俺の息子は猫獣人

橘 咲帆

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06.棘つきの※

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 はあ、ひどい目に合った。リアンは「いつも俺の肛門嚢を絞ってくれるからお礼」なんて言っていたけれど、全然お礼になっていないかった件、どうしてくれよう。そして、今現在もベッドの上でひどい目に合っている件、どうしてくれよう。

「ん…♡ ひあぁ…♡ もうムリ。イかせて! イかせろよ!」

 さっきから延々とちんこを咥えられ、ざりざりの舌で裏スジを舐めあげられ、指でケツ穴を拡げられている。イきそうになると、ちんこから口をはなしてリアンが金色の眼を細めてにこりと微笑む。

「だーめ。セキエイは俺のお嫁さんなんだから、俺のちんこでイって欲しいワケ」
「んやぁ……♡ 挿れろよっ。じゃあもう挿れろっ。」
「まあ、指は三本飲み込んでるから多分痛くないとは思うけど、俺のデカいからなぁ。痛いかもよー?」
「ん♡ んんっ♡ もうイきすぎて苦しいからぁ。挿れても痛くない……」
「俺の棘ちんこ怖くない?」
「うっ、ひぁっ♡ さっきもきもちよかったから……ぁ」
「かーわいい。セキエイ。大人なのに赤ちゃんみたい。もっとおねだりして」
「リアン。リアン。ちょうだい♡」
「何を?」
「リアンの棘ちんこで、俺のナカこすれ、よぅ……」

 リアンが俺が見た中で一番の笑顔を見せる。お日様みたいな笑顔。俺が育てたお日様。
 よくここまで大きくグレることもなく真っ直ぐ育ってくれたなあ。親代わりの俺に覆いかぶさって劣情を吐露しているけれど、いい子だ。大好きだ。こんな扱いを受けているけれど、俺だって日々大人に変化していくお前に欲情することもあった。必死で抑えて来たんだ。
 リアンが俺のケツ穴にその怒張を押し当てる。ぐにっつぐりゅっつ。入り口をさわさわと棘で刺激される。俺は「はぁ」と期待に満ちた溜息を吐くと、ぐぐっとリアンが腰を進める。

「あ、やべぇ。セキエイのナカ、あったけえ。きもちいい……。あわっ」

 どぴゅっどぴゅっ。リアンが挿れただけで俺のナカで果てた。さっきから生意気なことばかり言ったり、やったりしてるけど、可愛いところもあるじゃねぇか。リアンの棘ちんこが俺のナカでひくついてる。

「……ごめ」
「んん。俺のナカが気持ちよかったんだろ? なんか達成感。……嬉しいよ」

 ずるり。リアンの力を失った棘ちんこが俺のナカから出て行く。
 落ち込んだ様子のリアンがたまらなく可愛い。よし、よし、とリアンのオレンジの頭をなでてやる。耳がぴくんと反応するのが楽しい。コリコリと耳の付け根を弄ると、俺の上にいるリアンはぎゅっと脱力したように俺に抱き着き、すりすりと身体を擦り付ける。

「なあ、なあ。リベンジ。リベンジさせてよ」

 べろりとリアンのざらざらの舌が俺の頸筋を這う。「仕方ないな」と応じれば、くるりとリアンの方に背中を向けさせられ、がぶっと首の後ろを噛まれた。

「痛ってぇ」
「ごめんね。本来、猫の交尾はこうするんだ」

 首の後ろを噛まれたまま抱き込むように俺の背中とリアンの胸がくっつく。首の後ろで興奮したリアンの吐息、背中には汗ばんだ肌。両胸を円を描くようにまさぐられ、その中心にある尖りをカリカリとひっかかれ、ぎゅっとつままれる。痛ってえ。痛いはずなのに、俺の口から洩れる溜息は艶を帯びる。

「ああっ♡」

 ケツには再び熱を集めたいきり立つものが当たる。おい待てよ、リアン。硬いぞ? もう勃ったのか。

「あ、あ、あ、あ、あ♡」

 バックの体制でリアンが挿ってくる。先ほどは挿れた途端に果てたからさほど感じなかったが、やはり、リアンのはデカいな。それに、指とは違うリアン独特のもの──棘がっ。棘がっ。俺の腸壁を通り過ぎていく。

「あにゃあ♡ ふ……ああ♡ へん。何コレ? 何コレ? 何コレぇ?」

 ぞわぞわした。腸壁を棘がなぞるのは背中から頭にかけてぞわぞわと不思議な感覚で快感が駆けあがってくる。変なかんじだ。俺は背中をくねらせて過ぎた快感から逃げようとした。が、しかし、逃げきれなかった。快感は止めどない喘ぎとなり、普段はただただ眠るためだけに存在する俺の寝室に響く。

「うにゃああぁぁぁ♡」
「セキエイの方が猫みたいになってるよ?」

 リアンがゆっくり、ゆっくり腰を動かし、淫肉の襞を棘でなぞるように抽挿を繰り返す。俺のちんこも玉袋もそれに合わせてぴたぴたと俺の腹やふとももに当たる。ダメだ。……もう。ああっ。
 ──ポタポタポタ。俺の濁精が音をたてて落ちていく。

「トコロテンでイっちゃったね? セキエイ。ゆっくりもきもちいね?」
「ハッ、ハッ、いあぁ……も、むり」
「無理って言われてもめてあげないけどね?」

 リアンが、俺の腰をその両手でガシリと捉え、激しく腰を打ち付けてきた。パンパンと肉のぶつかり合う音。ぐちゅっぐちゅっと鈍く重たい水音。青臭い互いの精のニオいでさえも、全てが俺の脳髄を痺れさせる。だめだ、もう。俺はこの性感の頂きから解放されたい?いや、ずっと続いて欲しい?「んくっ」溢れる唾液をなんとか飲み込み、揺れる視界をぐるりと後ろに向けると、目を瞑り、赤く頬を上気させて今にも登りつめようとする男の顔が見てとれた。見ていたい。この顔を見たかったが、リアンの激しい抽挿がそれを許さない。俺はの視線は再び真正面にある、何の変哲もない壁を捉える。

「リアン、……リアンっ」
「セキエイっ……セ、キエイ。イく」
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