Label-less 2

秋野小窓

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本編

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 夢の中。最近、鹿賀さんがえっちなキスをするようになってから、しばらく忘れていた感覚が蘇りつつある。
 下半身に、張り詰めた熱。昨日はうっすらと感じた程度だったが、今日は明らかに反応している。

『優太?大丈夫?』

 鹿賀さんに心配されて恥ずかしくなる。隠れて処理すればいいだけなのに……恥ずかしいのに、鹿賀さんに構ってほしくて。
 見て、とズボンを下ろす。夢でこんな大胆な行動を取るなんて、俺、相当溜まってるみたいだ。

『辛そうですね。僕が出してあげましょうか?』

 俺の願望に応えるように、鹿賀さんが手を伸ばしてくれる。明晰夢って言うんだっけ。夢だと自覚がある分、思うままにストーリーも操れるのだろう。

『おねがい……鹿賀さん……』
『いいですよ。失礼しますね』

 下着の上から、形をなぞるように撫でられ、そのままキュッと握られた。

『ひゃうっ……!』
『脱がせますよ』

 スルスルと簡単に剥ぎ取られる。締め付けがなくなって、開放感で幾分楽になる気がした。
 でもそれも一瞬のことだった。溜まりすぎたそれは、痛いくらいに勃ち上がっていて。

『鹿賀さん、助けて』

 早く、早く出したい。鹿賀さんの腕を取って、自分のモノを手に押し付ける。
 鹿賀さんはそれに応じて、俺の中心を包みこんでしごいてくれた。

『鹿賀さんの手、大きい。気持ちいいです』

 気持ちよくて、手の動きに合わせて腰が動いてしまう。もっと激しくしてほしい。

『もっと速くしますか?』
『ああっ……!』

 俺の望みどおりに刺激が強くなる。気持ちよすぎて頭が真っ白になる感覚。

『あっ、きちゃう!溜まってた分、すごいのきちゃう……っ!』
『もう出ますか?』
『出るっ!ああぁっ…………!』

 やばい。本当に出ちゃったかも。
 でも眠くてこの夢から出ていきたくない。薬で誘発された眠気はしぶといのだ。
 それに、しばらくこの心地よい気怠さに身を委ねていたい。もし夢精してしまっていたら、朝起きてからなんとかしよう。

 鹿賀さんに見られたら……気まずいけど、仕方ない。きっとこれくらいで嫌われたりしないよ。大丈夫。

 だからごめんなさい。おやすみ……。
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