悠久(とわ)の月のアメリア~第七皇女外伝~


クラウスはある目的のために決して入るべからずと言われていた禁足の地に入った。
そこは昔、太陽と呼ばれた帝国を裏から支える月の国がある場所だった。

──願いあるもの、覚悟があるならばその地に踏み入れ。
全てを犠牲にしてでも叶えたい願いがあるならば。

そう伝承に残る地に足を踏み入れたクラウスは古い神殿の遺跡で眠る少女と出会った。

クラウスの呼び掛けに目を覚ました少女は問いかける。


「あなた、だぁれ?」


少女は記憶と力を失い、眠っていた。
この二人の出会いから、止まっていた歴史が動き始めた。


──『災禍』によって精霊が死に絶え、魔術が失われた時代で唯一精霊と心通わし、魔術を扱うことを許された魔女と、クラウスの旅が始まる。



これはとある帝国が栄えていた頃、七番目の皇女が救った世界の、その後の物語。

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