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祖父と孫と
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老人は突然現れたシャルロッテをサッと眺め終えると、後は特になにをいう事もなく、そのまま背を向けて外を見つめていく。老人が黙りこくってしまい、その後はシャルロッテも特段言うべきこともなかったので、部屋全体に重苦しい空気が漂ってしまう。
それに耐えきれなくなったのかシャルロッテは無意識のうちにその老人の顔を見上げた。
すると、その老人の顔色が悪くなってしまっている事に気がつく。表向きは平素を装っているものの、その顔色は病人の様に蒼白く、この老人が気を緩ませればすぐにでも倒れてしまうに違いない。
恐らく、老人は何日間も食事を摂っておらず栄養も行き渡っていないのだろう。
シャルロッテはそう考え、不憫に思ったのか老人が手を付けていない食事を指差し、指摘したのだが老人はそれに見向きもしない。相変わらず外の景色を眺めているばかりである。
やむを得ずにその小さな両手でお盆に載った食事を抱えて、老人の元へと持っていくのだが老人は小さな声で「いらぬ」と一言だけ告げて、再び窓の外を見入っていく。
「どうして?」
不思議に思ったシャルロッテは幼子の無垢な両目で上目遣いに見つめながら尋ねる。
それに対し老人は機嫌が悪かったのか、老人は窓の外に映る景色を見つめながら氷の様に低い声で答えた。
「その食べ物の中に毒が入ってあるからだ。嘘だと思うなら試してみるがよい」
そう告げられれば無理強いをする事もできない。
これ以上、老人の邪魔をしない方がいいだろう。シャルロッテは先程、開けた穴から自分の部屋へと戻っていく。
シャルロッテは開いた穴を通って、開いた破片を戻し、三時の茶と菓子を持って現れた自身の世話係のメイドに対して平静を装ったのであった。
メイドが去った後にもう一度壊れた箇所を見つめてみると、その箇所は自分自身の衝撃のために壊れてしまい、両隣の部屋と繋がったのではない事がわかった。
大方、この城が建築された際にそういった造りにした人間が居たのだろう。
シャルロッテは自身をそう納得させる事にした。
城に関する文献を調べれば詳しい事がわかるのだろうが、城についての事など知らず、どの文献を調べればよいのかわからぬシャルロッテは誰がその様な設定を施したのかなどは知る由もなかった。
部屋の仕組みについての興味を失ったシャルロッテがその日の晩に部屋の中で一人、夕食を食べながら考えていたのはあの老人についての事である。
あの老人は食べ物に毒が入っていて食べられないと言っていた。
そんな事を考えながら自分に与えられた食事に目をやっていく。
すると、机の上には栄養の価値が高い美味しそうな食事が食べ切れない程に並んでいるではないか。
あれ程までに弱っている老人は食事が摂れず、懐柔目的とはいえ既に十分な量の栄養をもらっている自分は毎食、食べ切れない程の食事が出る。
世の中は理不尽だ。そう思ったシャルロッテは壁を開けて、老人の部屋に自身の食事を渡しに向かう。
それに対し、言葉を失ったのは老人の方。このまま毒殺を恐れて飢えて死ぬのを待ち侘びる身であった自分に対してまさか隣の部屋に閉じ込められている子供が仕組みを看破し、微かに湧いた情けのために食事を持ってくるなどという奇跡に近い事が起こったからだ。
老人はその食事を恐る恐る口に運ぶと、その美味さに思わずスプーンを落としてしまう。
「よもや、ただのスープがここまで美味しいとはな……すまぬな、名の知らぬ童よ、礼を言うぞ」
シャルロッテは老人からの感謝の言葉を聞くと、彼女自身が持つ愛らしく人懐っこい可愛らしい笑みを見せて言葉の代わりに老人に返答を行う。
だが、老人はその笑みに釣られて笑うまではいかない。
礼を言って、童女に借りは返したと思ったのだろう。またしても微動だにする事なく、椅子に座って窓の外を眺め続けていたのだった。
何かを察したのかシャルロッテは老人にそのまま頭を下げると、そのまま自身の捕らえられている部屋へと戻っていく。
翌日の朝も隣の部屋にいる老人の元に自身の元に届けられた余った食事を持っていこうとしたのだが、隣から会話する音が聞こえたので、慌てて耳を壁に引っ付けて、その会話に耳を澄ませていくのだった。
「ヘンリー様、いい加減に意地を張らずに食事をお召し上がりになられてはいかがですか」
「要らぬと言うておろう。その食事もとっとと下げるのじゃ!」
ヘンリーは食事の載ったお盆の回収に現れたアイリスには目すら合わせずに窓の外を眺めながら言った。
「幾ら、陛下のお父様とはいえ、少々無礼なのではありませぬか!」
と、ここでアイリスと共に配膳の任にあたっている男が激昂した様子で口を挟む。
「無礼なのはどちらじゃ」
ヘンリーは国王を務めていた時と同じように、威厳に満ちた態度と声で反論したのだが今回の配膳の任にあたっている男に効果はなかったらしい。彼は勇気を振り絞り、横暴な国王へと果敢にも立ち向かっていくのであった。
「私はいや、我々は知っているのです!あなた様が裏でカンタベルト公爵家に指示を出し、王后陛下を虐めるように指示を出していた事を。そのせいで、王后陛下は大いに傷付けられたのです!その苦しみがあなたにおわかりか!?」
「わからぬと言ったらどうするつもりじゃ?よもや、わしの首を胴と泣き別れでもさせるつもりか?小童が何を抜かす」
「……ッ!よくも抜け抜けと」
男が腰に下げていた剣を抜こうと試みた時だ。それを慌ててアイリスが静止させたのだった。
「ヘンリー様、ご無礼をお許しくださいませ」
「ふん、謝るくらいならば、最初から其奴のような者を連れて来ない事じゃな。今度から気を付けておけ」
アイリスは内心は不本意であったのだろうが、この場で事を荒立てるわけにはいかぬと思ったのか、一応は謝罪の言葉を口に出し、ヘンリーに今日の分の食事を出して、部屋から出ていく。
向こうの部屋から扉を閉める音が聞こえるのと同時に、シャルロッテは隠し通路を開き、毒の入っていない食事が載ったお盆を持って現れたのだった。
そして、そのまま何も言わずに老人。いや先程の女性の話によれば、ヘンリーという名前をした男に盆を差し出す。
だが、老人は盆を一瞥した後に、手を振って受け取る事を拒否した。
「今朝は食いたくない。不愉快な思いをしたのでな。もし今度、来るのならば夕食の席のじゃ。覚えておけ」
シャルロッテはやむを得ずに、一人で朝食の載ったお盆を持って後方に下がり、一人でパンや卵料理。それにサラダなどを頬張っていく。
同じく昼食の時に肉料理を食している時も、隣の老人が気になって仕方なかった。
欲しくもないプレゼントと見たくもないゴシップ誌に囲まれたそんないいとは思えない部屋ではあるが、唯一、おもちゃと敷居となっている壁を退かせば、隣の部屋と行きできる通路できるのはいい事である。
おまけに秘密は欲しがりもしないのに、無理に押し付けられた巨大なクマのぬいぐるみが守ってくれるではないか。
見た目こそ、本来の熊としての脅威など微塵も感じさせず、愛らしさに全力を振られたデフォルトのぬいぐるみであるのだが、今は自分の秘密を守ってくれる頼もしい番人となっており、頼もしい限りである。例えるのならば童話の世界で小さなお姫様の秘密を他の人から守る小さな騎士というところだろうか。
シャルロッテはそんな冗談めいた事を中心に様々な事を懸想しながら老人との交流の時間を過ごすのであった。
このまま暫くはそのような単調な生活が続くかと思ったのだが、変化が訪れたのは老人との交流が始まってから三日後の事であった。
その日、シャルロッテがいつも通り、老人に食事を渡した後に残りの自分の分の朝食を摂っていると、例のメイドが部屋に戻り、真剣な顔で告げたのであった。
「シャルロッテ様、本日は重要なご用件につき、両陛下が夕食を共にしたいという希望を述べられておりますので、本日はご一緒、願います」
シャルロッテは首を縦に振る。
そして、その日の夜にはこの前に与えられた服へと着替えていく。
再び新品のドレスへと身を包んだ彼女は秘密通路を渡り、老人に夕食の事を告げると、再び自室へと戻り、メイドに準備が完了した事を告げて、彼女の後をついて行く。
そして、夕食の席で、下衆な笑みを浮かべた二人がシャルロッテに向かって言った。
「喜べ、近いうちに貴様の母に会えるぞ」
「ええ、我が城に飼っておるクラーケンを使って、アイリーンを……あの悪女を街の広場で処刑するのよね」
「フフ、処刑とは失礼だな。救済処置と言った方がよかろう?なにせ、あの女にはせめてもの情けとして剣を持たせてやるのだからな」
「陛下はお優しいですわね。あのような女でも救済を施すなんて」
「フッフッフ、オレの慈悲は海よりも深いからな。シャルロッテよ。お前の母親が、稀代の悪女が死ぬところをその目に焼き付けておくとよいぞ」
城に潜入された時に恥をかかされたルシアにはもはや、アイリーンを許すなどという感情は一欠片たりとも持ち合わせてはいなかった。
だが、それでも武器を持たせて、怪物と戦わせるという慈悲を行う事にしたのは全て妻であるエリスの発想であり、ルシアはエリスの慈悲にまたしても感銘を受けたのであった。
それに耐えきれなくなったのかシャルロッテは無意識のうちにその老人の顔を見上げた。
すると、その老人の顔色が悪くなってしまっている事に気がつく。表向きは平素を装っているものの、その顔色は病人の様に蒼白く、この老人が気を緩ませればすぐにでも倒れてしまうに違いない。
恐らく、老人は何日間も食事を摂っておらず栄養も行き渡っていないのだろう。
シャルロッテはそう考え、不憫に思ったのか老人が手を付けていない食事を指差し、指摘したのだが老人はそれに見向きもしない。相変わらず外の景色を眺めているばかりである。
やむを得ずにその小さな両手でお盆に載った食事を抱えて、老人の元へと持っていくのだが老人は小さな声で「いらぬ」と一言だけ告げて、再び窓の外を見入っていく。
「どうして?」
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「その食べ物の中に毒が入ってあるからだ。嘘だと思うなら試してみるがよい」
そう告げられれば無理強いをする事もできない。
これ以上、老人の邪魔をしない方がいいだろう。シャルロッテは先程、開けた穴から自分の部屋へと戻っていく。
シャルロッテは開いた穴を通って、開いた破片を戻し、三時の茶と菓子を持って現れた自身の世話係のメイドに対して平静を装ったのであった。
メイドが去った後にもう一度壊れた箇所を見つめてみると、その箇所は自分自身の衝撃のために壊れてしまい、両隣の部屋と繋がったのではない事がわかった。
大方、この城が建築された際にそういった造りにした人間が居たのだろう。
シャルロッテは自身をそう納得させる事にした。
城に関する文献を調べれば詳しい事がわかるのだろうが、城についての事など知らず、どの文献を調べればよいのかわからぬシャルロッテは誰がその様な設定を施したのかなどは知る由もなかった。
部屋の仕組みについての興味を失ったシャルロッテがその日の晩に部屋の中で一人、夕食を食べながら考えていたのはあの老人についての事である。
あの老人は食べ物に毒が入っていて食べられないと言っていた。
そんな事を考えながら自分に与えられた食事に目をやっていく。
すると、机の上には栄養の価値が高い美味しそうな食事が食べ切れない程に並んでいるではないか。
あれ程までに弱っている老人は食事が摂れず、懐柔目的とはいえ既に十分な量の栄養をもらっている自分は毎食、食べ切れない程の食事が出る。
世の中は理不尽だ。そう思ったシャルロッテは壁を開けて、老人の部屋に自身の食事を渡しに向かう。
それに対し、言葉を失ったのは老人の方。このまま毒殺を恐れて飢えて死ぬのを待ち侘びる身であった自分に対してまさか隣の部屋に閉じ込められている子供が仕組みを看破し、微かに湧いた情けのために食事を持ってくるなどという奇跡に近い事が起こったからだ。
老人はその食事を恐る恐る口に運ぶと、その美味さに思わずスプーンを落としてしまう。
「よもや、ただのスープがここまで美味しいとはな……すまぬな、名の知らぬ童よ、礼を言うぞ」
シャルロッテは老人からの感謝の言葉を聞くと、彼女自身が持つ愛らしく人懐っこい可愛らしい笑みを見せて言葉の代わりに老人に返答を行う。
だが、老人はその笑みに釣られて笑うまではいかない。
礼を言って、童女に借りは返したと思ったのだろう。またしても微動だにする事なく、椅子に座って窓の外を眺め続けていたのだった。
何かを察したのかシャルロッテは老人にそのまま頭を下げると、そのまま自身の捕らえられている部屋へと戻っていく。
翌日の朝も隣の部屋にいる老人の元に自身の元に届けられた余った食事を持っていこうとしたのだが、隣から会話する音が聞こえたので、慌てて耳を壁に引っ付けて、その会話に耳を澄ませていくのだった。
「ヘンリー様、いい加減に意地を張らずに食事をお召し上がりになられてはいかがですか」
「要らぬと言うておろう。その食事もとっとと下げるのじゃ!」
ヘンリーは食事の載ったお盆の回収に現れたアイリスには目すら合わせずに窓の外を眺めながら言った。
「幾ら、陛下のお父様とはいえ、少々無礼なのではありませぬか!」
と、ここでアイリスと共に配膳の任にあたっている男が激昂した様子で口を挟む。
「無礼なのはどちらじゃ」
ヘンリーは国王を務めていた時と同じように、威厳に満ちた態度と声で反論したのだが今回の配膳の任にあたっている男に効果はなかったらしい。彼は勇気を振り絞り、横暴な国王へと果敢にも立ち向かっていくのであった。
「私はいや、我々は知っているのです!あなた様が裏でカンタベルト公爵家に指示を出し、王后陛下を虐めるように指示を出していた事を。そのせいで、王后陛下は大いに傷付けられたのです!その苦しみがあなたにおわかりか!?」
「わからぬと言ったらどうするつもりじゃ?よもや、わしの首を胴と泣き別れでもさせるつもりか?小童が何を抜かす」
「……ッ!よくも抜け抜けと」
男が腰に下げていた剣を抜こうと試みた時だ。それを慌ててアイリスが静止させたのだった。
「ヘンリー様、ご無礼をお許しくださいませ」
「ふん、謝るくらいならば、最初から其奴のような者を連れて来ない事じゃな。今度から気を付けておけ」
アイリスは内心は不本意であったのだろうが、この場で事を荒立てるわけにはいかぬと思ったのか、一応は謝罪の言葉を口に出し、ヘンリーに今日の分の食事を出して、部屋から出ていく。
向こうの部屋から扉を閉める音が聞こえるのと同時に、シャルロッテは隠し通路を開き、毒の入っていない食事が載ったお盆を持って現れたのだった。
そして、そのまま何も言わずに老人。いや先程の女性の話によれば、ヘンリーという名前をした男に盆を差し出す。
だが、老人は盆を一瞥した後に、手を振って受け取る事を拒否した。
「今朝は食いたくない。不愉快な思いをしたのでな。もし今度、来るのならば夕食の席のじゃ。覚えておけ」
シャルロッテはやむを得ずに、一人で朝食の載ったお盆を持って後方に下がり、一人でパンや卵料理。それにサラダなどを頬張っていく。
同じく昼食の時に肉料理を食している時も、隣の老人が気になって仕方なかった。
欲しくもないプレゼントと見たくもないゴシップ誌に囲まれたそんないいとは思えない部屋ではあるが、唯一、おもちゃと敷居となっている壁を退かせば、隣の部屋と行きできる通路できるのはいい事である。
おまけに秘密は欲しがりもしないのに、無理に押し付けられた巨大なクマのぬいぐるみが守ってくれるではないか。
見た目こそ、本来の熊としての脅威など微塵も感じさせず、愛らしさに全力を振られたデフォルトのぬいぐるみであるのだが、今は自分の秘密を守ってくれる頼もしい番人となっており、頼もしい限りである。例えるのならば童話の世界で小さなお姫様の秘密を他の人から守る小さな騎士というところだろうか。
シャルロッテはそんな冗談めいた事を中心に様々な事を懸想しながら老人との交流の時間を過ごすのであった。
このまま暫くはそのような単調な生活が続くかと思ったのだが、変化が訪れたのは老人との交流が始まってから三日後の事であった。
その日、シャルロッテがいつも通り、老人に食事を渡した後に残りの自分の分の朝食を摂っていると、例のメイドが部屋に戻り、真剣な顔で告げたのであった。
「シャルロッテ様、本日は重要なご用件につき、両陛下が夕食を共にしたいという希望を述べられておりますので、本日はご一緒、願います」
シャルロッテは首を縦に振る。
そして、その日の夜にはこの前に与えられた服へと着替えていく。
再び新品のドレスへと身を包んだ彼女は秘密通路を渡り、老人に夕食の事を告げると、再び自室へと戻り、メイドに準備が完了した事を告げて、彼女の後をついて行く。
そして、夕食の席で、下衆な笑みを浮かべた二人がシャルロッテに向かって言った。
「喜べ、近いうちに貴様の母に会えるぞ」
「ええ、我が城に飼っておるクラーケンを使って、アイリーンを……あの悪女を街の広場で処刑するのよね」
「フフ、処刑とは失礼だな。救済処置と言った方がよかろう?なにせ、あの女にはせめてもの情けとして剣を持たせてやるのだからな」
「陛下はお優しいですわね。あのような女でも救済を施すなんて」
「フッフッフ、オレの慈悲は海よりも深いからな。シャルロッテよ。お前の母親が、稀代の悪女が死ぬところをその目に焼き付けておくとよいぞ」
城に潜入された時に恥をかかされたルシアにはもはや、アイリーンを許すなどという感情は一欠片たりとも持ち合わせてはいなかった。
だが、それでも武器を持たせて、怪物と戦わせるという慈悲を行う事にしたのは全て妻であるエリスの発想であり、ルシアはエリスの慈悲にまたしても感銘を受けたのであった。
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❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
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