182 / 187
番外編 1122の日から1126の日
しおりを挟む「ひゃ、ああああっ!」
「くっ、ユーキっ!」
ルルルフさん特製オイルはしっかりとその効能を発揮して、かつてないほど俺の中を柔らかく解いてくれていた。
痛みはなく、ただただ気持ちがいい。
あっけなく達した俺は、オーニョさんの大きなペニスに押し出されるようにだらだらと放精をして、二人のお腹を濡らしていった。
怖いくらいの気持ちよさに、足がガクガクする。力が入らない。
いつもなら固く閉じた先がオイルと快楽によってゆるみ、オーニョさんの先端がぐぽっとはまったのが分かった。
「あう……っ!」
「っ! ユーキ、無理をするな」
オーニョさんは仰向けのまま手で俺の腰を支え、それ以上侵入しないように調整してくれている。
俺はそんなオーニョさんの優しい手を振り払った。
「や! おれ、へーき。オーニョさんの全部、んっ、なかに、きて。おれ、ちゃんと、できるからぁ。おれで、気持ちよくなって。おれが、一番って、いってぇ……っ!」
支えがなくなった体は、自重でじわじわと沈んでいく。
オーニョさんが、中のカーブをこじ開けていくのが分かった。中から内臓が押し上げられる。
内太ももにぺたりと肌が触れたことで、ついに全部を飲みこんだのだと気付いた。
あのオーニョさんの大きなペニスが全部入ったのだと思うと、感動を覚える。
俺はお腹を撫でながら、うっとりと微笑んだ。
「オーニョさん、きもちい? もう、うごいて、いーよ?」
「ユーキっ!」
興奮したオーニョさんから、ぐるるると猛獣の低いうなり声が聞こえる。
内太ももにふかふかとした毛並みを感じて、オーニョさんが獣化しつつあることに気付いた。
「す、すまない、ユーキ、止まらないんだ……っ」
「あはっ! 興奮しちゃったんだ? いーよ。んっ、オーニョさん、おれ、うれしーから。……いっぱい、えっち、しよ?」
オーニョさんの手は鋭い爪が伸び、俺を傷付けないように掴んだシーツが嫌な音を立てて裂けた。
俺は赤い毛並みに覆われつつあるオーニョさんの手の甲を、そっと包んだ。
それから、オーニョさんのするどい牙に口付けをくり返した。
「ユーキ、危ないから、煽らないで。万が一、ユーキを傷付けたら」
「いーよ。おれ、オーニョさんになら、たべられたっていいんだよ。オーニョさん、すき。だいすき」
俺がへらりと笑うと、中がぐぐぐっと圧迫されたのが分かった。
オーニョさんがまた大きくなったのかなと思っていると、へにょりと耳を垂れたオーニョさんが、オーニョさんのオーニョさんが獣化をしてしまったのだと教えてくれた。
「……へ? き、亀頭球……?」
「そうだ。根元が膨らむことで、射精が終わるまで、抜けない構造になっている。本当にすまない」
「……? 謝る必要、ない、よね? 人型のオーニョさんも、獣姿のオーニョさんも、獣化途中のオーニョさんも、全部オーニョさんだもん。俺、好きだよ」
「ユーキ……っ!」
何やら感極まっているオーニョさんには申し訳ないが、俺は中が切なくて、我慢の限界だった。勝手に腰が動いてしまう。
「んね、説明、おわった? もう、動いて、いい? いいよね? あン」
確かに亀頭球とやらがひっかかって大きな抜き差しはできないようだが、腰を押しつけるようにすると、奥がぐにぐにと押されて気持ちがよかった。
オーニョさんもすぐに下から腰を突き上げるように動きだす。
オーニョさんの太く長いペニスが、俺の中をみっちりと余すところなく刺激して、ずっとイっているみたいにとんでもなく気持ちがよかった。
俺のペニスはどこか壊れてしまったのか、ちょっとずつ精液をこぼしながらぺちぺちと揺れている。
もしかしたら、ずっとイっているのかもしれない。
強すぎる快楽に上体を支えきれなくなった俺は、ふさふさと赤毛の生えるオーニョさんのお腹に手をついた。
その手のひらに小さな突起を感じる。
よく見てみると、オーニョさんのお腹に小さな乳首があった。
上から左右対称に足の付け根まで並んでいて、その数、全部で八個。
赤い毛並みから見え隠れするささやかな乳首がかわいい。
俺はオーニョさんに揺さぶられながら、乳首をきゅっと摘まんでぐにぐにと愛撫した。
「あうっ! ユーキっ!」
「んんんっ!」
オーニョさんはびくびくと震えながら、背中をしならせた。乳首への不意打ちで、うっかり達してしまったらしい。
びしゃびしゃと、熱い精子が中で叩きつけられる感覚がする。
オーニョさんはもっと楽しみたかったのにと、息を弾ませながら恨めしげに唇を尖らせている。そんなオーニョさんは大変かわいいのだが、俺にはそのかわいさを堪能している余裕はなかった。
長すぎる放精に、俺のお腹が膨れてきたのだ。
「あうっ! オーニョさ、ン、も、終わってぇ!」
「ユー、キ……っ! す、すまな、いっ!」
オーニョさんは腰を揺らめかしながら、数十分は射精が続くと告げたのだった。
俺は不意打ちでおっぱいを触るのは止めにしようと、心に誓った。
◇◇◇
湯気にけぶる浴室に、静かな水音が響く。
宿の浴室に備え付けられていた猫足のバスタブにお湯を張って、俺とオーニョさんは湯に浸かっていた。
「やはり湯船が違うと入りにくいな」
「文化が違うからねぇ」
俺は、座るオーニョさんの膝の真ん中に陣取り、もたれかかって完全に脱力していた。
子どもと一緒の入浴ではこんなにゆっくりできないのだから、これもまた贅沢な時間なのだった。
あれから本当に数十分続いたオーニョさんの射精が終わり、このままではベッドの上が大変なことになると慌てて浴室に移動してから、なんだかんだと二回戦が始まって、俺はもう疲労困憊だった。
指先でさえ動かしたくない。
それでも満足そうなオーニョさんを見ると、幸せな充足感に包まれるのだった。
家に帰ってから次の日の朝まで、すべての家事育児はオーニョさんが責任を持ってやってくれるといってくれている。なので、まぁ、しばらくは使い物にならなくてもいいのだ。きっと。
「その、ユーキさえ許してくれるなら、これに懲りずに、またここに来よう」
「んふ。もちろん! オーニョさん、ここ気に入った?」
「ああ。ここがというか、たまにはユーキと二人きりも、いいなと」
「いっぱい大きな声、出せるしね?」
「……ああ。今日のユーキも大変素晴らしかった」
「んふふ。ありがと。オーニョさんも素敵でかわいかったよぉ。俺、もっと体力つけるから、次は完全に獣化した状態で、……エッチ、してみる?」
「……まったく。非常に魅力的な提案だな」
「あはは!」
オーニョさんは笑う俺を背後から痛いくらい強く抱きしめて、耳元でささやいた。
「ユーキだけだ。愛してる」
「うん。俺も」
「ユーキが一番だなんて、順番じゃないんだ。他の何とも、比べようがない。愛してるんだ。……俺のすべては、未来永劫、ユーキだけのものだから」
「うん。俺もだよ。……でも、またヤキモチやいちゃったら、ごめんね」
「いくらでも。むしろ光栄だ。しかし、これからユーキが不安に思う隙もないくらい愛していくから、覚悟していて」
「んふふ。ありがとうね。オーニョさん、大好きだよ!」
このあと、俺とオーニョさんは新しい卵を授かったことに気付くのだけれど、それはまた別のお話。
それからも二人きりの時間を過ごすたびに、卵が増えていったのだとかなんとか。
これは、パオ一族の名に恥じない仲良し大家族になる少し前のお話。
こうして二人の幸せな未来は、永遠に続いていったのでした。
(おしまい)
6
お気に入りに追加
1,491
あなたにおすすめの小説
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

ヒロイン不在の異世界ハーレム
藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。
神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。
飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。
ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…
こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』
ある日、教室中に響いた声だ。
……この言い方には語弊があった。
正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。
テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。
問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。
*当作品はカクヨム様でも掲載しております。
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位
目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜
楠ノ木雫
恋愛
病院に入院中だった私、奥村菖は知らず知らずに異世界へ続く穴に落っこちていたらしく、目が覚めたら知らない屋敷のベッドにいた。倒れていた菖を保護してくれたのはこの国の公爵家。彼女達からは、地球には帰れないと言われてしまった。
病気を患っている私はこのままでは死んでしまうのではないだろうかと悟ってしまったその時、いきなり目の前に〝妖精〟が現れた。その妖精達が持っていたものは幻の薬草と呼ばれるもので、自分の病気が治る事が発覚。治療を始めてどんどん元気になった。
元気になり、この国の公爵家にも歓迎されて。だから、恩返しの為に現代の知識をフル活用して頑張って元気に生きたいと思います!
でも、あれ? この世界には私の知る食材はないはずなのに、どうして食事にこの四角くて白い〝コレ〟が出てきたの……!?
※他の投稿サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる