Label-less 2

秋野小窓

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本編

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<優太side>

 あれから鹿賀さんは、毎日欠かさず愛を囁いてくれる。

「薬飲めましたか?おいで」
「はい」

 いつものように睡眠薬を飲んでから布団に潜ると、間接照明の電源が落とされた。

「優太」
「ん……」

 触れるだけの優しいキス。……だけ、じゃなくて。

「ぁ……っはぁ、んっ……」

 舌を絡めて、口の中全部溶かされてしまうようなキス。頭の中がふわふわする。

「優太……好きだよ……」
「んんっ」
「わかりましたか?」

 確認され、コクコクと頷く。俺が不安にならないように、態度と言葉で愛情表現してくれるんだ。

「よかったです。じゃあ、寝ましょうか」
「あ、でも」
「ん?」

 それが鹿賀さんの気遣いだとわかっていて、俺は利用している。

「明日もしてくれないと、忘れちゃう、かも……?」
「ふふ。安心してください。優太君が忘れる前に僕が我慢できなくなりますから」

 鹿賀さんの答えに満足して、ぎゅうっと抱きついた。俺がこんな面倒くさいことを言っても、鹿賀さんはむしろ喜んでくれるから。遠慮なく甘えさせてもらっている。

「おやすみ」
「おやすみなさい」

 頭にチュッとキスが落とされ、満たされた気持ちのまま眠りについた。




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本作からお読みいただいている方に補足です。
二人はようやくキスできるようになった新米カップルです。
これから関係が進展していきますのでどうぞお楽しみに!

こまど
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