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天楼牛車決戦編
牛女の行方
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近作日向は目の前の女に対峙するのと同時に、心の中の怒りが抑えきれなくなってしまう。同時に自分の理性だとか鎖だとか怒りを押さえ付けるための鎖だとかそういった類のものが吹き飛ぶ様な気がした。
彼は昔、まだ国民学校と呼ばれていた頃、小学校の低学年であった頃に、自分の祖父が自分を守るために同じ村の歳の子を蛇姫に差し出した時の事を思い出す。
あの少年は日向と何度も遊んだ事があるので自然と彼は覚えていた。同時に、彼が生贄として差し出される前の日。彼は何故か祖父にいつもよりも多い時間、彼と遊ぶ事を許された。
魚を釣ったり、山に登ったり、日が暮れるまで夢中になって遊んでいた。
そして、いつも通り、手を振って別れたのだ。
「また明日ね」と。
だが、翌日になり、彼が食べられた事を知った。日向は祖父を責めたものの、直ぐに祖父から怒鳴り返されてそのまますごすごと立ち去ってしまう。
以後、彼の頭の中には彼の記憶は無くなり、彼の頭の中ではその少年の名前は消えていた。
だが、今、この瞬間、この女を見た時に思い出したのだ。なぜなら、あの日、帰り際にあの女が自分の友人を値踏みする様に見つめていたのだから。
日向はこの女が蛇姫。いや、妖鬼を作り出さなければ、あの友人は死ななかったと思うと、刀を震わさずにはいられなかった。
彼は刀を振り上げ様としたが、その前に自身の身体が人間のものから真っ白な虎に変わっていく事に気が付く。
真っ白な虎となった彼は真っ先に蛇姫に喰ってかかり、友人の仇を取ろうかと試みた。
だが、勇猛が果敢な虎は普段ならば、妖鬼にも人間にも無限の強さを誇る筈であるのに、今回ばかりは毒の仕込まれた薙刀の前に、体を斬られて地面の上にねじ伏せられてしまう。
全てが一瞬の事であった。日向は涙を流しながら、これまでの人生の事を回顧していく。
思えば、自分は常に誰かに従って生きていたのではないか。常に祖父に面倒を見られ、討滅寮に入り、対魔師となってからも綺蝶や風太郎の影の様に動いていた。
ようやく、自分の意のままに動き始めたのは今回のみ。ようやく取得した破魔式で24魔将を数名、片方は恐らく奈良時代位の鎧を着ていた事から、その男が相当に長い時間を掛けて妖鬼となった事が分かった。
そして、その男を倒した時に、何となく24魔将が全滅した気がして、内心、早る気持ちを抑えながら、綺蝶と共にこの部屋に突入したのだ。
どうして、自分の気持ちに正直にならなかったのだろう。
日向は自らの所業。今まで常に人の影として動いた事を悔いていく。
だが、過ぎ去った日々は戻ってこない。同時に、失われた命も戻ってこない。お菓子を食べたら帰ってこないのと同様に、割れた皿が元に戻らないのと同様に。
時間も限りある命も、失われた命は戻ってこない。
なら、自分に今、出来る事はなんだろう。彼はふとまだ四本の足で歩ける事、そして、今更ながらに両足で進める事にも気が付く。
まだだ。自分はまだ終わってはいない。日向はそう自分に言い聞かせると、四本足のまま、今は油断している紅葉を襲う。
虎の本能のままに相手を喰らい付くさんとばかりに、咆哮を上げ、真っ白な歯から涎を垂らして紅葉を狙う。
紅葉はこの時に初めてそれまでの余裕ぶった表情を消して怯えた表情を浮かべた。
日向を押し退けようとしたが、日向は払い落とされるよりも前に、紅葉の腕に勢いよく噛み付く。
紅葉は悲鳴を上げて地面の上で漏らさんばかりの怯え振りを見せてやる。
身動きができない所に、斑目綺蝶が現れて、彼女の耳元で囁く。
「木本奏音がお前を殺しにきたぞ」
毒に見舞われながらも、意志だけで動く白虎を前にすれば、そう囁くだけで彼女の理性という名の鎖は砕け散ってしまう。
玉藻紅葉は見苦しい声を上げながら、牛女に向かって泣き叫びながら叫ぶ。
「牛女!牛女!こいつらを殺せ!皆殺しにしろ!」
だが、牛女は何故か動かない。なので彼女はトドメの一言を口に出して彼女を突き動かす。
「何をしている!?早くしろ!私の命令が聞こえないのか!?」
牛女がその無茶苦茶とも言える指示に従って足を操るための笛を吹くのと、和巳が刀を振り上げるのは同時であった。
牛女は和巳が何をするのかは理解していたらしく、彼が刀を振り上げるよりも先に、天楼牛車を引いて空中へと飛ぶ。
そして、牛車の動く衝撃で紅葉の上に乗っていた白虎は崩れ去り、倒れた白虎に紅葉はとどめを刺す。
それを見届けると、牛女は笛を吹いてその場に居合わせた対魔師たちを上空から地面に叩き落とす。
地面の下に落ちた対魔師たちは全員が死ぬ。
長い道のりだった。紅葉は安堵の溜息を吐く。ここに来るまでの間に、愛した双子の兄は死に、長年参謀役を務めていた妹も死んだ。千年以上の時間を掛けて選抜した妖鬼たち、24魔将もこの戦いで全滅した。
だが、同時に奴らも壊滅した。後は弱い老婆とその護衛だけ。
自分一人でも片付けられる。そう息巻いていた時だ。急に、背後から声が聞こえて、彼の耳元で囁く声が聞こえた。
「良い夢は見れたか?」
紅葉が背後を振り向くと、そこには菊園寺家の跡取り息子にして現在は対魔師を務める和巳の姿。
慌てて紅葉が辺りを見渡すと、そこには既に首を斬られた牛女の姿。
彼女の体が光に包まれて消えていくのが見えた。
紅葉は苛立ち紛れに、背後の紅葉を触手で串刺しにし、その上で多量の毒を流し込んで殺していく。青紫色に染まった青年が勝ち誇った顔のまま地面に崩れていく姿が目に見えた。
同時に、彼女の周りを刀を持った対魔師たちが取り囲んでいる事に気が付く。
どうやら、自分はここまで追い詰められたらしい。
斑目綺蝶が自分の側を離れて刀を突き付けている事や、地面の上に毒が回り倒れた日向の姿が存在している事から、あの窮地だけは脱したらしいが。
それにしても、不本意だ。まさか、自分がここまで追い詰められてしまうとは。
それに、管理を務める牛女が死んだ事により、天楼牛車並びに牛の姿をした怪物は制御ができずに、分裂してその場に散ってしまう。
またしても、場所は討滅寮の庭の中。
自身と同様に天楼牛車から弾き出された対魔師たちが姿を見せていた。
彼女は弾き出された場所から起き上がるとのと同時に呟く。
「どうやら、私自らの手で決着を付けるしかなくなった様ね。いいわ、何処からでも掛かって来なさい」
彼女は側に落ちていた薙刀を拾うと、その場に居合わせた全員を手招きして言う。
彼は昔、まだ国民学校と呼ばれていた頃、小学校の低学年であった頃に、自分の祖父が自分を守るために同じ村の歳の子を蛇姫に差し出した時の事を思い出す。
あの少年は日向と何度も遊んだ事があるので自然と彼は覚えていた。同時に、彼が生贄として差し出される前の日。彼は何故か祖父にいつもよりも多い時間、彼と遊ぶ事を許された。
魚を釣ったり、山に登ったり、日が暮れるまで夢中になって遊んでいた。
そして、いつも通り、手を振って別れたのだ。
「また明日ね」と。
だが、翌日になり、彼が食べられた事を知った。日向は祖父を責めたものの、直ぐに祖父から怒鳴り返されてそのまますごすごと立ち去ってしまう。
以後、彼の頭の中には彼の記憶は無くなり、彼の頭の中ではその少年の名前は消えていた。
だが、今、この瞬間、この女を見た時に思い出したのだ。なぜなら、あの日、帰り際にあの女が自分の友人を値踏みする様に見つめていたのだから。
日向はこの女が蛇姫。いや、妖鬼を作り出さなければ、あの友人は死ななかったと思うと、刀を震わさずにはいられなかった。
彼は刀を振り上げ様としたが、その前に自身の身体が人間のものから真っ白な虎に変わっていく事に気が付く。
真っ白な虎となった彼は真っ先に蛇姫に喰ってかかり、友人の仇を取ろうかと試みた。
だが、勇猛が果敢な虎は普段ならば、妖鬼にも人間にも無限の強さを誇る筈であるのに、今回ばかりは毒の仕込まれた薙刀の前に、体を斬られて地面の上にねじ伏せられてしまう。
全てが一瞬の事であった。日向は涙を流しながら、これまでの人生の事を回顧していく。
思えば、自分は常に誰かに従って生きていたのではないか。常に祖父に面倒を見られ、討滅寮に入り、対魔師となってからも綺蝶や風太郎の影の様に動いていた。
ようやく、自分の意のままに動き始めたのは今回のみ。ようやく取得した破魔式で24魔将を数名、片方は恐らく奈良時代位の鎧を着ていた事から、その男が相当に長い時間を掛けて妖鬼となった事が分かった。
そして、その男を倒した時に、何となく24魔将が全滅した気がして、内心、早る気持ちを抑えながら、綺蝶と共にこの部屋に突入したのだ。
どうして、自分の気持ちに正直にならなかったのだろう。
日向は自らの所業。今まで常に人の影として動いた事を悔いていく。
だが、過ぎ去った日々は戻ってこない。同時に、失われた命も戻ってこない。お菓子を食べたら帰ってこないのと同様に、割れた皿が元に戻らないのと同様に。
時間も限りある命も、失われた命は戻ってこない。
なら、自分に今、出来る事はなんだろう。彼はふとまだ四本の足で歩ける事、そして、今更ながらに両足で進める事にも気が付く。
まだだ。自分はまだ終わってはいない。日向はそう自分に言い聞かせると、四本足のまま、今は油断している紅葉を襲う。
虎の本能のままに相手を喰らい付くさんとばかりに、咆哮を上げ、真っ白な歯から涎を垂らして紅葉を狙う。
紅葉はこの時に初めてそれまでの余裕ぶった表情を消して怯えた表情を浮かべた。
日向を押し退けようとしたが、日向は払い落とされるよりも前に、紅葉の腕に勢いよく噛み付く。
紅葉は悲鳴を上げて地面の上で漏らさんばかりの怯え振りを見せてやる。
身動きができない所に、斑目綺蝶が現れて、彼女の耳元で囁く。
「木本奏音がお前を殺しにきたぞ」
毒に見舞われながらも、意志だけで動く白虎を前にすれば、そう囁くだけで彼女の理性という名の鎖は砕け散ってしまう。
玉藻紅葉は見苦しい声を上げながら、牛女に向かって泣き叫びながら叫ぶ。
「牛女!牛女!こいつらを殺せ!皆殺しにしろ!」
だが、牛女は何故か動かない。なので彼女はトドメの一言を口に出して彼女を突き動かす。
「何をしている!?早くしろ!私の命令が聞こえないのか!?」
牛女がその無茶苦茶とも言える指示に従って足を操るための笛を吹くのと、和巳が刀を振り上げるのは同時であった。
牛女は和巳が何をするのかは理解していたらしく、彼が刀を振り上げるよりも先に、天楼牛車を引いて空中へと飛ぶ。
そして、牛車の動く衝撃で紅葉の上に乗っていた白虎は崩れ去り、倒れた白虎に紅葉はとどめを刺す。
それを見届けると、牛女は笛を吹いてその場に居合わせた対魔師たちを上空から地面に叩き落とす。
地面の下に落ちた対魔師たちは全員が死ぬ。
長い道のりだった。紅葉は安堵の溜息を吐く。ここに来るまでの間に、愛した双子の兄は死に、長年参謀役を務めていた妹も死んだ。千年以上の時間を掛けて選抜した妖鬼たち、24魔将もこの戦いで全滅した。
だが、同時に奴らも壊滅した。後は弱い老婆とその護衛だけ。
自分一人でも片付けられる。そう息巻いていた時だ。急に、背後から声が聞こえて、彼の耳元で囁く声が聞こえた。
「良い夢は見れたか?」
紅葉が背後を振り向くと、そこには菊園寺家の跡取り息子にして現在は対魔師を務める和巳の姿。
慌てて紅葉が辺りを見渡すと、そこには既に首を斬られた牛女の姿。
彼女の体が光に包まれて消えていくのが見えた。
紅葉は苛立ち紛れに、背後の紅葉を触手で串刺しにし、その上で多量の毒を流し込んで殺していく。青紫色に染まった青年が勝ち誇った顔のまま地面に崩れていく姿が目に見えた。
同時に、彼女の周りを刀を持った対魔師たちが取り囲んでいる事に気が付く。
どうやら、自分はここまで追い詰められたらしい。
斑目綺蝶が自分の側を離れて刀を突き付けている事や、地面の上に毒が回り倒れた日向の姿が存在している事から、あの窮地だけは脱したらしいが。
それにしても、不本意だ。まさか、自分がここまで追い詰められてしまうとは。
それに、管理を務める牛女が死んだ事により、天楼牛車並びに牛の姿をした怪物は制御ができずに、分裂してその場に散ってしまう。
またしても、場所は討滅寮の庭の中。
自身と同様に天楼牛車から弾き出された対魔師たちが姿を見せていた。
彼女は弾き出された場所から起き上がるとのと同時に呟く。
「どうやら、私自らの手で決着を付けるしかなくなった様ね。いいわ、何処からでも掛かって来なさい」
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