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カミラ

カミラ 2

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「どうした?学校で何かあったのか?」 
冴えない表情のまま寝転んでるカミーラの様子に黒猫が心配してる。 
「友達ができました」 
「それは悪いことなのか?」 
「悪いことじゃない。とってもいいことです」 
「それにしちゃ冴えない表情だな」 
「指名手配になっちゃっいました」 
「はあ?なんだそれは?」 
カミーラはラスカルに政府によって指名手配されてることを説明した。 
「馬鹿言ってんじゃないよ。たとえ政府でも罪なきものを陥れる事が許されるものか!」 
「ありがとうございます。ちょっとだけ元気が出ました」 
「初めてで疲れたんじゃないのか?」 
「ここから遠いし少し疲れたかもです」 
「明日も学校だろ早く休めよ」 
「でも宿題やってから休みます」 
「そうだな。いい子だな」 
「もうっ!子ども扱いしないでください。」 
カミーラは立ち上がりカバンから課題の出てるテキストとノートを取り出し机に向かう。 
「……難しい。……ラスカルさん」 
ラスカルはぴよんっと机の上に乗ってきた。 
「俺は猫だぜ。何を期待してる?」 
「教えてください」 
テキストを覗き込んで数字の羅列を見るとぎょっとして目をそらす。 
「猫に勉強を教えてもらおうなんて…。プライドはないのか?」 
「よく言うでしょ。溺れる者は、猫をも掴むって…」 
「藁だって!猫じゃねーって!」 
「ああそうか。猫の手も借りたいってこと」 
「たくっ。掴まれたら一緒に溺れるだけだ…」 
「使い魔のくせに役に立たないね」 
「宿題は自分でやるものだ。」 
ラスカルは机から降りると猫らしく丸くなって寝てしまう。 
「ああ~ん。ラスカルさんー。手伝ってくださいーよっ!」 
「猫に頼るな!」 
「寝ないでください!」 
「いいことを教えてやる。それっぽい答えを適当に書く。」 
「そんなのだめですー。」 
「とりあえずやってあればいいんじゃねー?」 
「だめですー。」 
「俺にやらそうとしたろう…」 
「教えてもらおうと思っただけですよ」 
「答えだけ教えてもらおうとしてるだろう……」 
「あはははは……」 

同日同時刻の超常現象対策課 事務所 
由美は自分のデスクについて難しい顔をしていた。
    

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