Label-less 2

秋野小窓

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本編

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<鹿賀side>

 夜中にふと目が覚めた。衣摺れの音。優太君が起きているのだろうか。
 隣を見ると、布団の塊がもぞもぞ動いている。寝返りではなさそうだ。

「優太君?」

 小声で名前を呼ぶと、一瞬動きが止まった。起きているようだ。

 これまでも何度か、夜中に目覚めてしまった彼に気づいて声をかけたことがある。少し話をして落ち着くこともあれば、布団を抜け出してホットミルクを飲んだ夜もあった。

「眠れないんですか?」

 掛布団を捲って、様子を伺う。
 が、いつもと違って苦しそうな表情をしている。

「優太?大丈夫?」

 具合でも悪いのかと思って問いかけると、身体をこちらに向けて、徐にズボンをずり下げた。

「ど、どうしたんですか!?」
「見てぇ……」

 戸惑う私に、恥ずかしそうにしながら下着を見せつけてくる。いつも着替えを手伝っているから、下着姿だけではどうということはない。問題は、あからさまなその膨らみだ。

 見ていいのか。いいんだな。
 いけない気持ちになりながら目視した。

「辛そうですね」
「んぅ……」

 これは、その。

「……僕が出してあげましょうか?」

 きちんと気持ちを伝え合って、名実ともに恋人になれたわけだし。これくらいは許されると思っていいだろうか。
 恐るおそる手を伸ばす。

「おねがい……かがさぁん……」

 こちらの葛藤を知ってか知らずか、優太君が甘えた声を出す。

「いいですよ。失礼しますね」

 手でするだけだ。身の回りのお世話の延長。自分に言い聞かせて、そっと膨らみに触れた。
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