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ハロウィンの戦い
ハロウィンの戦いACT.2トリック オア イート 4
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その報はただちに各小隊に連絡された。
「こちらバニー小隊、バニー2より各小隊へ。小隊長が敵の狼の一人に拉致された。これよりバニー小隊は小隊長救出に向かう」
「高柳さんが・・・馬鹿もん!大の男が雁首そろえて何やっていたんだ!貴様らそれでも第7特殊部隊の一員か!」
「隊長、申し訳ありません。この借りは必ず自分達の手で」
「待て!我々も合流する」
「こちらミニスカリーダー。バニー小隊、チャイナ小隊各隊は担当現場にて待機、監視を続けてください」
「由美ちゃん!高柳さんを救出に行かせて」
リサが無線で由美に許可を求めてきた。
「だめです。敵の主犯の姿がまだ確認できてません。今の攻撃が陽動の可能性もあります」
「しかし・・・」
「美佐さんは優秀なエージェントです。救出に人員を裂いて敵に遅れを取ったら逆に怒られますよ」
「・・・了解」
由美は無線を切ると自部隊の交戦に復帰。
「皆さん!食用家畜どもを残らずミンチにしゃがれです!」
「おう!」
由美の指揮下の隊員達は豪雨のごとく銃弾をオークやミノタウロスに浴びせる。
一方アリスはカミラと供に宮の森家を訪れていた。
「本日はお招きいただきありがとうございます」
ありすとカミラは玄関で頭を下げる。
ありすがきたと聞いて喜んで出迎えに出た里美が不審気な表情を見せる。
「あの、ありすちゃん。不思議な事があるのだけれど」
「なに?」
「先ほど一度、会場にカミーラさんをご案内したのになぜまた玄関に?」
「あっ、もうこんなとこに入り込んでいたの」
「宮の森さん!それは私じゃありません。偽者です!」
「偽者!悪い魔法使いの手先とかですか!」
里美はわくわくした表情で聞いてくる。
「里美ちゃん、協力してもらえますか?」
「もちろんですわ!」
再び幹線道路横の森の奥深く。
狼男は抱きかかえてた高柳を静かに下ろす。
「こんなとこまでつき合わせて悪いな」
「どいうことですの?」
「いや何ね。もともと俺はあんたらと争うつもりなんかないってことさ」
「ちゃんと説明していただける?」
「俺ら狼の血族は本能的に吸血鬼の上位者には逆らえないのさ。仕方ないんで従った振りをして戦いのドサクサにとんずらする予定だったんだが。思わぬ怪我を負ったが、まあ予定通り」
狼男の右肩を見ると、えぐれたような怪我がある。
「その肩の傷は?」
「これか?これは自分でえぐったのさ」
左手の親指を立てて指差す。
「えっ?」
「銀の銃弾をもらっちまったのでそのままにしておくと銀の毒でやられる。銀の銃弾を取り出したのさ」
「ところであなたの名前は?」
「ん?ハロルド・モーガンだ」
「私は立場上、報告義務がある」
「わかってる。好きにするさ。こちらもあんたを元の場所へ送っていくわけにはいい。すまんが一人で戻ってくれ」
「我々は人間に害を及ぼさない奴までは狩り出したりはしない。ひっそり暮らすがいい」
「もともとそのつもりさ。」
高柳は来た方向へ向かって歩き出す。
歩きながら携帯を取り出して電話をかける。
「由美ちゃん?戦況はどう?」
「美佐さん、やっぱり無事だったんですね!」
「まあ、なんとか噛まれずすんだ。爪で引っかかれただけ。ところで私を救出しようなんて人員を裂いたりしてないでしょうね!」
「勿論!美佐さんの事を信用してますからきっと無事だって」
「そう。なら良いわ。余計な心配かけたわ。ごめんなさい。それで戦況は?」
「狼も食用家畜も片付いた。けど主犯の姿がまだ確認できない。」
「了解。すぐに現場に復帰するわ!」
携帯を切ると歩みを速める。
宮の森家、前庭。
カミーラは里美に見せたい物があるのとおびき出されていた。
「宮の森さん。見せたい物ってなにかしら?」
気がつくと先導していたはずの里美が、いつの間にかだいぶ後方にいる。
「見せたい者はこれよ!偽者さん」
アリスとカミラが植え込みの影から現れた。
「こっちが本物でしょ?」
「うそよ!貴女は騙されてるわ。その女が偽者よ!」
「アリスちゃんが本物って言ってるのだから。こっちが本物よね」
「まあまあ、落ち着いて危険だから私の後ろに」
里美の前に突然皇帝ペンギンがあらわれる。
「ひっ!なんですの?!」
「私はアリスの使い魔の遠山新衛門です。」
「つ、使い魔?使い魔って普通、猫じゃ?」
「君もそう思うだろう?」
「ね、猫がしゃべったー!」
足元に現れた黒猫に驚く。
「そこで驚くのか?その前にペンギンもしゃべってるぞ」
「その女が実は偽者って否定できないだろう」
カミーラがカミラを指差す。
「できるよー」
「どうして?!」
「ハロウィンなのに仮装していないお前が偽者!」
アリスの隣のカミラは白いブラウスに赤いスカートに猫耳にお尻に猫の尻尾をつけていた。もう一人は学校の制服のままだ。
「そんなの証拠になるものか!」
もう会話でばればれなにのなーと思いつつ次の方法に出る。
突然、アリスの目の前の地面に赤く輝く魔方陣が現れる。
「本物ならこの魔方陣の上に立って!本物判定魔方陣だよ。まずそっちのカミラちゃんから」
「もちろん本物だから平気よ」
カミーラは、いわれるままに魔方陣の上に立つ。
するとブーというブザー音と供に目の前に巨大な×マークが現れる。
「ほらやっぱり偽者!」
「あははは。こんなに簡単にばれるとは。本物と同じ肉体なのに。どういう魔法なの?」
「あ!これね。」
ありすが自分で魔方陣の上に立つ。
再びブーというブザー音と供に目の前に巨大な×マークが現れる。
「どいうことだ?」
「誰が立ってもこうなるの」
「貴様!騙したな!」
「はい、逃れようのない自白でしたね」
「おのれーっ!」
怒り狂ったカミーラは大人の姿へと変身する。
「こちらバニー小隊、バニー2より各小隊へ。小隊長が敵の狼の一人に拉致された。これよりバニー小隊は小隊長救出に向かう」
「高柳さんが・・・馬鹿もん!大の男が雁首そろえて何やっていたんだ!貴様らそれでも第7特殊部隊の一員か!」
「隊長、申し訳ありません。この借りは必ず自分達の手で」
「待て!我々も合流する」
「こちらミニスカリーダー。バニー小隊、チャイナ小隊各隊は担当現場にて待機、監視を続けてください」
「由美ちゃん!高柳さんを救出に行かせて」
リサが無線で由美に許可を求めてきた。
「だめです。敵の主犯の姿がまだ確認できてません。今の攻撃が陽動の可能性もあります」
「しかし・・・」
「美佐さんは優秀なエージェントです。救出に人員を裂いて敵に遅れを取ったら逆に怒られますよ」
「・・・了解」
由美は無線を切ると自部隊の交戦に復帰。
「皆さん!食用家畜どもを残らずミンチにしゃがれです!」
「おう!」
由美の指揮下の隊員達は豪雨のごとく銃弾をオークやミノタウロスに浴びせる。
一方アリスはカミラと供に宮の森家を訪れていた。
「本日はお招きいただきありがとうございます」
ありすとカミラは玄関で頭を下げる。
ありすがきたと聞いて喜んで出迎えに出た里美が不審気な表情を見せる。
「あの、ありすちゃん。不思議な事があるのだけれど」
「なに?」
「先ほど一度、会場にカミーラさんをご案内したのになぜまた玄関に?」
「あっ、もうこんなとこに入り込んでいたの」
「宮の森さん!それは私じゃありません。偽者です!」
「偽者!悪い魔法使いの手先とかですか!」
里美はわくわくした表情で聞いてくる。
「里美ちゃん、協力してもらえますか?」
「もちろんですわ!」
再び幹線道路横の森の奥深く。
狼男は抱きかかえてた高柳を静かに下ろす。
「こんなとこまでつき合わせて悪いな」
「どいうことですの?」
「いや何ね。もともと俺はあんたらと争うつもりなんかないってことさ」
「ちゃんと説明していただける?」
「俺ら狼の血族は本能的に吸血鬼の上位者には逆らえないのさ。仕方ないんで従った振りをして戦いのドサクサにとんずらする予定だったんだが。思わぬ怪我を負ったが、まあ予定通り」
狼男の右肩を見ると、えぐれたような怪我がある。
「その肩の傷は?」
「これか?これは自分でえぐったのさ」
左手の親指を立てて指差す。
「えっ?」
「銀の銃弾をもらっちまったのでそのままにしておくと銀の毒でやられる。銀の銃弾を取り出したのさ」
「ところであなたの名前は?」
「ん?ハロルド・モーガンだ」
「私は立場上、報告義務がある」
「わかってる。好きにするさ。こちらもあんたを元の場所へ送っていくわけにはいい。すまんが一人で戻ってくれ」
「我々は人間に害を及ぼさない奴までは狩り出したりはしない。ひっそり暮らすがいい」
「もともとそのつもりさ。」
高柳は来た方向へ向かって歩き出す。
歩きながら携帯を取り出して電話をかける。
「由美ちゃん?戦況はどう?」
「美佐さん、やっぱり無事だったんですね!」
「まあ、なんとか噛まれずすんだ。爪で引っかかれただけ。ところで私を救出しようなんて人員を裂いたりしてないでしょうね!」
「勿論!美佐さんの事を信用してますからきっと無事だって」
「そう。なら良いわ。余計な心配かけたわ。ごめんなさい。それで戦況は?」
「狼も食用家畜も片付いた。けど主犯の姿がまだ確認できない。」
「了解。すぐに現場に復帰するわ!」
携帯を切ると歩みを速める。
宮の森家、前庭。
カミーラは里美に見せたい物があるのとおびき出されていた。
「宮の森さん。見せたい物ってなにかしら?」
気がつくと先導していたはずの里美が、いつの間にかだいぶ後方にいる。
「見せたい者はこれよ!偽者さん」
アリスとカミラが植え込みの影から現れた。
「こっちが本物でしょ?」
「うそよ!貴女は騙されてるわ。その女が偽者よ!」
「アリスちゃんが本物って言ってるのだから。こっちが本物よね」
「まあまあ、落ち着いて危険だから私の後ろに」
里美の前に突然皇帝ペンギンがあらわれる。
「ひっ!なんですの?!」
「私はアリスの使い魔の遠山新衛門です。」
「つ、使い魔?使い魔って普通、猫じゃ?」
「君もそう思うだろう?」
「ね、猫がしゃべったー!」
足元に現れた黒猫に驚く。
「そこで驚くのか?その前にペンギンもしゃべってるぞ」
「その女が実は偽者って否定できないだろう」
カミーラがカミラを指差す。
「できるよー」
「どうして?!」
「ハロウィンなのに仮装していないお前が偽者!」
アリスの隣のカミラは白いブラウスに赤いスカートに猫耳にお尻に猫の尻尾をつけていた。もう一人は学校の制服のままだ。
「そんなの証拠になるものか!」
もう会話でばればれなにのなーと思いつつ次の方法に出る。
突然、アリスの目の前の地面に赤く輝く魔方陣が現れる。
「本物ならこの魔方陣の上に立って!本物判定魔方陣だよ。まずそっちのカミラちゃんから」
「もちろん本物だから平気よ」
カミーラは、いわれるままに魔方陣の上に立つ。
するとブーというブザー音と供に目の前に巨大な×マークが現れる。
「ほらやっぱり偽者!」
「あははは。こんなに簡単にばれるとは。本物と同じ肉体なのに。どういう魔法なの?」
「あ!これね。」
ありすが自分で魔方陣の上に立つ。
再びブーというブザー音と供に目の前に巨大な×マークが現れる。
「どいうことだ?」
「誰が立ってもこうなるの」
「貴様!騙したな!」
「はい、逃れようのない自白でしたね」
「おのれーっ!」
怒り狂ったカミーラは大人の姿へと変身する。
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