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第40章晩酌
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ある日の夜。
エマはゼンに言った。
「良いお酒が手に入りました。一緒に飲みませんか?」
ゼンは言った。
「良いな。飲むか」
将軍であった頃、ゼンは基本的にお酒を口にしなかったし、付き合いで飲んだとしても酔う程は飲まなかった。
将軍として緊急の事態に対応出来ない事を恐れていたのである。
しかし解任されてからは気にせず飲むようになった。
ゼンはかなり酒に強いがそれでも酔うと少し穏やかな表情を見せる。
その事がエマには少し嬉しかった。
そのため、エマは良くお酒を見つけて来ては月を見ながらゼンと飲んでいた。
ゼンは月を見ながら言った。
「綺麗な月だな。」
エマは言った。
「そうですね。」
ゼンは静かに言った。
「そういえば夜空を見ながらお前に告白したことがあったな。」
エマは言った。
「そうですね。もっとも、あの言葉が告白だって分かったのはあれからしばらく経ってからだったからでしたが。」
ゼンは驚いて言った。
「本当か。初めてお前が俺の告白を受けてくれた日として凄く印象に残っていたのに。」
エマは言った。
「まあ良いじゃないですか。私があなたの提案を受け入れたのは事実でしょ。それに実際、こうして一緒にいるんですし」
ゼンは言った。
「あれからそんなに時間が経っていないはずだが、環境は随分変わったな」
エマはしみじみした気分で言った。
「そうですね。」
ゼンは物思いにふけった様子で言った。
「俺はお前に負担をかけてばかりだな。お前に何かしてもらってばかりだ。俺も何かしてやれれば良いんだが」
エマは言った。
「それは違います。私はあなたに色々なものをもらっています。そうでなくて一緒に居るほど、私はお人よしではありません」
ゼンはエマの言葉に笑って言った。
「お前は本当に真っ直ぐだな。俺はお前が居てくれて本当に幸せだ。」
エマは驚いた。
ゼンが泣いていたからである。
ゼンは将軍を解任されて少し変わった。
将軍である間に時おり見せた厳しさや怖さは全く見せなくなった。
代わりに涙もろくなり、こうして酒に酔うと涙を流す様になった。
エマはそんなゼンをますます愛しく思うようになっていったのだった。
エマはゼンに言った。
「良いお酒が手に入りました。一緒に飲みませんか?」
ゼンは言った。
「良いな。飲むか」
将軍であった頃、ゼンは基本的にお酒を口にしなかったし、付き合いで飲んだとしても酔う程は飲まなかった。
将軍として緊急の事態に対応出来ない事を恐れていたのである。
しかし解任されてからは気にせず飲むようになった。
ゼンはかなり酒に強いがそれでも酔うと少し穏やかな表情を見せる。
その事がエマには少し嬉しかった。
そのため、エマは良くお酒を見つけて来ては月を見ながらゼンと飲んでいた。
ゼンは月を見ながら言った。
「綺麗な月だな。」
エマは言った。
「そうですね。」
ゼンは静かに言った。
「そういえば夜空を見ながらお前に告白したことがあったな。」
エマは言った。
「そうですね。もっとも、あの言葉が告白だって分かったのはあれからしばらく経ってからだったからでしたが。」
ゼンは驚いて言った。
「本当か。初めてお前が俺の告白を受けてくれた日として凄く印象に残っていたのに。」
エマは言った。
「まあ良いじゃないですか。私があなたの提案を受け入れたのは事実でしょ。それに実際、こうして一緒にいるんですし」
ゼンは言った。
「あれからそんなに時間が経っていないはずだが、環境は随分変わったな」
エマはしみじみした気分で言った。
「そうですね。」
ゼンは物思いにふけった様子で言った。
「俺はお前に負担をかけてばかりだな。お前に何かしてもらってばかりだ。俺も何かしてやれれば良いんだが」
エマは言った。
「それは違います。私はあなたに色々なものをもらっています。そうでなくて一緒に居るほど、私はお人よしではありません」
ゼンはエマの言葉に笑って言った。
「お前は本当に真っ直ぐだな。俺はお前が居てくれて本当に幸せだ。」
エマは驚いた。
ゼンが泣いていたからである。
ゼンは将軍を解任されて少し変わった。
将軍である間に時おり見せた厳しさや怖さは全く見せなくなった。
代わりに涙もろくなり、こうして酒に酔うと涙を流す様になった。
エマはそんなゼンをますます愛しく思うようになっていったのだった。
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