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第五十四話 サイレーンの競り市

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 魔法使いの打ち上げる、音だけのファイヤーボールが盛大に鳴り響く。
 晴れ渡った青空に、一つ二つ雲が浮く。
 まことによい日よりである。
 男爵亭前では、すでに侍従たちが国王の歩くであろう前庭を掃き清めている。
 早朝に水を打ち、すがすがしい気配がする。
 侍従も、侍女も、にこやかに朝の挨拶を交わす。

 男爵亭の前庭には、これでもかと花の植わった花壇と、緑の葉も美しい広葉樹が葉を広げている。
 椿に似たこい緑が清々しい。
 夏だというのに、リンゴの木には白い花が咲いている。
 蜜柑の木にも、白い花が見える。
 南の森から、果実の木を移植して正解だった。
 レジオの街は、緑の木々で飾られて、今や花盛りである。
 木々の合間から、セミの鳴き声も聞こえてくる。
 さあ、夏の夜は明けた。

 昨日から、続々と近隣の貴族、豪商がレジオに集まり始めた。
 ただ、サイレーンの卵を求めて。
 カズマは知らなかったが、イシュタール王国においてサイレーンの卵を食べると言うことは、つまりステータスなのだ。
 自分は、サイレーンの卵を食べることができる立場なのだと、世間に知らしめす。
 まずは、そこが重要なのだ。
 それが、ひいては信用に値する。
 サイレーンの卵とは、それほど重要なものだった。

 そうとも知らないカズマは、大量のサイレーンを捕獲し、大きなプールで飼うと言う暴挙に出た。
 本来なら、他の貴族領から苦情が来そうなものであるが、そこは魔物一万匹の英雄である。
 単純に、文句を言って逆切れされたら怖いじゃないか。
 それに、手軽にサイレーンの卵を手に入れることができるのは、とってもありがたいのだ。
 あれで、気の荒い魔物である、船は次々に沈められ、人も沈んでいく。
 そんな修羅場に、ようよう水揚げされる巨大な魚である。
 サイレーンは、珍味であると同時に、恐怖の魚なのである。

 復興途上のレジオでは、べスの宿屋だけでなく、たくさんの宿屋が建設された。
 が、それだけですべてが賄えることもなく、あぶれた者たちは馬車であったり、テントであったりで宿泊となった。
 その分、男爵亭横の湯屋は大繁盛。
 芋を洗うように人が洗われたという、伝説まで残った。
 広場の市には、座がかんでいないので、どこの誰でも商売ができた。
 おかげで、近隣の村からも作物が持ち込まれ、外からやってきた客たちも、はらを空かしているという状態からはまぬがれた。
 よかったね。
 もちろん、宿屋だけではなく、飲食店や屋台の焼き肉なども、売れに売れた。
 サイレーンの一時的な景気とはいえ、商機をつかんだ者たちは続出したのである。

 カズマも、まずまずいい目覚めとなった。
 横ではティリスとアリスティアがくっついているのだが、アリスの目が異常に赤い。
 きっと緊張で眠れなかったのだろう。
 お気楽なティリスの神経を分けてやりたいくらいだ。
「お屋形さま、朝食が準備できましたにゃ。」
 トラが呼びに来た。
 さあ、今日はサイレーンの競り市の開催だ。
 特設会場の周りには信じられないくらいの人!人!人!
 少なくとも三万人くらいはいるんじゃないのか?
 広場を大きめに取っておいて正解だわ。

「い、いよいよだね。」
「おちついて、恵理子お姉さま。」
 湯屋横の、常設劇場では、恵理子が緊張していた。
 ポーラは白い衣装越しに、恵理子の肩をたたいた。
「落ち着いているわよ、吐きそうだけど。楽団はオケピットに入った?」
 恵理子に言われて、ジャッキーが答えた。
「はい、大丈夫ですよ。」
「トラちゃん!」
「オケピットは、準備できましたにゃ。指揮者の入るのを待つだけですにゃ。」
 金管木管の奏者たちは、管を温めるのに余念がない。
 弦のみなさんは、チューニングを確かめている。
「そう、レンブラさん(指揮者)は?」
「舞台袖で待機中です、さあ、みなさんもスタンバってくださいね。」
「りょうかい!みんな、行くわよ。」
「「「はい!」」」
 乙女たちは円陣を組んだ。

 華やかなライトの乱舞と、スモークに度肝を抜かれた観衆を前に、指揮者が手を持ち上げると、一気に踊り子が飛び出した。
「「「おおお~~~!」」」
 見たこともない華やかな衣装を身にまとった十五人の乙女が、一斉に歌い踊る姿に市場に来たすべての目が集まった。
『あいをんちゅ~あいにーじゅ~』
「やるもんだね。」
 カズマは、手をたたきながらアリスティアに声をかけた。
「本当に、恵理子さんも一人前ですわね。」
 アリスが、うれしそうに舞台を見た。
 十六歳の恵理子が、センターで舞い踊る。
 イシュタール王国では珍しい、黒髪がひらりと広がる。
 ここは、王様をはじめ貴族たちを招いた貴賓席である。
 聖女たちも、客のもてなしに右往左往している。

 そのなかで、ティリスは比較的動かなくてもいい、王妃のそばにいる。

「五ヵ月ですって?おかげんはいかが?」
 王妃は気遣わしげに、ティリスに尋ねた。
「はい、順調でございます。つわりもおさまりまして、今は食欲が…」
「あらまあ、それはよろしいわね。わたくしは、アンリエットのときに大変でした、何も食べられなくて…」
「まあ、それはおかわいそうですわ。」
「二人とも、元気に育ってくれたので、うれしいのですが、なにせいお世継ぎが生まれないのが…」
 王妃の眉がくもる。
「授かりものとは言え、心配でございますね。」
「ええ、いいお薬はないかしら?」
 なにかと薬(薬草)に頼りたがるのは、この国の貴族らしいと言えばらしい。

「え~っと、お薬ではありませんが、体操などはいかがでしょう?」
「体操?」
 ティリスは、自分が恵理子に教えられた妊婦体操を伝授していた。
 なぜ恵理子が知っているかと言うと、年の離れた従姉妹の妊婦体操につき合わされたからである。

 幕間に、トラ・チコ・ラルの「森の熊さん」も上演された。
 王女さまたっての願いだったので。
 これも、おおいにウケた。
 貴族たちも家族連れが多かったので、小さな子供も多かったのだ。
 三〇〇人入るホールだが、立ち見であふれかえっている。
 貴族の席だけでいっぱいで、商人たちまで回らなかったのだ。
 急遽立ち見券が作られた。
 と言っても、手書きだが。

 舞台は進み、いよいよサイレーンの解体ショーが始まった。
 きれいに切り取られたサイレーンの卵は、なんと一〇〇キロ超の大物で、さっそくセリにかけられた。
 セリの後で、塩漬けにされるんだけどね。
 ホールは熱狂のうずである。
「銀貨五〇!」
「六〇!」
「金貨一枚!」
「一枚半!」

「おいおい、高すぎないか?」
 カズマは、たかが魚の卵と思っていたので、十万円二十万円と値が上がって行くのに、ひやひやしている。
「セリですからね、吊られて上がりますよ。」
 川漁師のメルスが横で立って、セリを見下ろしている。
 貴賓席の面々も、目をぎらぎらさせている。
「そんなにうまいのか?」
 カズマは、メルスに聞いてみた。
「食べたことがないんですか?」
「残念ながら、ないなあ。」
「もったいない、あれは食べないと損ですよ。」
「ふうん、こんど機会があればな。」
 メルスは、川漁師組合の長となっているので、説明役に呼んだのだ。

 最終的には、金板二枚とちょっとで落札された。
(約六百万円以上だな。)
 王様が、札を出したそうにしていたが、侍従に止められて悲しそうな目をしていた。
 王様が手を上げると、みんなが遠慮して引いてしまうから、場が盛り上がらない。
「御用商人が落とす予定なんでしょう?」
 侍従にいさめられて、王様は不満顔である。
「天井知らずに値上がりしているではないか!」
 王様ですら冷や冷やする状況が展開されている。
「内緒ですが、国王陛下の分は、キープしてありますよ。当たり前でしょう?」
 カズマに言われて、国王の目が「かっ」と開かれた。
「そ、そうなのか?男爵、早く言え。」
 だって、はらはらしている王様、かわいいじゃないか。

 俺が黙って手を上げると、全員の前に小さな皿に乗って、サイレーンの卵の塩漬けが供された。
 皿には、ほんの十粒ほどが乗っている。
 王様は、目を輝かせた。
「う、うむ、苦しゅうない。」
「まあ、殿、きれいな色ですわね。」
 王妃さまも、目をキラキラさせている。

 サイレーンの卵の塩漬けなんて、真っ黒であんまうまそうじゃないんだけどな。
 この国の人間の味覚ってわからんわ。
 サイレーンの肉も、順調に競り落とされ、夕方になってやっと競り市はお開きになった。
 サイレーンに惹かれて、やってきた客たちは、楽市楽座で散々散財してくらたので、ウハウハだった。
 その日のうちの、潮が引くように人々が帰路につく。
 国王陛下も、王都を目指して帰路に着いた。

 レジオの人々も、ほっとしたものである。

 王様の無事の出立に、男爵家もほっとした。
 なにも事故がなかったことが、一番の幸いである。

「は~、済んだねえ。」
 ティリスは、ソファで伸びをした。
 男爵亭前の商人の家である。
 居間のソファは、慣れ親しんだ風合いでティリスを包んだ。

「お屋形さま、お疲れ様でした。」
 アリスはやはり、カズマが一番なのかすぐに顔を向けてくる。
「まったくだ、気疲れしたわ。ティリスは大丈夫か?」
「ええ、大丈夫です。病気じゃないんだから…あ!」
「どうした?」
「動いた…」
「「ええ~!!」」
 カズマたちは、争ってティリスのおなかに触ったが、その日子供が動くことはなかった。

 王様が驚いていた南部の畑の囲いも、冒険者の魔法使いのおかげで全部出来上がり、農奴の家や、道具小屋などそろって稼動状態になっている。
 このまま行けば、今年の収穫もある程度望めそうでほっとしたカズマ。
 ティリスの集めたバッファローの堆肥も、全部の畑に行き渡り体制は整った。
 領都門前に作った寡婦・孤児たちの畑の作物は、今回の市でもすぐに売り切れて、子供たちの服に代わったらしい。
 けっこうなことだ。
 さずがに、この畑について文句を言うものは、レジオにはいなかった。
 けっこうなことだ。

 ベスおばさんの宿屋は、マリアおばさんの焼くレジオのパンで、一躍有名になってしまった。
 レジオでしか食べられない、軌跡のパン。
 連日の超満員で、食堂はパンク。
 ベスおばさんは急遽孤児院の子供を使って、急場をしのいだ。
 マリアおばさんは、寡婦を引っ張ってきて、半場ブラック化しながら、せっせと売り上げを伸ばした。
 いや、どっちも三十そこそこなんだけどね。
 ベスおばさんは、細川ふみえ似で、マリアおばさんは鈴木保奈美似。
 おばさんというと、かわいそうだな。
 どちらも、金髪でパイオツがでかい。
 特にベスおばさん。

「連日大賑わいさ。食堂は、毎日満席!笑いが止まらないってのはこういうことだね。」
「そりゃけっこう、それでベスはこんなところでアブラ売ってていいのか?」
「寡婦たちを集めて、使ってるからね、任せても平気さ。」
「コワイ元締めだ。」
「やだねえ、相談なのは息子(八歳)のことなんだ。」
「息子?」
「ああ、読み書きそろばんを教えてほしいんだけど。」
「アリス、学校の予定は?」
「えっと、来月開校の予定です。」
「はあん、じゃあそこに入れろよ、だれでも入れるようになってるし。」
「へえ!トシは関係ないのかい?」
「まあ、成人前が基本だが、学ぶのに年齢は関係ない。三〇歳でも五〇歳でも大丈夫だ。」


「そりゃすごい。」
「宿屋の息子なんだから、計算ぐらいできるんじゃないのか?」
「覚えが悪くてね、教え方が悪いのかと…」
「まあいいさ、学校も試行錯誤だが進めていかなきゃ、子供たちが自立できない。」
「なるほどね。」

「食い物が足りてくれば、人間は人品が大事になってくる。」
「へえ、そういうもんかね?」
「人間には、品ってもんがなくては、獣と一緒だ。冒険者にもそれのわかってるやつがいる。」
「へえ、そうかい?」
「ああ、アランたちは、その見本みたいなやつらだ、礼儀もちゃんとしている。」
「ああ、あのレジオの難民を助けてくれた人たちか。」
「そうだ、あいつらに俺は、剣や魔法を教わった。」
「ふうん、たいしたもんだね、その人たちは。」
「ああ、感謝している。俺がこの国にやってきたとき助けてくれたのはチグリスだが、冒険者にしてくれたのはアランたちだ。」
「なんとねえ、男爵さまも苦労してるねえ。今年十八のはずだけど。」

「あはは、おっさんくさいかい?」
「ちょっちね。」
「あ!男爵さま!こんにちは!」
 息子がやってきた。
「トーマスが勉強しないって、母さんが怒ってるぞ。」
「え~!勉強するより、剣の練習がいいよ。強くなって、男爵さまみたいな冒険者になるんだ!」
「あははは、ばかじゃ冒険者はできないぞ。」
「ほえ?」
「足し算引き算ができないと、依頼料をごまかされてもわからないじゃないか。」
「ほえ~。」

「この国の歴史を知らないと、どこに迷宮があるか、なぜ迷宮があるか知らないと、対策がたてられない。」
 トーマスは、首をぽきゅっと折った。
「地理を知らないとどこにも行けない。」
 ふんふんと、首を縦に振る。
「どうだ?勉強しない言い訳なんか、どこにもないぞ。」
「うう~。」
「トーマス、字が覚えられないなら、人の倍も書けばいい。物覚えが悪いなら、人の倍本を読めばいいんだ。人より早くてほめられるものでもない。」
「そうなの?」
「俺も、覚えが悪くて苦労した。着火の魔法で、火が出すぎてな。」
「火が出すぎ?」

「ああ、ほら。」
 俺は指先から着火の魔法を放つ。
 ぼあ~~~!
 ものすごい勢いで、火種が立ち上がった。
 およそ三メートル。
「あら?最初のときより大きくなってるな。こんなに大きいと、使えないだろう?必死で練習して、小さくしたさ。」
「男爵さまにもできないことがあるんだ。」
「そりゃそうさ、できないことだらけだ。」
「ぼく、着火できるよ。」
 トーマスは、指先からちょろりと火を出して見せた。」
「おお!やるじゃないか!」
 トーマスは、えへへとテレた。

「おまえは、母ちゃんを助けて行かなきゃならん。たった二人の親子じゃないか。冒険者もいいけど、宿屋の仕事は大事な仕事だぞ。」
「うん…」
「ま、母ちゃんはまだまだ若いんだ、お前が冒険者を飽きるころまでがんばるかもしれんがな。」
「そうなの?」
「勉強してみて、その上で決めるんだな。」
「わかった、やってみるよ。」
 男爵領は、今日も平和だなあ。

 朱雀大路の男爵亭近くに作った公設市場の横には、大規模な風呂屋を作って、訪れる商人に開放している。
 一回三百円程度で入れるので、朝から人気だ。
 その横に、レジオ歌劇団の舞台もある。
 青空舞台なので、雨降りは公演しないが、これも大人気である。
 最近は、家の手伝いもしないで、かぶりつきに陣取るヲタ集団もできてしまった。
 ヲタクはどこに行っても、ゴキブリのようにわいてくるもんだな。
「「「ぢょぷぜずがわいい!マリちゃ~ん!!!」」」
 なんてやってる、平和なやつらだぜ。
「おい!なんでゴルテスとロフノールがいる!」
「あ、お屋形さま。」
「どうしてここに?」
「どうしてじゃねえよ、昼間っから歌劇団のかぶりつきって、いいおっさんが…」

「いやいや、かわいいに年齢は関係ないでござるよ。」
「さよう、文化はすべてを凌駕するでござる。」
「かっこいいこと言って煙に巻こうとしてもアカンぞ。」
「「うう~。」」
「まあいい、ほどほどにしておけよ。」
「「ははっ。」」
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