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第三部
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まず、わたしが気絶した直後のこと。
わたしを押し飛ばした男は取り押さえられ、別室に案内されたそうだ。わたしが目の前で気絶したことに気を取られ、逆に冷静になったというか、正気に戻ったというか。やらかしてしまった、ということで、我に返ったようでおとなしく別室に連れていかれたようだ。
わたしが倒れたときの音は結構大きかったらしく、静まり返った一瞬で、ギルド職員が再度丁寧に説明を行ったらしい。
わざわざ騒いでいたのはわたしにぶつかってきた男のみだったので、今下手に騒ぎを起こした方のが逆に危なく、わたしのように怪我をする、と言ったら、段々と騒ぎは小さくなったそうだ。
まあ、わたしの怪我でパニックが収まったのならよしとしよう。いや、あんまり良くないけど、怪我をしただけ損、ということにはなっていないので。
で、問題の『壁喰い』である。
本来、新種の魔物だと決められ、新たに名づけられるのには時間がかかるらしく、今は暫定で『壁喰い』とギルドの中で呼ばれているそうだ。まだ新種だとは確定していないが、新種で間違いない、と思っている人がほとんどのようで。
まあ、そりゃあそうだろう。確認済みの魔物だったら、食べられてしまうレンガで魔物除けの城壁なんて作らない。
あのとき、ホールから見えた『何か』、もとい、『壁喰い』は、無事に討伐された、と言われた。
魔物自体、大きく防御力も高い魔物ではあったものの攻撃性がなく、時間はかかれどほぼ無傷で倒すことができたらしい。
壁の修復自体はまだ時間を要するが、魔物が入り込む穴は全て把握出来たようで、全ての箇所に冒険者出身の民間警護団が配備されているので問題はないようだ。
今晩中に街の中を、魔物が残っていないか探すらしい。結構広い街だとは思うけど、一晩で捜索が終わってしまうとは、それだけ冒険者の人数が多いのか……と思ったが隣の街にいる冒険者にも援軍を要請したようだ。
それもそうか。『壁喰い』が他の場所にも出現すれば城壁に囲まれ、さらには壁の橋で街と街が繋がっているのだから、他の場所でも大問題になるだろう。
ちなみに、窓を割られていたり、扉が蹴破られたりしている場合は家の中に入って捜索すると説明を受ける。イエリオの家、窓割れてたね……。
非常時で仕方がないとはいえ、なんだか落ち着かない。見られて困るものは、少なくともわたしはないけど。
まあ、実際、家の中に魔物が入り込んでいるのだから仕方がない。
今は支部の二階で避難してきた人が休んでいるという。朝になれば朝食は配給してくれるらしい。「よろしければご利用になって」と言われた。あんまり美味しいものではなかったけど……まあ、食べられないほどまずいものではなかったし。
――以上が、わたしが気絶してからの情報である。
「そういえば、安否確認はされまして?」
「安否確認?」
「ええ、今回は昼に避難が始まりましたので、仕事場が家から遠いと避難所が分かれることがありますの。全支部と情報共有が夕方くらいに済みましたので、もし、身内や友人の無事を確認したければ名前を教えてくださいまし」
その言葉を聞いて、わたしはフィジャと、一応ヴィルフさんも聞いておいた。後、ルーネちゃんも。フィジャはともかく、ヴィルフさんは今討伐に走り回っていると思うんだけど。
フィジャは無事に別の場所へ避難が済んでいるようだ。逃げるときに転んだとかで、軽い擦傷はあるものの、ほぼ怪我無し、と言っていいらしい。
ヴィルフさんに関しては、案の定仕事中、というか、むしろ、あの『壁喰い』の討伐に参加していたという。今は街の中を索敵する部隊に配属されているそうだ。
ルーネちゃんは……何故か不思議そうな顔をされたが、無事を確認できた。ここで不思議そうな反応をされるっていうことは、ルーネちゃん、もしかして別の街の人なんだろうか?
何はともあれ、わたしが気絶してからの情報は知れたし、それどころか安否確認も出来た。
あとは朝日が昇るのを待つだけである。
わたしはギルド職員にお礼を言い、休むために二階へと向かった。
わたしを押し飛ばした男は取り押さえられ、別室に案内されたそうだ。わたしが目の前で気絶したことに気を取られ、逆に冷静になったというか、正気に戻ったというか。やらかしてしまった、ということで、我に返ったようでおとなしく別室に連れていかれたようだ。
わたしが倒れたときの音は結構大きかったらしく、静まり返った一瞬で、ギルド職員が再度丁寧に説明を行ったらしい。
わざわざ騒いでいたのはわたしにぶつかってきた男のみだったので、今下手に騒ぎを起こした方のが逆に危なく、わたしのように怪我をする、と言ったら、段々と騒ぎは小さくなったそうだ。
まあ、わたしの怪我でパニックが収まったのならよしとしよう。いや、あんまり良くないけど、怪我をしただけ損、ということにはなっていないので。
で、問題の『壁喰い』である。
本来、新種の魔物だと決められ、新たに名づけられるのには時間がかかるらしく、今は暫定で『壁喰い』とギルドの中で呼ばれているそうだ。まだ新種だとは確定していないが、新種で間違いない、と思っている人がほとんどのようで。
まあ、そりゃあそうだろう。確認済みの魔物だったら、食べられてしまうレンガで魔物除けの城壁なんて作らない。
あのとき、ホールから見えた『何か』、もとい、『壁喰い』は、無事に討伐された、と言われた。
魔物自体、大きく防御力も高い魔物ではあったものの攻撃性がなく、時間はかかれどほぼ無傷で倒すことができたらしい。
壁の修復自体はまだ時間を要するが、魔物が入り込む穴は全て把握出来たようで、全ての箇所に冒険者出身の民間警護団が配備されているので問題はないようだ。
今晩中に街の中を、魔物が残っていないか探すらしい。結構広い街だとは思うけど、一晩で捜索が終わってしまうとは、それだけ冒険者の人数が多いのか……と思ったが隣の街にいる冒険者にも援軍を要請したようだ。
それもそうか。『壁喰い』が他の場所にも出現すれば城壁に囲まれ、さらには壁の橋で街と街が繋がっているのだから、他の場所でも大問題になるだろう。
ちなみに、窓を割られていたり、扉が蹴破られたりしている場合は家の中に入って捜索すると説明を受ける。イエリオの家、窓割れてたね……。
非常時で仕方がないとはいえ、なんだか落ち着かない。見られて困るものは、少なくともわたしはないけど。
まあ、実際、家の中に魔物が入り込んでいるのだから仕方がない。
今は支部の二階で避難してきた人が休んでいるという。朝になれば朝食は配給してくれるらしい。「よろしければご利用になって」と言われた。あんまり美味しいものではなかったけど……まあ、食べられないほどまずいものではなかったし。
――以上が、わたしが気絶してからの情報である。
「そういえば、安否確認はされまして?」
「安否確認?」
「ええ、今回は昼に避難が始まりましたので、仕事場が家から遠いと避難所が分かれることがありますの。全支部と情報共有が夕方くらいに済みましたので、もし、身内や友人の無事を確認したければ名前を教えてくださいまし」
その言葉を聞いて、わたしはフィジャと、一応ヴィルフさんも聞いておいた。後、ルーネちゃんも。フィジャはともかく、ヴィルフさんは今討伐に走り回っていると思うんだけど。
フィジャは無事に別の場所へ避難が済んでいるようだ。逃げるときに転んだとかで、軽い擦傷はあるものの、ほぼ怪我無し、と言っていいらしい。
ヴィルフさんに関しては、案の定仕事中、というか、むしろ、あの『壁喰い』の討伐に参加していたという。今は街の中を索敵する部隊に配属されているそうだ。
ルーネちゃんは……何故か不思議そうな顔をされたが、無事を確認できた。ここで不思議そうな反応をされるっていうことは、ルーネちゃん、もしかして別の街の人なんだろうか?
何はともあれ、わたしが気絶してからの情報は知れたし、それどころか安否確認も出来た。
あとは朝日が昇るのを待つだけである。
わたしはギルド職員にお礼を言い、休むために二階へと向かった。
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