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第二部 第一章
二仙山~篭斬炭鉱(七)
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一行は坑道を慎重に進んだ。やがて漆黒の闇に包まれたころ、己五尾が追いついてきた。それを確認した少女道士ふたりは立ち止まり、目を閉じて合掌しながら、小声で咒文を唱えだした。
「乾為天。彖曰、大哉乾元、萬物資始。乃統天。雲行雨施、品物流形。大明終始、六位時成。時乘六龍、以御天。乾道變化、各正性命、保合大和、乃利貞。首出庶物、萬國咸寧。」
咒文が進むにつれ、ふたりの合わさった掌の内側から白い光が溢れ始めた。咒文が終わり、ふたりが目を開けて掌を左右に開くと、その間に3寸ほどの光り輝く玉のようなものがが浮かんでいた。その光によって、真っ暗だった坑道内が明るく照らしだされたのである。
(へぇえ、改めて道士さまってのはもの凄いことができるもんだな)
声を潜めたまま燕青が目を丸くして感嘆すると、少女ふたりは(どんなもんだ)と言わんばかりに鼻の下を擦ってみせ、小声で教えてくれる。
(これは体内の気を陽の気に全振りする『乾為天』って仙術なんだ。これとは逆に陰の気に極振りする『坤為地』っていう仙術は、前に王扇さんのところで隠形術として使ったあれだよ)
(あたいらが陰陽五行の術を習うときは、まず最初にこれを教わって、それから陰陽の割合を微妙に変化させることを練習するの。こんなの初歩の初歩よ)
(まぁもっともわたしは浄眼があるから、真っ暗でもある程度見えてるけどね)
そう言って四娘は、左目にかかった前髪を掻き上げ耳に掛けた。
「妾も夜目が利くから、光無しでも見えるが、あるじどのと、そっちのぽっちゃり道士には有ったほうが便利じゃろうな」
「だれがぽっちゃりよ!」
密かに気にしていたらしい玉林が、思わず血相を変えて己五尾を叱りつけるが、
(しっ! 声が高いわよ!)
と四娘にたしなめられ、慌てて手で口を塞ぐも時すでに遅し。
魔物に声を聞きつけられた可能性も高い。今まで以上に物音に注意しながら一行は奥へ奥へと進んでいった。
3人から少し先行して鼻の利く己五尾が進み、その後ろに四娘、玉林、殿に燕青が続く。ふたりの生み出した「乾為天」の光玉は、いかなる力がはたらいているものやら、ふわふわ空中を漂いながら一行の歩みと共に移動している。
横道に差し掛かる度に、己五尾が匂いを嗅ぎ、四娘が魔物の気を確認し、慎重に進んでいく。
狭いところでは直径一丈(3m)ほどしかない坑道である。横にふたり並んでしまうと、長柄の武器では邪魔になり、満足に戦えないだろう。深く潜るにつれ、だんだんと冷気が漂い始め、燕青が思わず身震いしたその時。
(来よったぞえ)
(見えたっ)
同時に己五尾と四娘の声がした。
己五尾はすかさず最後尾に下がり、挟撃に備え後方の見張りにつく。これは前もって打ち合わせしてあった通りの動きである。
燕青は後詰めもでき、背後からの挟撃を防げる立ち位置を取った。
四娘は左手で東王父を抜剣、右手で飛刀を2本引き抜いて身構える。
玉林も懐から左手で霊符を引き出し、右手で天狗の依代に向け何やら呟いたのち、ふっと息を吹きかけた。
途端、動物の形に草を編み込んだ依代がするりとほどけ、天狗の「讙平」が顕現し、片目を瞑ったまま前方をじっと見つめている。
(あたいがみっつ数えはじめたら、みんな耳をふさいでよ)
玉林が前方を凝視しながら声を掛ける。「乾為天」の光が届くその向こう、五丈(15m)ほど先の暗がりにうごめく、得体の知れない影が見えてきた。
(三、二、一)、「今っ! やれっ讙平! 」
玉林の指令と同時に、天狗は瞑っていた片目を開き、大きく吠えた。
「カァァァアアン! 」
前もって耳をふさいで備えていた燕青らだが、狭い坑道の中に響き渡る声は、わかってはいても一瞬ひるむほどの大音響だ。
その反響も消えぬうちに、四娘と玉林が前方に走り出した。「乾為天」の光玉がひとつ、2人に追従して飛んでいく。もうひとつの玉はどういう仕組みなのか、燕青の頭の上に飛んできた。
少女たちとともに進む光の中に、魔物の姿が浮かび上がる。己五尾の情報通りの奇怪な姿だ。
羊ほどの大きさで、顔面以外を全身毛で覆われた4本足の化け物。顔には目も鼻もなく、耳の部分にぽっかり穴が開いている。
顔にあたる部分はのっぺりと平らで、顎先からこめかみあたりまで切れ込みが入り唇のようになっている。どうやら顔面全体口のように開くらしい。ところどころから鋭い牙が見え隠れしている。それが3匹、天狗の声に当てられて、身動きもせず立ちすくんでいるのだ。
「讙平の声で少しの間動けないはず、とりあえず前の2匹をやるよ!」
玉林の声に、四娘の気合いが被さる。
「木剋土!」
「東王父」の剣が一瞬輝いた。四娘は大上段に振りかぶり、そのまま最前列の魔物に斬りかかった。
「鋭ぇぇいっ!」
真っ向唐竹割りである。四娘の剣が見事魔物の顔面を真っ二つに切り裂き、魔物は声もたてずにどう、と横倒しになった。
一瞬遅れて、その隣の魔物に玉林が左手の指に挟み込んでいた霊符を投げつけた。
黄色い紙に丹砂で咒文が書きこまれた霊符が、魔物ののっぺりとした顔にへばりつくと同時に、玉林が両手の指をめまぐるしく組み合わせ、次々に印を結びながら叫んだ。
「風山漸! 山上有木漸、木雷招来霊符貫妖急急如律令、破っ! 」
右の人さし指と中指で刀印を作り、気合いとともに霊符を指さすと、霊符が一瞬光り、その光が魔物の顔面から体内を貫き尻へと抜けた瞬間、間物の体内から四方八方に木の根のようなとがった物体が飛び出してきた。全身から無数の棘を飛び出させ、緑とも青ともつかぬ不気味な液体を噴き出しながら、魔物は倒れた。
(やったな、あと1匹! )
そう燕青が思った瞬間、残りの一匹が天狗の呪縛から解けたらしく、背中を向けて坑道の奥へと走りだした。
一同は慌てて、痙攣する二匹の間物を飛び越えその後を追った。だがやがて逃げた魔物が走りながら坑道の奥の暗闇に向け、
「うんぎゃぁぁあ」
と、嬰児の泣きわめくような声を発したのだ。
「しまった! 」
「どうした? 」
「妖が赤子のような声を出すのは、仲間を呼ぶためなのよ!」
「ならどうする?」
「さっき通った広い所まで下がって迎え撃ちましょ、どう、玉林? 」
「了解、深追い無用だわさ。いざという時のために入口に近い方がいいしね。讙平、戻って! 」
なかなかどうして呼吸ぴったりである。
戻る途中に、他より広く掘られた休憩場所に続く、直径七尺(2.1m)ほどしかない細い場所があった。広間で待ち構え、細い坑道から出てくる所を叩く作戦である。
やがて坑道の奥底から、軽い振動とともに複数の獣が掛けてくる音が聞こえてきた。
ござんなれ、と待ち構えるふたりの前に、狭い穴から同時に2匹が顔を出した。その機を逃さず天狗の讙平の射竦めの声が響く。
「カァァァアアン! 」
前回同様に動きをとめた2匹に向け、すかさず「東王父」の斬撃と、玉林の霊符攻撃が飛ぶ。
最初の2匹が先ほどと同じように倒れ、広間への出口を塞いだ。そのため、屍体が邪魔になり、隙間から3匹めが顔を出した。すかさず桃剣と霊符の攻撃。
倒れたその横をすり抜け、讙平がさらに奥に飛び込み、体格からは想像もつかない猛々しい声を発しながら魔物に噛みついていく。
前方で少女道士2人が、順調に妖物を倒していく後ろで呆気にとられている燕青。その背後に物見に行っていた己五尾が駆け込んできた。
「あるじどの、暢気に見物している場合ではないぞえ」
「どうした? 」
「副道を通って、何匹か回り込んできたようじゃ、後ろから来よるぞ」
「くそっ、こっちは俺が相手するしかないか」
燕青は振り返って身構えた。
「乾為天。彖曰、大哉乾元、萬物資始。乃統天。雲行雨施、品物流形。大明終始、六位時成。時乘六龍、以御天。乾道變化、各正性命、保合大和、乃利貞。首出庶物、萬國咸寧。」
咒文が進むにつれ、ふたりの合わさった掌の内側から白い光が溢れ始めた。咒文が終わり、ふたりが目を開けて掌を左右に開くと、その間に3寸ほどの光り輝く玉のようなものがが浮かんでいた。その光によって、真っ暗だった坑道内が明るく照らしだされたのである。
(へぇえ、改めて道士さまってのはもの凄いことができるもんだな)
声を潜めたまま燕青が目を丸くして感嘆すると、少女ふたりは(どんなもんだ)と言わんばかりに鼻の下を擦ってみせ、小声で教えてくれる。
(これは体内の気を陽の気に全振りする『乾為天』って仙術なんだ。これとは逆に陰の気に極振りする『坤為地』っていう仙術は、前に王扇さんのところで隠形術として使ったあれだよ)
(あたいらが陰陽五行の術を習うときは、まず最初にこれを教わって、それから陰陽の割合を微妙に変化させることを練習するの。こんなの初歩の初歩よ)
(まぁもっともわたしは浄眼があるから、真っ暗でもある程度見えてるけどね)
そう言って四娘は、左目にかかった前髪を掻き上げ耳に掛けた。
「妾も夜目が利くから、光無しでも見えるが、あるじどのと、そっちのぽっちゃり道士には有ったほうが便利じゃろうな」
「だれがぽっちゃりよ!」
密かに気にしていたらしい玉林が、思わず血相を変えて己五尾を叱りつけるが、
(しっ! 声が高いわよ!)
と四娘にたしなめられ、慌てて手で口を塞ぐも時すでに遅し。
魔物に声を聞きつけられた可能性も高い。今まで以上に物音に注意しながら一行は奥へ奥へと進んでいった。
3人から少し先行して鼻の利く己五尾が進み、その後ろに四娘、玉林、殿に燕青が続く。ふたりの生み出した「乾為天」の光玉は、いかなる力がはたらいているものやら、ふわふわ空中を漂いながら一行の歩みと共に移動している。
横道に差し掛かる度に、己五尾が匂いを嗅ぎ、四娘が魔物の気を確認し、慎重に進んでいく。
狭いところでは直径一丈(3m)ほどしかない坑道である。横にふたり並んでしまうと、長柄の武器では邪魔になり、満足に戦えないだろう。深く潜るにつれ、だんだんと冷気が漂い始め、燕青が思わず身震いしたその時。
(来よったぞえ)
(見えたっ)
同時に己五尾と四娘の声がした。
己五尾はすかさず最後尾に下がり、挟撃に備え後方の見張りにつく。これは前もって打ち合わせしてあった通りの動きである。
燕青は後詰めもでき、背後からの挟撃を防げる立ち位置を取った。
四娘は左手で東王父を抜剣、右手で飛刀を2本引き抜いて身構える。
玉林も懐から左手で霊符を引き出し、右手で天狗の依代に向け何やら呟いたのち、ふっと息を吹きかけた。
途端、動物の形に草を編み込んだ依代がするりとほどけ、天狗の「讙平」が顕現し、片目を瞑ったまま前方をじっと見つめている。
(あたいがみっつ数えはじめたら、みんな耳をふさいでよ)
玉林が前方を凝視しながら声を掛ける。「乾為天」の光が届くその向こう、五丈(15m)ほど先の暗がりにうごめく、得体の知れない影が見えてきた。
(三、二、一)、「今っ! やれっ讙平! 」
玉林の指令と同時に、天狗は瞑っていた片目を開き、大きく吠えた。
「カァァァアアン! 」
前もって耳をふさいで備えていた燕青らだが、狭い坑道の中に響き渡る声は、わかってはいても一瞬ひるむほどの大音響だ。
その反響も消えぬうちに、四娘と玉林が前方に走り出した。「乾為天」の光玉がひとつ、2人に追従して飛んでいく。もうひとつの玉はどういう仕組みなのか、燕青の頭の上に飛んできた。
少女たちとともに進む光の中に、魔物の姿が浮かび上がる。己五尾の情報通りの奇怪な姿だ。
羊ほどの大きさで、顔面以外を全身毛で覆われた4本足の化け物。顔には目も鼻もなく、耳の部分にぽっかり穴が開いている。
顔にあたる部分はのっぺりと平らで、顎先からこめかみあたりまで切れ込みが入り唇のようになっている。どうやら顔面全体口のように開くらしい。ところどころから鋭い牙が見え隠れしている。それが3匹、天狗の声に当てられて、身動きもせず立ちすくんでいるのだ。
「讙平の声で少しの間動けないはず、とりあえず前の2匹をやるよ!」
玉林の声に、四娘の気合いが被さる。
「木剋土!」
「東王父」の剣が一瞬輝いた。四娘は大上段に振りかぶり、そのまま最前列の魔物に斬りかかった。
「鋭ぇぇいっ!」
真っ向唐竹割りである。四娘の剣が見事魔物の顔面を真っ二つに切り裂き、魔物は声もたてずにどう、と横倒しになった。
一瞬遅れて、その隣の魔物に玉林が左手の指に挟み込んでいた霊符を投げつけた。
黄色い紙に丹砂で咒文が書きこまれた霊符が、魔物ののっぺりとした顔にへばりつくと同時に、玉林が両手の指をめまぐるしく組み合わせ、次々に印を結びながら叫んだ。
「風山漸! 山上有木漸、木雷招来霊符貫妖急急如律令、破っ! 」
右の人さし指と中指で刀印を作り、気合いとともに霊符を指さすと、霊符が一瞬光り、その光が魔物の顔面から体内を貫き尻へと抜けた瞬間、間物の体内から四方八方に木の根のようなとがった物体が飛び出してきた。全身から無数の棘を飛び出させ、緑とも青ともつかぬ不気味な液体を噴き出しながら、魔物は倒れた。
(やったな、あと1匹! )
そう燕青が思った瞬間、残りの一匹が天狗の呪縛から解けたらしく、背中を向けて坑道の奥へと走りだした。
一同は慌てて、痙攣する二匹の間物を飛び越えその後を追った。だがやがて逃げた魔物が走りながら坑道の奥の暗闇に向け、
「うんぎゃぁぁあ」
と、嬰児の泣きわめくような声を発したのだ。
「しまった! 」
「どうした? 」
「妖が赤子のような声を出すのは、仲間を呼ぶためなのよ!」
「ならどうする?」
「さっき通った広い所まで下がって迎え撃ちましょ、どう、玉林? 」
「了解、深追い無用だわさ。いざという時のために入口に近い方がいいしね。讙平、戻って! 」
なかなかどうして呼吸ぴったりである。
戻る途中に、他より広く掘られた休憩場所に続く、直径七尺(2.1m)ほどしかない細い場所があった。広間で待ち構え、細い坑道から出てくる所を叩く作戦である。
やがて坑道の奥底から、軽い振動とともに複数の獣が掛けてくる音が聞こえてきた。
ござんなれ、と待ち構えるふたりの前に、狭い穴から同時に2匹が顔を出した。その機を逃さず天狗の讙平の射竦めの声が響く。
「カァァァアアン! 」
前回同様に動きをとめた2匹に向け、すかさず「東王父」の斬撃と、玉林の霊符攻撃が飛ぶ。
最初の2匹が先ほどと同じように倒れ、広間への出口を塞いだ。そのため、屍体が邪魔になり、隙間から3匹めが顔を出した。すかさず桃剣と霊符の攻撃。
倒れたその横をすり抜け、讙平がさらに奥に飛び込み、体格からは想像もつかない猛々しい声を発しながら魔物に噛みついていく。
前方で少女道士2人が、順調に妖物を倒していく後ろで呆気にとられている燕青。その背後に物見に行っていた己五尾が駆け込んできた。
「あるじどの、暢気に見物している場合ではないぞえ」
「どうした? 」
「副道を通って、何匹か回り込んできたようじゃ、後ろから来よるぞ」
「くそっ、こっちは俺が相手するしかないか」
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