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第3章: 王都の陰謀

セクション 3-3: 闇の襲来

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廃墟の奥から現れた影は、これまでカミラたちが対峙してきたものとは明らかに異質だった。巨大で、まるで生き物のようなうごめく闇が、廃墟の中に広がり、その姿を徐々に形作っていた。全員がその異様な存在感に圧倒され、場が静寂に包まれた。

「なんて大きな力……!」カミラは驚きと恐怖を覚え、思わず息を飲んだ。

エリオットも剣を抜き、目を細めてその影を見つめた。「こんなの……ただの影とは思えない。まるで生きているかのようだ。」

グレンは冷静に影を見据え、魔剣を構えた。「皆、戦闘態勢を整えろ。これはただの術者ではない。何か強大な力が宿っている。」

その言葉が終わるや否や、影は突然うごめき始め、廃墟の中に響き渡る音を立てた。まるで風が逆巻くような異様な音に、カミラの胸は高鳴った。影は徐々に人間の姿を模倣し、巨大な黒い戦士のような形を取り始めた。

「くっ……!」カミラは剣を握りしめ、いつでも動けるように構えた。

リシャールが冷静に前に出て、呪文を唱え始めた。「この影は、ただの魔術によるものではない。古代の力が作用している……おそらく、古の魔術師たちが使っていた儀式の一部がここで復活しているのだ。」

「古代の魔術……!」カミラはその言葉を聞いて、さらに警戒を強めた。

その時、影の戦士が突然動き出した。地面を強く踏み鳴らしながら、カミラたちに向かって巨大な腕を振り下ろしてくる。

「来るぞ!」グレンが鋭い声で叫び、全員が散開した。

カミラは素早く影の攻撃をかわし、その隙を突いて剣を振りかざした。だが、彼女の剣は影に触れた瞬間に弾き飛ばされ、まるで抵抗するかのように闇が反応した。

「この影、ただの剣では斬れない……!」カミラはその感触に驚き、後ろに飛び退いた。

「やはり……魔術的な対抗策が必要だな。」リシャールが落ち着いた声で言い、さらに呪文を唱え始めた。彼の周囲に光の輪が浮かび上がり、それが次第に大きな盾のような形を取り、影に向かって放たれた。

「これでどうだ……!」リシャールの魔法が影に命中し、一瞬、闇の戦士が後退したかに見えた。だが、すぐにその姿は再び形を取り戻し、カミラたちに向かって攻撃を続けてきた。

「魔法でも完全には倒せないのか……!」エリオットが焦りの表情を浮かべながら影を見つめた。

「まだ手はある……」リシャールは呟き、さらに強力な呪文を唱え始めた。その言葉が空気中に響き渡ると、周囲の魔力が震え始め、次第に一つの巨大な魔法陣が廃墟の地面に浮かび上がった。

「この古代の力を封じるには、魔術と物理の連携が必要だ。黒騎士団の力と、我々魔術師団の力を合わせるのだ!」リシャールが叫んだ。

グレンが素早く反応し、魔剣を高く掲げた。「全員、リシャール殿の魔法に合わせて攻撃を仕掛けろ!」

カミラとエリオット、そして黒騎士団の他の団員たちは、その指示に従い、一斉に影の戦士に向かって突進した。カミラは自分の剣に意志を込め、影に向かって全力で斬り込んだ。

「これで終わりにする……!」

彼女の剣が影に触れる瞬間、リシャールの魔法が解放され、影を包み込むように光の束が降り注いだ。影の戦士は苦しむようにうめき声を上げ、その姿が次第に崩れ始めた。

「いける!」エリオットが叫び、彼もまた剣を振り下ろした。

黒騎士団と魔術師団の連携攻撃により、影の戦士はついにその形を保つことができなくなり、完全に消滅した。廃墟の中に漂っていた不気味な闇が、ようやく晴れていくのが感じられた。

「やった……のか?」カミラは息を切らしながら剣を収め、廃墟の中を見渡した。

「影は消えた……しかし、まだ終わりではない。」リシャールが厳しい顔で言った。「これは、ただの前哨戦に過ぎない。影の力はまだ完全には封じられていない。我々はさらに奥に進む必要がある。」

その言葉に、カミラは改めて気を引き締めた。影の脅威は確かに一時的に抑えられたが、真の敵はまだ姿を見せていない。彼女たちは、この先に何が待ち受けているのかを確かめるため、さらに深く廃墟の奥へと進む決意を固めた。

「行きましょう、まだ終わっていない。」カミラは剣を握り直し、グレンやリシャールと共に廃墟の奥へと足を進めた。

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