12 / 14
12 嵐の前の、
しおりを挟む
キャロルとのティータイムが図らずも盛り上がってしまい、遅れてしまった。昼休憩の終わりを告げる鐘が鳴ったのは確認していたが、まだ時間があるからと余裕に溢れていた少し前の自分を殴りたい。
私は図書館へと続く渡り廊下を走り抜けながら「まだ居ますように」と内心で祈る。
貴族令嬢がドレスのスカートを翻して走るなど普通なら以ての外、禁忌といえる行為だが、ここは滅多に人が近寄らない場所。今だけ、見逃してもらおう。
全速力で廊下を走り抜け、図書館に到着する。入口の前で軽く身だしなみを整えてから、二、三度深く深呼吸し、私は扉を開けた。
向かうのは二つ角を曲がった先の、いつものお気に入りの場所。まだ待っているのならそこに彼がいるはず。半ば神に祈る心地で足を踏み入れた私は、そこに、いつかのように座る人影があったのを見てホッとした。
「ごめんなさい。遅くなりました!」
到着するなり謝罪した私に、相手が気づいて振り返った。
「構わない。俺も今着いたばかりで遅刻してしまったからな。君を待たせるよりは良かった」
いつもの騎士服ではなく、珍しく学園の制服を身につけたグレンフォードがそう返す。
表情を変えないその無表情ぶりはあいかわらずだが、こちらに向ける声は柔らかい。
「それに、君に教えを乞うたのは俺だ。ならば君の都合に合わせるのが筋だ」
「そうですか。ではお互い遅れたので、これ以上の追求はなしということで。それでは今日も特訓を始めますね!」
「ああ、よろしく頼む」
そうして席に着いた彼に、私は用意していた本を取り出して、『魔法学』の講義を始めた。
***
「――君は確か成績優秀だったと聞いている。どうか俺に『魔法学』について教えてくれないか」
午前の授業の終わりを報せる鐘が鳴り、いつものように図書館に向かった私の前に彼が現れ、そう言って頭を下げたのは、つい一週間ほど前の話。
丁度『新聞騒動』があったその日の昼休憩。
いつものように図書館に閉じこもっていた私の前に再び彼――グレンフォードは現れた。
心做しか困ったような雰囲気を漂わせていた彼に「どうしたのか」と問いかけた返事がその言葉。
突然のことに拍子抜けした私は、思わず理由を訊ねた。
すると彼は、
「学期末試験を合格しないと殿下に解雇される」
と答えた。
ますます困惑した私はさらに話を聞くことになり、少しづつ彼から話を聞き出しまとめた結果。
「成程。話をまとめると、グレンフォード様は身体を動かすことには長けているけれど座学が苦手、と。それでも殿下の助けもあり進級をかけた期末試験はなんとか落第は避けていた。けれど卒業を掛けた学期末試験は自分の力で乗り越えろと殿下に怒られてしまった、と」
なんせ学園の卒業をかけた試験だ。当然今までより難易度が上がる試験に、殿下自身も勉学に励まなければならない。その上でグレンフォードの勉強を見るのは無理だと匙を投げた。
グレンフォードは仕方なく自ら勉強を始めたが、どうしても一科目だけ分からない教科があった。
「それが『魔法学』と言うことですね。でも、確かグレンフォード様、『魔法学』の実技は得意でしたよね?」
「実技はな。だが座学の方になると……全く分からない」
「なるほど。学術論文の方が駄目なのですね」
『魔法学』はその名の通り魔法を学門としてまとめたもの。『魔法学』は魔法を実践する実技と、魔法を学術的に紐解いていく学術論文がある。
脳筋――もとい、身体を動かすことが得意なため、実践は完璧なグレンフォードだが、座学に相当する学術論文の方はどう勉強してもさっぱり分からないらしい。
「君は『魔法学』でも特に学術論文が得意だと教師から聞いた。だから教えて貰えないかと」
「そういうことだったんですね……もしかしてあの日、図書館にいたのも……?」
初対面の時、彼はなにか話しにくそうにしていた。もしかしたら……。問いかけると、グレンフォードはバツが悪そうに青い目を逸らした。
「そうだ。何となく言い出しにくかったから、上手くいえなくて、あのような失礼な問いを……」
古代魔法が使えるか、という質問は気恥ずかしさの裏返しだったというわけか。
「そういうことでしたら。私でよければ喜んで教えて差し上げます」
「いいのか?」
「殿下の苦労を減らためですね」
「俺のためではないのか……」
「私は『ロアンヌ侯爵家』の者ですから」
「……王家に忠誠を誓う『法の番人』として、殿下の品位を落とすことは許さないということか?」
「まぁ、そういうことです」
本当は教えを乞うグレンフォードが面白かったからもあるが。それを隠して伝えると、グレンフォードは僅かに不満そうではあったが、この日から彼の秘密裏の特訓は始まった。
***
授業を終える鐘の音が聞こえて、私は本をパタリと閉じた。
「――キリがいいので、今日はここまでにしましょう」
「そうだな」
グレンフォードが椅子から立ち上がり、伸びをする。普段から近衛騎士の正装である純白の騎士服を纏う彼が、紺色で統一された学園の制服を来ているのはなかなか違和感がある。
「そういえば、今日はなぜ騎士服ではないのですか?」
「昼飯を溢してしまってな、他に着替えがなかった。殿下にすぐに身ぐるみを剥がされて、この制服を押し付けられたんだ」
「そういうことでしたか」
純白の騎士服に汚れなどつこうものなら目立つことこの上ない。どうか無事に落ちることを祈ろう。ここ数日関わるようになってわかったが、グレンフォードは割と大雑把である。細かいことはあまり気にしない性質で、それ故に繊細な分野である学術論文が苦手なのだろう。
そんなことを考えていると、ふとグレンフォードがこちらを見ているのに気づいた。なにか言いあぐねている様子に首を傾げる。
「どうかしましたか?」
「君の婚約者の話を、聞いた」
「アレクシス様のことですか? それが何か?」
今や学園中の噂になっている。何処で聞いても可笑しくはない話だ。
「君は、その……大丈夫なのか?」
「え?」
一瞬、何を問われているのか分からなかった。
「新聞記事を読んだ。君の婚約者は、君の妹と関係を持っていた、と……。だから、その、色々と大丈夫なのか?」
グレンフォードからの思いがけないその問いかけに、私は驚きすぎて本音が漏れてしまう。
「グレンフォード様でも人の心配なんてするんですね。私、びっくりしました」
「なっ!」
グレンフォードにとっては思わぬ反撃だったらしく、彼が珍しく慌てたような表情になる。
「君にはいつも、世話になっているから……! 知らない仲ではないのだから、心配にはなるだろう……」
だんだん気恥ずかしさが勝ってきたらしい。仕舞いにはそっぽを向いて語尾が小さくなったグレンフォードに、私はついに笑ってしまった。
「なっ、笑うことはないだろう!」
「すみません。ご心配して下さりありがとうございます。けれど私はこの通り全く何も思っていませんので」
「そのようだな。けれど、気をつけた方がいい」
「どういうことですか?」
先程とは違って真剣な表情になったグレンフォードに思わず居住まいを正すと、彼は声音を抑えて告げる。
「騎士団から我が国に、『黄昏石』が不正に密輸されているという連絡があった。そしてそれにアレクシスが関与しているかもしれない」
続くグレンフォードは取引現場に、見目麗しい金髪の青年が同席していたという情報があった、と小さく呟く。
「『黄昏石』――トワイライトルーンは魔力を霧散させる効果があるとされる魔除けの石。より純度の高いものは構築した魔法を無効化する力もあるという。君はかなりの魔法の使い手らしいが『黄昏石』の前では歯が立たない。アレクシスことだ、恐らく君への報復を考えているかもしれない。十分注意してほしい」
『黄昏石』――トワイライトルーン。
ロアンヌ家の地下の書庫にも記述があった伝説の石。
魔除けとして用いられる石。産出度は極めて低く、その中の純度が高いものとなれば全財産を叩いても欲しいと思うものはそれなりにいる。
果たしてアレクシスはそれを手に入れるのにどれほどの金をつぎ込んだのか。はたまた別の協力者が現れたか。
いずれにせよ、面白い。
「情報ありがとうございます。グレンフォード様。是非注意しておきますわ」
あくまで上品に見える笑顔で、私はグレンフォードの言葉に頷いてみせた。
――そして、図書館で繰り広げられるまさに今その瞬間の、その光景を。
「………………やっと、やっと見つけたぞ、セシル……!!」
憤怒の形相を浮かべて、振り乱した金髪と、怪しく輝いた琥珀の目を持った青年が盗み見ていたことなど。
この時の私は、まだ知る由もなかった。
私は図書館へと続く渡り廊下を走り抜けながら「まだ居ますように」と内心で祈る。
貴族令嬢がドレスのスカートを翻して走るなど普通なら以ての外、禁忌といえる行為だが、ここは滅多に人が近寄らない場所。今だけ、見逃してもらおう。
全速力で廊下を走り抜け、図書館に到着する。入口の前で軽く身だしなみを整えてから、二、三度深く深呼吸し、私は扉を開けた。
向かうのは二つ角を曲がった先の、いつものお気に入りの場所。まだ待っているのならそこに彼がいるはず。半ば神に祈る心地で足を踏み入れた私は、そこに、いつかのように座る人影があったのを見てホッとした。
「ごめんなさい。遅くなりました!」
到着するなり謝罪した私に、相手が気づいて振り返った。
「構わない。俺も今着いたばかりで遅刻してしまったからな。君を待たせるよりは良かった」
いつもの騎士服ではなく、珍しく学園の制服を身につけたグレンフォードがそう返す。
表情を変えないその無表情ぶりはあいかわらずだが、こちらに向ける声は柔らかい。
「それに、君に教えを乞うたのは俺だ。ならば君の都合に合わせるのが筋だ」
「そうですか。ではお互い遅れたので、これ以上の追求はなしということで。それでは今日も特訓を始めますね!」
「ああ、よろしく頼む」
そうして席に着いた彼に、私は用意していた本を取り出して、『魔法学』の講義を始めた。
***
「――君は確か成績優秀だったと聞いている。どうか俺に『魔法学』について教えてくれないか」
午前の授業の終わりを報せる鐘が鳴り、いつものように図書館に向かった私の前に彼が現れ、そう言って頭を下げたのは、つい一週間ほど前の話。
丁度『新聞騒動』があったその日の昼休憩。
いつものように図書館に閉じこもっていた私の前に再び彼――グレンフォードは現れた。
心做しか困ったような雰囲気を漂わせていた彼に「どうしたのか」と問いかけた返事がその言葉。
突然のことに拍子抜けした私は、思わず理由を訊ねた。
すると彼は、
「学期末試験を合格しないと殿下に解雇される」
と答えた。
ますます困惑した私はさらに話を聞くことになり、少しづつ彼から話を聞き出しまとめた結果。
「成程。話をまとめると、グレンフォード様は身体を動かすことには長けているけれど座学が苦手、と。それでも殿下の助けもあり進級をかけた期末試験はなんとか落第は避けていた。けれど卒業を掛けた学期末試験は自分の力で乗り越えろと殿下に怒られてしまった、と」
なんせ学園の卒業をかけた試験だ。当然今までより難易度が上がる試験に、殿下自身も勉学に励まなければならない。その上でグレンフォードの勉強を見るのは無理だと匙を投げた。
グレンフォードは仕方なく自ら勉強を始めたが、どうしても一科目だけ分からない教科があった。
「それが『魔法学』と言うことですね。でも、確かグレンフォード様、『魔法学』の実技は得意でしたよね?」
「実技はな。だが座学の方になると……全く分からない」
「なるほど。学術論文の方が駄目なのですね」
『魔法学』はその名の通り魔法を学門としてまとめたもの。『魔法学』は魔法を実践する実技と、魔法を学術的に紐解いていく学術論文がある。
脳筋――もとい、身体を動かすことが得意なため、実践は完璧なグレンフォードだが、座学に相当する学術論文の方はどう勉強してもさっぱり分からないらしい。
「君は『魔法学』でも特に学術論文が得意だと教師から聞いた。だから教えて貰えないかと」
「そういうことだったんですね……もしかしてあの日、図書館にいたのも……?」
初対面の時、彼はなにか話しにくそうにしていた。もしかしたら……。問いかけると、グレンフォードはバツが悪そうに青い目を逸らした。
「そうだ。何となく言い出しにくかったから、上手くいえなくて、あのような失礼な問いを……」
古代魔法が使えるか、という質問は気恥ずかしさの裏返しだったというわけか。
「そういうことでしたら。私でよければ喜んで教えて差し上げます」
「いいのか?」
「殿下の苦労を減らためですね」
「俺のためではないのか……」
「私は『ロアンヌ侯爵家』の者ですから」
「……王家に忠誠を誓う『法の番人』として、殿下の品位を落とすことは許さないということか?」
「まぁ、そういうことです」
本当は教えを乞うグレンフォードが面白かったからもあるが。それを隠して伝えると、グレンフォードは僅かに不満そうではあったが、この日から彼の秘密裏の特訓は始まった。
***
授業を終える鐘の音が聞こえて、私は本をパタリと閉じた。
「――キリがいいので、今日はここまでにしましょう」
「そうだな」
グレンフォードが椅子から立ち上がり、伸びをする。普段から近衛騎士の正装である純白の騎士服を纏う彼が、紺色で統一された学園の制服を来ているのはなかなか違和感がある。
「そういえば、今日はなぜ騎士服ではないのですか?」
「昼飯を溢してしまってな、他に着替えがなかった。殿下にすぐに身ぐるみを剥がされて、この制服を押し付けられたんだ」
「そういうことでしたか」
純白の騎士服に汚れなどつこうものなら目立つことこの上ない。どうか無事に落ちることを祈ろう。ここ数日関わるようになってわかったが、グレンフォードは割と大雑把である。細かいことはあまり気にしない性質で、それ故に繊細な分野である学術論文が苦手なのだろう。
そんなことを考えていると、ふとグレンフォードがこちらを見ているのに気づいた。なにか言いあぐねている様子に首を傾げる。
「どうかしましたか?」
「君の婚約者の話を、聞いた」
「アレクシス様のことですか? それが何か?」
今や学園中の噂になっている。何処で聞いても可笑しくはない話だ。
「君は、その……大丈夫なのか?」
「え?」
一瞬、何を問われているのか分からなかった。
「新聞記事を読んだ。君の婚約者は、君の妹と関係を持っていた、と……。だから、その、色々と大丈夫なのか?」
グレンフォードからの思いがけないその問いかけに、私は驚きすぎて本音が漏れてしまう。
「グレンフォード様でも人の心配なんてするんですね。私、びっくりしました」
「なっ!」
グレンフォードにとっては思わぬ反撃だったらしく、彼が珍しく慌てたような表情になる。
「君にはいつも、世話になっているから……! 知らない仲ではないのだから、心配にはなるだろう……」
だんだん気恥ずかしさが勝ってきたらしい。仕舞いにはそっぽを向いて語尾が小さくなったグレンフォードに、私はついに笑ってしまった。
「なっ、笑うことはないだろう!」
「すみません。ご心配して下さりありがとうございます。けれど私はこの通り全く何も思っていませんので」
「そのようだな。けれど、気をつけた方がいい」
「どういうことですか?」
先程とは違って真剣な表情になったグレンフォードに思わず居住まいを正すと、彼は声音を抑えて告げる。
「騎士団から我が国に、『黄昏石』が不正に密輸されているという連絡があった。そしてそれにアレクシスが関与しているかもしれない」
続くグレンフォードは取引現場に、見目麗しい金髪の青年が同席していたという情報があった、と小さく呟く。
「『黄昏石』――トワイライトルーンは魔力を霧散させる効果があるとされる魔除けの石。より純度の高いものは構築した魔法を無効化する力もあるという。君はかなりの魔法の使い手らしいが『黄昏石』の前では歯が立たない。アレクシスことだ、恐らく君への報復を考えているかもしれない。十分注意してほしい」
『黄昏石』――トワイライトルーン。
ロアンヌ家の地下の書庫にも記述があった伝説の石。
魔除けとして用いられる石。産出度は極めて低く、その中の純度が高いものとなれば全財産を叩いても欲しいと思うものはそれなりにいる。
果たしてアレクシスはそれを手に入れるのにどれほどの金をつぎ込んだのか。はたまた別の協力者が現れたか。
いずれにせよ、面白い。
「情報ありがとうございます。グレンフォード様。是非注意しておきますわ」
あくまで上品に見える笑顔で、私はグレンフォードの言葉に頷いてみせた。
――そして、図書館で繰り広げられるまさに今その瞬間の、その光景を。
「………………やっと、やっと見つけたぞ、セシル……!!」
憤怒の形相を浮かべて、振り乱した金髪と、怪しく輝いた琥珀の目を持った青年が盗み見ていたことなど。
この時の私は、まだ知る由もなかった。
1
お気に入りに追加
1,575
あなたにおすすめの小説


あの子を好きな旦那様
はるきりょう
恋愛
「クレアが好きなんだ」
目の前の男がそう言うのをただ、黙って聞いていた。目の奥に、熱い何かがあるようで、真剣な想いであることはすぐにわかった。きっと、嬉しかったはずだ。その名前が、自分の名前だったら。そう思いながらローラ・グレイは小さく頷く。
※小説家になろうサイト様に掲載してあります。

美人な姉と『じゃない方』の私
LIN
恋愛
私には美人な姉がいる。優しくて自慢の姉だ。
そんな姉の事は大好きなのに、偶に嫌になってしまう時がある。
みんな姉を好きになる…
どうして私は『じゃない方』って呼ばれるの…?
私なんか、姉には遠く及ばない…
(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)
青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。
だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。
けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。
「なぜですか?」
「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」
イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの?
これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない)
因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。

蔑ろにされた王妃と見限られた国王
奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています
国王陛下には愛する女性がいた。
彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。
私は、そんな陛下と結婚した。
国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。
でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。
そしてもう一つ。
私も陛下も知らないことがあった。
彼女のことを。彼女の正体を。

1度だけだ。これ以上、閨をともにするつもりは無いと旦那さまに告げられました。
尾道小町
恋愛
登場人物紹介
ヴィヴィアン・ジュード伯爵令嬢
17歳、長女で爵位はシェーンより低が、ジュード伯爵家には莫大な資産があった。
ドン・ジュード伯爵令息15歳姉であるヴィヴィアンが大好きだ。
シェーン・ロングベルク公爵 25歳
結婚しろと回りは五月蝿いので大富豪、伯爵令嬢と結婚した。
ユリシリーズ・グレープ補佐官23歳
優秀でシェーンに、こき使われている。
コクロイ・ルビーブル伯爵令息18歳
ヴィヴィアンの幼馴染み。
アンジェイ・ドルバン伯爵令息18歳
シェーンの元婚約者。
ルーク・ダルシュール侯爵25歳
嫁の父親が行方不明でシェーン公爵に相談する。
ミランダ・ダルシュール侯爵夫人20歳、父親が行方不明。
ダン・ドリンク侯爵37歳行方不明。
この国のデビット王太子殿下23歳、婚約者ジュリアン・スチール公爵令嬢が居るのにヴィヴィアンの従妹に興味があるようだ。
ジュリアン・スチール公爵令嬢18歳デビット王太子殿下の婚約者。
ヴィヴィアンの従兄弟ヨシアン・スプラット伯爵令息19歳
私と旦那様は婚約前1度お会いしただけで、結婚式は私と旦那様と出席者は無しで式は10分程で終わり今は2人の寝室?のベッドに座っております、旦那様が仰いました。
一度だけだ其れ以上閨を共にするつもりは無いと旦那様に宣言されました。
正直まだ愛情とか、ありませんが旦那様である、この方の言い分は最低ですよね?

白い結婚をめぐる二年の攻防
藍田ひびき
恋愛
「白い結婚で離縁されたなど、貴族夫人にとってはこの上ない恥だろう。だから俺のいう事を聞け」
「分かりました。二年間閨事がなければ離縁ということですね」
「え、いやその」
父が遺した伯爵位を継いだシルヴィア。叔父の勧めで結婚した夫エグモントは彼女を貶めるばかりか、爵位を寄越さなければ閨事を拒否すると言う。
だがそれはシルヴィアにとってむしろ願っても無いことだった。
妻を思い通りにしようとする夫と、それを拒否する妻の攻防戦が幕を開ける。
※ なろうにも投稿しています。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる