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プロローグ
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かつて、太陽と呼ばれた帝国があった。
その帝国の七番目の皇女は世界を巣食う『常闇』と呼ばれた魔の集合体に打ち勝ち、帝国は更なる繁栄を極めた。
七番目の皇女はその類まれなる美貌と真っ白な雪のような髪から『帝国の白雪姫』と呼ばれ、前世から続く縁により、帝国の将軍であった公爵と結ばれた。
その後、『常闇』との戦いの舞台となった王国が滅び、七番目の皇女はその地に新しき国を築いた。
太陽と謳われた帝国を裏から支える月の国として、その地は帝国と共に栄えることになる。
夫であった公爵を主としてできた国は、公爵と七番目の皇女の死後、その後も帝国と良好な関係を築き、更なる繁栄を遂げるかに見えた。
――しかし、太陽と呼ばれた帝国とその月の国は、一夜にして滅ぶことになる。
後に『災禍』と呼ばれる厄災がその地に降りかかり、国を守っていた精霊とその加護が一夜にして消えてしまったのだ。
後に残ったのは、かつて国であったものの残骸だけ。
その地にあった民や建物がどうなったのか――真実を知るものは誰もいない。
栄華を極めた国の一夜にしての滅亡に、周辺諸国は慄いた。
その不安は戦乱を呼び、かつて平和であった大陸はかつてないほどの混乱に巻き込まれることになる。
そしてその戦乱の時代を生きる一人の少年が、かつて栄華を極め、今は禁足の地となったその場所に足を踏み入れようとしていた。
――これは、『災禍』によって精霊が滅び、魔術が失われてしまったその後の世界の物語。
一人の少年と、魔女が出会い、旅をする物語。
その帝国の七番目の皇女は世界を巣食う『常闇』と呼ばれた魔の集合体に打ち勝ち、帝国は更なる繁栄を極めた。
七番目の皇女はその類まれなる美貌と真っ白な雪のような髪から『帝国の白雪姫』と呼ばれ、前世から続く縁により、帝国の将軍であった公爵と結ばれた。
その後、『常闇』との戦いの舞台となった王国が滅び、七番目の皇女はその地に新しき国を築いた。
太陽と謳われた帝国を裏から支える月の国として、その地は帝国と共に栄えることになる。
夫であった公爵を主としてできた国は、公爵と七番目の皇女の死後、その後も帝国と良好な関係を築き、更なる繁栄を遂げるかに見えた。
――しかし、太陽と呼ばれた帝国とその月の国は、一夜にして滅ぶことになる。
後に『災禍』と呼ばれる厄災がその地に降りかかり、国を守っていた精霊とその加護が一夜にして消えてしまったのだ。
後に残ったのは、かつて国であったものの残骸だけ。
その地にあった民や建物がどうなったのか――真実を知るものは誰もいない。
栄華を極めた国の一夜にしての滅亡に、周辺諸国は慄いた。
その不安は戦乱を呼び、かつて平和であった大陸はかつてないほどの混乱に巻き込まれることになる。
そしてその戦乱の時代を生きる一人の少年が、かつて栄華を極め、今は禁足の地となったその場所に足を踏み入れようとしていた。
――これは、『災禍』によって精霊が滅び、魔術が失われてしまったその後の世界の物語。
一人の少年と、魔女が出会い、旅をする物語。
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