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惨劇

惨劇 5

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「銃声……」  
「銃声っていったい」
今日子はリサの手をギユッと握り締める。  

「誰かがゾンビを倒してるのかも」  

「誰かって?」 

二人は恐る恐る階段を下りていく。
4階から3階に降りて3階フロアが見えると2人は、はっと息を飲んだ。 

そこには累々と死体が転がっており血の海と化していた。 
リサは何がおきてるのか確かめようと3階のフロアを覗き込もうとする。  

「リサ危ないよ。生きてるやつがいるかも」  

「ゾンビだから生きてないから……あっ!」  

「どうしたの?リサ……あっ!」

リサの後ろから覗き込むと廊下をこちらに向かって歩って来る少女いる。  
「由美ちゃん!」
今日子とリサが同時に叫んでいた。
由美は返り血を浴びて血に染まっていて右手には銃が握られていた。
しかも長かった髪は途中からバッサリと切られて短くなってる。 

「今日子さん、リサさん、遅くなってごめんなさい……無事でよかったって……あんまり無事じゃなかった?」

改めて全裸の二人を見つめる。  

「ちょ、ちょっと、あんま見つめないでよ。由美ちゃん」  

今日子はいちお手で隠そうとしてみるがあまりうまく隠せそうにないんであきらめた。
 
「由美ちゃんこそ無事でよかった。でもその髪は?」
 
「ああ。ゾンビに髪を掴まれてゾンビが手を離さないので髪のほうを切りました。」 

「由美ちゃんも大変だったみたいね。ところで……その銃、あなたっていったい?」  

「ああ。そうか今まで隠してたんだっけ、えと。私は国から依頼を受けて調査及びゾンビを退治に来た。アンデットハンターです。ちなみにこれが身分証です」 

内ポケットから取り出した身分証は、免許証と同じくらいのサイズのカードで由美の写真が貼られておりアンデットハンター 第1種 1級技能士と書かれていた。
  
「ほー?そんな免許あるんだ……」 

今日子とリサはあっけにとられてた。  
「まもなく国の特殊部隊が救援に来ますのでその救援部隊の船で避難してもらいます」  

「あの由美ちゃん、私達服を部屋に取りに行きたいんだけど」
  
「はい。部屋まで私が護衛します」 由美は二人を部屋まで送り服を着て出てきた二人を再び他の生存者たちの避難してる1階のホールへと案内した。
 
ホールにはバリケードが設置されており2人がホール内に避難するのにいちどバリケードを撤去して再度、バリケードを築くという手間がかかる作業を行わなければならない。  

「救援が来たら迎えをよこしますのでそれまではここに避難していてください」
由美はそう伝えると再度、階段を上に向かっていった。  
 麗子は全身が腐敗したゾンビに押し倒されていた。
下着だけだった麗子はすべて破かれ全裸にされていた。
腐敗した肉体が密着されてねちゃっとした感触に麗子は全身に鳥肌が立った。
「くっつくなー、汚物!」
腐った顔を麗子に近づけてきた。  
「まさか…よせ!やめろー!くせー」 
あまりの悪臭に顔をしかめる。  

「ぐおー」 

ゾンビが大きく口を開けて舌を出してきた。 
 
「いやーっ」 

麗子は顔を背けて抵抗するがゾンビは麗子の顔をなめはじめた。
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