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第7章:真実への対決
しおりを挟むアクエリアスとルーファは深淵の神殿から王国へ戻る道中、姉アリエールの記憶が徐々に戻ってくるのを感じ取っていた。だが、アリエールの完全な記憶を取り戻すにはもう少し時間が必要だった。アクエリアスの心には、姉を完全に救いたいという強い願いがあったが、同時に心の奥底に不安が湧き上がっていた。
「姉さまの記憶を取り戻すことで、私たちは真実を知ることになる……でも、その真実が戦争を止められないものだったら……」
アクエリアスは深い海の中でふと立ち止まり、思いを巡らせた。アリエールが遭遇した出来事が陰謀によるものだと判明した今、誰がその背後にいるのかを探り出さなければならない。そして、その黒幕が王国と人間界の関係を壊そうとしているなら、アクエリアスはそれを阻止しなければならなかった。
ルーファも同じように不安を抱えていたが、アクエリアスを支えることを決意していた。「何が起ころうとも、俺は君と一緒に戦うよ。姫を助け、王国を守るためにな」
アクエリアスはルーファの言葉に勇気づけられ、姉の記憶が完全に戻るのを待ちながら、次の一手を考えた。彼女は神殿で見た記憶の断片を思い出し、誰がアリエールを襲ったのか、そしてその者たちがどこにいるのかを探り始める必要があった。
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やがて、アリエールの記憶が完全に戻る瞬間が訪れた。彼女は、嵐の日に何が起こったのかを詳細に思い出した。彼女が記憶を失う前に遭遇したのは、古代の魔法を操る謎の存在――それは、王国の外れに隠れ住んでいるとされる「影の魔法使い」だった。
「彼らは、私の力を封じることで、戦争を引き起こそうとしていたのよ」
アリエールは震える声で語り始めた。「人間たちと王国の間に争いを起こさせ、混乱の中で自分たちが力を得ようとしていた。私を狙ったのは、王国の力を弱めるためだったの」
アクエリアスはその言葉に、真実が明らかになったことに恐怖を感じながらも、今度こそ戦わなければならないと覚悟を決めた。影の魔法使いは、王国と人間界の争いを煽るために暗躍していた存在であり、その計画が進行している以上、戦争は避けられない状況に追い込まれようとしていた。
「影の魔法使いを見つけ出し、計画を止めなければ……このままでは、王国が戦争に突き進んでしまう」
アクエリアスはルーファとアリエールと共に、影の魔法使いの隠れ家へ向かうことを決意した。彼らの居場所は、アリエールが襲われた海域のさらに奥に隠されている。そこは、誰も近づくことができないような危険な場所であり、強力な魔法で守られているとされていた。
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旅の途中、アクエリアスは姉アリエールとの再会を喜びながらも、戦いの緊張感に心を揺さぶられていた。彼女は姉が再び危険な目に遭わないよう、全力で守る決意をしていた。そして、ルーファもまた、漁師として培った知識と勇気で二人を支えようと心を固めていた。
やがて、彼らは「影の魔法使い」が潜むと言われる海域にたどり着いた。そこは暗く、海底がまるで底知れぬ闇に包まれているかのようだった。アクエリアスは恐怖を押し殺し、深く潜り込み、魔力の強い気配を感じ取った。
「ここだ……この奥に、彼らがいる」
アクエリアスは目を閉じ、集中して魔法の力を高めた。すると、周囲の水が不穏に揺れ、闇の中から複数の影が浮かび上がってきた。それは、影の魔法使いが操る魔法生物だった。彼らは侵入者を察知し、すぐに攻撃を仕掛けてきた。
「くるぞ、気をつけろ!」ルーファが叫び、アクエリアスとアリエールもすぐに戦闘態勢に入った。
アクエリアスは自らの魔法を使って防御の結界を張り、敵の攻撃を防いだ。アリエールも記憶を取り戻したことで自分の力を取り戻し、魔法使いたちと対等に戦えるようになっていた。彼女は水の力を操り、敵を次々に倒していった。
「私たちを止めることはできない!」アクエリアスは強く叫び、最後の魔法生物を倒すと、影の魔法使いの本体が姿を現した。
その存在は黒いローブに身を包み、顔はほとんど見えなかったが、強大な魔力を放っていた。彼は冷笑を浮かべながら、アクエリアスたちを見下ろしていた。
「お前たちがこの場所にたどり着くとは思わなかった。しかし、遅すぎる。戦争はすでに始まる……お前たちに止めることはできない」
アクエリアスは怒りを抑え、冷静に返した。「私たちには、真実を知る権利がある。あなたの陰謀は明らかになった。これ以上、王国と人間界を戦争に引きずり込むことはさせない!」
影の魔法使いは不敵な笑みを浮かべ、強大な魔力を解放した。その瞬間、アクエリアスたちの周囲の海が激しく揺れ、暗闇が彼らを飲み込もうとした。しかし、アクエリアスは自身の力を最大限に引き出し、姉とルーファと力を合わせて立ち向かう決意をした。
「私は王国を守る……姉さまと一緒に、そしてルーファと共に!」
アクエリアスは叫びながら、自らの魔法を解放し、影の魔法使いとの最後の戦いに挑んだ。
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