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番外編 1122の日 準備
しおりを挟む「ユーキ。もっと高く上げられる?」
俺は、怪我がないか確認したいというオーニョさんに、お尻を突きだす羽目になっていた。
さんざんそういう行為をしてきて、なんなら卵を産むところまでばっちり見られた間柄であっても、恥ずかしいものは恥ずかしい。
俺はシーツに顔をうずめ、もじもじしながらお尻を高く上げていく。
「ひゃっ!」
「すまない。冷たかったか?」
お尻を上げたまま肩越しに見たオーニョさんの手には、ルルルフさんからプレゼントされたオイルの瓶が握られていた。
お尻のあわいに、琥珀色した粘度の高いオイルが伝い落ちていく。
オーニョさんはそれをすくい上げると、お尻の穴に塗り込んでいった。
「ぱっと見るかぎり切れてはなさそうだが、中も確認しておきたい。指を入れても?」
丁寧に聞いてくれるのが、地味につらい。
俺はより一層シーツに顔を押しつけながら、こくこくと頷いた。
つぷつぷと指が出し入れされるたびに、にちゃにちゃとオイルが中に足されていくのが分かる。
ルルルフさんの薬草の効果は絶大で、すぐにじんじんと気持ちよくなってしまった。
「んっ、オーニョさん。俺、もう大丈夫だから、ね? お願い」
「ユーキ。もう少し我慢して。ユーキに怪我をさせるのは、私が耐えられないんだ」
そんなことを言われても、もうすでに俺だって耐えられない状況なんだぞ。俺は恥も外聞もかなぐり捨てて、腰を揺らしながら中が切ないと訴えた。
オーニョさんはしばらく考えたあと、にっこり笑ってこういったのだった。
「では、ユーキがここの準備をしようか」
「え!? い、今? ここで?」
「中が傷付いていないか、責任を持って私が見るから」
オーニョさんはニコニコしているが、絶対に譲らないぞという意志の強さが伝わってくる。
オーニョさんの目の前でそんな場所を弄るなんて無理だという羞恥心と、じわじわと炙られるような催淫効果にとにかく中をかき混ぜたいという欲望がせめぎ合う。どうしていいか分からない。
オーニョさんはそんな俺を見て、少し手伝ってあげようと言いながら、よりによってあのオイルに濡れた手で、俺のペニスと胸を愛撫し始めたのだった。
「あうっ、オイル、だ、だめ! も、あああ、ンっ!」
「うん。気落ちいいね? さ、ユーキ。ここの準備は、どうしようか?」
オーニョさんは微笑みながら、俺の濡れた穴を悪戯につついた。
「ン、うううっ。な、なんでこんな意地悪するのぉ? オーニョさん、もしかして……怒ってる?」
「いや、まさか。ユーキに対して怒りの感情が湧くことなんて、ありえないよ。ただ、まぁ、正直に言うと、ユーキが自分でするところを見てみたいとは、思っている。……意地悪、だったか。すまない。ここはやはり私がしようか」
「もおおおお! 分かったよ! 俺がするよ! でも、こんなの見ても、絶対面白くないんだからね!」
めったにないオーニョさんのおねだりに、俺は文句をいいながらも、後ろにそろりと手を伸ばした。
恥ずかしい気持ちを我慢して、指を押し込む。
オイルで敏感になった体は、困ったことに、自分の指でも気持ちがよかった。
中をこすれば物欲しそうにきゅうきゅうと指を食む穴の動きに、顔が赤くなる。恥ずかしい。でも、気持ちいい。はしたない。もっと欲しい。
このままじゃ頭がどうにかなってしまいそうで、俺はとっとと終わらせるしかないと、なかば無理矢理、指を二本に増やした。
「ユーキ、ダメだよ、もっとゆっくり」
「やらっ! も、早く、オーニョさんが欲しい、んっ、らからぁ」
甘えるような嬌声が止まらない。
身をよじれば、シーツに乳首が擦れて、またはしたない声が出た。苦しいくらい、気持ちがいい。
何も考えられなくなって、夢中で中をこすった。
でも、いいところに指が届かない。
俺は震える手で前を握ると、前と後ろの両方の手を動かしながら、オーニョさんに懇願した。
「ああん、もう、無理ぃ。イかせてぇ。オーニョさんの、欲しいよぉ……っ!」
「ユーキ、それじゃ、指を開いて、中を私にみせてごらん? 確認して大丈夫そうなら、続きをしようね」
「うん、うんっ! オーニョさ、ン、なか、はやく、ぁっ、みてぇ」
「上手だね」
オーニョさんは褒めるようにお尻を撫でると、二本入って開いた穴に、ぐいっと指を入れてきた。
急に三本に増えた質量に、俺はあっけなく吐精して、声も出ないまま体だけがびくびくと跳ねる。
硬く握りしめる指の隙間から、精液がぼたぼたとシーツにこぼれ落ちた。
「こらこら、そんなに動いたら中が見えないよ。……うん。怪我はなさそうだ。ユーキ、よく頑張ったね。おいで」
オーニョさんに抱きかかえられ、力の入らない体で膝の上に乗せられた。オーニョさんの大きなペニスと、吐精してなお痛いくらいに張りつめた俺のペニスがこすれあう。
オーニョさんは二本のペニスの上でオイルの瓶を傾け、満遍なく濡らすとまとめて握り、上下に動かした。
「ああっ! オーニョさん、だめ、またすぐ、イっちゃう、からぁ! も、だめっ!」
俺はオーニョさんを押し倒し、馬乗りになった。
震える膝を叱咤して、オーニョさんのペニスをしっかり握ると、今度こそ穴の中に正しく迎え入れたのだった。
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