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ソロモンの勇気
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「父上にお尋ね致します。勇気というのはどのような事を指して言うのでしょうか?」
ソロモンは日課となっている帝王学の復習を終えた後に父の部屋を尋ね、勇気という事を尋ねた。
急にソロモンが『勇気』という言葉に興味を持ったのかというと、それは思い人に愛を伝えるためには『勇気』が必要だという事を彼のお付きの使用人から聞いたためである。
だが学習のために宮殿から持ってきた辞書や本を調べたとしても『勇気』という言葉の意味を調べてもいまいちしっかりとこないのだ。
だからこそ父に尋ねた。彼にとって父というのはなにも知らないものがなく、聞けばなんでも答えてくれる彼にとっての辞書であり先生であったからだ。
だが流石に具体例を挙げろと尋ねられれば、聡明と名高い父も回答に窮するのかもしれない。
彼は息子に対して苦笑してみせた後に少し考え込んでから自身の知る勇気についての例を教えたのであった。
「そうだなぁ、勇気というのは例え自分が脅威に見舞われたとしても、それに臆する事なく自身の愛する女性を守ったりする事なんじゃないのかな?後は嫌な事には嫌だという事だと思う。お父さんが知っているのはこれくらいだ」
息子は父の言葉を黙って聞いていた。真剣な目を浮かべて話を聞く息子に向かって父は穏やかな口調で話していく。
「ソロモン、私はね勇気というのは腕力が強いとか、頭がいいのとは違って、頑張れば誰でも持つ事ができるものだと思うんだ。王族だって、貴族だって、庶民だって、そんな身分に関係する事なく持つ事ができるものなんだ。だからお父さんがさっき教えたような心構えでいれたのならば、お前だって今から勇気を持てると思うよ」
皇太子は息子の頭を優しく撫でて言った。
それから、夜遅い事を理由に早く自室に戻るように告げる。
宿舎の大きな廊下の中でソロモンは父から言われた事を頭の中で復唱していた。
それから、一人で呟く。
「勇気、勇気か……」
翌日にこの言葉がソロモンに大きく影響を与えるとは父は愚か本人すら考えなかったに違いない。
ソロモンは目が覚めて、朝のスケジュールを済ませるのと同時に自身の共を連れて、ガラス細工の工房に自身の婚約者と定めるシャルロッテを迎えに行こうとしたのだが、なぜかその日はシャルロッテも老婦人もなぜか留守であった。
不審に思ったソロモンが中を覗き込むと、そこでは工房の職員たちが慌ただしく動いていた。
二人が行方不明となった事と何か関係があるのだろうか。そんな事を考えているとなにやら背後の山の方から慌ただしい声が聞こえた。
家臣たちの目を盗んでそこへと行って、物陰から様子を伺っていると、そこにはオークやゴブリンやらに囲まれ首元に刃物を突き付けられている男のように短い金髪に男装をした女性の姿があった。
その前には悪魔のような不気味な笑顔を浮かべた怪紳士の姿。
なんの理由であの女性が紳士の人質になっているのかはわからない。ただ彼の中で憤りと呼べる思いが湧き出ていく。
なんと非道な連中なのだろうか。ソロモンはかつてない程の怒りに囚われた。
領地内での勝手な行動は父から止められているものの、あのようなものを見せられては男として留まってはおれまい。
彼は共を振り切って一目散に怪物たちの元へと駆け出していく。
「やめろッ!なんてひどい事をするんだッ!」
「何者……いいや、その顔には見覚えがありますな。あなた様は遠国のソロモン皇子であらせられましょう?」
「お前ボクの事を知っているのか?」
「勿論存じておりまするとも、お父上に次に遠国の皇帝の位を受け継がれるご優秀な跡継であらせられるとか」
「ぼくやぼくの背景を知っているのならば話が早い!今すぐその女性を解放しろ!」
「そう意気込まれながら命令されても私としては困りますな。なにせこの女にはそこにいる娘を誘き出すための餌として活動してもらわねばなりませぬから」
男はそう言って、老婦人と共に背後に現れた童女を指差す。
どうやら二人は少し離れた場所でこの女性の事を見つめていたらしい。
シャルロッテとこの怪紳士との間に漂う張り詰めた空気に怯えてしまったのか、はたまた取り囲むゴブリンやオークの数に怯えてしまったのか、気が付けば両足を震わせてしまっている。
だがここで彼はある事に気がつく。それはオークはともかくゴブリンたちの数の多さである。
これだけの数が山に居たとするのならばあまりにも不自然な気がする。
ソロモンは持ち前の優秀な頭脳である計算を導き出す。
そして人差し指を突き付けながら核心を突いた質問を投げ掛けた。
「お前そこにいるゴブリンどもをどこから雇った?」
「ハハッ、流石は帝国のご優秀な跡継だ!あなた様のご推察通り、このゴブリンどもはわしが全地域から密かに雇い入れたゴブリンでございます!冥府の門をくぐる前に番人に手渡す土産が必要なのはあなた様もご理解されておりますな。いいやこの場合は次なる世界での土産でしたかな?いずれにしろ、あなた様の命運はもはや消えたての蝋燭の様にか細くなられましてございまする!フフッ、最後に私が考えた最高の筋立てをお話し致しましょう!」
世継ぎがおらずモーディック子爵家の断絶が確定しているという強みからか、彼はここに集まった人々に対して自身が考えた即席の脚本の内容を明かしていく。
それは悪女アイリーン・カンタベルトが自身が王族に戻るための道具として自身の娘であるシャルロッテを利用し、遠国のソロモン皇子と強引な婚約を結ばせようとしたところに正義の子爵にして年老いた勇者アーベル・モーディックが自身の優秀な臣下あるゴブリンを引き連れ、悪女を倒し、シャルロッテを救い出すものの、アイリーンの人質となっていたソロモン皇子とガラス細工品職人の纏め役の老婆は死亡。
そんな悲しくも大円団な冒険譚を彼は得意そうに喋っていた。
話が終わるのと同時に彼は下手な自作の処女作を友人に薦める素人の小説家のような顔を浮かべながらソロモンに問い掛けた。
「いかがでしょう?ソロモン皇子ッ!冥府の番人に渡すものにしろ、次の世界に持っていくにしろ、最高の土産になろうかと思いますが」
「上手だね。モーディック子爵だっけ?今からでも貴族をやめて小説家にでもなったらどうだい?その発想力は貴族にしておくのには惜しいよ」
彼は皮肉によってアーベルの悪趣味極まりない計画を批判したのだがアーベルは得意げな顔で笑うばかりである。
大衆向けの冒険悪役のような高笑いを暫くの間続けてから、老婦人と共にこっそりと近付いてくるシャルロッテを手招いていく。
「フフ、シャルロッテ。お主が勇気を見せさえすれば、わしらはもうお主の母を拘束しなくて済むのだ。悪い事は言わぬ。こちらへと来なさい」
「シャルロッテ!逃げなさい!この男は例えあなたが来たとしても、私を殺してからあなたを捕縛した後に王太子殿下の元に引き渡すおつもりですよ!」
アイリーンは自身が心配になり近付こうとする娘に対して頬を赤く染め、両眉を上げながら必死の形相で叫ぶ。
そんなアイリーンの表情とは対照的にアーベルの顔は熟していない林檎のように青ざめていく。
「そ、そのような事をワシがする筈がなかろう?ワシは約束は守る男だ」
「約束?このような真似をするお方がか!?到底信じられませぬッ!どうせ嘘に決まっておろうにッ!」
馬鹿にしたような言葉と普段以上の強い口調に激昂したらしい。それまでは穏やかで紳士然という格好であったはずの男の表情は豹変し、両眉が吊り上げて険しい表情を浮かべるのと同時にそれまでは使わなかった荒い言葉を使ってアイリーンを詰っていく。
「この小娘がッ!ワシを愚弄するつもりか!?」
「愚弄?事実を突き付けただけでありましょう?まぁ少し毒があったという事は否定致しませぬが」
この時のアイリーンはアーベルとは対照的に余裕のある笑みを浮かべていた。
ソロモンは日課となっている帝王学の復習を終えた後に父の部屋を尋ね、勇気という事を尋ねた。
急にソロモンが『勇気』という言葉に興味を持ったのかというと、それは思い人に愛を伝えるためには『勇気』が必要だという事を彼のお付きの使用人から聞いたためである。
だが学習のために宮殿から持ってきた辞書や本を調べたとしても『勇気』という言葉の意味を調べてもいまいちしっかりとこないのだ。
だからこそ父に尋ねた。彼にとって父というのはなにも知らないものがなく、聞けばなんでも答えてくれる彼にとっての辞書であり先生であったからだ。
だが流石に具体例を挙げろと尋ねられれば、聡明と名高い父も回答に窮するのかもしれない。
彼は息子に対して苦笑してみせた後に少し考え込んでから自身の知る勇気についての例を教えたのであった。
「そうだなぁ、勇気というのは例え自分が脅威に見舞われたとしても、それに臆する事なく自身の愛する女性を守ったりする事なんじゃないのかな?後は嫌な事には嫌だという事だと思う。お父さんが知っているのはこれくらいだ」
息子は父の言葉を黙って聞いていた。真剣な目を浮かべて話を聞く息子に向かって父は穏やかな口調で話していく。
「ソロモン、私はね勇気というのは腕力が強いとか、頭がいいのとは違って、頑張れば誰でも持つ事ができるものだと思うんだ。王族だって、貴族だって、庶民だって、そんな身分に関係する事なく持つ事ができるものなんだ。だからお父さんがさっき教えたような心構えでいれたのならば、お前だって今から勇気を持てると思うよ」
皇太子は息子の頭を優しく撫でて言った。
それから、夜遅い事を理由に早く自室に戻るように告げる。
宿舎の大きな廊下の中でソロモンは父から言われた事を頭の中で復唱していた。
それから、一人で呟く。
「勇気、勇気か……」
翌日にこの言葉がソロモンに大きく影響を与えるとは父は愚か本人すら考えなかったに違いない。
ソロモンは目が覚めて、朝のスケジュールを済ませるのと同時に自身の共を連れて、ガラス細工の工房に自身の婚約者と定めるシャルロッテを迎えに行こうとしたのだが、なぜかその日はシャルロッテも老婦人もなぜか留守であった。
不審に思ったソロモンが中を覗き込むと、そこでは工房の職員たちが慌ただしく動いていた。
二人が行方不明となった事と何か関係があるのだろうか。そんな事を考えているとなにやら背後の山の方から慌ただしい声が聞こえた。
家臣たちの目を盗んでそこへと行って、物陰から様子を伺っていると、そこにはオークやゴブリンやらに囲まれ首元に刃物を突き付けられている男のように短い金髪に男装をした女性の姿があった。
その前には悪魔のような不気味な笑顔を浮かべた怪紳士の姿。
なんの理由であの女性が紳士の人質になっているのかはわからない。ただ彼の中で憤りと呼べる思いが湧き出ていく。
なんと非道な連中なのだろうか。ソロモンはかつてない程の怒りに囚われた。
領地内での勝手な行動は父から止められているものの、あのようなものを見せられては男として留まってはおれまい。
彼は共を振り切って一目散に怪物たちの元へと駆け出していく。
「やめろッ!なんてひどい事をするんだッ!」
「何者……いいや、その顔には見覚えがありますな。あなた様は遠国のソロモン皇子であらせられましょう?」
「お前ボクの事を知っているのか?」
「勿論存じておりまするとも、お父上に次に遠国の皇帝の位を受け継がれるご優秀な跡継であらせられるとか」
「ぼくやぼくの背景を知っているのならば話が早い!今すぐその女性を解放しろ!」
「そう意気込まれながら命令されても私としては困りますな。なにせこの女にはそこにいる娘を誘き出すための餌として活動してもらわねばなりませぬから」
男はそう言って、老婦人と共に背後に現れた童女を指差す。
どうやら二人は少し離れた場所でこの女性の事を見つめていたらしい。
シャルロッテとこの怪紳士との間に漂う張り詰めた空気に怯えてしまったのか、はたまた取り囲むゴブリンやオークの数に怯えてしまったのか、気が付けば両足を震わせてしまっている。
だがここで彼はある事に気がつく。それはオークはともかくゴブリンたちの数の多さである。
これだけの数が山に居たとするのならばあまりにも不自然な気がする。
ソロモンは持ち前の優秀な頭脳である計算を導き出す。
そして人差し指を突き付けながら核心を突いた質問を投げ掛けた。
「お前そこにいるゴブリンどもをどこから雇った?」
「ハハッ、流石は帝国のご優秀な跡継だ!あなた様のご推察通り、このゴブリンどもはわしが全地域から密かに雇い入れたゴブリンでございます!冥府の門をくぐる前に番人に手渡す土産が必要なのはあなた様もご理解されておりますな。いいやこの場合は次なる世界での土産でしたかな?いずれにしろ、あなた様の命運はもはや消えたての蝋燭の様にか細くなられましてございまする!フフッ、最後に私が考えた最高の筋立てをお話し致しましょう!」
世継ぎがおらずモーディック子爵家の断絶が確定しているという強みからか、彼はここに集まった人々に対して自身が考えた即席の脚本の内容を明かしていく。
それは悪女アイリーン・カンタベルトが自身が王族に戻るための道具として自身の娘であるシャルロッテを利用し、遠国のソロモン皇子と強引な婚約を結ばせようとしたところに正義の子爵にして年老いた勇者アーベル・モーディックが自身の優秀な臣下あるゴブリンを引き連れ、悪女を倒し、シャルロッテを救い出すものの、アイリーンの人質となっていたソロモン皇子とガラス細工品職人の纏め役の老婆は死亡。
そんな悲しくも大円団な冒険譚を彼は得意そうに喋っていた。
話が終わるのと同時に彼は下手な自作の処女作を友人に薦める素人の小説家のような顔を浮かべながらソロモンに問い掛けた。
「いかがでしょう?ソロモン皇子ッ!冥府の番人に渡すものにしろ、次の世界に持っていくにしろ、最高の土産になろうかと思いますが」
「上手だね。モーディック子爵だっけ?今からでも貴族をやめて小説家にでもなったらどうだい?その発想力は貴族にしておくのには惜しいよ」
彼は皮肉によってアーベルの悪趣味極まりない計画を批判したのだがアーベルは得意げな顔で笑うばかりである。
大衆向けの冒険悪役のような高笑いを暫くの間続けてから、老婦人と共にこっそりと近付いてくるシャルロッテを手招いていく。
「フフ、シャルロッテ。お主が勇気を見せさえすれば、わしらはもうお主の母を拘束しなくて済むのだ。悪い事は言わぬ。こちらへと来なさい」
「シャルロッテ!逃げなさい!この男は例えあなたが来たとしても、私を殺してからあなたを捕縛した後に王太子殿下の元に引き渡すおつもりですよ!」
アイリーンは自身が心配になり近付こうとする娘に対して頬を赤く染め、両眉を上げながら必死の形相で叫ぶ。
そんなアイリーンの表情とは対照的にアーベルの顔は熟していない林檎のように青ざめていく。
「そ、そのような事をワシがする筈がなかろう?ワシは約束は守る男だ」
「約束?このような真似をするお方がか!?到底信じられませぬッ!どうせ嘘に決まっておろうにッ!」
馬鹿にしたような言葉と普段以上の強い口調に激昂したらしい。それまでは穏やかで紳士然という格好であったはずの男の表情は豹変し、両眉が吊り上げて険しい表情を浮かべるのと同時にそれまでは使わなかった荒い言葉を使ってアイリーンを詰っていく。
「この小娘がッ!ワシを愚弄するつもりか!?」
「愚弄?事実を突き付けただけでありましょう?まぁ少し毒があったという事は否定致しませぬが」
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