23 / 30
惨劇
惨劇 3
しおりを挟む
「それはそうと14人分のこの死体はどうする?」
武田が部屋中に転がってる死体を見回した。
「森に埋めてくればいいだけのことです」
まるでごみでも廃棄するような口調で麗子が答える。
「おいおい誰がやるんだ。14人分ともなれば結構な力仕事じゃねーか」
「お願いできますか? 武田様」
「おーい、たった今一仕事したじゃねーか? しかもこれだけの数を一人でやれというのか」
「使用人たちにも手伝わせますわ」
麗子は室内用のPHSで使用人に連絡しようとする。
「変ね誰も出ないわ」
「……まさかゾンビに」
「えっ?」
「そんなことが」
瞳も麗子も動揺が隠しえない。
「武田様、バリケードを作ってドアを封鎖するのをお手伝い願えますか?」
「バリケード? あんな連中……」
「使用人は私たち3人を除いて全員で42人います。それが一度に襲ってきてもですか?」
「……わかったよ」
武田は部屋にあったソファーを一人で軽々と持ち上げ部屋のドアの近くまで移動する。
しかしドアが開きっぱなしになってるのに気がついて。
ドアを閉めるべく入り口に近づく。
そこへ突然乱入してきた腐った男に襲われた。
ふいを付かれいきなり噛みつかれてしまう。
武田は振りほどこう右手を振るとゾンビは2メートルぐらい吹き飛ばされた。
それでもゾンビはなに事もなかったように立ち上がってくる。
「うぐ……」
武田はそこにそのまま崩れ落ちた。 立ち上がってきたゾンビを見て全員そのおぞましさに恐怖した。
そのゾンビは顔が腐って右目がこぼれ落ちかけて左のほほの皮膚は完全に腐り落ちて外側から左側の歯と歯茎が見えてる。
「なんておぞましいの」
麗子が思わず口にしていた。
「えーいっ!」
昭子がモップを横になぎ払いそのゾンビ頭を吹き飛ばした。
腐りきったのゾンビの頭は非力な女のモップの一振りで意外にも脆くもちぎれ落ちた。
残されたのは女だけになった。
「臭いわね。その汚物どうにかしなさい」
麗子が命じた。
「はい」
昭子はもげ落ちた頭を髪の毛を掴んで持ち上げた。
「智子、祥子、体のほうを」
「えええええええええ……?」
「祥子……手伝いなさい」
智子は戸惑う祥子を促す。
二人は朽ち果ててる首なしの体の両脇を抱えて引き摺りながら運び始めた。昭子は窓を開けると腐った頭を外に放り投げた。
続いて智子と祥子も首なしの体を窓から突き落とした。
「でえーーーーーーーっ?」
「どうぇーーーーーーーーーっ?」
声は部屋の中と別荘の前の地上で発せられていた。
部屋の中の声の主の今日子はゾンビとはいえ仏さんにその扱いはいいの? と思わずにはいられない。
地上の声の主は突然、頭上から降ってきた腐った頭と体に驚いた由美だった。
「ゾンビ……だよね?」
思わず手にした銃の銃口でつんつんとつつく。
「こんなことのできる人がいるなんて予想外もいいとこだわ」
由美は別荘の最上階の辺りを見上げる。
武田が部屋中に転がってる死体を見回した。
「森に埋めてくればいいだけのことです」
まるでごみでも廃棄するような口調で麗子が答える。
「おいおい誰がやるんだ。14人分ともなれば結構な力仕事じゃねーか」
「お願いできますか? 武田様」
「おーい、たった今一仕事したじゃねーか? しかもこれだけの数を一人でやれというのか」
「使用人たちにも手伝わせますわ」
麗子は室内用のPHSで使用人に連絡しようとする。
「変ね誰も出ないわ」
「……まさかゾンビに」
「えっ?」
「そんなことが」
瞳も麗子も動揺が隠しえない。
「武田様、バリケードを作ってドアを封鎖するのをお手伝い願えますか?」
「バリケード? あんな連中……」
「使用人は私たち3人を除いて全員で42人います。それが一度に襲ってきてもですか?」
「……わかったよ」
武田は部屋にあったソファーを一人で軽々と持ち上げ部屋のドアの近くまで移動する。
しかしドアが開きっぱなしになってるのに気がついて。
ドアを閉めるべく入り口に近づく。
そこへ突然乱入してきた腐った男に襲われた。
ふいを付かれいきなり噛みつかれてしまう。
武田は振りほどこう右手を振るとゾンビは2メートルぐらい吹き飛ばされた。
それでもゾンビはなに事もなかったように立ち上がってくる。
「うぐ……」
武田はそこにそのまま崩れ落ちた。 立ち上がってきたゾンビを見て全員そのおぞましさに恐怖した。
そのゾンビは顔が腐って右目がこぼれ落ちかけて左のほほの皮膚は完全に腐り落ちて外側から左側の歯と歯茎が見えてる。
「なんておぞましいの」
麗子が思わず口にしていた。
「えーいっ!」
昭子がモップを横になぎ払いそのゾンビ頭を吹き飛ばした。
腐りきったのゾンビの頭は非力な女のモップの一振りで意外にも脆くもちぎれ落ちた。
残されたのは女だけになった。
「臭いわね。その汚物どうにかしなさい」
麗子が命じた。
「はい」
昭子はもげ落ちた頭を髪の毛を掴んで持ち上げた。
「智子、祥子、体のほうを」
「えええええええええ……?」
「祥子……手伝いなさい」
智子は戸惑う祥子を促す。
二人は朽ち果ててる首なしの体の両脇を抱えて引き摺りながら運び始めた。昭子は窓を開けると腐った頭を外に放り投げた。
続いて智子と祥子も首なしの体を窓から突き落とした。
「でえーーーーーーーっ?」
「どうぇーーーーーーーーーっ?」
声は部屋の中と別荘の前の地上で発せられていた。
部屋の中の声の主の今日子はゾンビとはいえ仏さんにその扱いはいいの? と思わずにはいられない。
地上の声の主は突然、頭上から降ってきた腐った頭と体に驚いた由美だった。
「ゾンビ……だよね?」
思わず手にした銃の銃口でつんつんとつつく。
「こんなことのできる人がいるなんて予想外もいいとこだわ」
由美は別荘の最上階の辺りを見上げる。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
視える棺―この世とあの世の狭間で起こる12の奇譚
中岡 始
ホラー
この短編集に登場するのは、「気づいてしまった者たち」 である。
誰もいないはずの部屋に届く手紙。
鏡の中で先に笑う「もうひとりの自分」。
数え間違えたはずの足音。
夜のバスで揺れる「灰色の手」。
撮ったはずのない「3枚目の写真」。
どの話にも共通するのは、「この世に残るべきでない存在」 の気配。
それは時に、死者の残した痕跡であり、時に、境界を越えてしまった者の行き場のない魂でもある。
だが、"それ"に気づいた者は、もう後戻りができない。
見てはいけないものを見た者は、見られる側に回るのだから。
そして、最終話「最期のページ」。
読み進めることで、読者は気づくことになる。
なぜ、この短編集のタイトルが『視える棺』なのか。
なぜ、彼らは"見えてしまった"のか。
そして、最後のページに書かれていたのは——
「そして、彼が振り返った瞬間——」
その瞬間、あなたは気づくだろう。
この物語の本当の意味に。
熾ーおこりー
ようさん
ホラー
【第8回ホラー・ミステリー小説大賞参加予定作品(リライト)】
幕末一の剣客集団、新撰組。
疾風怒濤の時代、徳川幕府への忠誠を頑なに貫き時に鉄の掟の下同志の粛清も辞さない戦闘派治安組織として、倒幕派から庶民にまで恐れられた。
組織の転機となった初代局長・芹澤鴨暗殺事件を、原田左之助の視点で描く。
志と名誉のためなら死をも厭わず、やがて新政府軍との絶望的な戦争に飲み込まれていった彼らを蝕む闇とはーー
※史実をヒントにしたフィクション(心理ホラー)です
【登場人物】(ネタバレを含みます)
原田左之助(二三歳) 伊代松山藩出身で槍の名手。新撰組隊士(試衛館派)
芹澤鴨(三七歳) 新撰組筆頭局長。文武両道の北辰一刀流師範。刀を抜くまでもない戦闘の際には鉄製の軍扇を武器とする。水戸派のリーダー。
沖田総司(二一歳) 江戸出身。新撰組隊士の中では最年少だが剣の腕前は五本の指に入る(試衛館派)
山南敬助(二七歳) 仙台藩出身。土方と共に新撰組副長を務める。温厚な調整役(試衛館派)
土方歳三(二八歳)武州出身。新撰組副長。冷静沈着で自分にも他人にも厳しい。試衛館の弟子筆頭で一本気な男だが、策士の一面も(試衛館派)
近藤勇(二九歳) 新撰組局長。土方とは同郷。江戸に上り天然理心流の名門道場・試衛館を継ぐ。
井上源三郎(三四歳) 新撰組では一番年長の隊士。近藤とは先代の兄弟弟子にあたり、唯一の相談役でもある。
新見錦 芹沢の腹心。頭脳派で水戸派のブレインでもある
平山五郎 芹澤の腹心。直情的な男(水戸派)
平間(水戸派)
野口(水戸派)
(画像・速水御舟「炎舞」部分)
視える棺2 ── もう一つの扉
中岡 始
ホラー
この短編集に登場するのは、"視えてしまった"者たちの記録である。
影がずれる。
自分ではない"もう一人"が存在する。
そして、見つけたはずのない"棺"が、自分の名前を刻んで待っている——。
前作 『視える棺』 では、「この世に留まるべきではない存在」を視てしまった者たちの恐怖が描かれた。
だが、"視える者"は、それだけでは終わらない。
"棺"に閉じ込められるべきだった者たちは、まだ完全に封じられてはいなかった。
彼らは、"もう一つの扉"を探している。
影を踏んだ者、"13階"に足を踏み入れた者、消えた友人の遺書を見つけた者——
すべての怪異は、"どこかへ繋がる"ために存在していた。
そして、最後の話 『視える棺──最後の欠片』 では、ついに"棺"の正体が明かされる。
"視える棺"とは何だったのか?
視えてしまった者の運命とは?
この物語を読んだあなたも、すでに"視えている"のかもしれない——。
終焉の教室
シロタカズキ
ホラー
30人の高校生が突如として閉じ込められた教室。
そこに響く無機質なアナウンス――「生き残りをかけたデスゲームを開始します」。
提示された“課題”をクリアしなければ、容赦なく“退場”となる。
最初の課題は「クラスメイトの中から裏切り者を見つけ出せ」。
しかし、誰もが疑心暗鬼に陥る中、タイムリミットが突如として加速。
そして、一人目の犠牲者が決まった――。
果たして、このデスゲームの真の目的は?
誰が裏切り者で、誰が生き残るのか?
友情と疑念、策略と裏切りが交錯する極限の心理戦が今、幕を開ける。
ルッキズムデスゲーム
はの
ホラー
『ただいまから、ルッキズムデスゲームを行います』
とある高校で唐突に始まったのは、容姿の良い人間から殺されるルッキズムデスゲーム。
知力も運も役に立たない、無慈悲なゲームが幕を開けた。
Catastrophe
アタラクシア
ホラー
ある日世界は終わった――。
「俺が桃を助けるんだ。桃が幸せな世界を作るんだ。その世界にゾンビはいない。その世界には化け物はいない。――その世界にお前はいない」
アーチェリー部に所属しているただの高校生の「如月 楓夜」は自分の彼女である「蒼木 桃」を見つけるために終末世界を奔走する。
陸上自衛隊の父を持つ「山ノ井 花音」は
親友の「坂見 彩」と共に謎の少女を追って終末世界を探索する。
ミリタリーマニアの「三谷 直久」は同じくミリタリーマニアの「齋藤 和真」と共にバイオハザードが起こるのを近くで目の当たりにすることになる。
家族関係が上手くいっていない「浅井 理沙」は攫われた弟を助けるために終末世界を生き抜くことになる。
4つの物語がクロスオーバーする時、全ての真実は語られる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる