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【10】初めての部屋

10-16:貴矢side

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「ありがとう、苦しかったね」

 口内に放った精を吐き出すようにとティッシュを2、3枚取って口元に添える。

「あ、待って。見えるように出して」

 この後に及んで、と我ながら思うが、完全にスイッチが入ってしまった。可愛い潤を見逃したくない。
 顎に手を添えて口を開かせる。ついこの間までキスすら知らなかった潤のきれいな口の中に、俺の白濁が溜まっている。何とも言えない支配欲が満たされた気分だ。

「……最高。出していいよ」

 潤は俺を軽く睨みつけながら、俺の精液を吐き出した。
 そういえば、素面の潤とするのは今回が初めてだ。温泉で一方的にいたずらしたのを除けば。
 酔ってトロトロの潤もいいが、自我がはっきりしている状態での意思ある性交はまた違ったよさがある。

「怒った?」
「…………」

 何も言わずに首を横に振る。表情は怒ってるように見えるんだが。

「じゃあ続きしよう。今度は潤のこと気持ちよくしてあげるね」

 潤を支えながら立たせ、ベッドに横たわらせる。素直に従うところを見ると、本当に怒っているわけではないらしい。

「腕、痛くない?」

 黙ったまま頷く。

「じゃあそのままでいいね」
「あ………」

 白いシャツの上から胸に吸い付く。素肌に直接着ているから、唾液で濡れた生地が透けてピンクの乳首が露わになる。
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