魔法少女ありす（ひらかな）

ハロウィンの戦い

ハロウィンの戦いＡＣＴ．２ トリック オア イート 1

「課長、特殊部隊は？」 
「すでに空自の駐屯地に入っている。しかし本当に今日何かあるのかね？」 
「可能性は高いと思います」 
由美は超常現象対策課の事務所で課長と話していた 
「何もなければ、それはそれでいいじゃないですか」 
「無論、何事も無いにこしたことはない」 
「じゃあ、ちょっと行ってきます」 
「どこへ？」 
「空自の特殊部隊のとこにブリーフィングしてきます」 
「判ったがその格好で行くのかね？ 
「何か問題でも？」 
「問題というより意図がわからん」 
ミニスカートにワイシャツ、ネクタイ、ベレー帽･･･ネイビーブルーを基調としたアニメに出てきそうななんちゃってミリタリー風ファッションだ。 
「ハロウィンだからです」 
「･･････楽しそうだな」 
「当然です」 
わざとおかしな敬礼をして出て行く。 

「隊長、空自の奴等が横目で見ていくぜ」 
「構うなほっとけ」 
彼らは、最精鋭の特殊部隊で彼らを運んできたのは最新鋭の輸送機でその回りにたむろしてる彼らをこの駐屯地に配属されてる兵士達が例外なく横目で見ていく。 
「俺たちじゃなくて隊長を見てるんじゃねーの」 
兵士の一人が軽口を叩く。 
彼らの隊長はリサ･北條少佐、金髪で巨乳という美女だった。 
「ちげーね。どうにも女っけのない基地だし」 
「男の視線など、蚊に刺さされるより気にならん」 
「そりゃあ、隊長は男の視線なんか慣れてるでしょうよ」 
「しかし、俺らは気にいらん。むさい男共の暑苦しい視線で隊長の乳が磨り減りかねん」 
「・・磨り減らんって」 
「失礼ですが第７特殊部隊ＧＲの方々でしょうか？」 
突然、話かけてきたのは信じられないことにバニーガールの姿をした女性だった。 
「私は、第７特殊部隊の隊長リサ･北條少佐だ。貴官は？」 
他の兵士かは嬌声をあげたり口笛を吹いてる。 
「自分は超常現象対策課エージェント高柳美佐です。皆さんを仮司令部にご案内します」 
「了解です。野郎共移動だ！」 
「了解。」 
さっきまで大騒ぎしていたのに彼らの行動はすばやく無駄が無い。 
そこらじゅうに置かれていた装備を手早くまとめすぐに移動準備が整う。 
「ところで高柳さん？」 
「はい？」 
「なぜ？バニーガールなのだ」 
きかないでーとずっと思ってた質問をされこめかみがぴくぴくする 
「ハロウィンだからです！」 
半ばやけくそ気味に答える 
「そうか･･･」 
リサはそれ以上、何もきかない。 
彼らは空自の空倉庫に案内された。 
「ここを自由に使ってください。」 
「ありがたい。これだけ広ければ装備を置くのにも困らん。」 
「まもなく今回のミッションの責任者が来ますので今しばらくお待ちください」 
「了解だ。野郎共。装備をセットアップしとけ！」 
「了解！」 
さすがに精鋭部隊である。通信機などの設置などが手早く行われ、武器の整備さえ進み彼らの司令部はすぐに機能し始めいつでも出動さえできる状態になっていた。 
倉庫の扉が開き一人の小柄な人影が現れる。 
逆光のためシルエットしか見えない。 
近づいて来るにつれてやがてその姿がはっきり見えてきた。 
ミニスカートにワイシャツ、ネクタイ、ベレー帽･･･ネイビーブルーを基調としたアニメに出てきそうななんちゃってミリタリー風ファッションの中学生ぐらいの少女だった。 
「由美ちゃーん！由美ちゃんだー！」 
リサは由美を確認すると全力で走って行ってハグする。 
「リサさん、おひさしぶり」と言う前にリサの巨乳に埋没してしまった。 
「会えて嬉しい～よ。結婚式には来て欲しかったのに～」 
抱きしめてる由美の体がガクッとなる。 
「えええっ？？？どうしたの由美ちゃん？しっかりして！」 
慌てて由美の体が落ちないように支える 
「…窒息するか思った」 
巨乳というより凶乳だなと思う由美なのだった。 

「はあー」 
ふらふらになりかけた由美はいすに座らせられていた。 
深く息をはく。 
由美とリサを中心に隊員たちが取り囲んでいた 
「ごめんね。由美ちゃん、嬉しくてつい･･･」 
「私もリサさんにまた会えて嬉しいよ」 
「隊長の乳は凶器だな」 
「やかましい！」 
隊員の一人が茶化してくる。 
「ところでそのお譲ちゃんは何者ですか？」 
「隊長の隠し子とか？」 

「馬鹿もん！私の子はまだお腹の中だ。この子は超常現象対策課のエージェントで今回のミッションの責任者だ。私の友人でもある」 
由美はふらふらと立ち上がる 
「超常現象対策課エージェントの工藤由美です。今回のミッションの現場指揮をとります」 
「こんな小娘が？」 
隊員達から不平の声があがる 
「この子は信用できる。不満があるものは私が話を聞く」 
リサがそう告げると隊員達は黙った。 
「リサさん。妊娠中で作戦に参加して大丈夫なの？」 
「平気。平気。適度な運動はお産を軽くするし」 
「そうかな･･･」 
そこに台車に大量の荷物を載せて高柳が押してきた。 
「由美ちゃん。持って来たよ」 
「ああ、美佐さん、ありがとう。似合ってるよ。その格好」 
「もうどうにでもして・・・」 
「リサさん。これを全員に装備してもらって」 
荷物の箱を開けてみると銀製の銃弾がぎっしりつまっていた。 
「こんなものが、必要な相手なの？」 
「事前に聞いていた装備の全種類の口径を用意してあります」 
「何だ？敵は狼男かい？」 
隊員の一人はおどけたつもりだった。 
「現在確認してるのは狼男とオークにミノタウロス、吸血鬼と思われる対象も確認されてます。」 
「由美ちゃん。小野君から連絡があって中央墓地で大規模な墓あらしがあったと。」 
台車を押してきた高柳が由美に報告する 
「それって･･･」 
「はい、そこらじゅうに何かが這い出したような穴が無数あったそうです」 
「標的にゾンビも追加です」