サマージャンボドリーム

プロフェッショナルとの共演

第四章5

### 第4章: 追加シーン ― テレビ局からの圧力

アニメ制作が進行する中、直樹のプロジェクトは再び外部からの圧力を受けることになった。しかし、今回は直樹ではなく、制作会社の社長である佐藤洋一がそのターゲットとなった。

ある日、制作現場にテレビ局からの訪問者が現れた。彼の名は鈴木、テレビ局の営業担当で、業界内ではしたたかな交渉術で知られていた。鈴木は親しげな笑顔を浮かべながら、佐藤社長に話しかけた。

「社長、お忙しいところ申し訳ありません。ちょっとお話したいことがありましてね」

佐藤は鈴木を制作現場の隅に連れて行き、話を聞くことにした。鈴木は少し表情を引き締め、静かに本題に入った。

「社長、これまでの我々との関係を考えると、このプロジェクトもぜひ我々と一緒に進めていただきたいんです。資金援助を含めて、いろいろとお手伝いできることがあるかと…」

鈴木の言葉には、明らかな圧力が込められていた。「うちとのいい関係を続けたいでしょう？ぜひ、前向きに検討してくださいよ」という言葉には、佐藤が何らかの行動を取らなければならないという暗黙の了解が含まれていた。

しかし、佐藤の返答は鈴木の期待とは真逆のものだった。佐藤は一瞬黙り込んだ後、目を輝かせて鈴木に答えた。

「鈴木さん、私は今、すごく燃えているんですよ。このプロジェクトに関わることで、作画監督をやっていた頃の熱意が再び蘇ってきたんです。こんな気持ちになるのは初めてです。だから、申し訳ないですが、あなたの提案は受けられません」

鈴木は驚きの表情を浮かべた。「社長、それは少し考え直してもらえませんか？」

しかし、佐藤は首を横に振り、力強い声で断言した。「このプロジェクトは、私にとって特別なものです。水をかけるような話は、どうかご遠慮願います」

鈴木はその言葉に言い返すことができず、仕方なくその場を去った。佐藤は再び制作現場に戻り、熱心にスタッフたちと共に仕事に取り組み始めた。

直樹がこの一件を知ったのは後日のことだった。佐藤から話を聞き、彼の強い意志とプロジェクトに対する情熱に心から感謝の気持ちを抱いた。

「社長、ありがとうございます。これからも、クオリティを最優先に頑張りましょう」と直樹は佐藤に言った。

佐藤は微笑んで頷き、直樹と共にプロジェクトをさらに前進させる決意を新たにした。二人の信念と情熱が、この作品を最高のものにしていく原動力となっていた。