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第一章 魔法学校入学前
06.襲撃
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原作通りなら、とうの昔にバレている。
原作での『ラヴィ・プラネス』の魔法覚醒は6歳。
事の発端は『ラヴィ・プラネス』が無意識に魔法を使ってしまった事。
それを偶然母親が発見する。
シナリオとしてはそんな感じだ。
勿論当初の私の精神年齢は20歳を超えている。
幼き故の過ち、魔法の暴発などは有り得ない。
原作を知ってるのだから尚更。
つまり私の役目は『ラヴィ・プラネス』を演じ、原作通りに事を進める事。
魔法学校に入学する事だ。
だが私は原作通りに事を進めず、意図的に隠し通す。
勿論いつかバラすつもりではいた。
でも母と別れるのは辛い。
いざ言おうとすると心が痛む。
明日、また明日と先延ばしにしてるうちに、ズルズルここまで来てしまった。
そして私は気づいた。
果たして言う必要があるのかと。
私は今まで無意識のうちに『ストーリー通りに進めなきゃならない』と思い込んでいた。
乙女ゲームの台本通りに。
だがここは『乙女ゲームの世界』であって、『乙女ゲーム』とは違う。
彼らは紛れもなく人間。
別の言い方を用いれば、キャラクターに自我が宿った形。
元々の性格は設定された当初のものだが、自分の意思で判断し、行動出来る。
違和感なく会話が成立するのだから、それは間違いない。
ここは現実だ。
台本通りに事を進めなくとも、時間は進む。
私が魔法の事を母に打ち明けて無いのに時間が進んでいる現状が、それを裏付ける。
シナリオに縛られる必要は無い。
現実にシナリオは存在しないのだから。
ならこのままでも良いのでは無いか?
母とこのまま暮らしても?
母と一緒に居たい。
その想いは強い。
だがそれを抜きにしても、私はここに居た方がいい。
現に魔法学校に進めば、乙女ゲームのストーリーが始まってしまう。
攻略対象と悪役令嬢に出会う。
つまり死ぬ可能性が出てくる。
ワザワザ死にに行く馬鹿者はいないだろう。
ここに居て安全に暮らした方がマシだ。
無条件にバッドエンドを回避出来る。
日々悩み、死から解放される。
出世の為に命はかけられない。
今の暮らしでも十分。
私は母と暮らせればそれでいい。
出世して楽をさせてあげられないのは気掛かりだが...........
すると私の目の前に選択肢が浮かび上がった。
1:辺境の村で母と二人で暮らす。
2:魔法学校に入学する。
まるで乙女ゲーのよう。
考えるまでも無い選択肢。
私は頷く。
そして迷う事なく『2』を選ぼうとしたところで...........
「きゃあああああああああああああ!」
村中に悲鳴が響いた。
それと同時に私の脳内の選択肢が搔き消える。
原作での『ラヴィ・プラネス』の魔法覚醒は6歳。
事の発端は『ラヴィ・プラネス』が無意識に魔法を使ってしまった事。
それを偶然母親が発見する。
シナリオとしてはそんな感じだ。
勿論当初の私の精神年齢は20歳を超えている。
幼き故の過ち、魔法の暴発などは有り得ない。
原作を知ってるのだから尚更。
つまり私の役目は『ラヴィ・プラネス』を演じ、原作通りに事を進める事。
魔法学校に入学する事だ。
だが私は原作通りに事を進めず、意図的に隠し通す。
勿論いつかバラすつもりではいた。
でも母と別れるのは辛い。
いざ言おうとすると心が痛む。
明日、また明日と先延ばしにしてるうちに、ズルズルここまで来てしまった。
そして私は気づいた。
果たして言う必要があるのかと。
私は今まで無意識のうちに『ストーリー通りに進めなきゃならない』と思い込んでいた。
乙女ゲームの台本通りに。
だがここは『乙女ゲームの世界』であって、『乙女ゲーム』とは違う。
彼らは紛れもなく人間。
別の言い方を用いれば、キャラクターに自我が宿った形。
元々の性格は設定された当初のものだが、自分の意思で判断し、行動出来る。
違和感なく会話が成立するのだから、それは間違いない。
ここは現実だ。
台本通りに事を進めなくとも、時間は進む。
私が魔法の事を母に打ち明けて無いのに時間が進んでいる現状が、それを裏付ける。
シナリオに縛られる必要は無い。
現実にシナリオは存在しないのだから。
ならこのままでも良いのでは無いか?
母とこのまま暮らしても?
母と一緒に居たい。
その想いは強い。
だがそれを抜きにしても、私はここに居た方がいい。
現に魔法学校に進めば、乙女ゲームのストーリーが始まってしまう。
攻略対象と悪役令嬢に出会う。
つまり死ぬ可能性が出てくる。
ワザワザ死にに行く馬鹿者はいないだろう。
ここに居て安全に暮らした方がマシだ。
無条件にバッドエンドを回避出来る。
日々悩み、死から解放される。
出世の為に命はかけられない。
今の暮らしでも十分。
私は母と暮らせればそれでいい。
出世して楽をさせてあげられないのは気掛かりだが...........
すると私の目の前に選択肢が浮かび上がった。
1:辺境の村で母と二人で暮らす。
2:魔法学校に入学する。
まるで乙女ゲーのよう。
考えるまでも無い選択肢。
私は頷く。
そして迷う事なく『2』を選ぼうとしたところで...........
「きゃあああああああああああああ!」
村中に悲鳴が響いた。
それと同時に私の脳内の選択肢が搔き消える。
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