99 / 493
第二部
98
しおりを挟む
おそらくはこのあたり、と、捜索〈ティザー〉の飛翔体が弾かれた場所にやってくると、不自然に一本の木が生えていた。あたりは平原で、背の高い草はある程度生えてはいるものの、木はこの一本しか生えていない。
明らかにこれがおかしい。
わたしは木をあれこれ調べていると、根元に石が埋まっているのに気が付いた。ほんの少しだけ、頭が見えている。
埋まっている石の周りは土が固く、つい最近埋められた物でないことが分かる。まあ、これを埋めた人間が、わたしの様に魔法が使えるのなら、いくらでも細工のしようがあるが。
辺りの土を掘り返すと、石の全容が分かる。明らかに何か魔法陣が書かれていた。細かい部分は分からないものの、ざっくりと見れば魔法を遮断する、妨害壁を展開するものだった。
「見つけ――つっ」
「おい、どうした」
「だ、大丈夫です。ちょっとびっくりしただけで」
石を拾い上げようとして、バチッと手が弾かれる。この石自体を守る魔法もかけられているようだ。
なんでこんなに厳重なんだ……。
魔法を解析するのも手だったが、面倒だし、時間が惜しいし、なにより少し我慢すれば無視できそうだったので、わたしはそのまま、石を握りしめると強引に石を拾い上げた。
――すると。
「……おい、なんだこれは。これも魔法のせい、だってのか?」
「うわあ。これはまた凄いですねえ……。こんな大きなものを隠してたのか……」
魔法を遮断するものだけではなく、認識そのものを遮断する魔法が、この石にはかかっていたらしい。
石を拾い上げたことにより石の座標がかわり、役目を果たさなくなった今、わたしたちの目の前には大きな屋敷が現れていた。
二階建てで、少なくとも冒険者ギルドよりは大きい。建物自体にはなにも魔法がかかっていないのか、廃墟と言うにふさわしいほど、朽ちていた。
「捜索〈ティザー〉」
飛翔体を飛ばすと、すーっとまっすぐ、屋敷の中へと飛んで行く。
「なるほど、あの中に……。気を付けて行きましょう」
あんな屋敷、魔法のセキュリティだとか、誰か潜んでいるだとか、そういう心配以前に、建物自体が倒壊しないか不安である。ちょっと乱暴に歩くだけで簡単に床が抜けそうだ。
そんなことを話しているうちに、ぱち、と頭の中で弾ける、というか、はまる、というか、そんな感じの感覚がし、ふっと、二階の一番奥の部屋にある、という実感がわく。
ようやく見つけた。
「二階の一番奥の部屋です。……本当に、気を付けて行きましょうね」
階段、抜けないといいんだが。なにか魔法がかかっていればある程度感知は出来るものの、床がいつ、どこが抜けるか、なんてわたしには分からない。
ぱっと外から見た感じでは、建物自体、中にも魔法がかかっている気配は感じられなかった。
明らかにこれがおかしい。
わたしは木をあれこれ調べていると、根元に石が埋まっているのに気が付いた。ほんの少しだけ、頭が見えている。
埋まっている石の周りは土が固く、つい最近埋められた物でないことが分かる。まあ、これを埋めた人間が、わたしの様に魔法が使えるのなら、いくらでも細工のしようがあるが。
辺りの土を掘り返すと、石の全容が分かる。明らかに何か魔法陣が書かれていた。細かい部分は分からないものの、ざっくりと見れば魔法を遮断する、妨害壁を展開するものだった。
「見つけ――つっ」
「おい、どうした」
「だ、大丈夫です。ちょっとびっくりしただけで」
石を拾い上げようとして、バチッと手が弾かれる。この石自体を守る魔法もかけられているようだ。
なんでこんなに厳重なんだ……。
魔法を解析するのも手だったが、面倒だし、時間が惜しいし、なにより少し我慢すれば無視できそうだったので、わたしはそのまま、石を握りしめると強引に石を拾い上げた。
――すると。
「……おい、なんだこれは。これも魔法のせい、だってのか?」
「うわあ。これはまた凄いですねえ……。こんな大きなものを隠してたのか……」
魔法を遮断するものだけではなく、認識そのものを遮断する魔法が、この石にはかかっていたらしい。
石を拾い上げたことにより石の座標がかわり、役目を果たさなくなった今、わたしたちの目の前には大きな屋敷が現れていた。
二階建てで、少なくとも冒険者ギルドよりは大きい。建物自体にはなにも魔法がかかっていないのか、廃墟と言うにふさわしいほど、朽ちていた。
「捜索〈ティザー〉」
飛翔体を飛ばすと、すーっとまっすぐ、屋敷の中へと飛んで行く。
「なるほど、あの中に……。気を付けて行きましょう」
あんな屋敷、魔法のセキュリティだとか、誰か潜んでいるだとか、そういう心配以前に、建物自体が倒壊しないか不安である。ちょっと乱暴に歩くだけで簡単に床が抜けそうだ。
そんなことを話しているうちに、ぱち、と頭の中で弾ける、というか、はまる、というか、そんな感じの感覚がし、ふっと、二階の一番奥の部屋にある、という実感がわく。
ようやく見つけた。
「二階の一番奥の部屋です。……本当に、気を付けて行きましょうね」
階段、抜けないといいんだが。なにか魔法がかかっていればある程度感知は出来るものの、床がいつ、どこが抜けるか、なんてわたしには分からない。
ぱっと外から見た感じでは、建物自体、中にも魔法がかかっている気配は感じられなかった。
23
あなたにおすすめの小説
召しませ、私の旦那さまっ!〜美醜逆転の世界でイケメン男性を召喚します〜
紗幸
恋愛
「醜い怪物」こそ、私の理想の旦那さま!
聖女ミリアは、魔王を倒す力を持つ「勇者」を召喚する大役を担う。だけど、ミリアの願いはただ一つ。日本基準の超絶イケメンを召喚し、魔王討伐の旅を通して結婚することだった。召喚されたゼインは、この国の美醜の基準では「醜悪な怪物」扱い。しかしミリアの目には、彼は完璧な最強イケメンに映っていた。ミリアは魔王討伐の旅を「イケメン旦那さまゲットのためのアピールタイム」と称し、ゼインの心を掴もうと画策する。しかし、ゼインは冷酷な仮面を崩さないまま、旅が終わる。
イケメン勇者と美少女聖女が織りなす、勘違いと愛が暴走する異世界ラブコメディ。果たして、二人の「愛の旅」は、最高の結末を迎えるのか?
※短編用に書いたのですが、少し長くなったので連載にしています
※この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています
異世界推し生活のすすめ
八尋
恋愛
現代で生粋のイケメン筋肉オタクだった壬生子がトラ転から目を覚ますと、そこは顔面の美の価値観が逆転した異世界だった…。
この世界では壬生子が理想とする逞しく凛々しい騎士たちが"不細工"と蔑まれて不遇に虐げられていたのだ。
身分違いや顔面への美意識格差と戦いながら推しへの愛を(心の中で)叫ぶ壬生子。
異世界で誰も想像しなかった愛の形を世界に示していく。
完結済み、定期的にアップしていく予定です。
完全に作者の架空世界観なのでご都合主義や趣味が偏ります、ご注意ください。
作者の作品の中ではだいぶコメディ色が強いです。
誤字脱字誤用ありましたらご指摘ください、修正いたします。
なろうにもアップ予定です。
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
推しの幸せをお願いしたら異世界に飛ばされた件について
あかね
恋愛
いつも推しは不遇で、現在の推しの死亡フラグを年末の雑誌で立てられたので、新年に神社で推しの幸せをお願いしたら、翌日異世界に飛ばされた話。無事、推しとは会えましたが、同居とか無理じゃないですか。
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハーレム異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーレムです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
【完結】身分を隠して恋文相談屋をしていたら、子犬系騎士様が毎日通ってくるんですが?
エス
恋愛
前世で日本の文房具好き書店員だった記憶を持つ伯爵令嬢ミリアンヌは、父との約束で、絶対に身分を明かさないことを条件に、変装してオリジナル文具を扱うお店《ことのは堂》を開店することに。
文具の販売はもちろん、手紙の代筆や添削を通して、ささやかながら誰かの想いを届ける手助けをしていた。
そんなある日、イケメン騎士レイが突然来店し、ミリアンヌにいきなり愛の告白!? 聞けば、以前ミリアンヌが代筆したラブレターに感動し、本当の筆者である彼女を探して、告白しに来たのだとか。
もちろんキッパリ断りましたが、それ以来、彼は毎日ミリアンヌ宛ての恋文を抱えてやって来るようになりまして。
「あなた宛の恋文の、添削お願いします!」
......って言われましても、ねぇ?
レイの一途なアプローチに振り回されつつも、大好きな文房具に囲まれ、店主としての仕事を楽しむ日々。
お客様の相談にのったり、前世の知識を活かして、この世界にはない文房具を開発したり。
気づけば店は、騎士達から、果ては王城の使者までが買いに来る人気店に。お願いだから、身バレだけは勘弁してほしい!!
しかしついに、ミリアンヌの正体を知る者が、店にやって来て......!?
恋文から始まる、秘密だらけの恋とお仕事。果たしてその結末は!?
※ほかサイトで投稿していたものを、少し修正して投稿しています。
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
無表情な黒豹騎士に懐かれたら、元の世界に戻れなくなった私の話を切実に聞いて欲しい!
カントリー
恋愛
「懐かれた時はネコちゃんみたいで可愛いなと思った時期がありました。」
でも懐かれたのは、獲物を狙う肉食獣そのものでした。by大空都子。
大空都子(おおぞら みやこ)。食べる事や料理をする事が大好きな小太した女子高校生。
今日も施設の仲間に料理を振るうため、買い出しに外を歩いていた所、暴走車両により交通事故に遭い異世界へ転移してしまう。
ダーク
「…美味そうだな…」ジュル…
都子「あっ…ありがとうございます!」
(えっ…作った料理の事だよね…)
元の世界に戻るまで、都子こと「ヨーグル・オオゾラ」はクモード城で料理人として働く事になるが…
これは大空都子が黒豹騎士ダーク・スカイに懐かれ、最終的には逃げられなくなるお話。
小説の「異世界でお菓子屋さんを始めました!」から20年前の物語となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる