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その女、稀代の悪女につき
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「だから!その化け物退治以外の仕事はねぇのかよ!」
「申し訳ありませんが、最近はその化け物が南西の森に現れたためか、すっかりと従来の魔物の類が減少しておりまして……」
「ざけんなよ!おれはなぁ、飲み屋のツケが溜まってるんだぞ!」
その男が冒険者ギルドのカウンターを叩いて、身を乗り出さんばかりの勢いで受付の女性に向かって掴みかかろうとしたときだ。
タイミングを見計らったかのようにギルドの扉が開く。
同時に先程まで叫んでいた冒険者と思われる男はおろか、受付と思われる女性も黙ってしまった。
いや、そればかりではない。ギルドの中に集まった冒険者全員が扉を開けて現れた女性を見るなり息をのんだ。
だが、女性はそんな冒険者たちの様子になど配慮する事もなく乳母車を引きながら、カウンターの前へと向かう。
「……魔獣討伐師のアイリーン・カンタベルトという者です。申し訳ありませんが、このギルドの宿泊施設を使う事はできますでしょうか?」
「え、あの、その……」
「使えるわけねぇだろ!」
口籠る受付の女性に代わって答えたのは先程までその女性に絡んでいた冒険者の男である。
いかにも、浮ついた様子の男はアイリーンの元にまで近寄ると、彼女の胸ぐらを掴んで憎々しげな口調で言い放った。
憎悪の炎で燃えたぎる目と悪意に塗られた言葉は通常の人間ならば聞くに耐えない言葉である。
それでも、波が過ぎ去るまで耐え忍んでいたのは彼女が幼い頃から精神を鍛えていたからだろう。
何はともあれ、目の前の男が言いたい言葉を全て吐き捨てるのを見極め、再び受付の女性へと向き直る。
「……宿をお頼み申します」
「……は、はい」
怯え切った様子の女性を見て、冒険者は舌を打ち、今度は彼女を弾劾し始めていく。
彼は正義という絶対的な盾を、矛を持っていた。
だからこそ、自信満々の様子を浮かべながら人差し指まで突き刺し、大きな声で叫んでいるのだろう。
「大体あんたらギルド側もいけないんだぜ!普段はおれらに危険な依頼ばかり渡しやがって、いざという時には共通の敵を追い出そうともしやがらねぇ!」
今度は男の叫び声に同調して集まっていた冒険者たちが乗っかっていく。
誰もそれを止めようとしない。そして、男が何かを発する度に多くの言葉のナイフが彼女の心を容赦なく突き刺していく。
いよいよ彼女が泣き出した時だ。同時に冒険者の男が小さな悲鳴を上げる。
「くっ、クソ!このガキが!」
冒険者の男が悲鳴を上げたのはアイリーンの子、シャルロッテが原因であったらしい。
幼い少女でありながらも、倫理観や道徳観というのは大人よりも上であったようだ。
少女は刺していた爪を素早く冒険者の男の脚から離すと、カウンターの上に登り、受付の女性を守るように男たちに立ち塞がった。
「こ、このガキがッ!」
冒険者の男が剣を抜こうとしたその矢先の事である。素早く白刃の一閃が迸り、男の手から剣を落とす。
男は足を後ろへとずらしながら、剣を構えるアイリーンを見つめた。
口を一文字に結び、両目にはハッキリとした敵意を含ませているその姿は男の目には異様に映った。
同時に彼女から発せられる闘気を察したのか、その場に集まっていた冒険者たちは慌ててその場から去っていく。
アイリーンはそれを見届けると、剣を仕舞い、改めて受付の女性へと向き直る。
「失礼致しました。どうか、シャルロッテを許してあげてください。娘は善意でやっただけですので……」
その肝心のシャルロッテはこの時、既にカウンターから降り、乳母車の中に収まっていた。
「いえ、私の方こそ助かりました。ありがとうございます」
受付の女性はそれを見届け、深々と頭を下げていく。
「それで改めてお尋ね申し上げますが、今晩の宿は?」
「勿論です!今晩とは言わずに何晩でも泊まっていってください!」
積極的なアプローチにもアイリーンは困った顔をするでもなく、ただ無愛想に首を振るばかりである。
各地の冒険者ギルドは遠方より依頼を果たしに来る冒険者のために二階部分を宿に改装している所が多い。
この町のギルドもその例に漏れず、二階部分を宿にしているので、彼女は幼い娘を連れて二階へと向かっていく。
二階の簡素なベッドが二台置かれた部屋に着くと、彼女は乳母車の娘を抱き抱え、ベッドの上に下ろすと乳母車の底に敷いていた荷物を取り出す。
就寝用の着替えを取り出すと、彼女はシャルロッテを着替えさせた後に寝付かせると、自身も就寝用の衣服を着て、その隣のベッドに寝付いた。
アイリーンは旅に出るようになってからは剣を抱き抱えて寝るように、また入り口の近くの寝台に横になる事により、曲者の侵入を用心していたのである。
その日もその事が功を奏したらしい。彼女は扉のガチャリという音で夢の世界から即座に現実の世界へと帰還し、ベッドの上から起き上がる。
それから、剣先を侵入者に向かって突き付ける。
「武器を捨てなさい」
凛として、それでいて透き通るような声は大抵の男は畏怖してしまう。
まして、今のアイリーンは剣を構えているのである。
襲撃者は慌てて両手を上げる。
寝巻き姿のアイリーンは剣を構えながら、襲撃者たちの顔を確認していく。
「……おや、あなたは」
「チッ、バレちまったか」
「なんで、バレるのよ!」
「そうよ!なんで、計画がバレてんのよ!」
背後から聞こえる声はどうやら、彼の仲間の声であるらしい。
大方、彼のパーティの仲間というところだろうか。
「一度しか尋ねませんから、よく答えてくださいね。何をしに来たんですか?狙いは私ですか?それとも、シャルロッテですか?」
「あんた以外にいないよ!」
「そうよ!誰だってみんなあんたが嫌いなんだから!」
剣を突き付けられ、恐怖の感情が脳を支配している男の代わりに仲間の女たちが答えた。
どうやら、アイリーン本人を狙っていたらしい。
自分の命を狙いに来たのだから、このまま首を落とすのもよい。
だが、それでは面白くない。彼女は男の命を助ける代わりに今自分が依頼として承っている怪物についての情報を男に尋ねた。
「あ、あの森の中の奴らの事か……あいつらはマジモンの化け物だ。あいつらだけはやめておけよ。これまで何組ものパーティが挑んだけど、誰も勝てなかったかたんだから」
「それは知ってます。その怪物についての情報をもっと教えてくれませんか?」
彼女の握る剣が首元で冷えたのだろう。男は怯えた表情を浮かべながら、自分が知っている限りの情報を彼女に喋っていく。
怪物は地元の人間から『ベンシル』と名付けられている事。そして、その意味が無敵を表す事を知った。
「……それだけですか?後に知っている事は?」
「ね、ねぇよ!頼むよ!おれはまだ死にたくないんだ!」
両足を震わせながら叫ぶ男からアイリーンは剣を離し、そのまま突き飛ばす。
同時にシャルロッテが泣いたので、彼女は男を振り返ろうともせずにあやしに向かうのだった。
「申し訳ありませんが、最近はその化け物が南西の森に現れたためか、すっかりと従来の魔物の類が減少しておりまして……」
「ざけんなよ!おれはなぁ、飲み屋のツケが溜まってるんだぞ!」
その男が冒険者ギルドのカウンターを叩いて、身を乗り出さんばかりの勢いで受付の女性に向かって掴みかかろうとしたときだ。
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同時に先程まで叫んでいた冒険者と思われる男はおろか、受付と思われる女性も黙ってしまった。
いや、そればかりではない。ギルドの中に集まった冒険者全員が扉を開けて現れた女性を見るなり息をのんだ。
だが、女性はそんな冒険者たちの様子になど配慮する事もなく乳母車を引きながら、カウンターの前へと向かう。
「……魔獣討伐師のアイリーン・カンタベルトという者です。申し訳ありませんが、このギルドの宿泊施設を使う事はできますでしょうか?」
「え、あの、その……」
「使えるわけねぇだろ!」
口籠る受付の女性に代わって答えたのは先程までその女性に絡んでいた冒険者の男である。
いかにも、浮ついた様子の男はアイリーンの元にまで近寄ると、彼女の胸ぐらを掴んで憎々しげな口調で言い放った。
憎悪の炎で燃えたぎる目と悪意に塗られた言葉は通常の人間ならば聞くに耐えない言葉である。
それでも、波が過ぎ去るまで耐え忍んでいたのは彼女が幼い頃から精神を鍛えていたからだろう。
何はともあれ、目の前の男が言いたい言葉を全て吐き捨てるのを見極め、再び受付の女性へと向き直る。
「……宿をお頼み申します」
「……は、はい」
怯え切った様子の女性を見て、冒険者は舌を打ち、今度は彼女を弾劾し始めていく。
彼は正義という絶対的な盾を、矛を持っていた。
だからこそ、自信満々の様子を浮かべながら人差し指まで突き刺し、大きな声で叫んでいるのだろう。
「大体あんたらギルド側もいけないんだぜ!普段はおれらに危険な依頼ばかり渡しやがって、いざという時には共通の敵を追い出そうともしやがらねぇ!」
今度は男の叫び声に同調して集まっていた冒険者たちが乗っかっていく。
誰もそれを止めようとしない。そして、男が何かを発する度に多くの言葉のナイフが彼女の心を容赦なく突き刺していく。
いよいよ彼女が泣き出した時だ。同時に冒険者の男が小さな悲鳴を上げる。
「くっ、クソ!このガキが!」
冒険者の男が悲鳴を上げたのはアイリーンの子、シャルロッテが原因であったらしい。
幼い少女でありながらも、倫理観や道徳観というのは大人よりも上であったようだ。
少女は刺していた爪を素早く冒険者の男の脚から離すと、カウンターの上に登り、受付の女性を守るように男たちに立ち塞がった。
「こ、このガキがッ!」
冒険者の男が剣を抜こうとしたその矢先の事である。素早く白刃の一閃が迸り、男の手から剣を落とす。
男は足を後ろへとずらしながら、剣を構えるアイリーンを見つめた。
口を一文字に結び、両目にはハッキリとした敵意を含ませているその姿は男の目には異様に映った。
同時に彼女から発せられる闘気を察したのか、その場に集まっていた冒険者たちは慌ててその場から去っていく。
アイリーンはそれを見届けると、剣を仕舞い、改めて受付の女性へと向き直る。
「失礼致しました。どうか、シャルロッテを許してあげてください。娘は善意でやっただけですので……」
その肝心のシャルロッテはこの時、既にカウンターから降り、乳母車の中に収まっていた。
「いえ、私の方こそ助かりました。ありがとうございます」
受付の女性はそれを見届け、深々と頭を下げていく。
「それで改めてお尋ね申し上げますが、今晩の宿は?」
「勿論です!今晩とは言わずに何晩でも泊まっていってください!」
積極的なアプローチにもアイリーンは困った顔をするでもなく、ただ無愛想に首を振るばかりである。
各地の冒険者ギルドは遠方より依頼を果たしに来る冒険者のために二階部分を宿に改装している所が多い。
この町のギルドもその例に漏れず、二階部分を宿にしているので、彼女は幼い娘を連れて二階へと向かっていく。
二階の簡素なベッドが二台置かれた部屋に着くと、彼女は乳母車の娘を抱き抱え、ベッドの上に下ろすと乳母車の底に敷いていた荷物を取り出す。
就寝用の着替えを取り出すと、彼女はシャルロッテを着替えさせた後に寝付かせると、自身も就寝用の衣服を着て、その隣のベッドに寝付いた。
アイリーンは旅に出るようになってからは剣を抱き抱えて寝るように、また入り口の近くの寝台に横になる事により、曲者の侵入を用心していたのである。
その日もその事が功を奏したらしい。彼女は扉のガチャリという音で夢の世界から即座に現実の世界へと帰還し、ベッドの上から起き上がる。
それから、剣先を侵入者に向かって突き付ける。
「武器を捨てなさい」
凛として、それでいて透き通るような声は大抵の男は畏怖してしまう。
まして、今のアイリーンは剣を構えているのである。
襲撃者は慌てて両手を上げる。
寝巻き姿のアイリーンは剣を構えながら、襲撃者たちの顔を確認していく。
「……おや、あなたは」
「チッ、バレちまったか」
「なんで、バレるのよ!」
「そうよ!なんで、計画がバレてんのよ!」
背後から聞こえる声はどうやら、彼の仲間の声であるらしい。
大方、彼のパーティの仲間というところだろうか。
「一度しか尋ねませんから、よく答えてくださいね。何をしに来たんですか?狙いは私ですか?それとも、シャルロッテですか?」
「あんた以外にいないよ!」
「そうよ!誰だってみんなあんたが嫌いなんだから!」
剣を突き付けられ、恐怖の感情が脳を支配している男の代わりに仲間の女たちが答えた。
どうやら、アイリーン本人を狙っていたらしい。
自分の命を狙いに来たのだから、このまま首を落とすのもよい。
だが、それでは面白くない。彼女は男の命を助ける代わりに今自分が依頼として承っている怪物についての情報を男に尋ねた。
「あ、あの森の中の奴らの事か……あいつらはマジモンの化け物だ。あいつらだけはやめておけよ。これまで何組ものパーティが挑んだけど、誰も勝てなかったかたんだから」
「それは知ってます。その怪物についての情報をもっと教えてくれませんか?」
彼女の握る剣が首元で冷えたのだろう。男は怯えた表情を浮かべながら、自分が知っている限りの情報を彼女に喋っていく。
怪物は地元の人間から『ベンシル』と名付けられている事。そして、その意味が無敵を表す事を知った。
「……それだけですか?後に知っている事は?」
「ね、ねぇよ!頼むよ!おれはまだ死にたくないんだ!」
両足を震わせながら叫ぶ男からアイリーンは剣を離し、そのまま突き飛ばす。
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