【完結】糸と会う〜異世界転移したら獣人に溺愛された俺のお話

匠野ワカ

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番外編 1122の日から1126の日 

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「ひゃ、ああああっ!」
「くっ、ユーキっ!」


 ルルルフさん特製オイルはしっかりとその効能を発揮して、かつてないほど俺の中を柔らかく解いてくれていた。

 痛みはなく、ただただ気持ちがいい。
 あっけなく達した俺は、オーニョさんの大きなペニスに押し出されるようにだらだらと放精をして、二人のお腹を濡らしていった。
 怖いくらいの気持ちよさに、足がガクガクする。力が入らない。

 いつもなら固く閉じた先がオイルと快楽によってゆるみ、オーニョさんの先端がぐぽっとはまったのが分かった。



「あう……っ!」
「っ! ユーキ、無理をするな」


 オーニョさんは仰向けのまま手で俺の腰を支え、それ以上侵入しないように調整してくれている。
 俺はそんなオーニョさんの優しい手を振り払った。


「や! おれ、へーき。オーニョさんの全部、んっ、なかに、きて。おれ、ちゃんと、できるからぁ。おれで、気持ちよくなって。おれが、一番って、いってぇ……っ!」


 支えがなくなった体は、自重でじわじわと沈んでいく。
 オーニョさんが、中のカーブをこじ開けていくのが分かった。中から内臓が押し上げられる。
 
 内太ももにぺたりと肌が触れたことで、ついに全部を飲みこんだのだと気付いた。

 あのオーニョさんの大きなペニスが全部入ったのだと思うと、感動を覚える。
 俺はお腹を撫でながら、うっとりと微笑んだ。


「オーニョさん、きもちい? もう、うごいて、いーよ?」
「ユーキっ!」


 興奮したオーニョさんから、ぐるるると猛獣の低いうなり声が聞こえる。
 内太ももにふかふかとした毛並みを感じて、オーニョさんが獣化しつつあることに気付いた。

 
「す、すまない、ユーキ、止まらないんだ……っ」
「あはっ! 興奮しちゃったんだ? いーよ。んっ、オーニョさん、おれ、うれしーから。……いっぱい、えっち、しよ?」


 オーニョさんの手は鋭い爪が伸び、俺を傷付けないように掴んだシーツが嫌な音を立てて裂けた。
 俺は赤い毛並みに覆われつつあるオーニョさんの手の甲を、そっと包んだ。
 それから、オーニョさんのするどい牙に口付けをくり返した。


「ユーキ、危ないから、煽らないで。万が一、ユーキを傷付けたら」
「いーよ。おれ、オーニョさんになら、たべられたっていいんだよ。オーニョさん、すき。だいすき」


 俺がへらりと笑うと、中がぐぐぐっと圧迫されたのが分かった。

 オーニョさんがまた大きくなったのかなと思っていると、へにょりと耳を垂れたオーニョさんが、オーニョさんのオーニョさんが獣化をしてしまったのだと教えてくれた。



「……へ? き、亀頭球……?」
「そうだ。根元が膨らむことで、射精が終わるまで、抜けない構造になっている。本当にすまない」
「……? 謝る必要、ない、よね? 人型のオーニョさんも、獣姿のオーニョさんも、獣化途中のオーニョさんも、全部オーニョさんだもん。俺、好きだよ」
「ユーキ……っ!」


 何やら感極まっているオーニョさんには申し訳ないが、俺は中が切なくて、我慢の限界だった。勝手に腰が動いてしまう。


「んね、説明、おわった? もう、動いて、いい? いいよね? あン」


 確かに亀頭球とやらがひっかかって大きな抜き差しはできないようだが、腰を押しつけるようにすると、奥がぐにぐにと押されて気持ちがよかった。
 オーニョさんもすぐに下から腰を突き上げるように動きだす。

 オーニョさんの太く長いペニスが、俺の中をみっちりと余すところなく刺激して、ずっとイっているみたいにとんでもなく気持ちがよかった。
 俺のペニスはどこか壊れてしまったのか、ちょっとずつ精液をこぼしながらぺちぺちと揺れている。
 もしかしたら、ずっとイっているのかもしれない。

 強すぎる快楽に上体を支えきれなくなった俺は、ふさふさと赤毛の生えるオーニョさんのお腹に手をついた。
 その手のひらに小さな突起を感じる。
 よく見てみると、オーニョさんのお腹に小さな乳首があった。

 上から左右対称に足の付け根まで並んでいて、その数、全部で八個。

 赤い毛並みから見え隠れするささやかな乳首がかわいい。
 俺はオーニョさんに揺さぶられながら、乳首をきゅっと摘まんでぐにぐにと愛撫した。


「あうっ! ユーキっ!」
「んんんっ!」


 オーニョさんはびくびくと震えながら、背中をしならせた。乳首への不意打ちで、うっかり達してしまったらしい。

 びしゃびしゃと、熱い精子が中で叩きつけられる感覚がする。
 オーニョさんはもっと楽しみたかったのにと、息を弾ませながら恨めしげに唇を尖らせている。そんなオーニョさんは大変かわいいのだが、俺にはそのかわいさを堪能している余裕はなかった。

 長すぎる放精に、俺のお腹が膨れてきたのだ。


「あうっ! オーニョさ、ン、も、終わってぇ!」
「ユー、キ……っ! す、すまな、いっ!」


 オーニョさんは腰を揺らめかしながら、数十分は射精が続くと告げたのだった。

 俺は不意打ちでおっぱいを触るのは止めにしようと、心に誓った。



◇◇◇



 湯気にけぶる浴室に、静かな水音が響く。

 宿の浴室に備え付けられていた猫足のバスタブにお湯を張って、俺とオーニョさんは湯に浸かっていた。


「やはり湯船が違うと入りにくいな」
「文化が違うからねぇ」


 俺は、座るオーニョさんの膝の真ん中に陣取り、もたれかかって完全に脱力していた。
 子どもと一緒の入浴ではこんなにゆっくりできないのだから、これもまた贅沢な時間なのだった。


 あれから本当に数十分続いたオーニョさんの射精が終わり、このままではベッドの上が大変なことになると慌てて浴室に移動してから、なんだかんだと二回戦が始まって、俺はもう疲労困憊だった。
 指先でさえ動かしたくない。

 それでも満足そうなオーニョさんを見ると、幸せな充足感に包まれるのだった。

 家に帰ってから次の日の朝まで、すべての家事育児はオーニョさんが責任を持ってやってくれるといってくれている。なので、まぁ、しばらくは使い物にならなくてもいいのだ。きっと。


「その、ユーキさえ許してくれるなら、これに懲りずに、またここに来よう」
「んふ。もちろん! オーニョさん、ここ気に入った?」
「ああ。ここがというか、たまにはユーキと二人きりも、いいなと」
「いっぱい大きな声、出せるしね?」
「……ああ。今日のユーキも大変素晴らしかった」
「んふふ。ありがと。オーニョさんも素敵でかわいかったよぉ。俺、もっと体力つけるから、次は完全に獣化した状態で、……エッチ、してみる?」
「……まったく。非常に魅力的な提案だな」
「あはは!」


 オーニョさんは笑う俺を背後から痛いくらい強く抱きしめて、耳元でささやいた。


「ユーキだけだ。愛してる」
「うん。俺も」
「ユーキが一番だなんて、順番じゃないんだ。他の何とも、比べようがない。愛してるんだ。……俺のすべては、未来永劫、ユーキだけのものだから」
「うん。俺もだよ。……でも、またヤキモチやいちゃったら、ごめんね」
「いくらでも。むしろ光栄だ。しかし、これからユーキが不安に思う隙もないくらい愛していくから、覚悟していて」
「んふふ。ありがとうね。オーニョさん、大好きだよ!」


 このあと、俺とオーニョさんは新しい卵を授かったことに気付くのだけれど、それはまた別のお話。

 それからも二人きりの時間を過ごすたびに、卵が増えていったのだとかなんとか。
 これは、パオ一族の名に恥じない仲良し大家族になる少し前のお話。



 こうして二人の幸せな未来は、永遠に続いていったのでした。    



(おしまい)


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