婚約破棄？婚約者を実の兄にネトラレタ？

第四章: 密かな緊張と新たな発見

「次はどんな展開が待っているのかしら…」

そう呟きながらも、私は最近少し焦りを感じ始めていた。兄様とアルバルト様の関係が順調に進んでいるのは間違いない。だが、決定的な瞬間――いわゆる「転機」となるような大きな出来事がまだ訪れていないのだ。BL本のネタとしては、最高のカップルである二人の関係がこのまま進展し続けるのを見届けたい。しかし、もっとドラマチックな展開が欲しいと感じてしまう自分がいるのも事実だ。

とはいえ、焦ってはいけない。恋愛とはゆっくりと進むもので、急ぎすぎるのは禁物だ。私はそう自分に言い聞かせながら、観察を続ける覚悟を決めた。


---

ある日、私がいつものように二人の行動を観察していると、ふと気づいたことがあった。ここ数日、アルバルト様が兄様に対して少し距離を置いているような気がするのだ。特に、朝食の席での会話が短く、目を合わせることが少なくなってきている。

「これは……一体どういうことかしら？」

私はメモを取りながら、彼らの行動に何か変化があったことを確認した。これまで親密さを深めていた二人が、ここにきて少しぎこちなくなっている。何か問題が生じたのだろうか？それとも、アルバルト様が一時的に感情の整理をしようとしているのか。


---

観察日記11：距離の変化

日付：今日の朝

状況：アルバルト様が兄様との距離を感じさせる行動を取る。会話が少なく、目を合わせることを避けているようだ。

注目ポイント：何か問題が生じている可能性がある。二人の間に隠された感情が表面化する兆候かもしれない。今後の動向に注目。



---

その日の午後、私は引き続き二人の行動を観察することにした。特に、最近の変化を探るためにアルバルト様の様子に注目することにした。彼の心の中に何が起こっているのか――それを知ることができれば、次の展開を予測できるはずだ。

兄様は相変わらず冷静だが、アルバルト様は少し不安そうに見える。私はその不安の原因を突き止めたいという思いに駆られた。


---

その後、私が一人で宮廷内を歩いていると、偶然アルバルト様の姿を見かけた。彼は一人で歩いており、何かを考え込んでいるようだった。これはまたとないチャンスだ。私はすぐにその場を隠れ、彼の行動をじっと見守った。

すると、アルバルト様は一人で庭の奥へ向かって歩き始めた。私は静かにその後を追いかけ、木陰に身を潜めて観察を続けた。彼が座ったのは、以前二人で訪れた庭園のベンチだ。ここで彼が何を考えているのか、私はどうしても知りたかった。


---

しばらくして、アルバルト様はぽつりと呟いた。

「これで本当に良いのだろうか……」

その言葉を聞いた瞬間、私は心の中で何かが引っかかった。彼は一体何を悩んでいるのか？兄様との関係に迷いが生じたのだろうか。それとも、何か別の要因があるのか。

観察日記12：アルバルト様の独白

状況：アルバルト様が一人で庭園にて独り言を呟く。

注目ポイント：何かに対して疑念を抱いている様子。兄様との関係が原因か、それとも別の理由があるのか、さらに調査が必要。



---

その後、アルバルト様は再び立ち上がり、宮廷へと戻っていった。私はその姿を見送りながら、頭の中で様々な可能性を考えていた。彼の悩みは一体何なのか――これまで順調に進んできた関係に、何が影を落としているのか。


---

次の日、私はアルバルト様が再び庭園に向かう様子を見かけた。昨日と同じように一人で歩いているのを確認した私は、再び彼を追いかけた。彼が悩んでいることは確実だ。このチャンスを逃すわけにはいかない。

庭園に着くと、彼は再びベンチに座り、深い溜め息をついた。私はその様子を見ながら、しっかりとメモを取り始めた。


---

「兄様に……言うべきなのか。だが、それを言えば……」

彼はそう言って再び黙り込んだ。言うべきこと？一体何を隠しているのだろうか。ここまで聞いて、私の興味はさらに膨らんだ。どうやらアルバルト様は兄様に何か重要なことを隠しているようだ。その「秘密」が二人の関係に影響を与えているのではないだろうか。

観察日記13：アルバルト様の悩み

状況：再び庭園にて、アルバルト様が何かを兄様に打ち明けるべきか悩んでいる様子が見られる。

注目ポイント：アルバルト様が隠している「秘密」が兄様との関係に影響を与えていると推測される。今後の展開に注視。



---

「これは……新たな展開が始まるわね」

私は自室に戻ると、すぐに今日の観察結果を整理した。これまでの順調な進展とは違い、ここに来て二人の関係に何か問題が発生しているのは確実だ。それがアルバルト様の「秘密」に関わることなのか、そしてその「秘密」が兄様にどのように影響を与えるのか――私は次なる観察に向けてさらに意識を高めた。


---

そして、その夜。私は一つの決心を固めた。これまでの観察だけではなく、今後は二人の会話をもっと詳しく知る必要がある。私のBL本を完成させるためには、彼らの本心を引き出す必要があるのだ。

「明日こそ……決定的な瞬間を捉えなければ！」

私はそう決意し、ノートを閉じた。明日、アルバルト様と兄様の間で何が起こるのか、それを知るために私は準備を整えた。


---

続く