フォックスハンティング

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終局

終局 3

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「遺体保存の魔術をかけてるのね。ゾンビも貴方の仕業か?」 

部屋を見まわすと魔術に関する書物が山ほど書棚に収められてる。 

「生きていても大して役に立たん連中だ。ゾンビになれば多少は役に立つ」 

冷たく言い放つ。 

「まあ~、セックスのことしか頭にないクズ野郎なのは間違いないけど、それはあなた方兄妹も同じだ」 

「私たちを侮辱するつもり?」 

麗子が食ってかかる。 

「ゾンビ達に女性をレイプするように命令したでしょ?」 

由美は麗子をスルーして話を続けた。 

「泣き叫ぶ女共を嬲り者にするためだ」 

隆は抱きしめていた奈央を静かにおろす。 

「女性は貴方の玩具じゃない」
 「 俺は綺堂家の次期当主だぜ。何をしようと俺様の自由。俺様以外の人間は俺様のために存在する」 

由美は呆れ返ってしまった。  

「お兄様!私達も襲われたんですよ!」 

瞳が孝にすがりつく。 

 「そいつは残念だ。見逃した」  

「お、お兄様!」  

「孝!」 

瞳も麗子も激昂して叫んでいた。
  
「はっはははは、所詮。お前らも次期当主の俺様の糧に過ぎんのさ」  

「そんな……お兄様!」 
 
「たーかーしー!」  

「ゾンビを停止してもらえます?」
 
瞳も麗子も由美も憮然としてる。 
 
「俺様に命令するな」 

グリッと銃口が孝の頭に押し付けられる。  
「無理にとは言いません。術者がいなくなればゾンビもただの亡骸にもどる」 

 「おい!冗談は、よ、よせよ……お、俺は、綺堂家の次期当主だぜ」 

隆は青ざめてうろたえてる。  

「見苦しい。それでも綺堂家の次期当主なの」 
 
「お兄様なんて大嫌い!」 

麗子も瞳も冷たく突き放す。
  
「実は私に依頼してきた国は綺堂家現当主から要請を受けて動き出したんです」  

「お父様から?」 
 
「綺堂家に相応しくない事態なら貴方ごと島を焼き払ってくれとのことです」  

「そんな。お父様が?」  

「お父様ならそう言うでしょうね」 

愕然とする瞳に対して麗子は比較的冷静を保っていた。  

「申し開きがあるなら直接お父上になさってください。その気があるなら避難に協力します。」 

「わかったわ。お父様に謝罪します。連れって行って下さい」  

「私も連れてって」  

「であなたはどうする?ゾンビを停止させてお父上に釈明するか?ここで骸になるか?」
由美は銃口を隆の頭に強く押し付ける。  
「や、やめてくれ、し、死にたくない」  

「じゃゾンビを止めてお父上に会うのね?」  

「だ、だめだ。親父にあったら親父に殺される」  

「選択肢は2つしかないよ」 

由美は隆の煮え切らない態度にじれてきた。  
「あんた、奈央さんやその他にもいっぱい殺したでしょ。その責任はどうするの?」 
 
「し、知らないよ!あいつらはあいつらの命なんて俺の命に比べたら価値がない。 それに奈央は死んで俺の物になった。死んで幸せになったんだ。そうだ!由美!お前は俺の妻にしてやる。特別に生きたまま傍においてやる。綺堂家次期当主の妻だぞ。」 
 
「うざい……」 

由美の眉間にしわがよる。 

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