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第二部 第五章
二仙山・渭南県鄭城・南岳祝融廟(一)
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「それでは行ってくる。一清はあとを頼む」
「師父、どうしても私にお任せ願えませんか」
薄明の中、二仙山の奥庭に描かれた八卦陣の前で、羅真人と一清道人の押し問答が続く。見送りに来た他の道士たちははらはらしながら二人のやりとりを見つめている。
南県に巣くい、数多くの人々を食らって久しい魔物「檮杌」の討伐に向かう龍虎山の張天師から、助力の要請を受けて赴こうとしているのである。
観主である羅真人の体を慮る一清道人が、代わりに行くと申し出たものの、羅真人が頑として譲らない。
「師父を蔑ろにする気は毛頭ありませんが、まもなく百歳を迎える御身を大切にしてください。そろそろ羽化登仙を目指すともおっしゃっていたではありませんか」
「おぬしこそまだ湯気の立つほど新婚ほやほやではないか。こんな美人のかみさんを残して、何かあったらどうするつもりじゃ。それにおぬしを頼ってきた新しい仲間も心細かろうて」
双方相手を深く思いやっての議論で埒があかない。最終的には「もし次回があれば、以降は「入雲龍公孫勝」こと一清道人が向かう、ということで一応の決着をみた。
「それでは一同、あとを頼んだぞ。新入りの、ええと樊瑞と朱武であったか。一清のいうことを聞いて修行に励めよ」
「心得ましてございます」
名指しで呼ばれた二人は深々と頭を下げた。
「それから、どこへいったあの狐は」
「ここでおじゃる」
「おお、おぬしも以前と比べてだいぶ邪気が抜けてきたようじゃの。麓の若者からちょいと精気をもらってくるくらいならともかく、くれぐれもおかしな気を起こすでないぞ」
「心配ご無用でおじゃる」
八卦陣の中央の太極円に立った羅真人は、咒文を詠唱するでもなく、ただ持った杖をとんと地に突いた。と思った一瞬で姿はかき消えてしまった。
同じ縮地法を使うにしても、あまりの手際の良さに見ていた一同は改めて羅真人の仙術の凄さを思い知らされたのである。
「さて、では一同、お勤めを始めるが、かなり手薄になったこともある。くれぐれも油断しないこと。何か異状があったらすぐに知らせよ。よしか」
一清道人の言葉に、一同拱手し頭を下げる。
三清殿で「元始天尊」、「太上老君」「太上道君」の「三清」をはじめとする多くの神々に、線香を供え咒文を詠唱して祀り、朝餉を済ませた後、それぞれの修行に入る者、拝観者の接待や線香、紙銭、咒符を売る者、建物内の清掃をする者など、なかなかに忙しい。
羅真人から釘を刺されていた己五尾も、売店で甲斐甲斐しく働いている。
妲己の眷属たる己五尾の知識にあるのは、二千年以上前の殷の時代の様子である。
そもそもこの北宋の時代は長い中国の歴史でも飛躍的に経済や文化が進んだ時代であり、特にこの徽宗の代は爛熟とすら言える世相で、己五尾にしてみれば物珍しいこと甚だしい。
また人垂らしというか、「魅了」の妖力もあり、ちょいと流し目を向けるだけで、特に男の参拝者には線香だの咒符だの、あるいは饅頭などが飛ぶように売れるのだ。
並んで売店に立つ翠円も、かつては男どもが押すな押すなの長蛇の列を作った器量よしだが、今では己五尾を悋気の眼で睨む、男どもの奥さんや恋人ばかりが、翠円の前に並んでいる。
そもそも王扇と己五尾が増えたことで、お参りにくる男たちがどっと増え、売り上げ自体以前の倍以上になって喜ばしいことだが、そこはそれ、一番人気が二番人気になったようで、翠円としては少々面白くない。
横目でちらちらと、己五尾の客あしらいを観察していてふと気づいた。
己五尾から何かを買おうという男どもは、必ずと言っていいほどちょうどの金額を出さない。三文の物を買うのになぜか四文なり五文なり渡す。
そうすると己五尾はにこりと笑いながら、「二文多いでおじゃるな」と釣りを相手の掌に置き、その手をそっと包み込むように握っているのだ。そして手を握られた男は「にたぁ」と鼻の下を伸ばす。
ひどいのになると一度買った後でまた列の後ろに並び直し、やはり多く払って手を握ってもらってにたぁ……
(こいつ、なんてあざとい真似を!)
気づいた翠円、一瞬かっとなった。 だが「じゃあ自分にもできるか?」と、考えると、とてもではないが無理だ。
そもそも、美人に手を握ってもらうためだけにそんな小芝居をし、手を握ってもらうだけでやに下がるような輩である。翠円としてはお客でなければ相手にしたくないような男どもだ。
(そう考えると、己五尾は凄い女かも……)
と気づいた翠円は、ふうっとため息をつき、以後張り合おうとするのをやめた。
実は己五尾、男どもの手を軽く握るたびに、ほんの少量ずつ精気を吸い取っている。男どもがにやけているときというのは、少なからず淫らな気持ちを抱いているわけで、精気を吸い取るには絶好の機会であり、ごく少量なので男たちも気づかず、むしろ軽く快感を覚え、つい癖になってしまうのである。
つまり己五尾は、仕事と併せて自らの実益を兼ねて行っている行動であり、観山寺でのしくじりを生かして、「行かせず殺さず」と、うまいこと調整して自分の妖力を少しずつ蓄えているだけなのだ。
だから翠円が負けを認めるほどの、高尚な行動をしているわけではないのだが、神ならぬ翠円の知るところではなく、怪我の功名で己五尾に対する敵対意識が薄れたことになる。
(もう少し頑張れば、四本目の尾も生えてくるかも知れぬな)
心中ほくそ笑みながら、外面如菩薩内心如夜叉の対応を続ける己五尾が、次の男の対応でふと違和感を感じた。
二文の線香代に、二文ちょうどを突き出してきたのだ。
(はて、初めての客かの?)
ふいと男の客の顔を見上げて、己五尾の笑顔がほんの僅か強ばった。
(む? どこかで見たような)
取り立てて特徴の無い地味な服装に、頬被りをしていて顔ははっきりと見えないが、がっしりとした顎と広い肩幅、二文を突き出している手は、あちこち節くれ立っているが農民のそれとは明らかに違っている。
己五尾は「淫気」をほんの微量放出しつつ、線香を渡すときに軽く男の手に触れてみたが、「ばちっ」と、静電気が通ったように「淫気」が弾き飛ばされた。
男がはっと顔を上げ、己五尾と目が合った。その瞬間己五尾は思いだした。
(わかった! あのときのあいつだ!)
冷静に表情を取り繕い、
「空気が乾燥していると時々こうなるのじゃ、すみませんのお」
殊勝な態度で頭を下げるとともに、すうっと鼻から息を吸い込む。
「いや、なんともない気にめさるな」
男が渋い声で告げ、立ち去る後ろ姿を見て、己五尾は
(間違いない、あの夜の男だ。軽くとはいえ、妾の発した「淫気」を弾き飛ばすとはただ者ではないの)
次の好色そうな老爺に釣りを渡すついでに軽く手を握る。年甲斐も無く老爺が相好を崩しているのを横目に、
(何者かは知らぬが、放ってはおけぬ)
己五尾は秦玉林を呼び、店番を変わってもらい建物の裏へ消えた。人目がないのを確認し、ひょいととんぼを切って狐姿に変身し、先ほど覚えた、謎の男の匂いを頼りに後を追った。
狐姿であっても、尻尾が三つ股に分かれている。人目につかぬよう草むらから草むらへと姿を隠しつつ尾行を続けると、男は紫虚観の奥へ奥へと進んでいく。
|あちこちの建物やら神像などをのぞき込みながら、いかにも見物を楽しんでいる体ではあるが、どんどん人気《ひとけ》の無い方へと歩んでいくのが妙だ。
(はて、ここから奥には何もないはずじゃが)
己五尾が訝しがったまさにそのとき、男の足がぴたりととまり
「さっきからつけてくるのは何者だ、人ではないな?」
振り返り、あやまたず草むらの中の己五尾を指さした男は頬被りを取った。
これなん、宋国皇城司の黒猴軍第二隊長、曹琢その人であった。
「師父、どうしても私にお任せ願えませんか」
薄明の中、二仙山の奥庭に描かれた八卦陣の前で、羅真人と一清道人の押し問答が続く。見送りに来た他の道士たちははらはらしながら二人のやりとりを見つめている。
南県に巣くい、数多くの人々を食らって久しい魔物「檮杌」の討伐に向かう龍虎山の張天師から、助力の要請を受けて赴こうとしているのである。
観主である羅真人の体を慮る一清道人が、代わりに行くと申し出たものの、羅真人が頑として譲らない。
「師父を蔑ろにする気は毛頭ありませんが、まもなく百歳を迎える御身を大切にしてください。そろそろ羽化登仙を目指すともおっしゃっていたではありませんか」
「おぬしこそまだ湯気の立つほど新婚ほやほやではないか。こんな美人のかみさんを残して、何かあったらどうするつもりじゃ。それにおぬしを頼ってきた新しい仲間も心細かろうて」
双方相手を深く思いやっての議論で埒があかない。最終的には「もし次回があれば、以降は「入雲龍公孫勝」こと一清道人が向かう、ということで一応の決着をみた。
「それでは一同、あとを頼んだぞ。新入りの、ええと樊瑞と朱武であったか。一清のいうことを聞いて修行に励めよ」
「心得ましてございます」
名指しで呼ばれた二人は深々と頭を下げた。
「それから、どこへいったあの狐は」
「ここでおじゃる」
「おお、おぬしも以前と比べてだいぶ邪気が抜けてきたようじゃの。麓の若者からちょいと精気をもらってくるくらいならともかく、くれぐれもおかしな気を起こすでないぞ」
「心配ご無用でおじゃる」
八卦陣の中央の太極円に立った羅真人は、咒文を詠唱するでもなく、ただ持った杖をとんと地に突いた。と思った一瞬で姿はかき消えてしまった。
同じ縮地法を使うにしても、あまりの手際の良さに見ていた一同は改めて羅真人の仙術の凄さを思い知らされたのである。
「さて、では一同、お勤めを始めるが、かなり手薄になったこともある。くれぐれも油断しないこと。何か異状があったらすぐに知らせよ。よしか」
一清道人の言葉に、一同拱手し頭を下げる。
三清殿で「元始天尊」、「太上老君」「太上道君」の「三清」をはじめとする多くの神々に、線香を供え咒文を詠唱して祀り、朝餉を済ませた後、それぞれの修行に入る者、拝観者の接待や線香、紙銭、咒符を売る者、建物内の清掃をする者など、なかなかに忙しい。
羅真人から釘を刺されていた己五尾も、売店で甲斐甲斐しく働いている。
妲己の眷属たる己五尾の知識にあるのは、二千年以上前の殷の時代の様子である。
そもそもこの北宋の時代は長い中国の歴史でも飛躍的に経済や文化が進んだ時代であり、特にこの徽宗の代は爛熟とすら言える世相で、己五尾にしてみれば物珍しいこと甚だしい。
また人垂らしというか、「魅了」の妖力もあり、ちょいと流し目を向けるだけで、特に男の参拝者には線香だの咒符だの、あるいは饅頭などが飛ぶように売れるのだ。
並んで売店に立つ翠円も、かつては男どもが押すな押すなの長蛇の列を作った器量よしだが、今では己五尾を悋気の眼で睨む、男どもの奥さんや恋人ばかりが、翠円の前に並んでいる。
そもそも王扇と己五尾が増えたことで、お参りにくる男たちがどっと増え、売り上げ自体以前の倍以上になって喜ばしいことだが、そこはそれ、一番人気が二番人気になったようで、翠円としては少々面白くない。
横目でちらちらと、己五尾の客あしらいを観察していてふと気づいた。
己五尾から何かを買おうという男どもは、必ずと言っていいほどちょうどの金額を出さない。三文の物を買うのになぜか四文なり五文なり渡す。
そうすると己五尾はにこりと笑いながら、「二文多いでおじゃるな」と釣りを相手の掌に置き、その手をそっと包み込むように握っているのだ。そして手を握られた男は「にたぁ」と鼻の下を伸ばす。
ひどいのになると一度買った後でまた列の後ろに並び直し、やはり多く払って手を握ってもらってにたぁ……
(こいつ、なんてあざとい真似を!)
気づいた翠円、一瞬かっとなった。 だが「じゃあ自分にもできるか?」と、考えると、とてもではないが無理だ。
そもそも、美人に手を握ってもらうためだけにそんな小芝居をし、手を握ってもらうだけでやに下がるような輩である。翠円としてはお客でなければ相手にしたくないような男どもだ。
(そう考えると、己五尾は凄い女かも……)
と気づいた翠円は、ふうっとため息をつき、以後張り合おうとするのをやめた。
実は己五尾、男どもの手を軽く握るたびに、ほんの少量ずつ精気を吸い取っている。男どもがにやけているときというのは、少なからず淫らな気持ちを抱いているわけで、精気を吸い取るには絶好の機会であり、ごく少量なので男たちも気づかず、むしろ軽く快感を覚え、つい癖になってしまうのである。
つまり己五尾は、仕事と併せて自らの実益を兼ねて行っている行動であり、観山寺でのしくじりを生かして、「行かせず殺さず」と、うまいこと調整して自分の妖力を少しずつ蓄えているだけなのだ。
だから翠円が負けを認めるほどの、高尚な行動をしているわけではないのだが、神ならぬ翠円の知るところではなく、怪我の功名で己五尾に対する敵対意識が薄れたことになる。
(もう少し頑張れば、四本目の尾も生えてくるかも知れぬな)
心中ほくそ笑みながら、外面如菩薩内心如夜叉の対応を続ける己五尾が、次の男の対応でふと違和感を感じた。
二文の線香代に、二文ちょうどを突き出してきたのだ。
(はて、初めての客かの?)
ふいと男の客の顔を見上げて、己五尾の笑顔がほんの僅か強ばった。
(む? どこかで見たような)
取り立てて特徴の無い地味な服装に、頬被りをしていて顔ははっきりと見えないが、がっしりとした顎と広い肩幅、二文を突き出している手は、あちこち節くれ立っているが農民のそれとは明らかに違っている。
己五尾は「淫気」をほんの微量放出しつつ、線香を渡すときに軽く男の手に触れてみたが、「ばちっ」と、静電気が通ったように「淫気」が弾き飛ばされた。
男がはっと顔を上げ、己五尾と目が合った。その瞬間己五尾は思いだした。
(わかった! あのときのあいつだ!)
冷静に表情を取り繕い、
「空気が乾燥していると時々こうなるのじゃ、すみませんのお」
殊勝な態度で頭を下げるとともに、すうっと鼻から息を吸い込む。
「いや、なんともない気にめさるな」
男が渋い声で告げ、立ち去る後ろ姿を見て、己五尾は
(間違いない、あの夜の男だ。軽くとはいえ、妾の発した「淫気」を弾き飛ばすとはただ者ではないの)
次の好色そうな老爺に釣りを渡すついでに軽く手を握る。年甲斐も無く老爺が相好を崩しているのを横目に、
(何者かは知らぬが、放ってはおけぬ)
己五尾は秦玉林を呼び、店番を変わってもらい建物の裏へ消えた。人目がないのを確認し、ひょいととんぼを切って狐姿に変身し、先ほど覚えた、謎の男の匂いを頼りに後を追った。
狐姿であっても、尻尾が三つ股に分かれている。人目につかぬよう草むらから草むらへと姿を隠しつつ尾行を続けると、男は紫虚観の奥へ奥へと進んでいく。
|あちこちの建物やら神像などをのぞき込みながら、いかにも見物を楽しんでいる体ではあるが、どんどん人気《ひとけ》の無い方へと歩んでいくのが妙だ。
(はて、ここから奥には何もないはずじゃが)
己五尾が訝しがったまさにそのとき、男の足がぴたりととまり
「さっきからつけてくるのは何者だ、人ではないな?」
振り返り、あやまたず草むらの中の己五尾を指さした男は頬被りを取った。
これなん、宋国皇城司の黒猴軍第二隊長、曹琢その人であった。
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