35 / 38
35*
しおりを挟む
さて、どうしたものか……。
京さんの体に視線を落とす。平坦な体。女のそれとは全然違う。
「すみません、やっぱりどうしたらいいのか分からなくて」
白旗を振って京さんに助けを求める。
心配されたとおり、俺には男性との性交経験はない。女性だったらキスをしながら丸い胸を愛撫するところだが、始め方から分からない。
「勃たない?」
「いえ、それは……」
こんな情けない状態なのに、下はすっかりその気になっている。
京さんの手が伸びてきて、確かめていった。
「うっ……」
「元気じゃん」
恥ずかしい。京さんの手で一撫でされただけで、さらに反応してしまった。
「どう、したらいいですか……?」
「何でもいい」
呆れられてるよな。京さんはこんなときでも無表情だ。
「泰歩」
「んっ……」
頬を両手で包み込まれ、深く口づけられる。
ーーやば、気持ちいい……。
気づいたら、俺の方から貪っていた。歯列をなぞり、舌を絡め、唇を吸い上げる。唾液を交換し、口の端から漏れた分を舐めとる。
そのまま首筋を伝い、鎖骨まで舌を這わせる。
「ん……ふぅ………」
微かに、京さんの声が漏れている。感じてくれているのか気になって顔を上げると。
ーーうわ………マジ?
見たことのない表情。目はうっとりと細められ、薄く開いた口から吐息を漏らしている。さっきまでの無表情が嘘みたいだ。
俺の視線に気づいて、恥じらうように顔を背けるが、その反応だって新鮮だ。
「京さん……可愛い」
込み上げてくる愛しさを表現する術が他になく、馬鹿の一つ覚えみたいにキスを繰り返す。
「……っはぁ……んん……」
「もっと可愛い顔見たい……京さん……」
どうやったら感じてくれるだろうか。もっと気持ちよくさせたい。
男の気持ちいいところと言ったら……。
「あ………」
「触っていい?」
下着の上から形をなぞる。人のもの、初めて触った。
緊張しながらゆっくり下着を剥ぎ取った。慣れているはずなのに、京さんの目が不安そうに揺れる。
「早すぎました?」
「いや……」
何か不作法があっただろうかと心配になったが、そうではないらしい。右手で包み込み、扱いていく。
京さんの顔が悩ましげに歪み、快感を与えられていることに安堵する。
「泰歩……っ」
「はい」
「後ろも、使ってほしい……」
後ろ……?
恥ずかしそうに、絞り出すように懇願する姿から、すぐに理解した。
「お尻、挿れていいんですか?」
言っていて自分で興奮する。京さんから返事はなかったが、もぞもぞと体勢を変えて四つん這いになってくれた。
京さんの体に視線を落とす。平坦な体。女のそれとは全然違う。
「すみません、やっぱりどうしたらいいのか分からなくて」
白旗を振って京さんに助けを求める。
心配されたとおり、俺には男性との性交経験はない。女性だったらキスをしながら丸い胸を愛撫するところだが、始め方から分からない。
「勃たない?」
「いえ、それは……」
こんな情けない状態なのに、下はすっかりその気になっている。
京さんの手が伸びてきて、確かめていった。
「うっ……」
「元気じゃん」
恥ずかしい。京さんの手で一撫でされただけで、さらに反応してしまった。
「どう、したらいいですか……?」
「何でもいい」
呆れられてるよな。京さんはこんなときでも無表情だ。
「泰歩」
「んっ……」
頬を両手で包み込まれ、深く口づけられる。
ーーやば、気持ちいい……。
気づいたら、俺の方から貪っていた。歯列をなぞり、舌を絡め、唇を吸い上げる。唾液を交換し、口の端から漏れた分を舐めとる。
そのまま首筋を伝い、鎖骨まで舌を這わせる。
「ん……ふぅ………」
微かに、京さんの声が漏れている。感じてくれているのか気になって顔を上げると。
ーーうわ………マジ?
見たことのない表情。目はうっとりと細められ、薄く開いた口から吐息を漏らしている。さっきまでの無表情が嘘みたいだ。
俺の視線に気づいて、恥じらうように顔を背けるが、その反応だって新鮮だ。
「京さん……可愛い」
込み上げてくる愛しさを表現する術が他になく、馬鹿の一つ覚えみたいにキスを繰り返す。
「……っはぁ……んん……」
「もっと可愛い顔見たい……京さん……」
どうやったら感じてくれるだろうか。もっと気持ちよくさせたい。
男の気持ちいいところと言ったら……。
「あ………」
「触っていい?」
下着の上から形をなぞる。人のもの、初めて触った。
緊張しながらゆっくり下着を剥ぎ取った。慣れているはずなのに、京さんの目が不安そうに揺れる。
「早すぎました?」
「いや……」
何か不作法があっただろうかと心配になったが、そうではないらしい。右手で包み込み、扱いていく。
京さんの顔が悩ましげに歪み、快感を与えられていることに安堵する。
「泰歩……っ」
「はい」
「後ろも、使ってほしい……」
後ろ……?
恥ずかしそうに、絞り出すように懇願する姿から、すぐに理解した。
「お尻、挿れていいんですか?」
言っていて自分で興奮する。京さんから返事はなかったが、もぞもぞと体勢を変えて四つん這いになってくれた。
10
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ヤンキーDKの献身
ナムラケイ
BL
スパダリ高校生×こじらせ公務員のBLです。
ケンカ上等、金髪ヤンキー高校生の三沢空乃は、築51年のオンボロアパートで一人暮らしを始めることに。隣人の近間行人は、お堅い公務員かと思いきや、夜な夜な違う男と寝ているビッチ系ネコで…。
性描写があるものには、タイトルに★をつけています。
行人の兄が主人公の「戦闘機乗りの劣情」(完結済み)も掲載しています。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる