**赤ずきんちゃん意外伝**

ヘッドショット ローザの誕生

第8章: 新たな挑戦**

熊を再び仕留めたあの日から、私は以前とは少し違う気持ちで日々を過ごしていた。自分の力を試し、確信を得たことで、心の中にあった迷いが少しずつ晴れていった。だけど、それでもまだ完全に答えが見つかったわけではない。

「自分の道を探すには、もっとたくさんのことを経験しないといけない……」

そう思いながら、私は毎日森に足を運び、猟銃の練習や動物たちの観察を続けていた。自分の力を信じ、前進するために。

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ある日、父さんが突然私を呼んだ。

「赤ずきん、ちょっと話があるんだ」

父さんは、猟銃を持ちながら私に近づいてきた。いつも真剣な顔で話をする父さんだが、今日はどこか違う雰囲気を感じた。

「何？」

「お前が最近、森で色々と練習していることは知っている。だが、そろそろ次のステップに進む時だと思ってな」

「次のステップ……？」

私は少し驚きながら、父さんの言葉に耳を傾けた。

「お前はもう一人前の猟師として、十分に力をつけている。だが、ローテ家の伝統はただ単に害獣を撃ち倒すことだけではない。森の自然を守り、動物たちと共に生きていくことが本当の使命なんだ」

その言葉に、私はまた新しい気づきを得た。確かに、猟師としてただ害獣を倒すことだけが目的ではない。動物たちと共存し、自然を守ることが私たちの使命なのだ。

「それを教えるために、今度一緒に森の奥へ行こうと思う」

「森の奥……？」

森の奥は、普段私が行っている範囲を超えた深い場所にある。そこにはまだ見たことのない生き物たちが暮らしているという話を、父さんから何度か聞いたことがあった。

「そうだ。そこには、我々猟師が守ってきた自然の秘密がある。お前もそれを学ぶべきだと思っている」

父さんの目は真剣そのもので、私はその言葉を受け入れるしかなかった。

「分かった、行くよ。もっとたくさん学びたい」

私は心の中に新たな決意を抱き、父さんと共に森の奥へ向かう準備を始めた。

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翌日、父さんと私は猟銃と必要な道具を持って、朝早くから森の奥へと向かった。普段私が歩いている場所を超え、さらに深い場所へと足を踏み入れていく。木々は次第に大きくなり、光が差し込む量も少なくなってきた。

「この辺りから、少し慎重に進もう。動物たちが驚いて逃げないように、静かに歩くんだ」

父さんの指示に従い、私は足音を殺して進んだ。森の奥は、普段の森とは違って神秘的な雰囲気が漂っていた。木々はまるで生き物のように私たちを見守っているような感覚があり、動物たちの気配も至る所から感じ取ることができた。

しばらく進むと、父さんが手を上げて私を止めた。

「見てみろ、あそこだ」

父さんが指差す先には、小さな池があり、その周りにたくさんの動物たちが集まっていた。シカ、ウサギ、そして鳥たちが静かに水を飲んでいる。私はその光景に目を奪われた。

「こんな場所があったなんて……」

「ここは人間があまり来ない場所だからこそ、動物たちが安心して集まれるんだ。だから、我々猟師はこうした場所を守ることも大切な使命なんだよ」

父さんの言葉に、私は胸を打たれた。猟師としてただ動物を撃つだけではなく、こうした自然を守ることも重要だということに気づかされたのだ。

「お前はこれまで害獣を倒すことを学んできたが、それと同じくらい、こうして動物たちの暮らしを守ることも大切なんだ」

父さんの言葉に、私は深く頷いた。猟師としての本当の使命、それは自然と動物たちを尊重し、共に生きることなのだと理解した。

「これからは、お前自身がこの森を守っていく役割を担うんだ。自分の道を探すためにも、この森で多くを学び、考えていくんだ」

父さんの言葉が、私の心に深く刻まれた。森の奥に来たことで、私は新たな視点を得ることができた。

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帰り道、私は父さんと肩を並べながら、森の中の美しさとその静けさを感じていた。今まではただ森に来て狩りをすることが目的だったけれど、これからはもっと広い視野で自然を見つめ、動物たちとの共存を考える必要があると感じた。

「自分の道を見つけるには、まだまだ時間がかかるかもしれない。でも、この森が私にとって大切な場所であることは間違いない」

私は心の中でそう決意した。

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家に帰ると、母さんが私たちを出迎えてくれた。

「どうだった？ 森の奥に行って、何か新しいことが見つかった？」

「うん、たくさんのことを学んだよ。これからもっと森について知りたいと思った」

私は母さんにそう答え、微笑んだ。母さんも満足そうに頷いた。

「それなら良かったわ。これからも自分のペースで進んでいけばいいのよ」

その言葉に、私はまた一歩前に進んだ気がした。これから先、どんな道を歩むかはまだ分からないけれど、少しずつ自分自身と向き合いながら、進んでいける自信が芽生えてきた。

「これからも、この森でたくさんのことを学び続けていこう」

私は森の方を見つめながら、未来に向かって新たな一歩を踏み出す決意を固めた。

（第8章 終）

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