サマージャンボドリーム

アニメ制作という挑戦

第3章 2

しかし、直樹は諦めることなく、次の一手を考えた。まず、自分一人で制作会社に話を持ちかけるのは無謀だった。そこで、プロに相談する必要があると感じた彼は、弁護士事務所に足を運んだ。

事務所で待っていると、担当の弁護士が現れた。彼女の名前は西村美咲、冷静で知的な印象を持つ女性だった。直樹は事情を説明し、アニメ制作に関する契約や権利の問題について相談した。

「なるほど、直樹さん。お話を聞いている限り、本気でアニメを作りたいという気持ちが伝わってきます。それなら、私がアニメ制作会社との間に立って、契約のサポートをさせていただきます」

美咲はそう言って、直樹に自信を持たせてくれた。彼女の助けを借りれば、きっとこの夢は実現できる。直樹は、再び前を向く決意を固めた。

その後、美咲の手配で、直樹はアニメ制作会社の社長と直接会う機会を得た。契約のためのアポイントメントを取り、いよいよ社長と対面する日がやってきた。

「本当に、大丈夫だろうか…」

直樹は不安を感じつつも、会議室に入った。そこには、経験豊富な制作会社の社長、佐藤洋一が座っていた。冷静な目つきで直樹を見つめる佐藤に対し、直樹は精一杯の勇気を振り絞って、自分の夢を語り始めた。

「僕は、アニメが大好きです。そして、自分の手で最高のアニメを作りたいんです。ただ、テレビ放映や劇場公開は今のところ考えていません。クオリティを最優先にして、純国産のアニメを作りたいんです」

佐藤は直樹の話を静かに聞いていたが、やがて口を開いた。「アニメの制作にいくらかかるか、知ってるかね？」

直樹は少しの間を置いてから、ポケットから一枚の書類を取り出した。そして、それを佐藤の前に置くと、静かに答えた。「大丈夫です。僕はこのために、お金を準備しています」

その書類には、銀行口座の残高が記されており、そこには4億円という驚くべき数字が書かれていた。

佐藤は目を見開き、驚きを隠せなかった。「宝くじで当てたお金です。自分のために好きに使うつもりです」と直樹は説明した。

一瞬の沈黙が流れた後、佐藤は笑みを浮かべた。「なるほど。君は本気のようだね。わかった、君の夢を実現させるために、最高のアニメを作ろう」

こうして、直樹のプロジェクトは正式に始動した。アニメ制作という未知の世界への挑戦が、今まさに動き出したのだ。