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第6章:新たな脅威
しおりを挟む平穏な日々が続く中、キティはますます村の生活に馴染んでいった。戦いのことはすっかり過去のこととなり、彼女は相変わらず自由気ままに、そしてのんびりとした生活を送っていた。
しかし、ある日、村に突然の訪問者が現れた。彼は王国でも知られる高名な魔術師で、王子からの使者としてキティを訪ねてきた。
「キティ殿、またしても王国に大きな脅威が迫っています。今回は、今までにないほど強力な魔物が…」
魔術師の話を聞きながら、キティは面倒くさそうに伸びをしながらあくびをした。
「ふぅ、また王子様からの依頼にゃ?面倒くさいにゃ。スローライフが楽しめないにゃ…」
しかし、魔術師の話を聞いていくうちに、キティは次第に興味を持ち始めた。今回の敵は、かつてこの地に封印されていた古代の魔物であり、その力は前回の魔物たちを遥かに超えているという。しかも、その魔物は封印の解除とともに、次々と小さな村を襲い、破壊しているというのだ。
「今度の敵は本当に手ごわいようだな…」キティは少しだけ気を引き締めた。彼女がこれまで倒してきた魔物たちとは異なる、かつてない強敵の出現に心が踊る。
---
その夜、キティは再びキャットクロー格闘術の準備をし、村の外に出た。今回の魔物は、遠く離れた山脈の奥深くにいるという。キティはその場所へ向かいながら、王子からの依頼を思い返していた。
「まあ、今回は少しだけやりがいがあるかもしれないにゃ。」
彼女は心の中でそう呟きながら、足早に目的地へと向かった。
---
やがて、キティは山脈の奥にある古代の神殿にたどり着いた。その場所はかつての魔法文明が栄えていた場所であり、今はすっかり朽ち果てた廃墟となっていた。しかし、その廃墟の奥底から、強大な力がうごめいているのを感じた。
「ここにいるにゃ…」
キティが神殿に足を踏み入れた瞬間、巨大な魔物が姿を現した。それは漆黒の体躯を持ち、無数の目がギラギラと光る不気味な姿だった。魔物の咆哮が神殿全体に響き渡り、周囲の岩壁が震える。
「ふむ、見た目はかなり怖いにゃ。でも、見た目だけじゃダメにゃ。」
キティは一瞬のうちに戦闘態勢に入った。彼女の猫耳がピンと立ち、しっぽが大きく揺れる。そして、爪が鋭く光り、完全に戦闘モードに入る。
---
「さあ、やるにゃ!」
キティは一気に魔物の頭上へ跳び上がり、キャットクロー格闘術で鋭い爪を振り下ろした。しかし、その瞬間、魔物の体から不思議な力が放たれ、彼女の攻撃を防ぐ防御のバリアが現れた。
「これは…強いにゃ。」
キティは初めて少しだけ驚きを見せた。今までの敵にはない強力な防御力を前に、彼女は攻撃の手を一旦止めた。しかし、すぐに笑みを浮かべる。
「いいにゃ。こういうのが楽しいにゃ。」
彼女は再び魔物に向かって突進し、今度はバリアを破るための一撃を狙った。俊敏な動きで魔物の周りを飛び回り、隙を狙って爪を繰り出す。彼女の攻撃は徐々に魔物のバリアを揺さぶり始め、やがて小さな亀裂が入った。
「これで終わりにゃ!」
キティは全力でジャンプし、最後の一撃をバリアの亀裂に叩き込んだ。鋭い爪が魔物の防御を完全に破り、次の瞬間、魔物は大きく崩れ落ちた。
---
キティは地面に着地し、軽くほこりを払いながら辺りを見回した。
「ふぅ、少しだけ手強かったにゃ。でも、これでまたスローライフに戻れるにゃ。」
彼女は満足げに笑いながら、再び村へと戻っていった。彼女の力は今回も圧倒的だったが、何よりも自由気ままな生活に戻ることが彼女にとっての喜びだった。
---
キティが村に帰り着くと、王子からの使者がすでに待っていた。
「キティ殿、またもあなたのおかげで王国は救われました。王子様も大変感謝しておられます。どうか、もう一度王国に…」
使者の言葉に、キティはまたも肩をすくめて答えた。
「いやにゃ、王国はあなたたちに任せるにゃ。私はまた、のんびり暮らすにゃ。」
使者は彼女の返答に驚いたが、それ以上は何も言えなかった。彼女の意志が固いことは、もはや誰の目にも明らかだった。
---
そして、キティは再び自分の日常に戻った。今回の戦いも終わり、村には再び平和が訪れた。彼女は静かに市場を散歩し、またリンゴを手に取る。
「やっぱり、こうしているのが一番にゃ。」
キティはそう言って、今日も自由で気ままなスローライフを楽しみ続けた。どんな強敵が現れても、彼女は自分のペースを崩さず、ただ自分らしく生きることを選んでいた。
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