Label-less 2

秋野小窓

文字の大きさ
上 下
19 / 31
本編

18

しおりを挟む
「お待たせしました」

 声をかけて寝室に入る。ベッドの上に座っていた優太君がパッと体勢を変えた。

「やめなくていいですよ」

 見られたくないなら、布団の中にいればよかったのに。ベッドに上がり、裸の優太君を捕まえる。足を開かせると、予想どおり昂っていることがわかる。

「待ちきれなかったんですね。自分で触ってたの?」
「え、や……」
「優太君はココを弄ってほしかったんですよね」

 人差し指で裏筋をなぞる。続きを急かすように、ピクピクと震えた。
 
「こうかな?」
「あ……」

 優しく握り、上下に動かす。

「それとも、こうですか?」
「あっ、あぁ……!」

 先端のぬめりを借りて、亀頭を包み込むように刺激する。さらに液が溢れてきた。

 動かし方を変えながら、優太君の反応を愉しむ。速くすると、腕を掴んで制止してきた。

「やぁ……鹿賀さっ、」
「強かったですか?」

 手の動きを止めて、顔を覗き込む。

「ちがっ……い、ちゃうから……」
「イっていいですよ。気持ちいいの、もっと長くしたいですか?」

 焦らされたいのかと思い訊いてみると、そうではないらしい。目を瞠ってから、慌てたように首を振った。

「つ、続き……鹿賀さんも、気持ちよくなって……?」
「ん?僕も一緒にしていいんですか?」
「一緒に、っていうか…………せ、くす、しないの?」

 恥ずかしそうに言うワードの破壊力たるや。

「優太、僕とセックスしたいんですか?」
「ぇ……し、しない、の?」

 狼狽えている。可愛い。

「そんなことまで優太君が考えてくれていると思わなかったんです。無理にしなくてもいいんですよ」

 優太君が気持ちいいことだけしたい。彼がしたいことだけ。
 愛情表現の形はそれぞれだ。無理に体をつなげなくても、それで気持ちがつながらないなんていうことはないのだから。

 でも、考えてくれていたことが嬉しい。愛しい恋人を抱きしめて、ベッドに倒れ込んだ。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~

シキ
BL
全寮制学園モノBL。 倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。 倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……? 真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。 一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。 こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。 今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。 当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。

傷だらけの僕は空をみる

猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。 生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。 諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。 身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。 ハッピーエンドです。 若干の胸くそが出てきます。 ちょっと痛い表現出てくるかもです。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

若頭と小鳥

真木
BL
極悪人といわれる若頭、けれど義弟にだけは優しい。小さくて弱い義弟を構いたくて仕方ない義兄と、自信がなくて病弱な義弟の甘々な日々。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

年上の恋人は優しい上司

木野葉ゆる
BL
小さな賃貸専門の不動産屋さんに勤める俺の恋人は、年上で優しい上司。 仕事のこととか、日常のこととか、デートのこととか、日記代わりに綴るSS連作。 基本は受け視点(一人称)です。 一日一花BL企画 参加作品も含まれています。 表紙は松下リサ様(@risa_m1012)に描いて頂きました!!ありがとうございます!!!! 完結済みにいたしました。 6月13日、同人誌を発売しました。

処理中です...