11 / 15
第十一話 受付嬢ダリア②
しおりを挟む
レベッカの不安が的中するのは、ダリアが一方的な宣戦布告をしてから七日後のことだった。
その日、レベッカは休日を利用して、町の図書館で古今東西の冒険者列伝を読み漁っていた。
全巻とっくの昔に読破している書物だが、何度読んでも読み飽きることがなかった。
「ふふふふ、やはり群強列国時代の冒険者さんはステキですね。ギラつき方がいまと違う気がします。もちろん、現代の冒険者さんもこれはこれで……」
図書館という公共の場で周囲の妨げにならないよう、レベッカはごく低い声でぶつぶつとつぶやく。
それがかえって、不気味な光景と化していた。
今日も閉館時間ぎりぎりまで冒険者列伝を読み漁ろう、そうレベッカは決めていたのだが……。
「あ、いた。やっぱりここにいたんですね。レベッカさん」
不意に名前を呼ぶ声が聞こえた。
「ほえっ?」
本の世界に浸りきって妄想を膨らませていたレベッカは、間抜けな声をあげてしまった。
口の端からちょっとよだれが垂れかけている。
けど、相手はそんなレベッカの間抜けな様をからかったりはしない、優しい心根の持ち主だった。
「あれ、レヴィンさん? 何か私にご用ですか?」
声の主は、盗賊純特化《シーフ・スペシャル》の冒険者レヴィンだった。
レベッカのアドバイスがあってから大躍進を続けている冒険者の一人だ。
さすが盗賊《シーフ》クラスだけあって、すぐ近くで声をかけられるまでまったく気づかなかった。
単純に、レベッカが本の中の世界に浸りきっていただけかもしれないが……。
「ええ。エドアルドさんが探していました。なんでも至急ギルドに来てほしいとか」
「マスターが?」
レベッカはもう、仕事モードの顔に切り替わっていた。
「それでなんでレヴィンさんに?」
「俺の足が速いからです。他にも手の空いている冒険者で手分けしてレベッカさんがいそうな場所を探してます」
レベッカは胸騒ぎを覚え始めた。
休日の自分に呼び出しがかかるなんて、滅多なことではない。
それも冒険者達まで使って探すくらいだから、よほどの用だろう。
「マスターはなんて言ってたんですか?」
「詳しいことは俺も聞いていません。ただ、緊急クエストだ、と」
――緊急クエスト。
レベッカはその言葉を胸の中で繰りかえした。
悪い予感しかなかった。
一番に思い浮かぶのは、町に危害を及ぼすような凶悪なモンスターが出現した可能性だ。
「分かりました。すぐに向かいます。伝言ありがとうございます、レヴィンさん」
「いえ。じゃあ、俺、一足先にレベッカさんが見つかったって伝えてきます」
レヴィンは駆け足にならない程度に素早く、図書館を出ていった。
優しげな雰囲気は相変わらずだが、その背中はパーティーを追放されて肩を落としていた頃と比べると、ずいぶん頼もしく感じられた。
……などと感慨にふけっている場合ではなかった。
レベッカも本を棚に返却して、急いで図書館を出た。
冒険者ギルドに着くと、いつもは表に出てこないギルドマスターエドアルドともう一人の受付嬢ダリアが彼女を出迎えた。
いつもはいい加減なエドアルドの顔つきが険しく、ダリアも元々白い顔をさらに蒼白にしていた。
「待っていたよ、レベッカくん。……奥にきてくれ」
レベッカも緊張した面持ちでうなずき返した。
エドアルドの先導で、三人はカウンターの裏側、ギルドの二階に向かった。
エドアルドの私室に入り、ドアを閉める。
ここにレベッカが立ち入るのは面接の時以来だった。
「前置きは省《はぶ》こう。冒険者パーティー“火蜥蜴の尾”が夢魔の領域で遭難した。もう丸二日ほど音信不通だ」
「えっ!?」
レベッカは驚きの声を上げた。
“火蜥蜴の尾”はレヴィンを追放した斧遣いの戦士ゼルフをリーダーとする、Bランクの冒険者パーティーだ。
そして「ナイトメア・レルム」はこの町の近郊では最高難度のダンジョンだった。
中級以上の悪魔種やゴースト種が数多く生息し、ダンジョン内には高密度の魔力が常に立ち込めている。
ダンジョンそれ自体が巨大な魔物であるかのような、極めて不気味な地下迷宮だった。
現状は神聖術による結界が作用し、ダンジョン内に生息するモンスターが地上に出てくることはない。
ただし、その状態がいつまでも続くかは分からない。
どんな原理でこのダンジョンが発生したのか、悪魔種のモンスター達がダンジョン内部で何をしているのか、一体地下何階まで続く迷宮なのか、数多くのことが謎のままだった。
町の近くにそんな危険なモンスターが生息するダンジョンが存在し続けるのが、健全な状態なわけがない。
ナイトメア・レルムの攻略は恒常的にギルドが掲げる高難易度クエストだった。
とはいえ、Bクラスのパーティー“火蜥蜴の尾”で手に負えるようなクエストではないはずだ。
「いったい、どうして”火蜥蜴の尾”さんがナイトメア・レルムに?」
レベッカは彼らを担当している受付嬢ダリアの顔を見て、問う。
「な、何よ。あたしが悪いって言ってるの!?」
言っていない。
だが、その言い方では、ダリアが原因を作ったと白状しているも同然だった。
動揺するダリアの目を、レベッカはじっと見据えた。
「……ダリアさん?」
「ちょ、ちょっと挑戦してみないかって声を掛けただけよ。もし成功したら勇者パーティーにも負けない功績だって言ったら、ゼルフさんが張り切っちゃって……」
そう言えば、ゼルフがダリアに惚れ込んでいるらしいというウワサはちらりとレベッカも聞いたことがあった。
男性冒険者人気の高いダリアなので、よくあることだとあまり気にしてはいなかったが……。
それで自分の力量もわきまえずクエストを引き受けてしまうゼルフも冒険者としては軽率に過ぎるが、もし彼の恋心を利用したのであればギルド受付嬢としてあるまじき振る舞いだった。
「どうしてそんなことを……!」
「し、仕方ないじゃない! あなたの成績に勝とうと思ったら、それくらい高難易度クエストに挑んでもらわないといけなかったから……」
結局、自分で全部暴露してしまうダリア。
性格が良いとは決して言えないが、悪だくみには向かないタイプだった。
それを聞いたレベッカは、なんとも名状しがたい悲しみに襲われた。
「わたしのことなんてどうでもいいんです!」
思わず、レベッカも強い調子で言い返してしまっていた。
自分に対する嫉妬心が遠因かと思うと、やりきれない気持ちになる。
こうなる前に、もっと打てる手があったんじゃないかと後悔の念も湧いてきた。
「日々命懸けのクエストに挑んでいる冒険者さんのリスクを1%でも減らすのがわたし達の仕事じゃないんですか!? それを――」
「よさないか、レベッカくん」
冷静なエドアルドの声にいさめられ、血を頭に昇らせかけていたレベッカも、いくぶん気を落ち着けた。
「いまは過ぎたことをとやかく言っている場合じゃない。”火蜥蜴の尾“のことだ」
いつになくエドアルドの姿は頼もしく見えた。
有事の際には案外優秀な上司なのかもしれない。
もしかすると、ダリアもエドアルドのこんな姿を知って惚れているのかもしれないが、いまはどうでもよいことだった。
「……そうですね。早く救出してあげないと。勇者パーティーに救援を要請しては?」
レベッカの言葉にエドアルドは首を横に振った。
「残念だが、彼らはエッシェルガルド王国にいまだ遠征中だ。大規模なモンスター討伐隊に加わっているはずだから、いまから呼び戻すのは難しいだろう」
エドアルドが伝言した緊急クエストとはこのことだろう。
レベッカは努めて冷静に、頭を回転させる。
「ダリアさん。今回のことはひとまず後で話しましょう。ともかくいまは協力してください!」
「え、ええ。それはもちろん。元はと言えば、あたしが招いたことなんだから……」
もし、“火蜥蜴の尾”がダンジョン内で全滅などということになれば、ダリアに責任があった。
言うまでもなく、エドアルドの心証も悪くなることだろう。
いまはレベッカに対抗意識を燃やしている場合ではなかった。
「よしっ、では緊急クエストを立てよう。案件は無論、冒険者パーティー“火蜥蜴の尾”の発見、そしてナイトメア・レルムからの救出だ。いいね、レベッカくん、ダリアくん」
エドアルドの言葉に、受付嬢二人は重々しくうなずきを返した
その日、レベッカは休日を利用して、町の図書館で古今東西の冒険者列伝を読み漁っていた。
全巻とっくの昔に読破している書物だが、何度読んでも読み飽きることがなかった。
「ふふふふ、やはり群強列国時代の冒険者さんはステキですね。ギラつき方がいまと違う気がします。もちろん、現代の冒険者さんもこれはこれで……」
図書館という公共の場で周囲の妨げにならないよう、レベッカはごく低い声でぶつぶつとつぶやく。
それがかえって、不気味な光景と化していた。
今日も閉館時間ぎりぎりまで冒険者列伝を読み漁ろう、そうレベッカは決めていたのだが……。
「あ、いた。やっぱりここにいたんですね。レベッカさん」
不意に名前を呼ぶ声が聞こえた。
「ほえっ?」
本の世界に浸りきって妄想を膨らませていたレベッカは、間抜けな声をあげてしまった。
口の端からちょっとよだれが垂れかけている。
けど、相手はそんなレベッカの間抜けな様をからかったりはしない、優しい心根の持ち主だった。
「あれ、レヴィンさん? 何か私にご用ですか?」
声の主は、盗賊純特化《シーフ・スペシャル》の冒険者レヴィンだった。
レベッカのアドバイスがあってから大躍進を続けている冒険者の一人だ。
さすが盗賊《シーフ》クラスだけあって、すぐ近くで声をかけられるまでまったく気づかなかった。
単純に、レベッカが本の中の世界に浸りきっていただけかもしれないが……。
「ええ。エドアルドさんが探していました。なんでも至急ギルドに来てほしいとか」
「マスターが?」
レベッカはもう、仕事モードの顔に切り替わっていた。
「それでなんでレヴィンさんに?」
「俺の足が速いからです。他にも手の空いている冒険者で手分けしてレベッカさんがいそうな場所を探してます」
レベッカは胸騒ぎを覚え始めた。
休日の自分に呼び出しがかかるなんて、滅多なことではない。
それも冒険者達まで使って探すくらいだから、よほどの用だろう。
「マスターはなんて言ってたんですか?」
「詳しいことは俺も聞いていません。ただ、緊急クエストだ、と」
――緊急クエスト。
レベッカはその言葉を胸の中で繰りかえした。
悪い予感しかなかった。
一番に思い浮かぶのは、町に危害を及ぼすような凶悪なモンスターが出現した可能性だ。
「分かりました。すぐに向かいます。伝言ありがとうございます、レヴィンさん」
「いえ。じゃあ、俺、一足先にレベッカさんが見つかったって伝えてきます」
レヴィンは駆け足にならない程度に素早く、図書館を出ていった。
優しげな雰囲気は相変わらずだが、その背中はパーティーを追放されて肩を落としていた頃と比べると、ずいぶん頼もしく感じられた。
……などと感慨にふけっている場合ではなかった。
レベッカも本を棚に返却して、急いで図書館を出た。
冒険者ギルドに着くと、いつもは表に出てこないギルドマスターエドアルドともう一人の受付嬢ダリアが彼女を出迎えた。
いつもはいい加減なエドアルドの顔つきが険しく、ダリアも元々白い顔をさらに蒼白にしていた。
「待っていたよ、レベッカくん。……奥にきてくれ」
レベッカも緊張した面持ちでうなずき返した。
エドアルドの先導で、三人はカウンターの裏側、ギルドの二階に向かった。
エドアルドの私室に入り、ドアを閉める。
ここにレベッカが立ち入るのは面接の時以来だった。
「前置きは省《はぶ》こう。冒険者パーティー“火蜥蜴の尾”が夢魔の領域で遭難した。もう丸二日ほど音信不通だ」
「えっ!?」
レベッカは驚きの声を上げた。
“火蜥蜴の尾”はレヴィンを追放した斧遣いの戦士ゼルフをリーダーとする、Bランクの冒険者パーティーだ。
そして「ナイトメア・レルム」はこの町の近郊では最高難度のダンジョンだった。
中級以上の悪魔種やゴースト種が数多く生息し、ダンジョン内には高密度の魔力が常に立ち込めている。
ダンジョンそれ自体が巨大な魔物であるかのような、極めて不気味な地下迷宮だった。
現状は神聖術による結界が作用し、ダンジョン内に生息するモンスターが地上に出てくることはない。
ただし、その状態がいつまでも続くかは分からない。
どんな原理でこのダンジョンが発生したのか、悪魔種のモンスター達がダンジョン内部で何をしているのか、一体地下何階まで続く迷宮なのか、数多くのことが謎のままだった。
町の近くにそんな危険なモンスターが生息するダンジョンが存在し続けるのが、健全な状態なわけがない。
ナイトメア・レルムの攻略は恒常的にギルドが掲げる高難易度クエストだった。
とはいえ、Bクラスのパーティー“火蜥蜴の尾”で手に負えるようなクエストではないはずだ。
「いったい、どうして”火蜥蜴の尾”さんがナイトメア・レルムに?」
レベッカは彼らを担当している受付嬢ダリアの顔を見て、問う。
「な、何よ。あたしが悪いって言ってるの!?」
言っていない。
だが、その言い方では、ダリアが原因を作ったと白状しているも同然だった。
動揺するダリアの目を、レベッカはじっと見据えた。
「……ダリアさん?」
「ちょ、ちょっと挑戦してみないかって声を掛けただけよ。もし成功したら勇者パーティーにも負けない功績だって言ったら、ゼルフさんが張り切っちゃって……」
そう言えば、ゼルフがダリアに惚れ込んでいるらしいというウワサはちらりとレベッカも聞いたことがあった。
男性冒険者人気の高いダリアなので、よくあることだとあまり気にしてはいなかったが……。
それで自分の力量もわきまえずクエストを引き受けてしまうゼルフも冒険者としては軽率に過ぎるが、もし彼の恋心を利用したのであればギルド受付嬢としてあるまじき振る舞いだった。
「どうしてそんなことを……!」
「し、仕方ないじゃない! あなたの成績に勝とうと思ったら、それくらい高難易度クエストに挑んでもらわないといけなかったから……」
結局、自分で全部暴露してしまうダリア。
性格が良いとは決して言えないが、悪だくみには向かないタイプだった。
それを聞いたレベッカは、なんとも名状しがたい悲しみに襲われた。
「わたしのことなんてどうでもいいんです!」
思わず、レベッカも強い調子で言い返してしまっていた。
自分に対する嫉妬心が遠因かと思うと、やりきれない気持ちになる。
こうなる前に、もっと打てる手があったんじゃないかと後悔の念も湧いてきた。
「日々命懸けのクエストに挑んでいる冒険者さんのリスクを1%でも減らすのがわたし達の仕事じゃないんですか!? それを――」
「よさないか、レベッカくん」
冷静なエドアルドの声にいさめられ、血を頭に昇らせかけていたレベッカも、いくぶん気を落ち着けた。
「いまは過ぎたことをとやかく言っている場合じゃない。”火蜥蜴の尾“のことだ」
いつになくエドアルドの姿は頼もしく見えた。
有事の際には案外優秀な上司なのかもしれない。
もしかすると、ダリアもエドアルドのこんな姿を知って惚れているのかもしれないが、いまはどうでもよいことだった。
「……そうですね。早く救出してあげないと。勇者パーティーに救援を要請しては?」
レベッカの言葉にエドアルドは首を横に振った。
「残念だが、彼らはエッシェルガルド王国にいまだ遠征中だ。大規模なモンスター討伐隊に加わっているはずだから、いまから呼び戻すのは難しいだろう」
エドアルドが伝言した緊急クエストとはこのことだろう。
レベッカは努めて冷静に、頭を回転させる。
「ダリアさん。今回のことはひとまず後で話しましょう。ともかくいまは協力してください!」
「え、ええ。それはもちろん。元はと言えば、あたしが招いたことなんだから……」
もし、“火蜥蜴の尾”がダンジョン内で全滅などということになれば、ダリアに責任があった。
言うまでもなく、エドアルドの心証も悪くなることだろう。
いまはレベッカに対抗意識を燃やしている場合ではなかった。
「よしっ、では緊急クエストを立てよう。案件は無論、冒険者パーティー“火蜥蜴の尾”の発見、そしてナイトメア・レルムからの救出だ。いいね、レベッカくん、ダリアくん」
エドアルドの言葉に、受付嬢二人は重々しくうなずきを返した
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
暁にもう一度
伊簑木サイ
ファンタジー
成り上がり貧乏辺境領主の後継者ソランは、金策のため、「第二王子を王太子になるよう説得できた者に望みの褒美をとらす」という王の頼みごとを引き受けた。
ところが、王子は女嫌いということで、女とばれないよう、性別を隠して仕えることになる。
ソランと、国のために死に場所を探している王子の、「死なせない」と「巻き込みたくない」から始まった主従愛は、いつしか絶対に失いたくない相手へと変わっていく。
けれど、絆を深めるほどに、古に世界に掛けられた呪いに、前世の二人が関わっていたと判明していき……。
『暁に、もう一度、あなたと』。数千年を越えて果たされる、愛と祈りの物語。

白い結婚をめぐる二年の攻防
藍田ひびき
恋愛
「白い結婚で離縁されたなど、貴族夫人にとってはこの上ない恥だろう。だから俺のいう事を聞け」
「分かりました。二年間閨事がなければ離縁ということですね」
「え、いやその」
父が遺した伯爵位を継いだシルヴィア。叔父の勧めで結婚した夫エグモントは彼女を貶めるばかりか、爵位を寄越さなければ閨事を拒否すると言う。
だがそれはシルヴィアにとってむしろ願っても無いことだった。
妻を思い通りにしようとする夫と、それを拒否する妻の攻防戦が幕を開ける。
※ なろうにも投稿しています。

貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む
家具屋ふふみに
ファンタジー
この世界には魔法が存在する。
そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。
その属性は主に6つ。
火・水・風・土・雷・そして……無。
クーリアは伯爵令嬢として生まれた。
貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。
そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。
無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。
その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。
だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。
そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。
これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。
そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。
設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m
※←このマークがある話は大体一人称。

契約結婚のはずが、気づけば王族すら跪いていました
言諮 アイ
ファンタジー
――名ばかりの妻のはずだった。
貧乏貴族の娘であるリリアは、家の借金を返すため、冷酷と名高い辺境伯アレクシスと契約結婚を結ぶことに。
「ただの形式だけの結婚だ。お互い干渉せず、適当にやってくれ」
それが彼の第一声だった。愛の欠片もない契約。そう、リリアはただの「飾り」のはずだった。
だが、彼女には誰もが知らぬ “ある力” があった。
それは、神代より伝わる失われた魔法【王威の審判】。
それは“本来、王にのみ宿る力”であり、王族すら彼女の前に跪く絶対的な力――。
気づけばリリアは貴族社会を塗り替え、辺境伯すら翻弄し、王すら頭を垂れる存在へ。
「これは……一体どういうことだ?」
「さあ? ただの契約結婚のはずでしたけど?」
いつしか契約は意味を失い、冷酷な辺境伯は彼女を「真の妻」として求め始める。
――これは、一人の少女が世界を変え、気づけばすべてを手に入れていた物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる