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第五部
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トゥージャさんに、待ち合わせ場所であるサルマン通りの公園に連れて行ってもらうと、フィジャに無事会うことが出来た。
「マレーゼ!」
「遅れてごめんね……」
やっぱり既にフィジャは待ち合わせ場所についていた。待たせてしまったな……。運よくトゥージャさんに会っていなければ、さらに待たせていたことになるかと思うと、本当に申し訳ない。
フィジャと合流し、わたしたちはフィジャたちの両親が住む家へと向かう。イエリオのときは飲食店で集まっていたけれど、フィジャが料理をふるまうので、彼の実家が会場となっていた。
「フィジャ、こいつローロク通りでうろうろしてたぞ」
「ロ、ローロク通り!?」
フィジャが酷く驚いた様な表情をしている。「どうしてそんな場所に……」と言われてしまう辺り、本当にここから離れていることが分かる。ここに連れて来てもらうまでも、結構歩いたし。
「……家まで迎えに行った方が良かったねぇ。ごめんね」
まさかフィジャに謝られてしまった。そっちのほうがいたたまれない。でも、次回も迷子にならない自信がないので、そっちのほうが助かるのは事実。
「ま、でも次は同じ家から出るからいいんじゃねえの?」
トゥージャさんがそんなことを言う。そうか、この人、わたしたちの家を建ててくれている工務店の人だから、大体どのくらいまで出来ているのか把握しているのか。
「もう結構進んでる?」
フィジャの言葉に、トゥージャさんは「八割方終わってる」という返事が帰ってきた。
丸投げ、というわけではなく、現場へたまに顔を出しに行くことは、もちろんあったものの、素人だと進み具合がいまいち分かりにくい。
でも、トゥージャさんによれば、問題がなければあと一か月か二か月くらいで引き渡しになるという。
ということは、フィジャの店が始まるのもそのくらいか。流石に、家にうつってすぐ開店、とはいかないだろうけど、今のお店に勤めているのはそのくらいか。
だからこそ、この祝集祭で、がっつり仕事を頑張っているのだろう。単純に忙しい、っていうのもあるかもしれないけど。
「フィジャのお店、上手く行くといいね」
「本当はプレオープンが祝集祭と被ればよかったんだけど」
フィジャの言葉に、「無茶言うなよ」とトゥージャさんが呆れたような声を上げた。まあ、わたしがこっちに来たのが唐突で、いきなりのことだったし、それに街に魔物が侵入して暴れたことで、一度工事がストップしているし、確かに難しい話だけど。
フィジャもそれを分かっているようで、「冗談だよぉ」とけらけら笑っていた。
「そろそろつくよぉ」
フィジャに案内されて着いた彼の実家の庭先に、彼の両親と思わしき人物が立っていた。
「マレーゼ!」
「遅れてごめんね……」
やっぱり既にフィジャは待ち合わせ場所についていた。待たせてしまったな……。運よくトゥージャさんに会っていなければ、さらに待たせていたことになるかと思うと、本当に申し訳ない。
フィジャと合流し、わたしたちはフィジャたちの両親が住む家へと向かう。イエリオのときは飲食店で集まっていたけれど、フィジャが料理をふるまうので、彼の実家が会場となっていた。
「フィジャ、こいつローロク通りでうろうろしてたぞ」
「ロ、ローロク通り!?」
フィジャが酷く驚いた様な表情をしている。「どうしてそんな場所に……」と言われてしまう辺り、本当にここから離れていることが分かる。ここに連れて来てもらうまでも、結構歩いたし。
「……家まで迎えに行った方が良かったねぇ。ごめんね」
まさかフィジャに謝られてしまった。そっちのほうがいたたまれない。でも、次回も迷子にならない自信がないので、そっちのほうが助かるのは事実。
「ま、でも次は同じ家から出るからいいんじゃねえの?」
トゥージャさんがそんなことを言う。そうか、この人、わたしたちの家を建ててくれている工務店の人だから、大体どのくらいまで出来ているのか把握しているのか。
「もう結構進んでる?」
フィジャの言葉に、トゥージャさんは「八割方終わってる」という返事が帰ってきた。
丸投げ、というわけではなく、現場へたまに顔を出しに行くことは、もちろんあったものの、素人だと進み具合がいまいち分かりにくい。
でも、トゥージャさんによれば、問題がなければあと一か月か二か月くらいで引き渡しになるという。
ということは、フィジャの店が始まるのもそのくらいか。流石に、家にうつってすぐ開店、とはいかないだろうけど、今のお店に勤めているのはそのくらいか。
だからこそ、この祝集祭で、がっつり仕事を頑張っているのだろう。単純に忙しい、っていうのもあるかもしれないけど。
「フィジャのお店、上手く行くといいね」
「本当はプレオープンが祝集祭と被ればよかったんだけど」
フィジャの言葉に、「無茶言うなよ」とトゥージャさんが呆れたような声を上げた。まあ、わたしがこっちに来たのが唐突で、いきなりのことだったし、それに街に魔物が侵入して暴れたことで、一度工事がストップしているし、確かに難しい話だけど。
フィジャもそれを分かっているようで、「冗談だよぉ」とけらけら笑っていた。
「そろそろつくよぉ」
フィジャに案内されて着いた彼の実家の庭先に、彼の両親と思わしき人物が立っていた。
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