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カンタベルト家のお姫様
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翌日、二人は馬車に乗って街の中心部に位置する伯爵の城へと向かう。
城といっても、巨大な塔が聳え立っているわけではない。むしろ、地方の田舎貴族であるから、その規模は屋敷というよりも庶民が想像する大きな城だと表現した方が適切だろう。
シャルロッテはいつもの人形が着るようなドレスの代わりに今日は子供の茶会用のドレスを渡され、それを身に付けていた。
小さいながらも、胸元に可愛らしいリボンを身に付けた仮初の婚約者を見るうちにティボルトは胸の内の高鳴りが抑えきれなくなっていた。
だが、彼は腐っても男であった。
ティボルトは緊張のためにガタガタと震わせながら自らの小さな手で更に小さな手を握り締めていた。
馬車は伯爵邸の前に着き、二人は馬車の御者の手を借り無事に地面へと降り立った。同時にティボルトの先導によって伯爵邸の庭先で行われているお茶会の席へと向かう。
その光景に今までを優しい父母や使用人たちに守られていた安全な家の中で過ごしていたティボルトは衝撃を受けた。
というのも、その茶会にて談笑している自分と同じ年の少年や少女たちはその誰もが顔にこそ穏やかな笑みを浮かべているのにその腹には隙あらば出し抜こうという魂胆が透けて見えた事を感じ取ってしまったからだ。
茶会に出席している少年や少女たちはドレスやタキシードといった正装に身を包み、豪華な菓子や茶を片手に花を咲かせてはいるもののその姿は純真なティボルトからすれば人の皮を被った怪物にしか見えない。
純粋な少年は怖気付き、馬車へと戻らんとする彼を引き止めたのは彼よりも幼い仮初の婚約者。
童女は小さく首を横に振り、彼の行動を非難した。
彼は立ち止まり改めて茶会の様子を眺めて生唾を飲み込んだものの、自身の使命を思い出たのか、背中を張ると仮初の婚約者を連れて改めて伯爵家の門をくぐっていく。
引き返した時には伯爵邸の茶会は既に盛況を迎えていた。
そんな時に伯爵に突然、幼い童女を連れた見慣れぬ顔の少年が現れたのだから、この茶会の常連である少年や少女たちが驚くのも無理はない。
多くの子息令嬢の中でも一番見慣れぬ幼い少年と童女に関心を向けたのは今年で十二歳になるという伯爵家の長男ダグラス・ウェスタードである。
ダグラスは伯爵家の子供の中で一番といっていい程に嫌味な性格をしていた。
だがそんな性格が顔に出てしまったのか伯爵家の三人の息子の中では一番、他の令嬢たちからの声掛けが少なかったのだ。
令嬢たちから声を掛けられなかった苛立ちもあったのかダグラスは二人にいきなり突っかかってきた。
「なんだ、お前は?ここは貴族以外の人物は侵入禁止だぞ、出ていけッ!」
彼は顔を真っ赤にしながら怒鳴った。
「お待ちください!ぼくとぼくの婚約者はこの茶会に招かれたのです!許可証もここに!」
ティボルトが慌てた様子で許可証を見せると突っ掛かる大義名分を失った彼は大人しく引っ込んだ。
だが悪知恵を働かせて別の理由を思い付いたらしい。
ティボルトに顔を近付けたかと思うと口元を歪めたかと思うと人差し指を掲げて、
「そうだ。お前たちはダンスが踊れるのか?お前とそいつは婚約者同士なんだろ?それならば、ダンスが踊れる筈だッ!伯爵家子息として命令するッ!ここで踊ってみろッ!」
「そ、それは……」
この時、ティボルトの頭の中をよぎった言葉は『不安』の二文字。
確かに彼はここに来る直前にダンスの練習を行なっていた。
だが誘拐騒動などがあり肝心のシャルロッテ二人との練習はし損なってしまった。
ティボルトが躊躇っていると、シャルロッテが恭しく頭を下げた。
そしてそのまま黙って自身の右手を仮初の婚約者へと差し出す。
差し出された手を前に呆気に取られるティボルトに向かって彼女は一言「ダンス」とだけ告げた。
「ハハッ、こりゃあ、いいな。令嬢にリードされる子息とはなぁ。おい、折角のレディのご好意だぞ早く踊れよ」
ティボルトが恐る恐る手を差し出すと、童女はその小さな体に似合わずに慣れない少年をリードして華麗な踊りを舞い踊っていくではないか。
リズムもタイミングも完璧である。少なくともバックミュージックとして音楽が流れてこない事が惜しまれるくらいには。
やがて二人がダンスを踊り終えると、周りには今回の茶会の参加者全員がその小さなレディに関心を寄せていたらしい。
二人の目は好奇の目に晒される事になった。
「あの子は誰だ?」
「何者かはわからん……だがあの踊りの腕だけは確かだぞ」
「うそ、あのパート。私でも上手く踊れないのに」
「本当にすごいわ。私……自身をなくしそう」
羨望と嫉妬の眼差しとが三歳の童女に注がれていく中、ダグラスは彼ら彼女らを乱暴に押し退けて向かおうとしたのだが、背後から大きな声で静止の声を聞いたので慌ててその動きを止める。
背後には父である伯爵の姿。
どうやら話題の童女とその婚約者が気になり茶会の見守り役を一旦降りてこの場にやって来たのだろう。
伯爵は近付くのと同時にティボルトに向かって笑い掛け気さくに手を振った。
それから、緊張のために固くなっている少年の緊張を緩和するように、務めて穏やかな口調で話し掛けたのだった。
「やぁ、こんにちは。先程はダグラスが済まなかったね」
伯爵はその口調に似つかわしい眼鏡をかけた穏やかな中年の男であった。
彼の着ているスーツはそんな伯爵の人柄を象徴するかのように真っ白であった。
ティボルトもその姿を見て安心したのかホッと一息吐く。
「い、いえ、そんな事は……」
「ハッハッ、隠さなくてもいいよ。あれは後でキツく叱っておくからね。それよりもキミの婚約者は素敵だ。一体今は幾つなんだい?」
「三歳だと聞いております」
「ええ!?三歳!?」
伯爵は大袈裟に驚いた後に、またしても和かな笑みを浮かべて言った。
「そうか、そうか、いい婚約者をお持ちだね。キミのお父様やお母様にもよく伝えておいてくれないかな?私はキミとキミの婚約者が気に入った、とね」
「あ、ありがとうございます!」
少年は大袈裟に頭を下げ、伯爵に感謝の意思を表す。
それから伯爵はもう一度、少年の前に振り返って、
「あぁ、それから、今日のは内輪の茶会だからね。そんなに気を張らなくてもいいんだよ。家にあるお菓子も好きなだけ食べてくれ」
伯爵なりの和ませ方であったのだろう。彼は自身の家の菓子の美味さを証明するように、庭先の菓子の一つを手に取り、口に頬張る。
一方で面白くないのは父に叱責された長男のダグラスである。
彼にとっては面子を潰されたも同然である。なにがなんでもあの見知らぬ男の婚約者を奪い取ってやろう。
そう意気込んだダグラスは、シャルロッテの元へと近寄ると横柄な口調で言った。
「おい、お前、おれはお前がどこの誰かは知らんが、俺はお前が気に入った!あんなガキの婚約者なんぞやめて、おれの婚約者になれ。おれは伯爵家の跡継ぎなんだぞッ!」
だがいかに権力を傘に着ようとも、シャルロッテは頑なに首を縦に振らない。
その姿に切れたダグラスが暴力を振るおうとした、まさにその時だ。
「ダグラス様!なにをなさっておられるのですか!?」
と、ティボルトがダグラスの非礼を大きな声で咎めた。
「まさか伯爵家の令息ともあろう方が、他人の婚約者を奪い去ろうという格好の悪い事をなさろうとしているのではありませんよね!?」
あの弱気な少年とは思えぬ鋭い口調と迫力に彼はすっかりと怖気付いてしまったらしい。慌てて茶会の会場の隅へと消えていく。
ティボルトは鼻を鳴らした後に自身の仮初の婚約者の頭を優しく撫でていく。
「怪我はなかったかい?ぼくのお姫様」
その問い掛けに愛らしい童女はその顔に似つかわしい優しい笑顔を浮かべてティボルトへと微笑み返す。
その笑顔を見てティボルトは今自信が婚約者は互いに婚約者を守る、という貴族の嗜みを守る事ができたのだという確信を得た。
彼の心はこの時すこぶる満足であった。
城といっても、巨大な塔が聳え立っているわけではない。むしろ、地方の田舎貴族であるから、その規模は屋敷というよりも庶民が想像する大きな城だと表現した方が適切だろう。
シャルロッテはいつもの人形が着るようなドレスの代わりに今日は子供の茶会用のドレスを渡され、それを身に付けていた。
小さいながらも、胸元に可愛らしいリボンを身に付けた仮初の婚約者を見るうちにティボルトは胸の内の高鳴りが抑えきれなくなっていた。
だが、彼は腐っても男であった。
ティボルトは緊張のためにガタガタと震わせながら自らの小さな手で更に小さな手を握り締めていた。
馬車は伯爵邸の前に着き、二人は馬車の御者の手を借り無事に地面へと降り立った。同時にティボルトの先導によって伯爵邸の庭先で行われているお茶会の席へと向かう。
その光景に今までを優しい父母や使用人たちに守られていた安全な家の中で過ごしていたティボルトは衝撃を受けた。
というのも、その茶会にて談笑している自分と同じ年の少年や少女たちはその誰もが顔にこそ穏やかな笑みを浮かべているのにその腹には隙あらば出し抜こうという魂胆が透けて見えた事を感じ取ってしまったからだ。
茶会に出席している少年や少女たちはドレスやタキシードといった正装に身を包み、豪華な菓子や茶を片手に花を咲かせてはいるもののその姿は純真なティボルトからすれば人の皮を被った怪物にしか見えない。
純粋な少年は怖気付き、馬車へと戻らんとする彼を引き止めたのは彼よりも幼い仮初の婚約者。
童女は小さく首を横に振り、彼の行動を非難した。
彼は立ち止まり改めて茶会の様子を眺めて生唾を飲み込んだものの、自身の使命を思い出たのか、背中を張ると仮初の婚約者を連れて改めて伯爵家の門をくぐっていく。
引き返した時には伯爵邸の茶会は既に盛況を迎えていた。
そんな時に伯爵に突然、幼い童女を連れた見慣れぬ顔の少年が現れたのだから、この茶会の常連である少年や少女たちが驚くのも無理はない。
多くの子息令嬢の中でも一番見慣れぬ幼い少年と童女に関心を向けたのは今年で十二歳になるという伯爵家の長男ダグラス・ウェスタードである。
ダグラスは伯爵家の子供の中で一番といっていい程に嫌味な性格をしていた。
だがそんな性格が顔に出てしまったのか伯爵家の三人の息子の中では一番、他の令嬢たちからの声掛けが少なかったのだ。
令嬢たちから声を掛けられなかった苛立ちもあったのかダグラスは二人にいきなり突っかかってきた。
「なんだ、お前は?ここは貴族以外の人物は侵入禁止だぞ、出ていけッ!」
彼は顔を真っ赤にしながら怒鳴った。
「お待ちください!ぼくとぼくの婚約者はこの茶会に招かれたのです!許可証もここに!」
ティボルトが慌てた様子で許可証を見せると突っ掛かる大義名分を失った彼は大人しく引っ込んだ。
だが悪知恵を働かせて別の理由を思い付いたらしい。
ティボルトに顔を近付けたかと思うと口元を歪めたかと思うと人差し指を掲げて、
「そうだ。お前たちはダンスが踊れるのか?お前とそいつは婚約者同士なんだろ?それならば、ダンスが踊れる筈だッ!伯爵家子息として命令するッ!ここで踊ってみろッ!」
「そ、それは……」
この時、ティボルトの頭の中をよぎった言葉は『不安』の二文字。
確かに彼はここに来る直前にダンスの練習を行なっていた。
だが誘拐騒動などがあり肝心のシャルロッテ二人との練習はし損なってしまった。
ティボルトが躊躇っていると、シャルロッテが恭しく頭を下げた。
そしてそのまま黙って自身の右手を仮初の婚約者へと差し出す。
差し出された手を前に呆気に取られるティボルトに向かって彼女は一言「ダンス」とだけ告げた。
「ハハッ、こりゃあ、いいな。令嬢にリードされる子息とはなぁ。おい、折角のレディのご好意だぞ早く踊れよ」
ティボルトが恐る恐る手を差し出すと、童女はその小さな体に似合わずに慣れない少年をリードして華麗な踊りを舞い踊っていくではないか。
リズムもタイミングも完璧である。少なくともバックミュージックとして音楽が流れてこない事が惜しまれるくらいには。
やがて二人がダンスを踊り終えると、周りには今回の茶会の参加者全員がその小さなレディに関心を寄せていたらしい。
二人の目は好奇の目に晒される事になった。
「あの子は誰だ?」
「何者かはわからん……だがあの踊りの腕だけは確かだぞ」
「うそ、あのパート。私でも上手く踊れないのに」
「本当にすごいわ。私……自身をなくしそう」
羨望と嫉妬の眼差しとが三歳の童女に注がれていく中、ダグラスは彼ら彼女らを乱暴に押し退けて向かおうとしたのだが、背後から大きな声で静止の声を聞いたので慌ててその動きを止める。
背後には父である伯爵の姿。
どうやら話題の童女とその婚約者が気になり茶会の見守り役を一旦降りてこの場にやって来たのだろう。
伯爵は近付くのと同時にティボルトに向かって笑い掛け気さくに手を振った。
それから、緊張のために固くなっている少年の緊張を緩和するように、務めて穏やかな口調で話し掛けたのだった。
「やぁ、こんにちは。先程はダグラスが済まなかったね」
伯爵はその口調に似つかわしい眼鏡をかけた穏やかな中年の男であった。
彼の着ているスーツはそんな伯爵の人柄を象徴するかのように真っ白であった。
ティボルトもその姿を見て安心したのかホッと一息吐く。
「い、いえ、そんな事は……」
「ハッハッ、隠さなくてもいいよ。あれは後でキツく叱っておくからね。それよりもキミの婚約者は素敵だ。一体今は幾つなんだい?」
「三歳だと聞いております」
「ええ!?三歳!?」
伯爵は大袈裟に驚いた後に、またしても和かな笑みを浮かべて言った。
「そうか、そうか、いい婚約者をお持ちだね。キミのお父様やお母様にもよく伝えておいてくれないかな?私はキミとキミの婚約者が気に入った、とね」
「あ、ありがとうございます!」
少年は大袈裟に頭を下げ、伯爵に感謝の意思を表す。
それから伯爵はもう一度、少年の前に振り返って、
「あぁ、それから、今日のは内輪の茶会だからね。そんなに気を張らなくてもいいんだよ。家にあるお菓子も好きなだけ食べてくれ」
伯爵なりの和ませ方であったのだろう。彼は自身の家の菓子の美味さを証明するように、庭先の菓子の一つを手に取り、口に頬張る。
一方で面白くないのは父に叱責された長男のダグラスである。
彼にとっては面子を潰されたも同然である。なにがなんでもあの見知らぬ男の婚約者を奪い取ってやろう。
そう意気込んだダグラスは、シャルロッテの元へと近寄ると横柄な口調で言った。
「おい、お前、おれはお前がどこの誰かは知らんが、俺はお前が気に入った!あんなガキの婚約者なんぞやめて、おれの婚約者になれ。おれは伯爵家の跡継ぎなんだぞッ!」
だがいかに権力を傘に着ようとも、シャルロッテは頑なに首を縦に振らない。
その姿に切れたダグラスが暴力を振るおうとした、まさにその時だ。
「ダグラス様!なにをなさっておられるのですか!?」
と、ティボルトがダグラスの非礼を大きな声で咎めた。
「まさか伯爵家の令息ともあろう方が、他人の婚約者を奪い去ろうという格好の悪い事をなさろうとしているのではありませんよね!?」
あの弱気な少年とは思えぬ鋭い口調と迫力に彼はすっかりと怖気付いてしまったらしい。慌てて茶会の会場の隅へと消えていく。
ティボルトは鼻を鳴らした後に自身の仮初の婚約者の頭を優しく撫でていく。
「怪我はなかったかい?ぼくのお姫様」
その問い掛けに愛らしい童女はその顔に似つかわしい優しい笑顔を浮かべてティボルトへと微笑み返す。
その笑顔を見てティボルトは今自信が婚約者は互いに婚約者を守る、という貴族の嗜みを守る事ができたのだという確信を得た。
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