見た目は子供 頭脳は大人 公爵令嬢セリカ(ロングエディション)

最終章

第二章

セリカは結婚当初、「自由にやれる」というレクサスⅧ世の言葉を信じていました。しかし、彼が自ら統治を放棄し、王国のすべてを彼女に丸投げしているだけだと気づくのに、それほど時間はかかりませんでした。彼は酒を手に宮殿で日々を過ごし、国家の問題に関わる意志をまったく示しませんでした。すべての責任と重荷が、若きセリカの肩にかかっていたのです。

「これが『自由』だなんて、到底納得できない…」

セリカはそう考え、失望を通り越して、彼を王座から追放すべきだと考え始めました。彼女は一人で国を運営し続けることが困難であると実感し、真の指導者として国を導く覚悟を固めます。彼がただの観客として王座に居座り続ける限り、王国の未来は暗いものになると確信しました。

まず、セリカは信頼できる有力貴族や家臣たちに目を向けました。彼らの中には、すでにレクサスⅧ世の無責任さに不満を抱き、セリカの知恵と能力を評価している者が少なからず存在していました。セリカは、彼らと慎重に話し合い、協力を得ることに成功します。彼らもまた、国のために自らの立場を再考し、セリカが王座に就くことが最善であると考えるようになりました。

ある夜、セリカは王宮の一室で信頼のおける重臣たちを招集し、静かに計画を進めました。彼女は冷静に、そして力強く、自らの決意を彼らに語ります。

「この国には、真に国を守り導く王が必要です。私はその責任を負う覚悟があります。私たちの国と国民を、安心して暮らせる未来へ導くために、どうか力を貸してください。」

その場にいた重臣たちは皆、彼女の言葉に深い共感を覚え、彼女の決意に応じることを誓いました。彼らもまた、このままレクサスⅧ世が王位に就いている状況に危機感を抱いていたため、セリカの提案を受け入れることに躊躇はありませんでした。

セリカは彼らとの協力のもと、次第に実権を掌握し、王国の政策を自分の手で整え始めました。そして、レクサスⅧ世を王座から追放するための計画を具体化していきました。表向きは平静を装いながら、彼女は彼を取り巻く影響力を少しずつ排除し、彼の側近や家臣たちに自らの支持を求めるよう促しました。

ついに、彼女は彼の無責任さが王国全体にとっての害であると重臣たちに訴え、彼らの支持を得ることに成功しました。彼らもまた、このままでは王国が危機に瀕すると考え、セリカが王位に就くことが最も適切であると判断したのです。

「レクサスⅧ世は、もはや王としての責務を果たしていない。我々は彼を王座から追放し、この国に新たな時代をもたらす必要がある」

セリカの言葉に、重臣たちは一斉に賛同し、彼女のために行動を共にすることを決意しました。

セリカは冷静さを保ちつつ、迅速に行動を起こしました。そして、周到な計画のもと、ついに彼を宮殿から追放し、王座に就く準備を整えたのです。