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第一部
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「……お酒臭っ!」
目を覚ましたらそこは知らない場所でした、第二回目!
人生でこんな体験をそう何度もするとは思わなかった。
第一回目は、死んだ記憶がある。死んで、目が覚めたら赤ん坊になっていて――異世界転生を果たしていた。
けれど、今回はそんな記憶がない。街への買い出しの帰りに、強い雨に降られてしぶしぶ転移魔法を使ったはずだ。死ぬようなことはなにもない。
しかし、なんでこんな酒臭いんだ。
転移酔いで、未だくらくらする頭を抱えながら、当たりを見回してみる。
何本もの酒ビンが、木製の床に転がっている。広い部屋だが、なんだか薄暗い。というか、何かの下に潜り込んでしまっているようで、視界が遮られている。
「っと……うわ」
辺りに人の気配もないので、恐る恐る這い出てみると、どうやら机の下にいたようだった。
机の上にも空の酒ビンがいくつもあって、食べ散らかした跡もある。
コップとフォークが四つずつあるあたり、どうやら四人ほど、ここで酒盛りをしていたようだ。今は誰もいないけれど。
なんでこんなところに出てしまったのか……。
転移系の魔法は確かに苦手だけれど、今まで全く分からない場所に飛んだことはない。そもそも、苦手だからこそ一度行った場所にしか行けないというのに。
「探索〈サーチ〉」
手のひらを上に向け、そう呟くと、鳥のような蝶のような、半透明の白い色をした飛行体が姿を表す。
それは二度、三度羽ばたくと、窓をすり抜け外へ向かって飛んでいった。
水と風の複合魔法である探索〈サーチ〉は、上空から下を見て、辺りを調べる魔法だ。飛行体ごしに見える景色は、目に直接届くので、瞼を下ろさないと大変なことになる。様子が良く見えないだけでなく、変に酔って気持ち悪くなるのだ。
「……?」
わたしは写し出された映像をみて、首を傾げる。さほど広くない城郭都市のようだが見たことがない。そもそもわたしが知る、城壁に囲まれた都市は王都だけだ。
「知らん国まで飛ばされたのかな……ん?」
さほど広くない、と判断したのは間違いだったようだ。
飛行体が高度を上げていくと、全貌が明らかになる。
広くない四角い城郭都市の角に塔が立っている。
そこから、上部を人が通れるように設計された城壁が長く延びていた。先には、同じような塔があり、まるで塔と塔を繋ぐ橋のようだ。
そこには当然、同じような四角い城郭都市がある。それがいくつも、橋の城壁で繋がっていた。
広大な土地をぐるりと囲むように複数の四角い城郭都市と橋の城壁は設置してあり、その中には二重の城壁。こちらは塔が立っておらず、城壁内の街と、外の城郭都市とは繋がっていないようだ。
全体の中心部には城らしきものが見える。領主の館にしては豪勢すぎる。この城郭都市らを統べる国王でも住んでいるのだろうか。
わたしの住んでいた国とはまるで違う。
転生後のわたしが住んでいたシーバイズ王国は、小島が集まって出来た田舎国だ。一度、中央島という王城のある島に行ったことがあるけれど、王都から見える王城は、大きく広いだけの、華美さのない城だった。
シーバイズ王国は、華美さを好まず、機能美至上主義の国柄だ。派手に装飾をしても、塩害で長持ちしないので、飾りの文化は成長しなかたったらしい。田舎故に派手にする金銭的余裕がない、という説もあるけれど。
シーバイズ王国に該当するどの島に行ってもこんな街はないだろう。うーん、国外に飛んでしまったのは確定か。
目を覚ましたらそこは知らない場所でした、第二回目!
人生でこんな体験をそう何度もするとは思わなかった。
第一回目は、死んだ記憶がある。死んで、目が覚めたら赤ん坊になっていて――異世界転生を果たしていた。
けれど、今回はそんな記憶がない。街への買い出しの帰りに、強い雨に降られてしぶしぶ転移魔法を使ったはずだ。死ぬようなことはなにもない。
しかし、なんでこんな酒臭いんだ。
転移酔いで、未だくらくらする頭を抱えながら、当たりを見回してみる。
何本もの酒ビンが、木製の床に転がっている。広い部屋だが、なんだか薄暗い。というか、何かの下に潜り込んでしまっているようで、視界が遮られている。
「っと……うわ」
辺りに人の気配もないので、恐る恐る這い出てみると、どうやら机の下にいたようだった。
机の上にも空の酒ビンがいくつもあって、食べ散らかした跡もある。
コップとフォークが四つずつあるあたり、どうやら四人ほど、ここで酒盛りをしていたようだ。今は誰もいないけれど。
なんでこんなところに出てしまったのか……。
転移系の魔法は確かに苦手だけれど、今まで全く分からない場所に飛んだことはない。そもそも、苦手だからこそ一度行った場所にしか行けないというのに。
「探索〈サーチ〉」
手のひらを上に向け、そう呟くと、鳥のような蝶のような、半透明の白い色をした飛行体が姿を表す。
それは二度、三度羽ばたくと、窓をすり抜け外へ向かって飛んでいった。
水と風の複合魔法である探索〈サーチ〉は、上空から下を見て、辺りを調べる魔法だ。飛行体ごしに見える景色は、目に直接届くので、瞼を下ろさないと大変なことになる。様子が良く見えないだけでなく、変に酔って気持ち悪くなるのだ。
「……?」
わたしは写し出された映像をみて、首を傾げる。さほど広くない城郭都市のようだが見たことがない。そもそもわたしが知る、城壁に囲まれた都市は王都だけだ。
「知らん国まで飛ばされたのかな……ん?」
さほど広くない、と判断したのは間違いだったようだ。
飛行体が高度を上げていくと、全貌が明らかになる。
広くない四角い城郭都市の角に塔が立っている。
そこから、上部を人が通れるように設計された城壁が長く延びていた。先には、同じような塔があり、まるで塔と塔を繋ぐ橋のようだ。
そこには当然、同じような四角い城郭都市がある。それがいくつも、橋の城壁で繋がっていた。
広大な土地をぐるりと囲むように複数の四角い城郭都市と橋の城壁は設置してあり、その中には二重の城壁。こちらは塔が立っておらず、城壁内の街と、外の城郭都市とは繋がっていないようだ。
全体の中心部には城らしきものが見える。領主の館にしては豪勢すぎる。この城郭都市らを統べる国王でも住んでいるのだろうか。
わたしの住んでいた国とはまるで違う。
転生後のわたしが住んでいたシーバイズ王国は、小島が集まって出来た田舎国だ。一度、中央島という王城のある島に行ったことがあるけれど、王都から見える王城は、大きく広いだけの、華美さのない城だった。
シーバイズ王国は、華美さを好まず、機能美至上主義の国柄だ。派手に装飾をしても、塩害で長持ちしないので、飾りの文化は成長しなかたったらしい。田舎故に派手にする金銭的余裕がない、という説もあるけれど。
シーバイズ王国に該当するどの島に行ってもこんな街はないだろう。うーん、国外に飛んでしまったのは確定か。
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