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夜の帝王

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「シュガーさん、ここのところ元気がないですね」

 オーナーである夜の帝王こと、ヴァンパイアのラドゥさんが心配して声を掛けてくれた。ラドゥさん、肩書多すぎね?ま、いいか。先日のカイさん宅で起こったSiri穴喪失事件(物理)は衝撃的だった。ちなみに、帰宅後Siri穴は復活し、元気なお子さん(ウ〇コ)が産まれたことを一応ここにご報告いたします。―――誰に?
 とりあえず、人としての生活に支障はないのだが、俺の性生活としてはどうなんだ。

 今日、俺はお茶をひいている 。まあ暇なので、店の裏手にあるオーナー室兼控室で、バリバリとせんべいに似たお菓子を食べ、緑茶に似たお茶を飲んでいる。

「元気がない。そうですね。まあ、ないと言えばないですが、精神的なものです。身体は元気です」
「そうですか。精神的なものですか。最近、シュガーさんは売上も伸びていますし、新しい提案もしてくれて、店としては大助かりなんですよ」
「ええ?ありがとうございます。お役に立てて、しかも俺の食い扶持になるなら御の字です」

 ラドゥさんは、オーナー席から立ち上がると、俺の横に座る。

「シュガーさん。提案なのですが」
「はい」
「私と一緒に暮らしませんか?」
「へ?」

 ラドゥさん、何言っちゃってんの?俺と暮らす?……同棲?まさか、結婚??

「えっと、それは、同棲とか、結婚とか。そういう?」
「はい。私と結婚を前提にお付き合いいただけませんか?まずは、一緒に暮らしてお互いを知るところから」

 そういうと、ラドゥさんは俺の頸筋くびすじをかぷりと噛み、俺の血を啜る。え?この人、魔物の血で生活できると言ったよね?なんで俺の血啜ってんの?―――どくん。あれ?なんだこれ。身体が熱い。やば、どうしよう。俺、この人が欲しい……。でも、おれのSiri穴、えっちなことに使えない仕様みたいで。これ以上すすめたらまた残念なことに……。

 そんなことを考えていると、俺はソファーの上に押し倒されて、あっという間に服を剥ぎ取られていた。早いっ。ラドゥさん手慣れていないか?
 それにしても、ラドゥさん。いつも血色のない顔をしているけれど、今は肌に赤みもさして、唇もぷるっぷる。やっぱり人間の生き血のほうが栄養価が高いんだろうか。……きれいだな。
 その真っ赤に色づいた唇で、俺のブツを咥えて、上目遣いに俺の事を見ている。やべ。色っぺぇ。

 すっかり勃ちあがった、俺の息子さん。……でも使えないSiri穴。どうしよう。どうすべ。
 んん?あれ?この人自分の後孔をほぐしだしたぞ?まさか、そっち側のひと?そんな攻め様オーラばしばしなのに?じゃ、いっか。いっただきまーす。いや、違うな。このまま騎乗位なんだな。いっただかれまーす。

 ドン

 そこへ、オーナー室のドアを蹴破る勢いで突入してきた、ユニコーンのクレスさんと、フェンリルのカイさん。

「「ちょっと待ったー!」」

 わ。ちょっと待って。俺もラドゥさんも全裸だぞ。俺は服を集めて、ラドゥさんと俺に掛ける。

「「「シュガー (さん)は、俺 (私)のモノ!!」」」

 三人が、三人とも俺の所有権を主張しだした。俺は、自分の脳の処理能力の限界を感じ、意識を手放した。
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