サマージャンボドリーム

声優オファーとオーディション

5章1

プロジェクトがついにアフレコの段階に差し掛かった。映像が完成し、次に待っているのはキャラクターたちに命を吹き込む声優たちの演技だった。直樹は、この段階でも妥協するつもりはなかった。むしろ、ここが作品の魂を形作る最も重要な部分だと感じていた。

直樹は、アフレコに参加する声優陣を選ぶ際にも細心の注意を払った。彼の目指すクオリティに見合う声を持つ人を厳選し、特にヒロイン役には絶対のこだわりがあった。彼の中には、すでに理想の声があり、それを現実のものにするためには、誰を選ぶかが非常に重要だった。

「アフレコのスケジュールは少し長くなるかもしれませんが、クオリティには妥協したくないんです。少しでも納得できないところがあれば、何度でもやり直しますから」と、直樹は音響監督に告げた。

音響監督もその意気込みに応え、「直樹くん、その情熱、しっかり受け止めたよ。最高の仕上がりになるように協力する」と力強く答えた。