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結論から言えば、檻の中に閉じ込められていた獣人たちは、一人として、命を落とすことなく医務室へと運ぶことができた。小動物ならば十分と持たずに死ぬ、と言われた薬ではあったが、小動物に当たる獣人がいなかったため、死人が出なかったそうだ。あのときは、パニックになって檻の中を全て把握できていなかったけれど、ウサギやモルモットの獣人がいたはずだから、今日獣化していなかったのは幸いとしか言えない。
とはいえ、やはり人間よりも薬への耐性がないのは事実。いくら本物の動物よりはマシで息があるまま医務室に運ばれたとはいえ、数日、集中的に治療しないと命が危ない者や、騎士を引退しなければいけない後遺症が残る可能性がある人はいるらしい。
アルディさんや大型犬の、獣化しても体が大きいままの人や、先に抜け穴を使って這い出ていた人は、数日休めば元に戻るようで、そこは一安心だ。これほどの被害が出ているのであれば、素直に喜べないけど。
ちなみに、わたしの方の怪我は、足の裏の擦過傷で悲惨なことになっている以外はとくに怪我はなかったのだが、唯一の怪我の場所が場所なので、しばらく歩くことが禁止された。トイレに行くときですら、ジルに抱えあげられて移動する。
――そんなわけで、わたしは、事件があってから翌日、わたしの部屋に来たお父様から、あの後、どうなったのかを聞いているのだった。
「まったく……無茶をする」
呆れたように溜息を吐くお父様。でも、ほら、人命がかかっていたから。わたしの足より、命の方が大事だ。
わたしがそういう考えなのを分かっているからか、お父様も頭ごなしに怒ってはこなかった。とんでもないことをした、と、文句を言いたそうな表情はしているが。
でも、それを言わない、ということは、お父様だって、助けられる命が助かったことに安堵しているのだと思う。
「――……リアン王子はどうして今回のような事件を起こしたのでしょう」
それはもちろん、アルディさんへの復讐……だとは思うのだけど、根本的な理由が見えてこない。獣人がお嫌いな様子だったけど、トルムさんと同じような理由だったのだろうか。
お父様は渋い顔をしていたが、「ここまで巻き込まれてしまったのならば全て話すか」と言った。
「あまり血生臭い話をお前に聞かせたくはなかったのだがな」
「聞きたくなければいつでも話をやめるから言え」というお父様の言葉に、わたしはうなずいた。
前世での記憶がある分、普通の貴族令嬢よりは、多少なりともグロテスクなものに耐性はあると思うけれど。漫画やアニメ、映画といった、創作物のコンテンツがあふれかえっていた国で前世は生きていたのだ。
そうでなくとも――今回起きた事件の全貌を把握しておきたい。大切な人が巻き込まれたことなのだから。
「リアン王子は獣人を人間にする薬を、裏で開発していたのだ。その過程で、違法薬物に手を出し、それを暴かれた。その一件の解決に尽力を尽くし、王に報告したのが、第二騎士団の団長と副団長――つまりは、ハウント・ランドットとアルディ・ザルミールだ」
獣人を人間にする薬。また凄い話が出てきたものだが――そんなこと、可能なんだろうか。
とはいえ、やはり人間よりも薬への耐性がないのは事実。いくら本物の動物よりはマシで息があるまま医務室に運ばれたとはいえ、数日、集中的に治療しないと命が危ない者や、騎士を引退しなければいけない後遺症が残る可能性がある人はいるらしい。
アルディさんや大型犬の、獣化しても体が大きいままの人や、先に抜け穴を使って這い出ていた人は、数日休めば元に戻るようで、そこは一安心だ。これほどの被害が出ているのであれば、素直に喜べないけど。
ちなみに、わたしの方の怪我は、足の裏の擦過傷で悲惨なことになっている以外はとくに怪我はなかったのだが、唯一の怪我の場所が場所なので、しばらく歩くことが禁止された。トイレに行くときですら、ジルに抱えあげられて移動する。
――そんなわけで、わたしは、事件があってから翌日、わたしの部屋に来たお父様から、あの後、どうなったのかを聞いているのだった。
「まったく……無茶をする」
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わたしがそういう考えなのを分かっているからか、お父様も頭ごなしに怒ってはこなかった。とんでもないことをした、と、文句を言いたそうな表情はしているが。
でも、それを言わない、ということは、お父様だって、助けられる命が助かったことに安堵しているのだと思う。
「――……リアン王子はどうして今回のような事件を起こしたのでしょう」
それはもちろん、アルディさんへの復讐……だとは思うのだけど、根本的な理由が見えてこない。獣人がお嫌いな様子だったけど、トルムさんと同じような理由だったのだろうか。
お父様は渋い顔をしていたが、「ここまで巻き込まれてしまったのならば全て話すか」と言った。
「あまり血生臭い話をお前に聞かせたくはなかったのだがな」
「聞きたくなければいつでも話をやめるから言え」というお父様の言葉に、わたしはうなずいた。
前世での記憶がある分、普通の貴族令嬢よりは、多少なりともグロテスクなものに耐性はあると思うけれど。漫画やアニメ、映画といった、創作物のコンテンツがあふれかえっていた国で前世は生きていたのだ。
そうでなくとも――今回起きた事件の全貌を把握しておきたい。大切な人が巻き込まれたことなのだから。
「リアン王子は獣人を人間にする薬を、裏で開発していたのだ。その過程で、違法薬物に手を出し、それを暴かれた。その一件の解決に尽力を尽くし、王に報告したのが、第二騎士団の団長と副団長――つまりは、ハウント・ランドットとアルディ・ザルミールだ」
獣人を人間にする薬。また凄い話が出てきたものだが――そんなこと、可能なんだろうか。
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