踏み鳴らしながら玄関に向かう。
彼女は大方近所の人間か、食料品雑貨店という名の食料配給センターからの人間だとでも思っていたのだろう。鬱陶しそうな顔を浮かべながら玄関の扉を開いたのだ。
すると、そこには見知らぬ四人の男女が立っていた。
「な、なんです!?あなたたちは!?」
「ここに男の子がいるだろ?オレはその子の兄だッ!確認させてもらうぞ!」
見知らぬ青年が物凄い剣幕を浮かべて婦人へと迫っていく。
「ま、待って、そんな乱暴な……」
「火付盗賊改である!大人しくせよッ!なんつって」
そう叫んだのは艶のある黒くて長い髪を垂らした若い女性であった。彼女は一応は笑っているらしかったのだが、目は激しく婦人を睨んでいた。
「貴様は火付盗賊改になったつもりなのか?フン、とんだ親分がいたもんだ」
背後にいた大人しそうな外見をした少女が無愛想に先程の少女に向かって言った。
「お前たち、ふざけている場合か……支部長もとい町長の家はここで合っているな?ここに我々の大切な少年が捕まっているとの話を聞いた。悪いが通らせてもらうぞ」
赤いジャケットを羽織った成人女性はそれだけ言うと、婦人を乱暴に突き飛ばし、家の中に上がっていく。
それからはめちゃくちゃであった。婦人の大切な家は得体の知れない四人の男女によってめちゃくちゃに荒らされてしまった。そして、あろう事かこの四人の男女は自分の大切な息子を連れ去ろうとしているではないか。
婦人はまだ家を荒らされた事だけについては我慢できたのだが、大切な息子を奪われそうになった時にとうとう彼女の堪忍袋の尾が切れた。馴れ馴れしく自分の大切な息子に手を触れた若い男の頬に向かって婦人は強烈な一撃を喰らわせたのであった。
「やめろッ!英智を離せッ!」
「いってぇな、何すんだよ!」
若い男は頬を摩りながら婦人に抗議した。
「何をするのはこっちの台詞だッ!うちの大切な息子を何処へ連れ去る気だい!?」
「大切な息子だぁ?お前何言ってんだ。ババア?」
長い髪の女が柄の悪い声で尋ねる。
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「大切な息子?何を言っている?こいつはーー」
志恩は口を尖らせて抗議の言葉を続けようとする姉を静止させ、姉の他に婦人が可哀想な境遇にある事を語っていく。
真紀子はそれを聞くと、ヘラヘラとした陰湿な笑みを浮かべていたのだが、他の三人が睨んだ事によって真紀子の嘲りは中断してしまう。
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「何を言うんだいッ!私はこの子の母親なんだよッ!英智は私がちゃんとお腹をーー」
「お腹?お腹だとほざきやがったなッ!こいつッ!なぁ、志恩。言ってやれよ、お前は『最上志恩』だとな」
「だ、誰なの!その子はッ!あたしはそんな子知らないわよッ!この子は英智なの……私の最愛の息子のーー」
「ハッ、馬鹿か?この子は志恩だよ。あたしが直々に面倒を見てたぬいぐるみみたいに愛らしい弟……テメェなんかには想像もできないだろうけどな」
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「あたしはこの子のおしめを替えてたんだぜ、それだけじゃあねぇ料理作って洗濯もして、遊び相手までしてやったんだ。鳥取の大きな家で二人っきりでな……お前にわかるか?クソババァ」
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「だ、黙れ!誘拐犯めッ!」
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「そうだ。あんたの旦那だけどな、今日死んだよ。そろそろ職員がなんか持ってくると思うぜ、そうだ。どんな死に方で死んだか教えてやろうか?鋭利な短刀で心臓をーー」
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「貴様ッ!やり過ぎだッ!あそこまで追い詰める事はなかっただろうッ!」
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「放っておけ、こいつには何を言っても無駄だ」
「へっ、流石バカ兄貴、あたしの事をよ~くわかっていらっしゃる」
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