68 / 80
囚われの国王
しおりを挟む
かつての国王、ヘンリー・ソーインツベルは鉄格子の嵌められた窓から城の外に広がる景色を見つめながら感慨に耽っていた。
自分が王位に就いた時は王都に住む人々はみな陰気な顔を浮かべていた。
加えて、往来の通行量も一国の首都とは思えぬほどに小規模なものであった。
精々、数人の人間が陰気な顔を浮かべて、荷車を運んだり、歩いているくらいであったのだ。
そんな人々の顔を変えるため、ヘンリーは王となったのだ。
大規模な改革を行い、隣国を牽制し、国内を平定するという目的のもとに大陸戦争を行って、戦いこれに対して勝利を得る事ができた。
だが、改革と戦争の後に待っていたのは不出来な息子による王位の簒奪と虜囚生活。
少なくとも、王国の他の囚人よりも格段にマシな暮らしをしているのであろうが、やはり部屋に押し込められて、軟禁状態となっているのは辛い。
王家に次ぐカンタベルト家の力を例の婚姻破棄の騒動に乗じて、取り除いたのはいいものの、そのためにエリスというより厄介な人物を王家に招いてしまっていた。
まさか、エリスとそれに唆された愚息が軍事を完全に捨て去るとは思わなかった。
話を聞くところによると、大陸戦争の時よりの相棒であり、今現在帝国との緩衝材となっている前線侯ドナルド・キャビンも王家の招集により、身柄を拘束されて、既にその自由を奪われているという。
「……こうなってしまっては王国もお終いよ。せめて、ここで穏やかな暮らしができたらいいのだが……」
ヘンリーが自身のために用意された心地の良い揺り椅子に深く腰を掛けた時だ。
扉を叩く音が聞こえたので、彼は厳かな声で入室を許可する。
てっきり、いつもの食事の用意をする無愛想な男が現れたのかと思ったのだが、今日は違ったらしい。
そこに立っていたのはキツネのような目が特徴的な白色のドレスを身に纏った少女であった。
少女は深々と頭を下げると、自らの素性を明かしていく。
「私、アイリスと申します。魔法学園では王后陛下のご学友を務めさせていただきましたわ」
「ほぅ、どこぞの平民かと思ったら、よもや貴族であったとはな」
「失礼ですわ。私、これでも子爵令嬢でございましてよ」
「フッ、まぁ、今更そんな事はどうでもよいわ。……それで、どうしていつもの男の代わりに今日は貴様が参ったのか、答えてみせえい」
ヘンリーは意地の悪い口調で尋ねる。
すると、アイリスはクスクスと笑いながら既に虜囚となった元国王に向かって驚愕の事実を告げた。
「私が今日から、ヘンリー様の配膳役に任命されましたの。本日からよろしくお願い致しますわ」
彼女は怪しく笑った。通常の人間ならば大なり小なりとたじろいでしまう程に不気味な微笑であったが、ヘンリーは歴戦の戦死だけはあり、動じる様子を見せようとはしない。
彼はエリスに背を向けて、そのまま関心がないと言わんばかりに無言で窓へと視線を向ける。
だが、窓から外を眺めるヘンリーが考えていたのは街の様子や人々の姿ではなく『毒殺』という単語である。
というのも、このアイリスなる少女には市井の間だけでは毒にまつわる噂で有名なのである。
彼女は子爵家の四姉妹の末の妹であり、本来であるのならば冷遇されて然る身なれども、姉三人の急死によって、今の地位を手に入れたのだという。
姉三人の死因は菓子を食べての食中毒。
市井における毒殺の噂話はここら来ている。そればかりではない。彼女は社交界でも悪い噂で有名であった。
それは毒を用いて多くのライバルを蹴落してきたという噂である。
無論、毒といっても人を直接害するタイプの毒ではない。
人脈、金、噂という直接的な暴力という手段を使わない事によるライバルの蹴落としである。
噂によれば、三流や二流とされる市井のゴシップ誌の記者ともコネクションを持っているという。
これらの噂が全て事実であるのならば、キツネのような目をしていながら、キツネであるのは目ばかりではない。その本性もまたキツネのように狡猾な人間である。
それが、アイリスという女へと世間が下した評価なのである。
思えば、仮にも王太子妃であり、公爵家の令嬢であったアイリーンの転落があんなにも急速に進んだのも、彼女が裏でその手助けをしていたからかもしれない。
無論、これはヘンリー自身による推測でしかないのだが……。
だが、今の彼からすれば、語るに十分であったといえるだろう。
そんな事を考えていると、アイリスが手付かずの料理が盛り付けられた食器が載ったお盆を下げさせ、代わりに茶と茶請けの菓子が載った盆を部屋の前に置くように指示を出していた。
ヘンリーの前に差し出された盆の上に載っていたメニューは紅茶がカップに一杯分。菓子もそれに合わせての一人分というものが載っていた。
それを見た瞬間にヘンリーは盆の上に置かれた食べ物の意図を理解した。そう、毒殺という意図を。
通常であるのならば、紅茶のカップと共にティーポットが差し出されているはずである。
だが、アイリスが差し出した盆の上にはティーポットどころか砂糖すらも置かれていない。
まるで、それだけを飲めと言わんばかりに用意されていたのだ。他のものはこれから死するものには要らんと言わんばかりに。
意図を理解し、心の中で怒りの感情を芽生えさせたヘンリーは用意された紅茶と茶菓子を常に見続けていたが、それらを一切、口にしようとはしなかった。
埒が明かずに引き下がったアイリスが食事を下げにきた部下の男食事の載った料理が載ったお盆を下げるように指示を出した時だ。先程、出した茶と茶菓子がそのままお盆の上に手付かずで残っている事に気が付く。
どうやら、ヘンリーは自身の意図を見抜いたらしい。
(しまったわ。あからさますぎたかしら?……まぁ、いい。明日以降も毒を仕込む機会なら存在するわ。精々、お食事の時間を楽しみになさいな。前国王陛下殿……)
密かに誓いを立てたアイリスは翌日から朝昼晩と共に敢えて毒を仕込んでいないお盆を持って行ったのだが、そのどれもが手付かずで帰ってきていた。
(やはり、ヘンリーには料理の中に毒が入っているのかどうかはわからないのね。ならば、明日は今日とは対照的に全ての盆に毒を入れたやりましょう。ひょっとしたら、今日の残しは様子見で、この調子だと明日も毒を入れないと感じたから、食べなかったのではなくて?私のような卑しい令嬢には毒を入れる勇気もないだろう感じたのかしら?)
自身の推測が正しければ、ヘンリーはその翌日に自身の策にハマって、もがき苦しんだまま、冥界の門をくぐるか、来世への旅へと行く事に違いなかった。
だが、結果は昨日と同じ。食事を置いて、立ち去るように命令するだけだった。
この態度を見て、アイリスは確信を得た。
ヘンリーは自分が部署を移るか、仕事を辞めるかまで、あの食事の残しを続けようかと思っていたのだろうという事を。
だが、残念な事にこの任が解かれる事はない。
というのも、今の自分の直接の上司にあたるのと共に魔法学園時代の友人であるエリスなのだ。
しかも、向こうから頼んできたから、この仕事をやっているのだ。
辞めさせられるわけがない。アイリスはかつての国王の前でその事を話して、余程、煽ってやろうかと思った。
だが、そんな事をすれば自身があの剛腕で締め殺されかねないであろうから言わないでおくのだ。
口を刺繍で縫い付けたかのようにして、大人しく優しい微笑みを浮かべて接客していく。
「貴様、なんの真似だ?毎度、食事のたびに気持ちの悪い笑みを浮かべおって!」
「いいえ、特に深い意味はございませんのよ。ただ、私は臣下として、ヘンリー様のお世話を務めさせていただくだけですから。さぁさぁ楽しんでくださいませ!城のシェフが腕によりをかけて作ったお料理ですので」
アイリスはヘンリーに顔に勝ち誇ったかのような笑みを浮かべて食事を薦めていく。
自分が王位に就いた時は王都に住む人々はみな陰気な顔を浮かべていた。
加えて、往来の通行量も一国の首都とは思えぬほどに小規模なものであった。
精々、数人の人間が陰気な顔を浮かべて、荷車を運んだり、歩いているくらいであったのだ。
そんな人々の顔を変えるため、ヘンリーは王となったのだ。
大規模な改革を行い、隣国を牽制し、国内を平定するという目的のもとに大陸戦争を行って、戦いこれに対して勝利を得る事ができた。
だが、改革と戦争の後に待っていたのは不出来な息子による王位の簒奪と虜囚生活。
少なくとも、王国の他の囚人よりも格段にマシな暮らしをしているのであろうが、やはり部屋に押し込められて、軟禁状態となっているのは辛い。
王家に次ぐカンタベルト家の力を例の婚姻破棄の騒動に乗じて、取り除いたのはいいものの、そのためにエリスというより厄介な人物を王家に招いてしまっていた。
まさか、エリスとそれに唆された愚息が軍事を完全に捨て去るとは思わなかった。
話を聞くところによると、大陸戦争の時よりの相棒であり、今現在帝国との緩衝材となっている前線侯ドナルド・キャビンも王家の招集により、身柄を拘束されて、既にその自由を奪われているという。
「……こうなってしまっては王国もお終いよ。せめて、ここで穏やかな暮らしができたらいいのだが……」
ヘンリーが自身のために用意された心地の良い揺り椅子に深く腰を掛けた時だ。
扉を叩く音が聞こえたので、彼は厳かな声で入室を許可する。
てっきり、いつもの食事の用意をする無愛想な男が現れたのかと思ったのだが、今日は違ったらしい。
そこに立っていたのはキツネのような目が特徴的な白色のドレスを身に纏った少女であった。
少女は深々と頭を下げると、自らの素性を明かしていく。
「私、アイリスと申します。魔法学園では王后陛下のご学友を務めさせていただきましたわ」
「ほぅ、どこぞの平民かと思ったら、よもや貴族であったとはな」
「失礼ですわ。私、これでも子爵令嬢でございましてよ」
「フッ、まぁ、今更そんな事はどうでもよいわ。……それで、どうしていつもの男の代わりに今日は貴様が参ったのか、答えてみせえい」
ヘンリーは意地の悪い口調で尋ねる。
すると、アイリスはクスクスと笑いながら既に虜囚となった元国王に向かって驚愕の事実を告げた。
「私が今日から、ヘンリー様の配膳役に任命されましたの。本日からよろしくお願い致しますわ」
彼女は怪しく笑った。通常の人間ならば大なり小なりとたじろいでしまう程に不気味な微笑であったが、ヘンリーは歴戦の戦死だけはあり、動じる様子を見せようとはしない。
彼はエリスに背を向けて、そのまま関心がないと言わんばかりに無言で窓へと視線を向ける。
だが、窓から外を眺めるヘンリーが考えていたのは街の様子や人々の姿ではなく『毒殺』という単語である。
というのも、このアイリスなる少女には市井の間だけでは毒にまつわる噂で有名なのである。
彼女は子爵家の四姉妹の末の妹であり、本来であるのならば冷遇されて然る身なれども、姉三人の急死によって、今の地位を手に入れたのだという。
姉三人の死因は菓子を食べての食中毒。
市井における毒殺の噂話はここら来ている。そればかりではない。彼女は社交界でも悪い噂で有名であった。
それは毒を用いて多くのライバルを蹴落してきたという噂である。
無論、毒といっても人を直接害するタイプの毒ではない。
人脈、金、噂という直接的な暴力という手段を使わない事によるライバルの蹴落としである。
噂によれば、三流や二流とされる市井のゴシップ誌の記者ともコネクションを持っているという。
これらの噂が全て事実であるのならば、キツネのような目をしていながら、キツネであるのは目ばかりではない。その本性もまたキツネのように狡猾な人間である。
それが、アイリスという女へと世間が下した評価なのである。
思えば、仮にも王太子妃であり、公爵家の令嬢であったアイリーンの転落があんなにも急速に進んだのも、彼女が裏でその手助けをしていたからかもしれない。
無論、これはヘンリー自身による推測でしかないのだが……。
だが、今の彼からすれば、語るに十分であったといえるだろう。
そんな事を考えていると、アイリスが手付かずの料理が盛り付けられた食器が載ったお盆を下げさせ、代わりに茶と茶請けの菓子が載った盆を部屋の前に置くように指示を出していた。
ヘンリーの前に差し出された盆の上に載っていたメニューは紅茶がカップに一杯分。菓子もそれに合わせての一人分というものが載っていた。
それを見た瞬間にヘンリーは盆の上に置かれた食べ物の意図を理解した。そう、毒殺という意図を。
通常であるのならば、紅茶のカップと共にティーポットが差し出されているはずである。
だが、アイリスが差し出した盆の上にはティーポットどころか砂糖すらも置かれていない。
まるで、それだけを飲めと言わんばかりに用意されていたのだ。他のものはこれから死するものには要らんと言わんばかりに。
意図を理解し、心の中で怒りの感情を芽生えさせたヘンリーは用意された紅茶と茶菓子を常に見続けていたが、それらを一切、口にしようとはしなかった。
埒が明かずに引き下がったアイリスが食事を下げにきた部下の男食事の載った料理が載ったお盆を下げるように指示を出した時だ。先程、出した茶と茶菓子がそのままお盆の上に手付かずで残っている事に気が付く。
どうやら、ヘンリーは自身の意図を見抜いたらしい。
(しまったわ。あからさますぎたかしら?……まぁ、いい。明日以降も毒を仕込む機会なら存在するわ。精々、お食事の時間を楽しみになさいな。前国王陛下殿……)
密かに誓いを立てたアイリスは翌日から朝昼晩と共に敢えて毒を仕込んでいないお盆を持って行ったのだが、そのどれもが手付かずで帰ってきていた。
(やはり、ヘンリーには料理の中に毒が入っているのかどうかはわからないのね。ならば、明日は今日とは対照的に全ての盆に毒を入れたやりましょう。ひょっとしたら、今日の残しは様子見で、この調子だと明日も毒を入れないと感じたから、食べなかったのではなくて?私のような卑しい令嬢には毒を入れる勇気もないだろう感じたのかしら?)
自身の推測が正しければ、ヘンリーはその翌日に自身の策にハマって、もがき苦しんだまま、冥界の門をくぐるか、来世への旅へと行く事に違いなかった。
だが、結果は昨日と同じ。食事を置いて、立ち去るように命令するだけだった。
この態度を見て、アイリスは確信を得た。
ヘンリーは自分が部署を移るか、仕事を辞めるかまで、あの食事の残しを続けようかと思っていたのだろうという事を。
だが、残念な事にこの任が解かれる事はない。
というのも、今の自分の直接の上司にあたるのと共に魔法学園時代の友人であるエリスなのだ。
しかも、向こうから頼んできたから、この仕事をやっているのだ。
辞めさせられるわけがない。アイリスはかつての国王の前でその事を話して、余程、煽ってやろうかと思った。
だが、そんな事をすれば自身があの剛腕で締め殺されかねないであろうから言わないでおくのだ。
口を刺繍で縫い付けたかのようにして、大人しく優しい微笑みを浮かべて接客していく。
「貴様、なんの真似だ?毎度、食事のたびに気持ちの悪い笑みを浮かべおって!」
「いいえ、特に深い意味はございませんのよ。ただ、私は臣下として、ヘンリー様のお世話を務めさせていただくだけですから。さぁさぁ楽しんでくださいませ!城のシェフが腕によりをかけて作ったお料理ですので」
アイリスはヘンリーに顔に勝ち誇ったかのような笑みを浮かべて食事を薦めていく。
0
お気に入りに追加
1,304
あなたにおすすめの小説

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

【完結】もう、あなたを愛したくありません〜ループを越えた物質主義の令嬢は形のない愛を求める〜
あまぞらりゅう
恋愛
キアラ・リグリーア伯爵令嬢は、同じ人生を繰り返していた。
彼女の最期はいつも処刑台の上。
それは婚約者のダミアーノ・ヴィッツィオ公爵令息の陰謀だった。
死んだら、また過去に戻ってくる。
その度に彼女は婚約者のことを激しく憎んで、もう愛さないと強く胸に誓っていた。
でも、何度回帰しても彼女は彼を愛してしまって、最後は必ず破滅を迎えてしまう。
キアラはもうダミアーノを愛したくなかったし、愛なんてものは信じていなかった。
――そして七回目の人生で、彼女は真実を知る。
★元サヤではありません!(ヒーローは別にいます!)
★不快になるような残酷な描写があります!
★他サイト様にも投稿しています!
婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します
けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」
五年間、婚約者として尽くしてきたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。
他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。
だが、彼らは知らなかった――。
ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。
そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。
「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」
逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。
「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」
ブチギレるお兄様。
貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!?
「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!?
果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか?
「私の未来は、私が決めます!」
皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!

【完結】不協和音を奏で続ける二人の関係
つくも茄子
ファンタジー
留学から戻られた王太子からの突然の婚約破棄宣言をされた公爵令嬢。王太子は婚約者の悪事を告発する始末。賄賂?不正?一体何のことなのか周囲も理解できずに途方にくれる。冤罪だと静かに諭す公爵令嬢と激昂する王太子。相反する二人の仲は実は出会った当初からのものだった。王弟を父に帝国皇女を母に持つ血統書付きの公爵令嬢と成り上がりの側妃を母に持つ王太子。貴族然とした計算高く浪費家の婚約者と嫌悪する王太子は公爵令嬢の価値を理解できなかった。それは八年前も今も同じ。二人は互いに理解できない。何故そうなってしまったのか。婚約が白紙となった時、どのような結末がまっているのかは誰にも分からない。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

ひめさまはおうちにかえりたい
あかね
ファンタジー
政略結婚と言えど、これはない。帰ろう。とヴァージニアは決めた。故郷の兄に気に入らなかったら潰して帰ってこいと言われ嫁いだお姫様が、王冠を手にするまでのお話。(おうちにかえりたい編)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる