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リアム・ストレイジという男
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後世の歴史家がリアム・ストレイジという人物を評価するにあたって、歴史家たちはリアムは青年時のある時期から別人のように変わったと記録するのが常であると評している。
近年になってもなお忠臣リアムの物語は人々の間で今まで以上の人気を博しているのだが、いずれもリアムの改心後にスポットが当てられており、その前の彼の話にはあまりスポットライトが当てられる事はない。
なので改心のタイミングというのは後年になって作家や吟遊詩人たちに創作されたものが多かったのだが近年になり発見されたリアム・ストレイジの日記にちょうど改悛のタイミングが記されていたのだ。
歴史家たちによって発掘されたリアム・ストレイジ本人の日記によれば、そこには当時世間を賑わせていた半人半獣の怪物の盗賊団が壊滅させられた直後に仲の悪かった二人の兄を説得した事がハッキリと記されている。
当時のリアムは兄の説得後に論より証拠とばかりにストレイジ家の家督争いを放棄し、自らは四男の後ろ盾となり、臣下としては彼を補佐したとされており、これはこれまでに描かれたり演じられたりしてきたリアム・ストレイジの物語の筋書きそのものであり、歴史家たちは講談や芝居、娯楽小説で記されてきた内容と少ししか違わない事に目を丸くしていたという。
日記によれば、リアムは盗賊団の壊滅後から政治や農業の勉学に真剣に打ち込んだだけではなく、頻繁に領地内の視察を行い領民たちの様子や畑の出来具合を逐一調べながらその現状を当主として定めた四男に報告していたという。
兄の忠言により幼くして当主となった四男はその意見を取り入れて民を重んじる政治を行ったとされ現在でも四男のストレイジ公爵は名貴族と誉れ高い。
この箇所も講談や小説などでは褒め称えられる部分として注目されるが、それ以上に褒め称えられるのはその部分以外にも父である公爵の死後に四男を他の兄二人と共に力を合わせて支えていた事にある。
三人で幼い弟の代わりの当主代行というのは当時としても類がなく、後の家督相続に揉めた家々がストレイジ家の例を手本に家を繋いでいったという。
そんな家に尽くした男として名高いリアムであるが王国の混乱期には侯爵家を兄に任せた後に自ら中枢に乗り込んで他の忠臣たちと共に王国の危機を乗り越えた事もある。近代の変革期においてはリアムの物語の中で注目されたのは家に尽くした箇所よりも王国への忠臣としての面が強調されていた。
歴史家によればこれは近代化を遂げたばかりの王国が人々を纏め上げるための英雄を欲しておりリアム・ストレイジがその英雄の一人に選ばれたからだという。
そのため近代にはリアム・ストレイジの研究が進められたが、当時の歴史家の頭を悩ませたのは盗賊団壊滅の直後という出来事がどうして彼をここまで動かしたのかという事である。幾ら探しても見つからないためにリアムの動機はそれらしいものが書き加えられ、それが今日に至るまで真の動機として信じられ続けてきた。
その動機を揺るがせたのが前述の本人の日記と当時の彼に仕えていたメイドの日記である。
『半人半獣の盗賊団が壊滅させられた日以降、リアム閣下は別人のようになられた、より一層、勉学に励まれ、頻繁に民の生活への視察に出かけるようになった。私がその理由を問うと、あの方は口元に弱々しい笑みを浮かべながら「立派な貴族となって、あの人を迎えるんだ」と答えた』
この記述によってリアムの改悛の動機は判明したが、ここにきて新たなる問題が歴史家たちの頭を悩ませる事になった。
それは『あの人』の存在である。
リアム本人の日記にも記されていない『あの人』というのが誰なのかは今も歴史方たちや専門家の間で意見が分かれており現在も論争が繰り返されている。
アイリーン・カンタベルトはその日、いつものようにドワーフの男に金貨五百枚を渡しにきたところである。
アイリーンは王都を去って以降は魔物討伐の仕事の後、時たまに各地のドワーフの職人の元を訪れて金貨五百枚をあるものと引き換えに渡していたのである。
勿論全ての報酬が購入に使われたわけではない。一部の金貨は彼女の娘であるシャルロッテとの生活費に使用している他にはある場所に隠している。自分が死んだ後に残されるシャルロッテのために。
金貨が隠された場所は自分しか知らない。だがそこは王国の兵士も化け物たちも寄り付かない場所であるとだけ言っておこう。
アイリーンが工房の地面の上で今までの報酬の金の事を思い返しているとドワーフの親方がその大きな掌を差し出している事に気が付く。
親方の目的を察したアイリーンはそのまま彼の掌の上に五百枚の金貨の入った袋を握らせる。
ドワーフの親方はそれを受け取ると口元に笑いを浮かべたまま彼女から頼まれたものを作りにいつも他の人々に頼まれて作る日用品やらを作るための仕事部屋とは異なる奥の部屋へと戻っていく。
奥の部屋は親方は滅多に使わずに置いておく事が多い。
奥の部屋の中央に位置する巨大な大釜の中に煮られているドロリと蠢く液体がどうなっていうのかは出資者のアイリーンでさえその製造工程を覗く事はご法度とされている。
だからいつも彼女はドワーフの親方の家に通された時には娘と共に通常の仕事部屋にて待たされていた。
シャルロッテはドワーフの親方の仕事部屋を目を輝かせながら見つめていた。
幼いながらの純粋な瞳は見る人が見ればまさしく天使……とまではいかずとも、庇護欲を掻き立てれる程の愛らしいものであるに違いない。
これも親馬鹿というものからきているのだろうか。アイリーンは堪らずに苦笑する。
なので、アイリーンは娘に危険がないようにその目を光らせながらも、ドワーフの家の中で目を光らせる娘の様子を楽しんでいた。
ストレイジ侯爵家の事件の後は離れていた期間が長かったためか、侯爵家を出てからすぐはやけにアイリーンに甘えていたのだが、最近になってまた複数の依頼を共にこなしたり、或いは時たまに置いて依頼をこなす事により元の状態へと戻ったのか、ベッタリとは甘えてこなくなりアイリーンとしてはホッとする限りである。
他にも鞄の中に大事に仕舞ってある指輪や人形も自身から引き離すために利用させてもらった。
品物を通じてその人々から託された思いを思い出した事が彼女の自立心を高めた事も大きいに違いない。
アイリーンがそんな娘を誇りに思っていた時だ。ようやく扉が開いて神妙な顔をしたドワーフの親方が姿を表す。
「できたぞ、しかしあんた、この世界を焼き尽くす気かね?風の噂によると他の親方たちにも『竜の息吹』の生成を頼んでいるじゃあないか」
「まさか、ただ必要なだけですよ。復讐のために」
アイリーンの目が鋭く光る。それに対しドワーフの親方は臆する事なく続けた。
「そうか、ならまた必要な時に取りに来てくれ。わしはずっとこれを保管しておるからな」
「ありがとうございます」
アイリーンは深々と頭を下げる。それから、密かにこのドワーフの事を観察していく。
白髪混じりで見た目は壮年の男性という人々が思い浮かべる典型的なドワーフ像そのものである。
だがドワーフやその親方が人間と大きく異なる点は既に千年の時間を生きている点にある。
千年も生きているのであるならばどこか達観したような喋り方になってもおかしくはない。
年齢が気になったのだがそんなくだらない事を聞いて、親方を拗らせたくはないので黙ってシャルロッテを連れて帰ろうとした。まさにその時だ。親方はから呼び止められたのは。
「不意に聞くが、お主の職は魔物狩人であったな?」
「ええ、時には魔獣討伐師とも称されますが、それがどうかされましたか?」
「……すまぬが、この金は返すので、わしの依頼を引き受けてはもらえぬか?」
「……詳しくお聞かせ願えませぬか?」
アイリーンは真剣な顔を浮かべながら、ドワーフの親方と視線を合わせていく。
話によれば生まれ故郷の村の鉱山に巨大な蜘蛛の怪物が住み着いたのだという。
巨大な蜘蛛の怪物は鉱山を訪れた人間やドワーフを襲ってその糧にしているという。
おまけに去りもせずに鉱山に居着かれているのだから付近に住むドワーフたちとしても商売上がったりというところらしい。
現在彼の故郷では村の男たちは各地に散らばり、鉱山や職人芸で身を立てているそうだ。
だがそうがいかないのは女性や子供たち。彼ら彼女らは置き去りにされた村の中で拙い農業を起こしながら、ギリギリの中で生活しているのだという。
「全てはその蜘蛛のためなのじゃ……あの蜘蛛さえ居なくなれば、わしらの村はまた元に戻る……どうじゃ、お引き受け願えませぬか?」
「……お受け致しましょう。お代の程は『竜の息吹』の生成と棒引きという事で」
「あぁ、ありがとう!ありがとう!」
その老人は大袈裟に礼を述べた後にまたしても、奥へと戻った。かと思うとやけに焦らした様子で王国全体が描かれた地図を広げて、故郷の村を指差す。
「成る程、村の場所は把握いたしました」
「あぁ、頼む……村のみんなを助けてやってくれ」
老人は両手を合わせて懇願していく。
近年になってもなお忠臣リアムの物語は人々の間で今まで以上の人気を博しているのだが、いずれもリアムの改心後にスポットが当てられており、その前の彼の話にはあまりスポットライトが当てられる事はない。
なので改心のタイミングというのは後年になって作家や吟遊詩人たちに創作されたものが多かったのだが近年になり発見されたリアム・ストレイジの日記にちょうど改悛のタイミングが記されていたのだ。
歴史家たちによって発掘されたリアム・ストレイジ本人の日記によれば、そこには当時世間を賑わせていた半人半獣の怪物の盗賊団が壊滅させられた直後に仲の悪かった二人の兄を説得した事がハッキリと記されている。
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日記によれば、リアムは盗賊団の壊滅後から政治や農業の勉学に真剣に打ち込んだだけではなく、頻繁に領地内の視察を行い領民たちの様子や畑の出来具合を逐一調べながらその現状を当主として定めた四男に報告していたという。
兄の忠言により幼くして当主となった四男はその意見を取り入れて民を重んじる政治を行ったとされ現在でも四男のストレイジ公爵は名貴族と誉れ高い。
この箇所も講談や小説などでは褒め称えられる部分として注目されるが、それ以上に褒め称えられるのはその部分以外にも父である公爵の死後に四男を他の兄二人と共に力を合わせて支えていた事にある。
三人で幼い弟の代わりの当主代行というのは当時としても類がなく、後の家督相続に揉めた家々がストレイジ家の例を手本に家を繋いでいったという。
そんな家に尽くした男として名高いリアムであるが王国の混乱期には侯爵家を兄に任せた後に自ら中枢に乗り込んで他の忠臣たちと共に王国の危機を乗り越えた事もある。近代の変革期においてはリアムの物語の中で注目されたのは家に尽くした箇所よりも王国への忠臣としての面が強調されていた。
歴史家によればこれは近代化を遂げたばかりの王国が人々を纏め上げるための英雄を欲しておりリアム・ストレイジがその英雄の一人に選ばれたからだという。
そのため近代にはリアム・ストレイジの研究が進められたが、当時の歴史家の頭を悩ませたのは盗賊団壊滅の直後という出来事がどうして彼をここまで動かしたのかという事である。幾ら探しても見つからないためにリアムの動機はそれらしいものが書き加えられ、それが今日に至るまで真の動機として信じられ続けてきた。
その動機を揺るがせたのが前述の本人の日記と当時の彼に仕えていたメイドの日記である。
『半人半獣の盗賊団が壊滅させられた日以降、リアム閣下は別人のようになられた、より一層、勉学に励まれ、頻繁に民の生活への視察に出かけるようになった。私がその理由を問うと、あの方は口元に弱々しい笑みを浮かべながら「立派な貴族となって、あの人を迎えるんだ」と答えた』
この記述によってリアムの改悛の動機は判明したが、ここにきて新たなる問題が歴史家たちの頭を悩ませる事になった。
それは『あの人』の存在である。
リアム本人の日記にも記されていない『あの人』というのが誰なのかは今も歴史方たちや専門家の間で意見が分かれており現在も論争が繰り返されている。
アイリーン・カンタベルトはその日、いつものようにドワーフの男に金貨五百枚を渡しにきたところである。
アイリーンは王都を去って以降は魔物討伐の仕事の後、時たまに各地のドワーフの職人の元を訪れて金貨五百枚をあるものと引き換えに渡していたのである。
勿論全ての報酬が購入に使われたわけではない。一部の金貨は彼女の娘であるシャルロッテとの生活費に使用している他にはある場所に隠している。自分が死んだ後に残されるシャルロッテのために。
金貨が隠された場所は自分しか知らない。だがそこは王国の兵士も化け物たちも寄り付かない場所であるとだけ言っておこう。
アイリーンが工房の地面の上で今までの報酬の金の事を思い返しているとドワーフの親方がその大きな掌を差し出している事に気が付く。
親方の目的を察したアイリーンはそのまま彼の掌の上に五百枚の金貨の入った袋を握らせる。
ドワーフの親方はそれを受け取ると口元に笑いを浮かべたまま彼女から頼まれたものを作りにいつも他の人々に頼まれて作る日用品やらを作るための仕事部屋とは異なる奥の部屋へと戻っていく。
奥の部屋は親方は滅多に使わずに置いておく事が多い。
奥の部屋の中央に位置する巨大な大釜の中に煮られているドロリと蠢く液体がどうなっていうのかは出資者のアイリーンでさえその製造工程を覗く事はご法度とされている。
だからいつも彼女はドワーフの親方の家に通された時には娘と共に通常の仕事部屋にて待たされていた。
シャルロッテはドワーフの親方の仕事部屋を目を輝かせながら見つめていた。
幼いながらの純粋な瞳は見る人が見ればまさしく天使……とまではいかずとも、庇護欲を掻き立てれる程の愛らしいものであるに違いない。
これも親馬鹿というものからきているのだろうか。アイリーンは堪らずに苦笑する。
なので、アイリーンは娘に危険がないようにその目を光らせながらも、ドワーフの家の中で目を光らせる娘の様子を楽しんでいた。
ストレイジ侯爵家の事件の後は離れていた期間が長かったためか、侯爵家を出てからすぐはやけにアイリーンに甘えていたのだが、最近になってまた複数の依頼を共にこなしたり、或いは時たまに置いて依頼をこなす事により元の状態へと戻ったのか、ベッタリとは甘えてこなくなりアイリーンとしてはホッとする限りである。
他にも鞄の中に大事に仕舞ってある指輪や人形も自身から引き離すために利用させてもらった。
品物を通じてその人々から託された思いを思い出した事が彼女の自立心を高めた事も大きいに違いない。
アイリーンがそんな娘を誇りに思っていた時だ。ようやく扉が開いて神妙な顔をしたドワーフの親方が姿を表す。
「できたぞ、しかしあんた、この世界を焼き尽くす気かね?風の噂によると他の親方たちにも『竜の息吹』の生成を頼んでいるじゃあないか」
「まさか、ただ必要なだけですよ。復讐のために」
アイリーンの目が鋭く光る。それに対しドワーフの親方は臆する事なく続けた。
「そうか、ならまた必要な時に取りに来てくれ。わしはずっとこれを保管しておるからな」
「ありがとうございます」
アイリーンは深々と頭を下げる。それから、密かにこのドワーフの事を観察していく。
白髪混じりで見た目は壮年の男性という人々が思い浮かべる典型的なドワーフ像そのものである。
だがドワーフやその親方が人間と大きく異なる点は既に千年の時間を生きている点にある。
千年も生きているのであるならばどこか達観したような喋り方になってもおかしくはない。
年齢が気になったのだがそんなくだらない事を聞いて、親方を拗らせたくはないので黙ってシャルロッテを連れて帰ろうとした。まさにその時だ。親方はから呼び止められたのは。
「不意に聞くが、お主の職は魔物狩人であったな?」
「ええ、時には魔獣討伐師とも称されますが、それがどうかされましたか?」
「……すまぬが、この金は返すので、わしの依頼を引き受けてはもらえぬか?」
「……詳しくお聞かせ願えませぬか?」
アイリーンは真剣な顔を浮かべながら、ドワーフの親方と視線を合わせていく。
話によれば生まれ故郷の村の鉱山に巨大な蜘蛛の怪物が住み着いたのだという。
巨大な蜘蛛の怪物は鉱山を訪れた人間やドワーフを襲ってその糧にしているという。
おまけに去りもせずに鉱山に居着かれているのだから付近に住むドワーフたちとしても商売上がったりというところらしい。
現在彼の故郷では村の男たちは各地に散らばり、鉱山や職人芸で身を立てているそうだ。
だがそうがいかないのは女性や子供たち。彼ら彼女らは置き去りにされた村の中で拙い農業を起こしながら、ギリギリの中で生活しているのだという。
「全てはその蜘蛛のためなのじゃ……あの蜘蛛さえ居なくなれば、わしらの村はまた元に戻る……どうじゃ、お引き受け願えませぬか?」
「……お受け致しましょう。お代の程は『竜の息吹』の生成と棒引きという事で」
「あぁ、ありがとう!ありがとう!」
その老人は大袈裟に礼を述べた後にまたしても、奥へと戻った。かと思うとやけに焦らした様子で王国全体が描かれた地図を広げて、故郷の村を指差す。
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