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エリス・フローレンスの野望
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「殿下!お願いがございます!」
私、エリス・フローレンスはお茶の席で自身の婚約者である王太子に真剣な顔で迫っていく。
最初はただならぬ様子に肩をすかしていた王太子であったが、すぐにいつも通りの笑顔を浮かべて、優しい声で答えてくれた。
「私、不憫でなりませんの。すぐに助けてあげてくださいませ」
「不憫とはなんだ?キミは優しいからなぁ。なんでも言ってみなさい」
そう言って、私の最愛の人は笑う。惚けた表情を浮かべながらルシアは人差し指を掲げながらこれまでの私の功績を誉めそやしていく。
「あの時のキミには驚いたよ。まさか軍事の事業を削って、その金を王国の都の人たちに配ろうなんて、我々では思い付かないよ。全く、あの悪女にキミの爪の垢でも飲ませてやりたいな」
ルシアが口元を歪めながら思い出しているのはあの時の事であるらしい。
そう、私がアイリーンを追い出した直後にその例の事業を提案した時の出来事であった。
流石に反対の意見が宮廷内から挙がったものだが、私がこれまでに得た本の力を武器に反対する貴族たちをねじ伏せたのだ。
私には知恵がある。そう、剣を振るうしかない脳のないあの女とは違って、本の力……すなわち知恵に頼る私が持て囃されるのは当たり前の話だろう。
そればかりではない。運の力もある。ちょうど国王が狩猟が終わった後の猟犬の処分に困っていた最中であったのだ。
国王は私が挙げたアイリーンの暴挙をカンタベルト家を潰す絶好の機会と捉えたに違いない。
私は兵法でいうところの水の流れを汲んでいるといえるだろう。
そして、王太子にこうして、優しさをアピールする事により、その地位を確固たるものとしているのである。
そのために、アイリーンの娘であるシャルロッテも利用させてもらったのだ。
正直にいえば、あんな子供などどうでもいいが、利用できるのにしない手はない。
思えば、私は前世でも利用できるものはなんでも利用して生きてきた。
SNSもそうだが、人間関係、そして、そのステータス。前世における美貌。
どれも、自分が優位に生きるために、そして、そのライバルを蹴落とすために利用していたもの。
今更、あんな脳筋如きに負けるわけがない。
あの女のステータスなど武芸に秀でている事以外は地位くらいしかないではないか。
年齢も頭脳も顔も私が勝っている。
もし、アイリーンがこの場にいたのならば、言ってやりたい。
どうだ、ザマァみろ、と。
私のウサギのように可愛らしい顔で慈悲を乞われれば、流石の王太子も認めざるを得ないだろう。
予想通り、少しの間苦しい顔を見せた後に私のいう事を聞いてくれた。
彼は私のいう事を聞き入れ、王国内にて所持していた先の大陸戦争に使用していたオーク兵たちをアイリーン母娘の追討に遣わせる事を約束してくれたのだ。
彼はオークの兵士たちに厳命した。その条件は二人を拿捕する事。もしくはアイリーンのみを倒した際にシャルロッテを連れ帰る事が追討部隊に課すというもの。
野蛮なオークという存在は気に入らないが、役に立つのならば大歓迎。
私は城の塔の部分からオークを鼓舞するルシアを見ながら、ほくそ笑む。
「この馬鹿者がッ!」
私は宿屋の部屋の中で兄から酷く怒られてしまった。いや、今の兄の表情から察するに折檻されてもおかしくはない。
今の兄にはそれ程の勢いがあった。兄は思えば、母親違いの姉が大好きだ。
私もどちらかといえば彼女が嫌いではない。それに、彼女の娘であるシャルロッテは私も大好きな姪。
だからこそ、その姪をあのような生活から抜け出させたい。
その一心であの時は動いたのだった。
それに、姪を道具か何かのように思っていたあの商人への義憤の感情も手伝ったのだろうか。
だが、私の行動は全て裏目に出てしまった。姪はあの商人の子供を庇い私に敵対するような行動をしてしまう。
それがショックだった。あの後に街の外れで私を待ち構えていた兄と合流し、隣街の宿屋へと向かったのだが、案の定怒られてしまった。
「折角、姉上がご自身の半身ともいえるシャルロッテをなんのために貸し出したのか、お前にはわからぬのか!?」
「わかりたくもないよ!」
これは私の心からの叫びである。前世が普通の庶民だった私はやはり、腹違いの姉や兄から発せられる古臭い言葉はどうも口にする気になれない。
一応、会話のキャッチボールを上手く弾ませるために、それらしい事を言う事は言える。
それだけだ。言葉の例からわかるようにこの古臭い価値観。彼らのいう貴族観やらとは元から性が合わないのだ。
どうすればいいのだろうか。私が思案していた時だ。私と、それから兄の耳に一大ニュースが飛び込む。
始め、そのニュースを持ち込んだのは旅装束をした若い男。
男は片手に一枚の羊皮紙を持ちながら叫び続けていく。
「おおい!号外だァ!号外だァ!とうとう、王太子妃が心を痛められ、アイリーンの逮捕とシャルロッテの保護のために国のオーク軍団を遣わす事が決まったぞォ!」
その言葉を聞いて私は兄と顔を見合わせた。オーク軍団は確か、前の大陸戦争の時に現国王であるヘンリーがその配下として使役していた強者の亜人たちの軍団ではないだろうか。
そんなものが異母姉や姪を襲うとなれば、私たちも放ってはおけない。
宿屋の客に紛れ、より一層の詳しい情報を収集した後に私と兄は異母姉の情報を集め、異母姉と姪が前線侯と呼ばれる、ドナルド・ギャビンの土地へと誘われた事を知った。
私たち兄妹は姉と姪の姿を見かけると、そのままギルドの宿泊スペースへと向かい、待ち伏せを図ったのだ。
姉が泊まるとすれば、侯爵の屋敷以外にはここしかないであろうから。
私は姉と姪の姿を確認すると、すぐにその事を告げた。
前世、一人っ子であった私からすれば、兄の存在や母親違いであるとはいえ姉の存在がある事を嬉しく思っているのだ。
それに、前世ではとうとう巡り合うことがなかった姪まで。
思えば、今私がこんなにも執着しているのも寂しい前世のためであったのかもしれない。
前世の私は病弱な女の子。病弱だったから、病院のベッドの上で行うゲームだけが心の頼りであった。
その乙女ゲームの世界がここで、しかも、兄がその攻略対象の一人であるのだ。
そのため、この姉と姪の存在はイレギュラーともいえた。
本来だったのならば、母親違いの姉もその娘も存在しないのだから。
だが、今世ではキチリと息をしているし動いている。
何より、王太子の婚約が決まってからは跡取りとして兄と共に引き取られて一緒に暮らしていたのだから、偽物などという言葉では片付けられない。
それに元のゲームは単なる恋愛ゲームだ。他のゲームのように魔物が蔓延りそれを狩るというゲームではなかったため今の状況には疑問がないわけではない。
だが、今は自身のくだらない思いを胸に抱いている場合ではない。
姉と姪とを助けなくてはならないのだ。
今世では密接に関わる私の家族を。
大事に思う証拠として、彼女からは他の人たちと共に殺されたと思われていたらしいが、再会を喜んでくれたのがその大きな証拠である。
兄と自分とはアイリーンが王都を出立したと際に顔を合わせ、再会を喜び合った。
あの日の出来事は今でも忘れられるものではない。
私、エリス・フローレンスはお茶の席で自身の婚約者である王太子に真剣な顔で迫っていく。
最初はただならぬ様子に肩をすかしていた王太子であったが、すぐにいつも通りの笑顔を浮かべて、優しい声で答えてくれた。
「私、不憫でなりませんの。すぐに助けてあげてくださいませ」
「不憫とはなんだ?キミは優しいからなぁ。なんでも言ってみなさい」
そう言って、私の最愛の人は笑う。惚けた表情を浮かべながらルシアは人差し指を掲げながらこれまでの私の功績を誉めそやしていく。
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ルシアが口元を歪めながら思い出しているのはあの時の事であるらしい。
そう、私がアイリーンを追い出した直後にその例の事業を提案した時の出来事であった。
流石に反対の意見が宮廷内から挙がったものだが、私がこれまでに得た本の力を武器に反対する貴族たちをねじ伏せたのだ。
私には知恵がある。そう、剣を振るうしかない脳のないあの女とは違って、本の力……すなわち知恵に頼る私が持て囃されるのは当たり前の話だろう。
そればかりではない。運の力もある。ちょうど国王が狩猟が終わった後の猟犬の処分に困っていた最中であったのだ。
国王は私が挙げたアイリーンの暴挙をカンタベルト家を潰す絶好の機会と捉えたに違いない。
私は兵法でいうところの水の流れを汲んでいるといえるだろう。
そして、王太子にこうして、優しさをアピールする事により、その地位を確固たるものとしているのである。
そのために、アイリーンの娘であるシャルロッテも利用させてもらったのだ。
正直にいえば、あんな子供などどうでもいいが、利用できるのにしない手はない。
思えば、私は前世でも利用できるものはなんでも利用して生きてきた。
SNSもそうだが、人間関係、そして、そのステータス。前世における美貌。
どれも、自分が優位に生きるために、そして、そのライバルを蹴落とすために利用していたもの。
今更、あんな脳筋如きに負けるわけがない。
あの女のステータスなど武芸に秀でている事以外は地位くらいしかないではないか。
年齢も頭脳も顔も私が勝っている。
もし、アイリーンがこの場にいたのならば、言ってやりたい。
どうだ、ザマァみろ、と。
私のウサギのように可愛らしい顔で慈悲を乞われれば、流石の王太子も認めざるを得ないだろう。
予想通り、少しの間苦しい顔を見せた後に私のいう事を聞いてくれた。
彼は私のいう事を聞き入れ、王国内にて所持していた先の大陸戦争に使用していたオーク兵たちをアイリーン母娘の追討に遣わせる事を約束してくれたのだ。
彼はオークの兵士たちに厳命した。その条件は二人を拿捕する事。もしくはアイリーンのみを倒した際にシャルロッテを連れ帰る事が追討部隊に課すというもの。
野蛮なオークという存在は気に入らないが、役に立つのならば大歓迎。
私は城の塔の部分からオークを鼓舞するルシアを見ながら、ほくそ笑む。
「この馬鹿者がッ!」
私は宿屋の部屋の中で兄から酷く怒られてしまった。いや、今の兄の表情から察するに折檻されてもおかしくはない。
今の兄にはそれ程の勢いがあった。兄は思えば、母親違いの姉が大好きだ。
私もどちらかといえば彼女が嫌いではない。それに、彼女の娘であるシャルロッテは私も大好きな姪。
だからこそ、その姪をあのような生活から抜け出させたい。
その一心であの時は動いたのだった。
それに、姪を道具か何かのように思っていたあの商人への義憤の感情も手伝ったのだろうか。
だが、私の行動は全て裏目に出てしまった。姪はあの商人の子供を庇い私に敵対するような行動をしてしまう。
それがショックだった。あの後に街の外れで私を待ち構えていた兄と合流し、隣街の宿屋へと向かったのだが、案の定怒られてしまった。
「折角、姉上がご自身の半身ともいえるシャルロッテをなんのために貸し出したのか、お前にはわからぬのか!?」
「わかりたくもないよ!」
これは私の心からの叫びである。前世が普通の庶民だった私はやはり、腹違いの姉や兄から発せられる古臭い言葉はどうも口にする気になれない。
一応、会話のキャッチボールを上手く弾ませるために、それらしい事を言う事は言える。
それだけだ。言葉の例からわかるようにこの古臭い価値観。彼らのいう貴族観やらとは元から性が合わないのだ。
どうすればいいのだろうか。私が思案していた時だ。私と、それから兄の耳に一大ニュースが飛び込む。
始め、そのニュースを持ち込んだのは旅装束をした若い男。
男は片手に一枚の羊皮紙を持ちながら叫び続けていく。
「おおい!号外だァ!号外だァ!とうとう、王太子妃が心を痛められ、アイリーンの逮捕とシャルロッテの保護のために国のオーク軍団を遣わす事が決まったぞォ!」
その言葉を聞いて私は兄と顔を見合わせた。オーク軍団は確か、前の大陸戦争の時に現国王であるヘンリーがその配下として使役していた強者の亜人たちの軍団ではないだろうか。
そんなものが異母姉や姪を襲うとなれば、私たちも放ってはおけない。
宿屋の客に紛れ、より一層の詳しい情報を収集した後に私と兄は異母姉の情報を集め、異母姉と姪が前線侯と呼ばれる、ドナルド・ギャビンの土地へと誘われた事を知った。
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前世、一人っ子であった私からすれば、兄の存在や母親違いであるとはいえ姉の存在がある事を嬉しく思っているのだ。
それに、前世ではとうとう巡り合うことがなかった姪まで。
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前世の私は病弱な女の子。病弱だったから、病院のベッドの上で行うゲームだけが心の頼りであった。
その乙女ゲームの世界がここで、しかも、兄がその攻略対象の一人であるのだ。
そのため、この姉と姪の存在はイレギュラーともいえた。
本来だったのならば、母親違いの姉もその娘も存在しないのだから。
だが、今世ではキチリと息をしているし動いている。
何より、王太子の婚約が決まってからは跡取りとして兄と共に引き取られて一緒に暮らしていたのだから、偽物などという言葉では片付けられない。
それに元のゲームは単なる恋愛ゲームだ。他のゲームのように魔物が蔓延りそれを狩るというゲームではなかったため今の状況には疑問がないわけではない。
だが、今は自身のくだらない思いを胸に抱いている場合ではない。
姉と姪とを助けなくてはならないのだ。
今世では密接に関わる私の家族を。
大事に思う証拠として、彼女からは他の人たちと共に殺されたと思われていたらしいが、再会を喜んでくれたのがその大きな証拠である。
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2024年10月追記
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