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第三部
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「普通に考えて、ああいう奴がまともなわけないんだよ。いやまあ、冒険者としては優秀で、そこは認めてるけど。あんなに酷かったらまともな環境で育ってるわけがなしさ。今回みたいに依頼で一緒になりでもしない限り、近付きたくもないね」
彼の言うことにも一理ある……とは思う。容姿をけなされ続け、周りから避け続けられて育てば、性格は曲がって育つ可能性は高いだろう。
現に、ヴィルフさんはすごくわたしに対して刺々しい。
でも、彼にだって、フィジャやイエリオさん、イナリさんという、大事な友達がいるわけで。警戒して遠ざけているわたしと手を組んででも、助けようとするくらいには。
お酒が入ればいくらか態度が軟化するわけだし、わたしに対して厳しいのも、自己防衛の手段なんだろう。
彼の言うことも間違ってはいないが、ヴィルフさんには当てはまらないように思う。あの人は、本当はすごく優しい人だと、わたしは勝手に思っている。
そんな考えが顔に出ていたのか、「そんな怖い顔しないでよ」と言われた。いや怖い顔にもなるわ。
「ていうか、俺からしたら、どうしてそんなにあいつをかばうのかよく分からないんだよね。あの兎種の男じゃ駄目なの? あっちなら美男美女でお似合いじゃん」
彼の何処がいいのか。そう言われて少しだけ、返答に困る自分がいた。
どうしてか、って考えたところで、前世のアニメで見るような、獣寄りの獣人でかっこいい上に、もふもふしているからあの毛並みに埋もれてみたい、とか言えるわけがない。
それに、出会った順番、というのもあるのかもしれない。わたしが初めてこの千年後の世界で出会ったのが彼らだから、どうしても彼ら側に立って物事を見てしまうのだ。
あと、わたしが現代の価値観を持ち合わせていない『人間』だから、というのも大きいかもしれない。わたしは別に人間に近い人の方が好ましいと思ったことはないし、四人全員が全員美形に見える。
いや、ヴィルフさんだけはちょっと美形のベクトルが違う気がするけど……。犬とか、動物にも顔の整ったかっこいい顔、というのはあると思っていて、そういう方向で見ている。
と、言うことを素直に全部言えるわけがない。
「……別に、貴方には関係ないです」
「俺が他人だから?」
……初対面のことを根に持っているのだろうか。今それを持ち出すか?
「事実として他人じゃないですか」
「ええー、つれないなあ。友達くらいには格上げしてよ」
このフィンネルでの、わたしの友達はルーネちゃんだけである。
「嫌です」
「あの『イヌ』野郎ですら友達なのに? 君の基準が分からないなあ。俺みたいなイケメンの男友達、欲しくない?」
ヴィルフさんが友達。
そう言えば、この人はわたしたちのことを知らないのか。
確かに、別に言ってないもんなあ。イエリオさんの研究所には伝わっていたので、すっかりこの人も知っているのだと勘違いしてしまっていた。
「ヴィルフさんは友達じゃないですよ」
「え、何? じゃあマジでただの知人? 俺がそれに負けるの、ある意味笑えるなあ」
「それも違います。結婚するので、ヴィルフさんはわたしの夫です。ちなみに、イエリオさんも、わたしの夫です」
きっぱり言い切ったわたしを、随分と間抜けな驚愕の表情で見てくるジグターさん。
「わたしの大事な『家族』ですから。あんまり馬鹿にしないでくださいね」
驚きで次の言葉が出てこないジグターさんを他所に、「それでは」とわたしは話を切り上げてテントに戻る。日も昇ったし、そろそろイエリオさんを起こしてもいい頃だろうし。
彼の言うことにも一理ある……とは思う。容姿をけなされ続け、周りから避け続けられて育てば、性格は曲がって育つ可能性は高いだろう。
現に、ヴィルフさんはすごくわたしに対して刺々しい。
でも、彼にだって、フィジャやイエリオさん、イナリさんという、大事な友達がいるわけで。警戒して遠ざけているわたしと手を組んででも、助けようとするくらいには。
お酒が入ればいくらか態度が軟化するわけだし、わたしに対して厳しいのも、自己防衛の手段なんだろう。
彼の言うことも間違ってはいないが、ヴィルフさんには当てはまらないように思う。あの人は、本当はすごく優しい人だと、わたしは勝手に思っている。
そんな考えが顔に出ていたのか、「そんな怖い顔しないでよ」と言われた。いや怖い顔にもなるわ。
「ていうか、俺からしたら、どうしてそんなにあいつをかばうのかよく分からないんだよね。あの兎種の男じゃ駄目なの? あっちなら美男美女でお似合いじゃん」
彼の何処がいいのか。そう言われて少しだけ、返答に困る自分がいた。
どうしてか、って考えたところで、前世のアニメで見るような、獣寄りの獣人でかっこいい上に、もふもふしているからあの毛並みに埋もれてみたい、とか言えるわけがない。
それに、出会った順番、というのもあるのかもしれない。わたしが初めてこの千年後の世界で出会ったのが彼らだから、どうしても彼ら側に立って物事を見てしまうのだ。
あと、わたしが現代の価値観を持ち合わせていない『人間』だから、というのも大きいかもしれない。わたしは別に人間に近い人の方が好ましいと思ったことはないし、四人全員が全員美形に見える。
いや、ヴィルフさんだけはちょっと美形のベクトルが違う気がするけど……。犬とか、動物にも顔の整ったかっこいい顔、というのはあると思っていて、そういう方向で見ている。
と、言うことを素直に全部言えるわけがない。
「……別に、貴方には関係ないです」
「俺が他人だから?」
……初対面のことを根に持っているのだろうか。今それを持ち出すか?
「事実として他人じゃないですか」
「ええー、つれないなあ。友達くらいには格上げしてよ」
このフィンネルでの、わたしの友達はルーネちゃんだけである。
「嫌です」
「あの『イヌ』野郎ですら友達なのに? 君の基準が分からないなあ。俺みたいなイケメンの男友達、欲しくない?」
ヴィルフさんが友達。
そう言えば、この人はわたしたちのことを知らないのか。
確かに、別に言ってないもんなあ。イエリオさんの研究所には伝わっていたので、すっかりこの人も知っているのだと勘違いしてしまっていた。
「ヴィルフさんは友達じゃないですよ」
「え、何? じゃあマジでただの知人? 俺がそれに負けるの、ある意味笑えるなあ」
「それも違います。結婚するので、ヴィルフさんはわたしの夫です。ちなみに、イエリオさんも、わたしの夫です」
きっぱり言い切ったわたしを、随分と間抜けな驚愕の表情で見てくるジグターさん。
「わたしの大事な『家族』ですから。あんまり馬鹿にしないでくださいね」
驚きで次の言葉が出てこないジグターさんを他所に、「それでは」とわたしは話を切り上げてテントに戻る。日も昇ったし、そろそろイエリオさんを起こしてもいい頃だろうし。
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